フランスで大人気「天元突破グレンラガン」

フランスは日本のアニメーションを大量に受容している国なのですが、人気を得る作品はちょっと独特で、個性的とも言える傾向があります
かつては「UFOロボ グレンダイザー」がフランスのこどもたちに圧倒的な人気を誇っていた時期がありました。ロボットアニメとしては「グレンダイザー」よりその前作である「マジンガーZ」の方が人気だった日本の感覚とは違いがあります
ZUU Onlineの配信記事によると、最近の傾向としてフランスにおける人気アニメは「新世紀エヴァンゲリオン」が1位、2位は「天元突破グレンラガン」、3位は「STEINS;GATEシュタインズ・ゲート」なのだとか
この順位を見れば、「なぜいまさらグレンラガン?」と思ってしまいます
この背景についての解説を紹介します


フランスで人気の日本アニメ 「グレンラガン」の魅力とフランス人にとっての「日本」
(前略)
ただ日仏のアニメ観の違いという視点で見たとき、最も眼につくのは「グレンラガン」の評価の差異であろう。
日本でも高評価を受けてはいるが他の名作を圧倒するほど評価されているわけではない「グレンラガン」が、フランスでは最高評価の「エヴァンゲリオン」の次に評価されており、アニメファンであれば誰もが知る名作とされているのだ。実際筆者の知るフランス人の間でもグレンラガンの知名度は高い。
従って、ここではトップのエヴァンゲリオンや日本でも高い評価を受けているシュタインズ・ゲートではなく、グレンラガンに焦点をあてることでフランス人にとっての“animation japonaise ”(日本アニメ)が何であるかを探ることにしたい。
まず、そもそも「天元突破グレンラガン」とはどういうアニメなのかを簡単に説明しよう。これはGAINAXにより製作され2007年に放送されたロボットアニメなのだが、フィクションというよりはSF的な設定となっている。
「グレンラガン」の世界では、人類は遠い過去に巨大ロボットを操縦する異性物に地上を奪われ、地下での生活を余儀なくされている。何世代もの間地下でのみ生活してきた人間はいつしか「地上」の実在性さえをも疑うようになってしまう。そこで主人公たちが地下へと侵入してきた巨大ロボットを偶然埋まっていたロボットを使って撃退し、地上へ出るところから物語がはじまる。
地上では空想的といえるほど高度なロボット技術が発達している「未来」において、地下の世界では「未来的」な技術どころか「ドリル」以外の技術がほとんど消失しており、人々は「野生の思考」で知られるレヴィ=ストロースの研究対象になりそうな未開的生活に甘んじている。
この悲観的未来予想は、人間の文化は環境に規定されるというマルクス主義的な図式に説得力を与えるような風刺的側面がある。だが、それはこのアニメの主眼ではない。むしろ、この「下部構造」の現実を強く意志で乗り越え、変えていこうとする熱い主人公達を描くことがこのアニメの醍醐味である。
前述の通り、「グレンラガン」の魅力は何と言っても昭和期のアニメによく見られたような日本的な「熱さ」である。
どれほど絶望的な状態であろうと、可能性を理屈抜きで信じて前へ進んでいこうとする単純さ。それは時と場合によって愚かさにも強さにも見えるが、独特の魅力を持つ。
だが、これは明らかに「理性」に絶対の価値をおいてきた西欧の人々にとって極めて異質なものである。少なくとも「カミナ」のような「昭和のヒーロー」的な熱さを持つ人は西洋ではとても珍しい。アメリカのスーパーヒーローでさえどこかに冷静さや理性的判断を持っているのが普通だ。
それでも「昭和のヒーロー」をフランス人は「かっこいい」と思い、かつそこにヨーロッパにはない価値を持つ「日本」を見るのだ。
(以下、略)


元記事が長文なので主要部分のみ、抜粋しました。全文を読みたい方は上記のサイトへアクセス願います
どちらかと言えば物に動じない、あるいはちょっと斜めに構えたクールさを前面に出した主人公がウケる昨今の日本とは違い、フランスでは熱血漢がウケるというのは意外な感があります
それだけ主人公や、作品に対する思い入れもフランス人の場合、熱いのかもしれません
もちろん、上記の人気ランキングはフランスの数あるアニメ関連サイトの1つ、から得た評価であり、偏りがあるのは否めないのですが
多種多様なアニメを作っている日本ですが、最近では「グレンラガン」のような熱血漢を主人公に据える傾向は薄れているように感じます
作り手の側にも、受け手(日本のアニメファン)の側にも、押し付けがましい熱血漢を敬遠したい気分があるからではないでしょうか?
唯一の例外は「ONE PIECE」かもしれません
さて、本題とは無関係ですが、SFでもなく、熱血でもなく、バトルアクションもないアニメが秋から放送されます。自分が期待している作品「舟を編む」を紹介します

「舟を編む」第2弾PV



辞書の編纂という地味な仕事までもTVアニメにしてしまう、日本ならではと言えるこの作品がフランス人の目にどう映るのか、反応が愉しみです

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