神戸連続児童殺傷事件「元少年A」がホームページ開設

太田出版から手記「絶歌」を出し、世間を呆れさせた神戸連続児童殺傷事件の犯人「少年A」こと東慎一郎が、今度はホームページを開設したと報じられています
週刊文春や週刊新潮に手紙を送りつけ、「絶歌」と自分に対する報道に不満を表明しているのだとか
このホームページ開設をもって、「本人は更生していない」とか「反省していない」と批判する向きもあるのですが、自己顕示意欲だけで「更生していない」と断じるのはおかしな話です
もちろん、「絶歌」の出版が被害者家族を傷つけたのは事実であり、それも東慎一郎は承知の上でやっているのでしょう
自己の存在を世に示したい、あるいは自分の身の内にあるドロドロとした欲望を世間に暴露したいとの欲求がもともと彼の中にあったと考えられます
少年院に入って後、そうした欲求が封じられてしまったことへの反発もあり、彼は「絶歌」の出版に執着したものと推測されます。ホームページは彼の欲求をは発現する場であり、機会があればメディアの直接取材に応じるのかもしれません
ただ、上記のようにその部分をもって「更生していない」と決めつけるのは、危険な意見です。手記の出版は道義に反する行為(不道徳)と言えますが、犯罪ではないのですから
こうして世間を挑発しその反応を眺めつつ、さらなる露出を考えている間は、犯罪の一歩手前で踏みとどまっていられるのかもしれません(危うい状態ですが)
さて、「絶歌」出版時の論評など紹介しきれていない情報もありますので、取り上げます
産経新聞の別の記事から引用です


(前略)
手記は「僕」を主人公に見立てた小説風。特に犯行を軸とした第1部には、村上春樹や太宰治、ドストエフスキーが引用され、文体にも文学的表現が漂う。
「あなたはこれから神父になる」「二十年以上ものあいだ心の金庫に仕舞い込んできた自らの“原罪”ともいえる体験を、あなたに語ろうと思う」などと凝った導入部分もある。
「やはり出したか」。事件当時14歳だった加害男性を知る元捜査関係者は「事件で声明文を出し、犯行前も多くの文章を書いており、表現することに関心があった。いつか手記を出すのではないかと危惧していた」と語る。
元捜査関係者によると、加害男性は終始無表情で取り調べに応じたといい、「こちらが聞きたいことを理解し、迎合する傾向があった。誘導しないよう気をつけた」と振り返る。聴取の様子が詳細に記されているが、取り調べ場所が異なるなど間違いも多いという。
(中略)
医療少年院送致を決定した元神戸家裁判事の井垣康弘弁護士「更生への一歩」
本を読み、子供が書いたような文章だという印象を受けた。被害者遺族への配慮が足りず、自分を客観視できていないような稚拙な表現も目立つ。出版に異議を唱える声があるのも分からないでもないが、私はあえて肯定的に捉えたい。
元少年Aが医療少年院を退院した後、サポートチームから離れ、周囲との関わりを避けながら生きてきた日々は見事な失敗だった。自分を隠さず生きる方法を模索し、唯一残された道が書くことだったのだろう。
出版は社会の中で人間関係を築いて生きていこうという彼の決意の表れだと感じる。自分自身の言葉で事件を語ったことは更生への一歩だ。今後、被害者のために印税を使い、これまでしてこなかった贖罪(しょくざい)行動に力を入れてほしい。
言論の自由は憲法が定める基本的な権利だ。本は公序良俗に反する内容を含んでおらず、回収や差し止めがなされるべきではない。
被害者遺族に事前に出版を伝えた方がよかったとは思うが、多くの人の賛同が得られないからといって出版が容認されない社会はおかしい。彼の書いたことを踏まえ、社会は教訓をくみ取るとともに、彼の贖罪行動を支援してほしい。


さて、「元少年A」こと東慎一郎は何をしたいのでしょうか?
勝手に想像すると、「絶歌」の反応(本が売れたという事実)を踏まえ、少年院を出たあとの生活を虚実ないまぜにした小説もどきの自伝第二弾の出版が、当面の目標ではないか、という気がします
まあ、それも「村上春樹風」の作家ごっこなのでしょうが、彼自身は「文学的センス」を認められたい欲求が強いようです
文藝春秋社ならば彼の自伝的小説を「文学界」に掲載し、芥川賞候補にするくらいのあざとい真似をするのかもしれません

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