秋葉原17人殺傷事件を考える21 最高裁で死刑確定

平成20年に秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込み、7人を殺害し10人に重軽傷を負わせた加藤智大被告の上告を最高裁判所は退ける決定を言い渡し、1審判どおり死刑が確定しました


昨年12月18日に開かれた上告審弁論で弁護側は、加藤被告が利用していた携帯電話サイトの掲示板について、「被告の偽物が現れ、家族同様だった掲示板での人間関係が壊されたと思い強いストレスを受けた。事件当時は急性ストレス障害だった可能性がある」と指摘。「被告は事件当時、心神喪失もしくは心神耗弱だった疑いがある。完全責任能力を認めた1、2審判決は誤りだ」として極刑回避を求めた。
検察側は「完全な責任能力を認めた判決に誤りはない」と死刑維持を求めていた。
(産経新聞の記事から引用)


さて、この事件については当ブログで随分と多くの言及を重ねてきました。加藤智大が犯行動機を、「掲示板でなりすましの被害に遭ったからだ」と言い張り、それ以外の動機をかたくなに否定して現在に至っています。そのような彼の建前にとらわれたまま事件を語ったところで、事件の意味にはたどり着けないと指摘してきました
今回最高裁で死刑が確定しても、加藤智大は自分の主張を変えるつもりはないのでしょう
自分の私見としては母親への報復として加藤智大は無差別殺人を敢行し、母親を告発する意図があったものと考えます。そして自分の家族をめちゃくちゃに壊そうとしたのだと解釈します
事件の結果、父母は心労で大きく傷つき、実弟は自殺に追い込まれました。加藤智大の報復は実現したも同然ですが、それで加藤自身が満足したはずもなく、納得もしていないのだと思います
家族を破壊し目的を達成したとしても、そこには何もないからです
もちろん、自らの手で殺害した7人の被害者やその家族について加藤智大は考えもしないのであり、関心を払ったりはしません。被害者は無関係な存在であり、加藤の眼中にはないのですから
この事件に関して多くの発言をし、著書もある北海道大学公共政策大学院准教授の中島岳志は「秋葉原事件は止められた」と主張しているのですが、自分にはそうは思えません

「秋葉原事件は止められた」加藤智大の手記から読み解く、現代社会の生きづらさ

中嶋岳志は、「自分は正しくこの事件を読み解き、理解している」と思っているのでしょう。が、現代社会の生きづらさと口にする時点で、読み誤っていると感じます
加藤智大に居心地のよい場所を提供したからといって、彼の中に鬱屈していた母親への憎悪を解消できたとは考えられず、せいぜい彼が暴発するのを先延ばしにする程度の効果しかなかったと考えます

(関連記事)
秋葉原17人殺傷事件を考える1 長引く裁判の狙い
秋葉原17人殺傷事件を考える2 加藤智大というイコン
秋葉原17人殺傷事件を考える3 現実との境界
秋葉原17人殺傷事件を考える4 加藤智大の甘え
秋葉原17人殺傷事件を考える5 母親の供述調書
秋葉原17人殺傷事件を考える6 加藤被告の「夜這い」
秋葉原17人殺傷事件を考える7 すべては加藤被告のパフォーマンス
秋葉原17人殺傷事件を考える8 すべては掲示板のせい?
秋葉原17人殺傷事件を考える9 突飛な行動へと走る理由
秋葉原17人殺傷事件を考える10 「加藤よ、裏切ったな」
秋葉原17人殺傷事件を考える11 責任能力認定
秋葉原17人殺傷事件を考える12 死刑求刑も無表情
秋葉原17人殺傷事件を考える13 中身のない最終陳述
秋葉原17人殺傷事件を考える14 被告に死刑判決
秋葉原17人殺傷事件を考える15 かみ合わない親子
秋葉原17人殺傷事件を考える16 「成熟格差社会」という指摘
秋葉原17人殺傷事件を考える17 事件から4年
秋葉原17人殺傷事件を考える18 控訴審で死刑判決
秋葉原17人殺傷事件を考える19 加藤智大の手記「解」
秋葉原17人殺傷事件を考える20 実弟の自殺
「秋葉原事件」加藤智大が「黒バス脅迫事件」を語る
釧路イオンモールで無差別殺人 犯人を取り押さえる
釧路イオンモール無差別殺人 松橋伸幸容疑者の素顔
新幹線3人殺傷事件を考える 小島一朗容疑者とは
新幹線3人殺傷事件を考える 小島容疑者は自閉症?
新幹線3人殺傷事件を考える 両親との葛藤・対立
原宿自動車暴走事件 大量殺人計画
原宿自動車暴走事件 運転者を逮捕

解 (Psycho Critique)
批評社
加藤 智大

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 解 (Psycho Critique) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル