松戸女子大生殺人事件を考える8 裁判員制度を否定

平成21年に千葉県松戸市で千葉大学の学生だった荻野友花里さん(当時21歳)が殺害され、部屋が放火された事件では、1審の千葉地方裁判所が死刑判決を言い渡したものの、2審の東京高等裁判所ではこれを破棄して無期懲役の判決が下されています。最高裁も2審の判断を支持したため、この事件は無期懲役で決着しています
さて、本事件の2審である東京高裁で死刑判決をひっくり返した村瀬均判事について、週刊誌「女性自身」が記事を掲載していますので取り上げます


裁判員制度なんのために…死刑判決3回覆した“民意無視”裁判官
2月12日、東京高裁の第805法廷。村瀬均判事は、午前中だけで3つの裁判の裁判長を務めていた。窃盗、強盗殺人、覚せい剤などの裁判。本紙記者が見る限り、ひたすら杓子定規に判決を下す、真面目な裁判官という印象だった。
この村瀬判事を名指しで指弾する犯罪被害者の遺族がいる。’09年10月に起きた「松戸女子大生殺害放火事件」の被害者、荻野友花里さんの両親である。母親の美奈子さんが言う。
「“放火”といいますけど、娘は殺された後、体に直接火をつけられたんです。犯人の竪山辰美は娘を殺す前も殺した後も、何件もの強盗・強姦事件を起こしています。犯行は残忍で悪質極まりないと、’11年6月に千葉地裁の裁判員裁判で死刑判決が下されました。それにもかかわらず、’13年10月、東京高裁で死刑が棄却され、無期懲役になりました。この判決を下したのが村瀬だったんです」
減刑の理由を村瀬裁判長は「計画性がなく、1人殺害の強盗殺人で死刑となった例がない」と説明。遺族は上告したが、2月3日、最高裁で千葉勝美裁判長が無期懲役を支持し、死刑判決の破棄が確定した。
(中略)
実際、実施から5年以上たち、制度は予想以上に形骸化している。’09年に起きた「南青山マンション男性殺人事件」も、’10年に起きた「長野一家3人殺人事件」も、裁判員制度の死刑判決が上級審で覆されたのだ。2月に入り、裁判員裁判が出した死刑判決が、立て続けに3件も上級審で破棄されている。
ある弁護士が匿名を条件に話す。
「東京高裁の刑事部は全部で9あるんです。だから、重大事件でこんなに同じ裁判長が担当になるはずがない。これは最高裁の意向を受けて、意図的にやっているとしか思えません。あえて言えば、裁判所全体で前例を守ることに汲々としているんです」
(後略。「女性自身」に掲載された記事より引用)


上級審が裁判員制度で判決を出した地方裁判所の結論を無視してひっくり返したり、差し戻すケースが増えており、当ブログでも何度か言及しました
まさに前例踏襲(この場合は判例)であり、過去の判例に反する量刑は認めないと、プロの裁判官たちが結託しているのが見えます
これでは司法の改革など建前で終わってしまい、民意を無視した裁判官の独善だけがまかり通る世の中になってしまいます
過去の判例はあくまで過去のものです。世の中の変化、人々の価値観や人生観の変化に応じて裁判所の下す判断が変化するのは当然であり、むしろ判例を重視して量刑の基準を変化させまいとするプロの裁判官の方が異常と言えます
裁判員による判断を高等裁判所や最高裁判所が否定すること自体、「裁判にド素人が口出しするんじゃない」と、裁判員制度そのものを否定しているも同然であり、司法の専横、独善です
我々一般国民には東京高等裁判所の村瀬判事の罷免を要求することはできないのですが、ブログを介して司法の専横、独断を糺していきたいと思い、取り上げました

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