前橋スナック殺人死刑囚が別件の殺人も告白

死刑囚矢野治が過去の殺人事件について自白する内容の手紙を警察に送った、との報道がありましたので取り上げます
まずはその手紙と経緯です


平成15年に前橋市のスナックで4人が死亡した拳銃乱射事件で、死刑判決が確定した矢野治死刑囚(67)が「他の人物も殺害した」とする文書を警視庁に提出していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。産経新聞はこの文書を入手。文書では、大型詐欺事件への関与を取り沙汰され、平成10年から行方不明となっている60代男性を殺害したとしている。関係者によると、矢野死刑囚はさらに別の男性の殺害についても関与をほのめかしているといい、警視庁などは慎重に証言の裏付けを進めている。
文書は26年9月7日付で、矢野死刑囚の記名と指印がある。矢野死刑囚が同年9月に弁護人を通じて警視庁目白署に文書を送付していた。その後、警視庁で任意で事情聴取したところ、文書と同趣旨の証言をしたという。
文書によると、殺害されたとされる男性は、共済組合を舞台にした大型詐欺事件への関与を取り沙汰され、9年には国会に証人喚問された東京都内の会社役員。
矢野死刑囚から借りた約8600万円の返済が滞ってトラブルとなっていたという。男性は矢野死刑囚に対し「別の社長を殺害すれば返済できる」などと提案したが、矢野死刑囚は、男性を都内の暴力団事務所に3日間監禁。首を絞めて殺害し知人の男に遺体を遺棄させたことが記されている。
警視庁は文書や証言の信憑性を確認するため、遺棄に関わったとされる男の所在確認を進めるなど、継続して捜査している。関係者によると、矢野死刑囚は神奈川県内の失踪男性についても殺害への関与をほのめかしているという。
矢野死刑囚は元指定暴力団住吉会系暴力団会長で殺人罪などに問われ、1・2審で死刑判決を受け、26年に死刑が確定した。
18日発売の週刊新潮でも報じる。
(産経新聞の記事から引用)


死刑囚が後悔の念から過去の殺人事件について告白した、と解釈する方もおられるのでしょう
しかし、67歳という年齢からすれば死刑判決が確定し、まもなく執行されるかもしれないとの恐怖の念から、過去の殺人事件を告白すれば裁判になり、判決が確定するまでは死刑の執行がないと計算した上での行動に映ります
実際、矢野死刑囚の場合平成15年の事件で起訴され、最高裁で死刑判決が確定したのは平成25年です。ですから、「今余罪を白状すればあと10年は生きていられる」と思い至った可能性があります
もっとも現在は裁判員制度の導入で公判を短期間に集中して開くため、判決までの時間は大幅に短くなっていますが
ちなみに、前橋スナック殺人とは以下の様な事件でした


平成15年(2003年)1月25日午後11時半ごろ、前橋市三俣町のスナックで、指定暴力団住吉会幸平一家矢野睦会の幹部組員2人が店内などで拳銃を発砲し、客の市民ら3人を含む4人を殺害、指定暴力団稲川会大前田一家本部長、後藤邦雄元後藤組組長ら2人に重傷を負わせた。
平成16年(2004年)2月に首謀者とされる矢野睦会会長、矢野治と実行役とされる小日向将人が逮捕され、もう1人の実行犯として指名手配されていた山田健一郎も同年5月に逮捕された。
事件の全容解明は、小日向将人の全面供述によるところが大きかったが、矢野治、小日向将人、山田健一郎3人共に1、2審と死刑判決を受けた。
また銃乱射事件に巻き込まれ死亡した一般市民の男性の遺族が、住吉会・西口茂男総裁らに、使用者責任があるとして、およそ2億円の損害賠償を求めた訴訟で、住吉会側は、使用者責任を認めて「深く遺憾の意を表する」と謝罪したうえで、再発防止を約束、遺族に9750万円を支払うことで和解が成立した。


暴力団同士のいざこざが原因なのですが、一般客もいるスナックに乗り込み銃を乱射するという荒っぽい犯行です。狙いである暴力団組長の殺害に失敗し、無関係な一般客を3人も射殺しています
矢野治は暴力団組長として配下の組員に命じ、事件を起こしたと判決では認定されています(本人は事件に関与していないと無罪を主張)

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