山形マット殺人事件 賠償金支払わず放置

殺人事件の被害者遺族が犯人に対して損害賠償を求めて民事訴訟を起こし、勝訴はしたものの賠償金の支払いがないまま放置されている、とのケースの第二弾です
1993年に山形県新庄市の市立中学で、当時1年生だった児玉有平君が体操用のマットにくるまれた状態で死亡した事件でも、7人の生徒に総額5759万円を支払う判決が確定していますが、放置されていると報じられています


山形県新庄市立明倫中学校で1993年、1年生の児玉有平君(当時13)が体操用マットの中から遺体で見つかった事件をめぐり、遺族が最高裁判決で確定した損害賠償の支払いを求め、改めて山形地裁に提訴した。損害賠償の請求権が時効(10年)によって消滅するのを防ぐため。提訴は1月12日付。
最高裁は2005年、民事訴訟で7人の元生徒側の関与を認め、総額5759万円の支払いを命じた。遺族の話や訴状によると、7人からは支払いがなく、15年に強制執行の手続きを進めたが、このうち3人については差し押さえる財産が把握できなかったという。児玉君の父昭平さん(67)は「彼らも大人になって子どもを持つ身になれば、私たちの思いが分かると期待して支払いを待っていた。このままでは裁判が水泡に帰してしまう」と話した。
年少の1人を除く6人を対象にした山形家裁の少年審判では、元少年の3人が不処分(無罪)、3人が少年院送致などの保護処分(有罪)となっている。
(朝日新聞の記事より引用)


この事件では少年審判と民事訴訟で判断が別れています。しかし、少年審判と民事訴訟は別な法律に基づく裁判なので、この結果は矛盾しないというのが法律専門家の見解です
もう一度整理すると、少年審判では事件に関与したとされる7人の中学生のうち6人だけが対象となりました。そして2人が少年院送致になり、1人は教護院送致で他の3人は不処分になっています。いわば、4人の少年は無罪の扱いを受けたわけです
しかし、遺族側が起こした民事訴訟では7人全員の関与を認め、損害賠償の支払いを命じています
この7人は事件への関与が認められ犯人と名指しされたのが不満なのでしょう
不満だから賠償金は支払わない、との態度です
当時は中学生だった彼らもいい年齢の大人になっているのですから、相応の責任を負うべきです。雲や霞を食べて生きているわけもなく、働いて所得を手にし生活しているのならば、その給料の一部を差し押さえるのは当然です
記事にある「このうち3人については差し押さえる財産が把握できなかった」との記述は勤務先の会社などが特定できなかった、という理由によるものなのだとか
いまどき個人の所得は税務署が把握しているのですから、給与を支払っている会社を特定できないとは考えられません。税務署の情報を民事の強制執行に使えない理由・事情があるのなら改善すべきでしょう
与党も野党も国会でクイズショーをやるより、犯罪被害者支援策を議論してもらいたいものです

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