桜宮高校体罰自殺で大阪市に賠償命じる判決

2012年、大阪の桜宮高校の男子バスケットボール部に所属する生徒が、顧問である教師から繰り返し体罰を受け自殺に追い込まれた事件で、東京地裁は大阪市に対し7500万円を遺族に支払うよう命じる判決を下しました
この事件では体罰を加えたバスケットボール部顧問が起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けています(行政上の処分としては懲戒免職)
しかし、体罰を容認し、教師を指導しなかった校長や教頭などの責任はどうなっているのでしょうか?


大阪市立桜宮高校バスケットボール部の顧問教諭から体罰を受け、2012年12月に自殺したキャプテンの2年男子生徒(当時17歳)の両親と兄が、市に約1億7400万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は24日、市に計約7500万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
岩井伸晃裁判長は、顧問の暴行と自殺には関係があると認め、「顧問は自殺を予見できたのに、強度に自殺の危険性を増大させる行為を続けた」と指摘した。
訴状によると、当時顧問だった元教諭(50)(懲戒免職、有罪確定)は、男子生徒に対し、「キャプテン辞めろ」と叱りつけるなど圧迫的な言動を繰り返し、12年12月22日の練習試合中には顔や頭を何度も殴るなどした。生徒は翌23日、自宅で自殺した。
訴訟で、遺族は「暴力的指導で極限まで追い詰め、死を選ばざるを得ない絶望感を与えた」とし、元教諭の一連の暴行が原因で自殺したと主張。当時の校長や教頭らについても自殺の1年以上前から元教諭の体罰に関する公益通報などがあったのに管理責任を果たさず放置したと訴えていた。
(読売新聞の記事から引用)


当然、校長や教頭は監督責任を問われ、教育委員会から戒告なりの処分を受けたのでしょうし、人事評価はマイナスだったと思います
しかし、その程度の処分で片付けられるほど軽微な事案だったのか、と思ってしまいます
自殺した生徒の両親は、「自殺の1年以上前から同高では複数の体罰などが発覚していたにも関わらず、校長や教頭らは放置していた。その時点で改善策を講じていれば今回の体罰は起きず、自殺は防げた」と裁判で主張してきました
これに対し大阪市側は、「自殺の予測は不可能だった」と反論。「教員の指導をきっかけとする生徒の自殺は多くない」とも主張していました。文字通り大阪市教育委員会は「体罰は指導の一部」と容認する姿勢をいまだに保持しているようで、その頑迷には呆れます
これでは、「今回はたまたま生徒が自殺してしまったため問題になったが、教育現場では体罰も必要だ」と言ってるも同然です
1人の生徒の人命が失われても、長年続けてきた指導=体罰の慣習は改まらないのだと実感します
遺族にすれば、大阪市教育委員会の頑迷さに呆れ、怒り、失望した裁判であり勝訴しても虚しいだけではないか、と推察します

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