市川染五郎「伊達の十役」倍返し発言

歌舞伎俳優市川染五郎が5月から明治座で、「伊達の十役」を演じると報道されています
「伊達の十役」は40回もの早変わりや、300以上の台詞をこなさなければならない難しい演目で、江戸時代から久しく舞台にかけられてこなかった作品です
記事には市川染五郎の発言として、「お客さまには倍返し、いや数倍でお返しします」と載っています。歌舞伎を見ない方にはこれだけでは何のことやら意味不明だと思われますので、私見を加えて説明します

(引用元の記事が削除されました)

市川染五郎は「伊達の十役」を復活させて成功を収めた市川猿翁(当時は、市川猿之助)から、この大舞台の主演を務めるよう勧められた経緯があるわけですが、もろもろの事情で実現しませんでした。それが11年前です
おそらく「染五郎では(伊達の十役は)早すぎる」とか言われ、企画の実現には至らなかったのでしょう
その間に市川猿翁は市川海老蔵にも、「君がやりなさい」と声をかけており、海老蔵は染五郎よりも先に「伊達の十役」を演じ成功を収めています
この市川海老蔵の評判を苦い思いで聞いていたのが、市川染五郎だったと思われます
歌舞伎役者としてのキャリアで言えば市川染五郎の方が格上なわけで、「伊達の十役」を演じる自信は十分にあったのでしょう
その一方、「市川海老蔵を歌舞伎界の大スターに」との空気があるのは事実であり、海老蔵に次々と大役を与え、近い将来には市川團十郎襲名へと進むのが既定路線になっています
当然、役者として負けてはいないと思っている中堅どころの歌舞伎俳優たちは面白くありません。染五郎の「倍返し」発言の裏には、そんな歌舞伎役者の意地とプライドが隠されているのでしょう
市川猿翁が何を思って染五郎と海老蔵に「伊達の十役」を勧めたのかは不明です。歌舞伎界を担うスターとしてライバル関係にあるのを承知の上で、両者を競わせようとしたのか、あるいはボケてしまって先約があるのを忘れていたのか
ともあれ、市川染五郎としては先に演じた市川海老蔵と比較されるのを承知の上で舞台に立ち、役者としてどちらが優れているか、その力量を示してやろうと
の覚悟があり、それが倍返し発言に繋がったと推測されます

「明治座 五月花形歌舞伎」-市川染五郎インタビュー


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