「中国アニメは日本に追いついたか?」と書く中国メディア

ブログでは表示される行の右端をそろえるように書いているつもりですが、ここ最近、ブログのシステムに変更があったのか半角英数字や全角英数字が混じると行端が大きくずれて表示され、困惑しています。どうにかしてもらいたいものです
さて、本日の話題です
人民網は中国の官製メディアの1つです。その見識が中国政府や中国国民のレベルを代表しているとまでは言わないものの、ある程度反映しているのは間違いないのでしょう
当ブログで繰り返し、「中国アニメと日本アニメの比較」を取り上げてきました。主に中国側の視点による記事を紹介してきたのですが、批評と呼ぶに値する言説に出会ったことはありません
中国側の視点は作品の内容や質、世界観など無視し、もっぱらお金の話だったりします。つまりアニメーション作品で儲かるかどうか、が中国メディアの関心事であり、作品の中身は問わないし、問うだけの見識がないです
さて、今回紹介する人民網の記事、「中国アニメのレベルは本当に日本アニメに追いついたのだろうか?」もこれまでと大差はなく、頓珍漢な内容です
まともな批評が生まれないのですから、中国のアニメーション作品が洗練されるのは随分と先になるものと考えます


中国アニメのレベルは本当に日本アニメに追いついたのだろうか?
アニメーション映画「君の名は。」を携えて、新海誠監督が中国伝媒大学で11月22日、交流会と同映画の発表会を行った。同発表会の中で、中日のアニメ映画のレベルの差について話題が及んだ際、新海監督は、「アニメ映画『大魚海棠(Big Fish & Begonia)』と『西遊記之大聖帰来(MONKEY KING HERO IS BACK) 』の予告を見てみたが、日本のアニメ技術が中国のはるか先を行っているとは思えなかった。使用されているソフトウェアや技術面でも、日本とほとんど同じレベルに達している」と語った。この発言に対して、さまざまな議論が巻き起こっている。中国アニメを支持する人たちは、日本の巨匠クラスのアニメ監督からのお墨付きを得ることができ、前述した2つのアニメが民族アニメの誇りとなったとしている。
しかし、日本アニメやディズニーアニメファンたちは、筋道を立てた意見で新海監督の発言を否定している。京華時報が伝えた。
中国アニメは本当に日本アニメのレベルに達したと言えるのだろうか?
翻訳が間違っていなければ、新海監督が話の中で強調しているのは「ソフトウェアと技術」だ。この話は問題として取り上げるようなものでもなく、議論する価値のあるものでもない。映画作りのソフトウェアや技術はとっくにグローバル化・ネットワーク化されており、それよりもさらに重要となるのは資本化だ。資金不足とはほぼ縁が無い中国の映画業界からすると、一般的な映画制作会社並みの技術レベルにはすでに達しているといえるだろう。「安っぽい特殊効果」の国産映画の時代は終焉を迎えたと言え、例えば、現在絶賛上映中の映画「ドクター・ストレンジ」を手がけた英国の特殊効果会社「Framestore」は、映画やテレビ番組などを製作する中国文投控股公司に1億8700万ドル(約211億3千万円)で買収された。
「技術レベル」と資本が直接的に関係してくることは確かだが、技術力の運用とオリジナリティーあふれる創作力こそが「作品レベル」を決定する根本的な要素だといえるだろう。中国資本はグローバル化の道を歩んでおり、各地のアーティストたちによるプラットフォームを飛び越えた連携はもはや一般的になりつつある。
しかし、中国人独自の文化の創造や発展は自分たちの手にかかっている。それゆえ、中国アニメの発展ぶりに関して、おごり高ぶることもないし、非難したりがっかりしたりすることもない。しかしながら、「大魚海棠(Big Fish & Begonia)」や「西遊記之大聖帰来(MONKEY KING HERO IS BACK) 」を見たことがあり、日本アニメを理解している中国人なら、新海監督の前述の発言は日本人の謙虚な態度から来ていることが分かるだろう。
しかも、ここ十年来で観客の反響が最高で、高い品質で制作された一作品と日本アニメにおける平均レベル作品を比べても、中国アニメに足りない部分はまだたくさんあることは明らかだ。
「西遊記之大聖帰来(MONKEY KING HERO IS BACK) 」はストーリー構想に8年、製作に3年かけており、「大魚海棠(Big Fish & Begonia)」は12年前から構想を練っていたとしている。これらはどちらも「人の気持ち」というものをそのテーマとしている作品だ。しかしながら、これは却って中国アニメの産業レベルの低さをという現状を露呈させている。新海監督は2、3年で一つの作品を製作しており、そのレベルはどんどん上がってきている。このことは監督自身の創作力だけを体現しているのではなく、日本のアニメ産業の良質な発展を象徴していると言えるだろう。
(以下、略)


劇場版アニメーション作品を短期間で量産する体制=儲かる仕組み、としか考えていないのでしょうか?
単独作品で百億円を超えるようなヒットを記録するのは、商売として理想です。しかし、その背後には地道にテレビシリーズでファン層を広げたり、漫画雑誌の連載で読者をつかんだりする営業活動があるわけです
しかし、「君の名は。」はテレビシリーズもなく、原作漫画もなしに劇場公開して大ヒットを飛ばしただけに、その華々しい成功にばかり目を奪われて、浮ついた語りに終始しているように感じます
日本のアニメ産業は200兆円規模、などと書いてたりもします…
省略した後半部分では日本の二次元文化に言及してもいますが、表面的な理解にとどまっており、深みのある考察は見当たりません
そもそも日本の二次元文化を儲かる仕組みであり、アニメーション産業を支えていると思うなら、それを中国で実現してみせたらどうか、と言いたくなります
しかし、中国には少年ジャンプもなく、BL漫画雑誌もありません
つまりはそんな話です
アニメーション作品で儲けたいと欲し、日本のヒット作品を羨ましく思いながらも、中国にはエンターティメントの基盤が欠けている現実を直視しないのです
多くの漫画雑誌があり、二次創作があり、週に50本以上のテレビアニメ作品が競い、さらにはそれらに対する厳しくも愛情のある批評が飛び交うのが日本です
中国アニメが日本に追いつき、追い越したいのならば文化を支える基盤を整え、自由な創作と忌憚のない批評が可能な社会を実現すべきでしょう

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