神戸連続児童殺傷事件 少年Aの手記出版

1997年の神戸連続児童殺傷事件は、その猟奇的な犯行と逮捕されたのが14歳の少年だったという事実で、社会を震撼させた出来事でした
逮捕された酒鬼薔薇聖斗こと少年Aは、被害者の家族に対して毎年手紙を書き送っていたのですが、少年Aの代理人である弁護士はその内容はマスコミ等に公開しないよう条件をつけていました
ところが今回、元少年Aは書き綴った手記を出版すると報じられています
自分の書いた手紙は非公開扱いを要求しておきながら、被害者家族への断りもなしに手記を売ろうとする魂胆はいかなるものなのでしょうか?


神戸連続児童殺傷事件・加害男性が手記を出版 性的な衝動を告白、仮退院後は日雇いアルバイトと記述
神戸市で平成9(1997)年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性(32)が、事件を起こすまでの経緯や現在の心境などを「元少年A」の名前でつづった手記「絶歌」(太田出版)を出版したことが10日、分かった。
太田出版によると、男性は手記の中で、事件前からの性的な衝動を告白。事件に至るまでの精神状況や、平成16(2004)年に関東医療少年院を仮退院した後、日雇いアルバイトで生計を立てていたことなどを記している。巻末では遺族や被害者家族への思いもつづった。
男性は14歳だった9年2~5月に神戸市須磨区で小学生5人を襲い、小4女児=当時(10)=と小6男児=同(11)=を殺害、3人に重軽傷を負わせた。同年6月に兵庫県警に逮捕され、16年3月、仮退院した後、17年1月に本退院となって社会復帰した。
(産経新聞の記事から引用)


以前、当ブログでは元少年Aこと東慎一郎には事件について説明する責任があると書きました
そうした説明の責任とは別にして、金儲けを企むいずれかの出版社を通じて手記なり告白本を出す可能性は考えられました。もちろん、その印税の一部を被害弁償に充てるという美談も込みで
しかし、手記を出版したいのであればその思いや経緯を遺族側に事前に伝えておくべきでしょうし、原稿を送って目を通してもらうという手順を踏むこともできたはずです。それをしなかったのは東慎一郎の手抜かりであり、配慮不足であり、また出版に反対されるので事前には知らせたくなかった、というのが本音でしょう
通常、殺人犯が手記を出版するからとって被害者遺族の了承を取り付ける必要はありません
しかし、東慎一郎が被害者遺族に毎年手紙を書き送り、謝罪の念を表明し、和解を求めてきたのならば、今回の行為は信頼関係を踏みにじるものであり、裏切りだと言わざるを得ません
なぜ配慮を欠いた行動に出たのか、本人に確かめなければ分かりません
しかし、出版を仲介したエージェントなりジャーナリストがいたなら、金にするため反対するであろう遺族には無断で話を進めた可能性が考えられます(表向きは事件の真実を社会に伝える義務が君にはある、とでもそそのかして)
手記の内容ではなく、その出版の経緯でケチが付いてしまった格好です。これでは印税の一部を被害弁償に充てると申し出ても、遺族は受け取りを拒むはずであり、和解どころではないと言えます
もちろん、東慎一郎が自ら事件について語ろうとする行為事態には十分意味があり、否定するつもりはありません。ならばなおさら、被害者遺族に配慮すべきだったのではないか、と思うばかりです

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