沖縄密約訴訟最高裁判決 西山元記者ら敗訴

1972年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書の存在を巡る西山事件については、当ブログでも過去に取り上げました。また、山崎豊子が西山事件をモデルにした書いた小説「運命の人」がテレビドラマ化された際にも、この事件を取り上げています
西山事件とは当時毎日新聞記者だった西山太吉が、外務省の女性事務官(既婚者)を口説き落とし、肉体関係をもった上で外務省の秘密文書を入手、沖縄返還を巡って日米政府間で密約が交わされたとスクープした後、逮捕されたものです
西山記者は一貫して日米間の密約を暴いた自分の功績を主張し、女性事務官との不倫関係を利用して秘密文書を手に入れるという取材方法への批判を、「密約の本質を隠ぺいするためのもの」だと軽視する姿勢を示してきました
取材のためなら何をしても許されるべきだ、とする西山記者の言い分には辟易とさせられます。人倫を無視してジャーナリズムの正義を説く態度には怒りすらこみ上げてきます
さて、その沖縄密約を巡る外務省公文書の開示を求める裁判ですが、文書の開示と損害賠償を認めた東京地方裁判所の判決があったものの、東京高裁では密約の存在を認めつつも、「行政機関情報公開法の施行前に秘密裏に廃棄するなどした可能性は否定できない」と文書の開示を求めた請求を退けました
そして本日14日、最高裁判所は東京高裁判決を支持して西山元記者らの上告を退ける判決を言い渡しています
西山元記者の取材方法や、その後の主張(自分の逮捕もメディアによるバッシングも沖縄密約という重大事を隠すための陰謀)については上記のとおり、許せないものがあります
しかし、この裁判の本質はまた別です
今回の最高裁判決は行政機関が「存在しない」とする文書は、開示を請求する側がその存在を証明しない限り公にできない、との判断を示すものです。行政機関が特定の文書を保存しているか、隠しているのか、こっそり廃棄したのかを市民が確かめる術はないのですから、この判決は極めて厳しく、不当なものだと言えます

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