韓国メディア「ノーベル文学賞の取るには民族文学は不利」

恒例のノーベル賞発表の時期を迎え、韓国のメディアはいかにすればノーベル賞が取れるのか、といった記事を頻繁に掲載しています
その中からノーベル文学賞に関するものを紹介します
韓国では毎年、民族派の詩人である高銀をノーベル文学賞候補であると宣伝し、受賞に期待を寄せているのですが、実現しません
この時期は韓国の民族文学がどれほど優れたものであるか、を外国人文学者に語らせて自画自賛する記事が出たり、逆に韓国の民族文学の特殊性がかえって理解を阻害し、優れた作品があるのに世界から評価が得られていないと悔しがる記事が出たりと、揺れ動いています
今回は後者の、民族文学に固執すべきではないとの意見を表明した文学者の意見を聯合ニュースが取り上げています。元の記事が韓国語のため、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に掲載された蚯蚓記者の翻訳を引用します


毎年10月になると全世界の文学界の視線がスウェーデンに集まる。スウェーデン翰林院が発表するノーベル文学賞のためだ。隣国、日本や中国と違い受賞者を出せない韓国文壇は毎年、この時期にノーベル文学賞受賞の可能性に期待と焦燥が交錯する毎日を送る。今年も同じだ。
ノーベル文学賞受賞の前提条件でもある韓国文学の世界化のためには民族文学をあきらめなければならないという指摘が提起された。文学評論家であり独文学者のキム・ジュヨン淑明(スンミョン)女子大名誉教授は詩の専門月刊誌「有心」10月号に「韓国文学、世界文学なのか」というタイトルの寄稿文をよせ、「韓国文学が世界文学になるには何より狭い意味の民族文学をあきらめなければならない」と指摘した。
(中略:キム教授の紹介)
キム教授は「文学はすべての抑圧に抵抗する自由の実体的形状であり秩序だから、どの様な種類の条件や状況にも制限を受けず、その垣根を跳び越えて、その垣根自体を壊す。従って国家と民族、人種を越える場で文学は文学らしい偉大性を立証する」と主張した。
また、最近、民族文学を世界文学市場に商品として出そうとする動きがあるとし、「人類の普遍性、すなわちすべての人類が共有できる問題の代わりに'私たちのこと'という次元で私たち自ら興奮し、概念と作品を規定することは世界文学にのぼることと正面から矛盾する」と批判した。
それと共に「'私たちのもの'を捨ててこそ'全てのもの'を得ることができるという話」と説明した。
彼はゲーテの'ファウスト'などドイツ文学の世界文学編入過程を紹介しながら「民族文学の行き過ぎた強調は場合によっては世界文学との間にかえって壁を作りやすい。もはや韓国人の臭いの代わりに人間の臭いが込められた詩や小説、ドラマが出てこなければならない」と力説した。
続けて「その国がどの国であろうが、ノーベル文学賞受賞作は常にこのような作品に与えられた事実を記憶する必要がある」とし、川端康成と大江健三郎など二人の受賞者を輩出した日本を例にあげた。
世界の文学的理解に接近し注目するほどの韓国作家としては故イ・チォンジュンとイ・スンウを挙げた。韓国文学翻訳院長だった彼は「民族文学的思考を捨て、人類普遍の命題と感情に立った思考を持って世界文学として韓国文学を育てなければならない」とし、これと共に私たちの文学を英語に翻訳して知らせることにも力を注がなければなければならないと指摘した。
ソース:聯合ニュース(韓国語) "ノーベル賞受けようとするなら'韓国人の臭い'代わりに'人間の臭い'私は作品使わなければ"


いつものようにノーベル文学賞欲しさから、「どうすればノーベル文学賞が取れるか」との発想に囚われているのが伝わってきます
これは韓国の民族性を全面に押し出した詩人高銀がなかなか受賞できないがゆえに、民族性丸出しの文学ではノーベル文学賞に届かない、との懸念を表明したものと受け取れます
言うまでもなく川端康成にしろ、大江健三郎にしろ、ノーベル文学賞が欲しくて小説を書いていたわけではなく、受賞のためのノウハウを研究し、審査員受けを狙ったりはしていません
しかし、韓国はノーベル文学賞欲しさゆえに、その成功のノウハウがどこかにあるに違いないと邪推し、近道を探しだそうと躍起になっているのです
大江健三郎の場合、既成の日本文学への反逆児という位置づけであり、新作が発表されるたびに評価を巡って論争が起きるほど尖った作家でした
多くの日本人が文学作品に親しみ、小説がしばしば社会現象を起こすという日本の土壌、素養があってこそ川端康成や大江健三郎といった作家が登場したのであって、その逆ではありません
南米の詩人がノーベル文学賞を受賞すれば、「小説よりも詩の方がノーベル文学賞を取るのに有利だ」などという論評を掲載している韓国ですから、文学を育む土壌や素養を欠いているのは明らかです

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