埼玉少年殺害事件を考える1 中学生逮捕の衝撃

埼玉県東松山市の都幾川(ときがわ)河川敷で、井上翼さん(16)が仲間から集団で暴行され死亡した後遺棄された事件を取り上げます
すでに事件に関わったとされるカラーギャング「パズル」のメンバーが容疑者として逮捕されており、取り調べが進んでいます
今のところ逮捕されたのはリーダー格とみられる17歳の少年と16歳の少年に加え、中学3年の3人ですが、現場には10人以上がいた、との情報もあります
東京新聞の記事では、この事件で中学生が逮捕されたため、学校教育関係者に衝撃を与えた、と伝えていますので紹介します


この事件では、殺人容疑で二十五日に東松山市の無職少年(16)が逮捕されたのに続き、二十六日に東松山市の無職少年(17)と同市内の中三男子生徒二人、川越市の中三男子生徒一人が逮捕されている。
二十六日に県庁を訪れた文部科学省の松林高樹(こうじゅ)生徒指導室長は、中学校などで進められている学校やPTA、警察、民生委員を交えた非行防止ネットワークなどの取り組みなどについて県教委の職員から約一時間、説明を受けた。
松林氏は、記者団に「(事件を)重く受け止めている。被害者(井上さん)は高校を退学したと聞いており、学校教育で何ができたのか考えていきたい」と述べた。
「逮捕者に中学生三人が含まれていたことにショックを受けている」と県教委の依田英樹生徒指導課長。容疑者と地元の不良少年グループとの関係が取り沙汰されていることに関連して、「このままグループにいたら何をされるか分からないとつらい思いをしている子どもがいるかもしれない。身近な信頼できる大人に相談してほしい」と訴えた。
一方、川越市教委は臨時校長会を開き、市内の小中学校や高校計五十六校の校長が出席。新保正俊教育長は「心の教育の強化」と「心配な傾向にある生徒へのきめ細やかな対応」を要請した。
東松山市教委も、小中学校十六校の臨時校長会を開き、新学期からの生徒の対応を協議した。同市の中村幸一教育長は「これまでも命の大切さや、いじめ・暴力行為の防止に努めてきた。今回の件を重く受け止め、より一層取り組んでいく。不安を感じている子どもたちに対し、心のケアを進める」とのコメントを発表。森田光一市長は「引き続き、地域・学校・家庭と連携して青少年の健全育成に全力で取り組む」としている。


「学校として何ができるのか?」という思いは重要ですが、すでに卒業や退学で学校を離れてしまった元生徒に対してできることはほとんどない、と言えます
中学校の教師としても、教室にいる40人近い生徒の対応で手一杯であり、不登校の生徒や、まして卒業してしまった元生徒のケアなどに取り組む余裕はないのが実情でしょう
井上翼さん殺害は痛ましい限りであり、家族や友人・知人の悲憤は察するにあまりあるところです
しかし、井上さんがカラーギャング「パズル」の連中と関わり始めたところで家族や友人・知人がこれを諌め、縁を切らせる必要があったわけで、それができなかった以上、こうした結果になるのは予想できたでしょう
これは学校が悪いわけでもなく、教師が悪いわけでもありません
井上さんと彼を取り巻く身近な人達の責任を問うまではしませんが、最悪に結果を避けるためにも、こうした不良集団に嵌り込むのを回避するべきでした(川崎市の多摩川河川敷で殺害された上村君を例に挙げれば、彼を地元の不良グループから切り離すのが最善の策であり、出身地である隠岐の島へ帰すという選択肢もあったはずです)
高校中退で、家族との関係も良好ではなかった井上さんにとって、カラーギャングは自分に相応しい居場所、に見えたのでしょうか?
事件の解明はこれから、という段階で先の話をするのもどうかとは思いますが、主犯格である17歳と16歳の少年は家庭裁判所から検察官送致となり、刑事処分を受けるものと予想します。懲役5年以上7年以下の不定期刑くらいが相当でしょう。逮捕されている中学生3人に関しては、暴行への関与がどの程度かは不明なので難しいのですが、少年院送致は避けられないと考えます

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