名古屋大女学生殺人を考える5 ようやく刑事裁判へ

昨年12月、名古屋大学に在学する女子学生が77歳の女性を殺害し、世間を震撼させた事件の少年審判があり、名古屋家庭裁判所はこの元女子学生を検察官送致とする決定を言い渡しています
逮捕から随分と時間が経過しており、司法手続きの進捗をもっと迅速にすべきではないかと思います。特にこの事件では2度の再逮捕があり、2度の精神鑑定が実施され、それだけでも半年以上の時間を費やしています(検察庁が1回精神鑑定を実施し、さらに家庭裁判所が精神鑑定を実施)
以前にも述べましたが、精神鑑定にもお金がかかり、その費用は税金で賄われます。精神鑑定は1回につき60万円から90万円かかり、適切な司法手続きのために必要とはいえ、検察庁や裁判所が同じ被疑者・被告人に何度も精神鑑定を実施するのは異常です


名古屋市で女性を殺害し、宮城県で高校時代の同級生らに猛毒のタリウムを飲ませたなどとして、殺人や殺人未遂などの非行内容で送致された名古屋大の元女子学生(19)について、名古屋家裁は29日、少年審判を開き検察官送致(逆送)すると決定した。名古屋地検は10日以内に起訴するかどうか判断する。起訴されれば成人と同様に裁判員裁判で審理される。
決定によると、元女子学生は昨年12月、名古屋市の自宅アパートで同市の森外茂子(ともこ)さん(当時77歳)の頭をおので数回殴った上、マフラーで首を絞めて殺害したとされる。また2012年5~7月には宮城県の高校の同級生ら2人に猛毒の硫酸タリウムを飲ませ、殺そうとしたとされる。他にも14年12月に同県内の民家に放火し、住民を殺そうとしたことなど、計六つの非行内容を認定した。
岩井隆義裁判長は決定理由で、元女子学生が森さん殺害の動機について「人が死ぬ過程を観察したかった」などと供述したことに対し、「自らの好奇心を満たすための実験として行われ、酌量の余地はなく、犯行態様は極めて残虐」などと指摘。また、殺人以外の非行内容は「一連の流れの中で行われた犯行で、殺人と切り離して扱うことは相当でない」とした。
その上で、精神鑑定結果を踏まえ、「他者の気持ちを理解することができないとか、特定の物事に異常に執着するという精神発達上の障害があった」と認定。しかし「責任能力に問題はなく、障害の影響は限定的で、原則通り逆送の決定が相当」と判断した。
(毎日新聞の記事より引用)


これで弁護人が、「被告の発達障害について十分な鑑定がなされていない」と主張したのなら、裁判官は3度目の精神鑑定実施に踏み切るかもしれません
ただし、有罪か無罪かを決めるのは精神科医の仕事ではなく、あくまでも司法の役割です
幼女連続殺人事件の宮崎勤のように幾つもの精神鑑定書が乱立し、かえって混乱を招くような事態は避けるべきでしょう
一部のメディアはこれで「事件の真相が明らかになる」と期待を寄せています少年審判のような密室の中だけで事が処理されるのを批判しているのでしょう
ですが、刑事裁判だからといって「事件の真相」が明らかになるとは限りません
被告が「火曜サスペンス劇場」みたいにペラペラと犯行に至った経緯を整然と語っるのを期待するのは大間違いであり、むしろ被告の発言に振り回されてしまう展開もあり得るからです

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