「ウクライナ侵攻」 経済制裁に揺れるロシア

ウクライナ国内で親ロシア派への支援を続けるロシアですが、西側諸国の経済制裁と原油価格の下落により、苦しい状況に追い込まれつつあるようです
他方で、マレーシア航空機を撃墜した事件については進捗がなく、新ロシア派による対空ミサイル発射の責任を追及は宙に浮いたままです
ウクライナ問題で譲歩はしないという強気の構えのプーチン大統領ですが、このまま経済制裁に起因するインフレ、通貨安などが国民の暮らしを直撃するようでは支持率を落とす可能性もあり、いつまでもつっぱり続けるわけにはいかないと思われます
「ニュースの教科書編集部」がロシア経済の今について解説していますので、紹介します


経済制裁による通貨安と原油価格の下落でロシア経済はすでにボロボロ?
ウクライナ問題をめぐる対ロ制裁に加えて原油価格の急激な下落がロシア経済を窮地に追い込んでいる。このまま原油安が続けば、ロシアのウクライナ政策は見直しが迫られることになるかもしれない。
ウクライナ問題の発生以後、米国を中心とする西側各国はロシアに対して経済制裁を行ってきた。経済制裁が決定した2014年7月以降、ロシアからの資金流出が加速し、通貨ルーブルは対ドルで25%も下落した。ロシアからの直接投資や証券投資の資金流出は上半期の段階で8兆円に達しており、すでに2013年の2倍近い金額となっている。
経済制裁後は資金流出がさらに加速している可能性が高い。ロシアは過去の資源輸出で蓄えた55兆円の外貨準備があり、すぐに支払いに窮するような状態ではない。だが外貨準備は着実に減少してきており、ロシアの企業は資金の融通が困難な状態となりつつある。
(中略)
ロシアは自国に十分な産業インフラがなく、同国の経済は基本的に天然ガスを中心とした資源輸出に支えられている。ルーブルの下落は輸入価格の上昇につながっており、ロシアではインフレが進行している。中央銀行は、インフレに対応するため政策金利を相次いで引き上げており、年初の5.5%からすでに9.5%まで上昇している。しかし、物価上昇はとどまる気配がなく、経済成長の落ち込みと合わせてスタグフレーションの状態に突入しつつある。
ロシア経済にとってさらに打撃となっているのが原油価格の急落である。ロシアの輸出の6割はエネルギーで占められている。原油価格の下落によってエネルギー価格が低下すれば、ロシアは経常赤字に転落してしまう可能性がある。天然ガスの価格は長期契約のものが多いので、すぐに輸出額が減少することはない。だが、市場はこうした状態をすでに折り込み始めている。
(後略)


今年の8月の時点では、ロシアへの経済制裁はロシアだけでなく日本を含む西側諸国への悪影響が及ぶ、とこれに反対する論調が目立ちました
ウクライナという局地的な問題で経済制裁を発動し、大きなダメージを負う必要があるのかという批判です。日本のメディアも有識者の意見を借りる形で、政治的な効果も定かではないロシアへの経済制裁に日本が加担する理由はない、との見解を示していました
しかし、上記のようにロシアの通貨ルーブルは対ドル相場で大きく下落し続け、ロシア国内では輸入に依存している消費財の値上がりが著しく、国民の暮らしを直撃する事態に陥っています
そろそろ各国首脳が話し合いによって、ウクライナ問題の決着を図るべき時期なのではないか、と思います
マレーシア航空機を撃ち落とした可能性のある親ロシア派民兵の関係者を国際法廷に引き渡し、事実の解明を進めるべきでしょう

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