「音楽コンクールで台頭著しい韓国勢」という記事

産経新聞の記事で、「国際音楽コンクールにおける韓国勢の台頭が目覚ましい」との記事がありましたので紹介します
若い演奏家の育成に「国策」として取り組んでいると評価し、それに比べて日本は劣っていると指摘する内容です(文中では日本の音楽教育の水準がこの20年間向上していると、音楽コンクールの審査員も務める有名ヴァイオリニストに語らせていますが)
長文なのでそのさわりの部分だけを以下、引用します


国際コンクールで台頭目覚ましい「韓国勢」…日本は後塵、国策で「才能教育」を支える
日本人をはるかにしのぐ
(前略)
今月10日に予選が始まった第15回チャイコフスキー国際コンクール。ピアノ、バイオリン、チェロ、声楽の4部門に、世界45カ国623人の応募があった。国別に見ると、開催国のロシアに次いで多いのが韓国。次いで中国、日本、アメリカと続いた。予選に残ったのは240人。このうち日本は12人だったのに対して韓国は35人と3倍近い。
近年の国際コンクールでは、韓国勢の活躍が目覚ましい。今年5月のエリザベート王妃国際音楽コンクールのバイオリン部門では、決勝に進んだ12人のうち韓国がアメリカと並んで最多の3人を占めた。日本からは毛利文香さんのみ(6位に入賞)、そして優勝は韓国のイム・ジヨンさんの手に渡った。
留学受験ツアーも
韓国勢の活躍が注目されるようになったのは十数年前から。その象徴的なできごとが2008年、パリで開かれた若手バイオリニストの登竜門、ロン=ティボー国際コンクールだった。シン・ヒョンスさんが韓国人として初めて同コンクールで優勝して話題となった。
というのも当時、ヒョンスさんに本格的な海外留学の経験はなく、9歳で韓国国立芸術大学のプレスクールに入学を認められて以来、国内での教育のみで腕を磨いてきた。そのため、同国の音楽教育の水準の高さを証明した格好になったのだ。
韓国では国を挙げて文化政策に力を入れている。1993年には国の行政機関である文化観光部(現・韓国文化体育観光部)が「韓国芸術総合学校」を設立。日本の文化庁が平成24年度にまとめた「諸外国の文化政策に関する調査研究報告書」によると、同部の予算は2008年度から2013年度の間に65%も増加しているという。
(以下、略)


先日、当ブログではショパンコンクールの予選について触れました
かつての東側、社会主義国は早期英才教育に熱心であり、すぐれた音楽家や体操選手を世に送り出していました。「社会主義体制が優れたものである」と世界にアピールするためです
いまなら中国がその代表であり、熱心に国際音楽コンクールに参加者を送り出しています
そうした輝かしい成果の裏には、幼少時から親元を離れ全寮制の音楽学校や体育学校に入学したものの、怪我や病気、才能不足のため挫折して去っていく少年少女が大勢いるのですが、メディアは決してそちらを注目したりはしません
途中で落ちこぼれた者は、国家の庇護の対象外なのです
さて、韓国が国策として若い才能の教育に熱心なのはその通りなのでしょうし、成果を挙げているならば結構な話です
ならば日本もそれを真似るべきなのでしょうか?
ここが重要なところです
有名な先生のいるピアノ教室に通い、レッスンを受けるにはお金がかかります。自分もこどもの頃、週末に地方からわざわざ東京まで出向いてピアノのレッスンを受けている女子生徒の話を耳にしたことがあります。親の負担は大変なものだったはずです
結論から言えば、高額なレッスン料を負担できる裕福な家庭のこどもでないと、才能があってもその道へ進むのは難しい、という現実が日本にはあるわけです
確かにピアノやヴァイオリンなど、芸事と見下す風潮も日本社会には根強くあり、そんな芸事(遊び)ために国費を支出するのはとんでもないとの意見もあります
他方で、芸術や文化が人々の心を豊かにする大切な役割を担っており、若い才能を支援すべきだとの意見もあります
問題は若い才能をのばそうとする仕組みを作っても、中間で詐取されてしまい、若い音楽家の卵の手に届かない業界の様態にあるのかもしれません(スケート協会の若手選手育成費を、協会の役員がネコババしていたという酷い事件もありました)
若いスポーツ選手に直接現金を支給するのは、「若い連中に金をもたせたら碌なことはない。堕落する」との精神論至上主義者が猛反対するため、実現が難しいのです
そしてスポーツ界の指導者、重鎮と言われる人の大多数が精神論至上主義者です
音楽業界も精神論至上主義だとは言いませんが、若手音楽家の卵に直接奨学金を与える制度を歓迎しない指導者がいるわけです。指導者の側に国費が支給されるのなら大歓迎でしょうが
日本では選挙のたびに国民が「福祉の充実」を要求してきました。その結果、社会保障費は膨らみ続け、生活保護の給付だけでも年間3兆7千億円という巨額の予算が使われているのです。本来、生活保護に値しない人たちまで養うために
こうした無駄を省けば、若い音楽家の育成のために年間50億円程度の予算を組むのは決して不可能ではないと思います(日本の奨学金制度はいまだに貸与が中心であり、返済不要の給付を嫌がるところが問題ですが)

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