ラーメン殺人判決公判も美談扱いの怪

2014年9月末、東京北区のラーメン店で体重120キロの巨漢が他の男性客とトラブルになり、足蹴りにした上に踏みつけ殺害する事件がありました
容疑者である会社員今西伸一郎容疑者(37)は、暴行を加えた後ぐったりとしている被害者を省みることもなくラーメンとチャーハンのセットを注文。これを食べてい間に警察官が到着し逮捕されました
この今西伸一郎容疑者に対する判決公判があったのですが、東京地方裁判所は検察側の懲役10年の求刑に対して、懲役7年の実刑判決というあまりに軽い刑罰を言い渡しています
以下、週刊文春の記事の一部を引用します


(前略)
事件は午前0時ごろ。通報を受けて到着した警察は、眼前の光景に目を丸くした。
「被告は手に付いた血をトイレで洗い流し、席に戻ると、みそラーメンと半チャーハンを要求。料金を支払った上で、男性が倒れている店内で平然と食べ続けたのです。警察官も『食べている場合じゃないだろう』と一喝しましたが、『このまま捕まるとちゃんとした食べ物は取れなくなる』と考えたそうです」(同前)
法廷では少し痩せて見えた今西被告だが、事件当時は身長175センチ、体重120キロの巨漢。高校時代はラグビー部で鍛えたこともあった。犯行の有様と“〆”のラーメンからは残忍な犯人像が浮かび上がる。だが、法廷では弁護側があらゆる手を駆使して擁護を続けていた。
司法関係者が話す。
「弁護士から母親が傍聴に来ているかを訊ねられると、被告はいきなり号泣。しばらく証言できなくなるほどでした。『なんでやったか分からない』としおらしく話し、『踏み足に体重はのっていなかったので重傷になると思わなかった』と言ってのけた。裁判員も困惑していました」
そして運命の判決日。10年の求刑に対し、園原敏彦裁判長は懲役7年を言い渡した。
「判決では犯行後のラーメンについて、『眉をひそめる向きもあるだろうが、被告を更生させて社会復帰を図るという刑罰の目的に照らし有意なものとはいえない』と、検察側の『量刑に考慮すべき』とする主張を退けたのです。傷害致死罪の最高刑は20年。7年は短い気もしますが、実は検察官が若手で、裁判官に『意図が不明』と突っ込まれる場面もあった。追及失敗の印象が拭えません」(同前)
こうして“最後の晩餐”は許されたのだった。


体重120キロの男が踏みつければ死に至らしめる可能性があったものの、殺意があったとは認定できないとして殺人罪ではなく、傷害致死罪に問われた裁判でした
弁護側としては殺害行為とはまったく関係のない母親の話を持ち出し、被告を号泣させて裁判官や裁判員の同情を買う法定戦術だったのでしょう
法定では今に被告の母親が証言に立ち、いかに親孝行な息子であるかを熱弁したとも伝えられています。家で酒を飲むことはなかったなどなど。母親が息子をかばうのは当然ながら、親子の芝居にすっかり騙された感がします
なお、亡くなった被害者は家族、親族が判明せず、無縁仏となっています
つまり今西被告は損賠賠償を請求されることもなく、のうのうと7年の懲役刑を務めれば社会復帰できるわけで、間尺に合わない限りです
被害者の命、人生はそんなに軽いものだったのでしょうか?

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