文藝春秋が神戸連続児童殺傷事件家裁決定を全文掲載

雑誌「文藝春秋」に神戸での連続児童殺傷事件を取り扱った家庭裁判所の少年審判決定が全文掲載され、論議を呼んでいます
刑事裁判の判決は公開され入手可能ですが、少年審判の決定は非公開であり、一般の目に触れる機会はありません
以下、産経新聞の記事を引用します


神戸市須磨区で平成9年に起きた連続児童殺傷事件で、当時中学3年の加害男性を「医療少年院送致」とした神戸家裁決定の全文が月刊「文芸春秋」に掲載されたことを受け、公益社団法人「ひょうご被害者支援センター」(神戸市中央区)は15日、文芸春秋と、男性の少年審判を担当した元裁判官で決定全文を提供した井垣康弘弁護士(大阪弁護士会)に抗議文を送付した。
同センターは、事件で次男=当時(11)=を失った土師守さん(59)が監事を務めており、土師さんの意向を踏まえ、抗議文を出すことを決定した。
抗議文では、「非公開の家裁決定の全文公開は、遺族に多大な衝撃を与え、いたたまれない心境にある。精神的苦痛は大きく、二次被害が起きている」と指摘。文芸春秋に対しては、掲載誌の回収を求め、井垣弁護士には「元裁判官としての守秘義務に違反している」と訴えた。
文芸春秋は「文書が届き次第、対応を検討する」、井垣弁護士は「届いていないのでコメントできない」としている。


息子を殺害された土師さんは、過去の痛烈な傷を暴き出される措置だと受け止めたのでしょうし、抗議する気持ちも理解できます
しかし、日本社会に大きな衝撃を与えた事件の全容が「非公開」のまま伏せられているのは、納得できないと感じている国民も少なくないと思います。自分もその1人です
仕事柄、この事件に関しては非公式なルートで情報を得ていたものの、全体像を把握したと言い切れるほどではありません
事件から時間も経過した今、この事件の詳細を明らかにし、同時に医療少年院での処遇経過も明らかにして、論議してもよいのではないでしょうか?
被害者遺族の方々にしてみれば、傷口に塩を塗られる思いがあるのかもしれませんが、このまま事件のすべてを非公開のままにしておくのが最善策だとは考えられないのです
少年たちによる殺人事件が起こるたび、「何故このような事件が起きたのか、真相を解明し徹底的に議論すべき」だとの意見が登場するのですが、実際にそのような取り組みはほとんど実現しません
現在捜査が進んでいる多摩川の河川敷で中学生の少年が殺害された事件にしても、メディアがさまざまな問題提起をしていますが、それに対して一部の有識者が自説を述べるに留まっています。これでは、「二度とこのような事件を起こしてはいけない」との願いも、単なるお題目で終わってしまうわけで
さっそく文藝春秋を入手し、家庭裁判所の決定を読んで上でいま一度、神戸連続児童殺傷事件について考えようと思います

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