発達障害児9万人 どう対応するか

ウェッブサイト「ポストセブン」掲載の記事が、発達障害児童が9万人を超え、ここ20年間で7倍にも増えた、と指摘しています
単にこれは発達障害を抱えて生まれてくるこどもが増えた、というのではなく児童に対する各種診断の精度が向上したため、発達障害との診断を下すケースが増えたと解釈できます。つまり、20年前は「ちょっと変わった子供」扱いされるだけで発達障害との診断がされず、放置されるケースが多かったわけです
しかし、こうした発達障害を抱えた児童の多くが普通学級に在籍しており、教育現場の疲弊をもたらしている現実があります


発達障害児が9万人超え 20年あまりで7倍増の理由
(前略)
例を挙げればキリがないのだけれども、中学生になっても授業中の立ち歩きが治まらないばかりか、「ちょっと目を離した途端、教室の床の上を赤ちゃんハイハイしているんですよ!」といったエピソードが続出する。そのハイハイ君はADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された子だそうだが、他にも読み書きなどに困難を抱えるLD(学習障害)、自閉症などいくつかの診断名がある(それらを大きく括った診断名は「自閉症スペクトラム」)。そうした発達障害児に振り回されて、先生方が実に大変な思いをしているようなのだ。
この問題は近年急速に拡大している感があり、先日も、全国の公立小中学校で「通級指導」を受けている児童と生徒が、初めて9万人を超えたという文部科学省の調査結果が報じられた。
通級指導は、〈比較的軽い障害がある児童・生徒が、特別支援学校や特別支援学級ではなく通常学級に在籍しながら、各教科の補充指導などを別室で受ける制度〉(毎日新聞の記事より)のこと。重い障害児についてはあまり話題にならず、もっぱら〈比較的軽い障害〉の増加が注目されている。
文科省の同調査では、昨年5月1日の時点で通級指導を受けている子が、前年度比6520人増であった。調査を始めた1993年度との比較では、なんと7.4倍増。潜在的には、通級指導が必要な子はプラス数万人いるとの説もある。なにやらオオゴトだ。
(中略)
この問題、解決したいのなら、人的資源を投入し、対応ノウハウを現場が探っていくしかない。各学校に、発達支援教育専門の教師を必置し、1クラスあたりの定員を現在の40人から20人へ、少なくとも30人には減らす。そのぶん教員数は増やす。そうするには、公教育に投じる予算を大幅に引き上げる必要がある。カネと手間がかかる。
いくら急増しているとは言っても、発達障害と診断されている児童や生徒は100人に1人くらいだ。その子のためにそこまでやる?
やっていいのだ。そうして改革した公教育は、診断されない99人にとっても、圧倒的に質の高い学びを提供できるようになるからだ。そしてそれは国力の増強につながる。
私はそう思うのだが、現場の教師たち以外に、どれだけ賛同者がいるのか。45人定員のぎゅうぎゅう詰め教育を懐かしく振り返る大人たちだって少なくない。国民の理解を得るのは、そう簡単じゃないとも思う。


長文の記事であるため、その一部分だけを引用しています。全文を読みたい方は上記のウェッブサイトから辿ってください
財務省は「少子化」を理由に教員の数を削減するよう文部科学省に求めています
これに対し、文部科学省は教育の質の向上を訴え、教員削減に反対しています
上記の記事では、30人学級を実現させ、教員を増やすよう提案しており、これは十分検討に値する考えです
確かに、「昔は1クラス45人なんて珍しくなかった」と懐古趣味に浸る大人もいて、少人数のクラス編成など贅沢だ、必要ないとの意見もあります
さらには、「昔は発達障害なんてなかった。今はちょっとでも変わったところがあると発達障害だと言って、特別扱いしろと親が要求する。けしからん」ととんでもない誤解をしている人もいます
発達障害の児童は過去にも人口に対し、一定割合で存在していたのですが、スキャニング(診断)の精度が悪くて拾い上げられなかっただけです
そして上記のような偏見に凝り固まった大人たちには、発達障害を抱えたこどもたちの生きにくさを理解できないのでしょう。さらには発達障害を抱えたまま大人になったならば、社会人としても生きにくいのであり、同じ職場に勤務する人たちにも負担がかかります
発達障害を「個性として受け入れる」という考えもそれはそれで1つの見識でしょう
しかし、発達障害を理解し、適切な社会適応訓練を積めばある程度の改善が可能なのですから、そちらに注力すべきだと考えます
教員や専門職を増やし、割り当てるのは負担(マイナス)ではなく、社会的な投資であり、プラスの効果をもたらすとの発想で、政治の決断を求めます

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