名古屋大女学生殺人を考える7 無期懲役求刑

2014年に自宅マンションで77歳の女性を殺害した容疑で逮捕された大内万里亜被告の裁判で、検察は無期懲役を求刑しています
事件当時未成年者だった大内被告も現在は21歳です。メディアではいまだ匿扱いですが、当ブログでは実名で表記します
すでに成人に達しているので、名を伏せる事情はないと判断するからです
さて、裁判の途中経過についてはブログで取り上げませんでしたが、弁護側は責任能力はなかったとして検察と真っ向対立し、精神的な病気を理由に無罪を主張する展開でした


弁護側「複雑で重篤な精神面の障害」無罪主張
名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で高校の同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませたなどとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元名古屋大学生の女(21)=事件当時16〜19歳=の裁判員裁判で、検察側は10日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)の公判で無期懲役を求刑した。弁護側は複雑で重篤な精神面の障害により責任能力がなかったとして無罪を主張した。
裁判は結審し、判決は24日に言い渡される。
最大の争点となった責任能力の有無について、検察側は論告で、精神的な障害が事件に及ぼした影響は限定的で完全責任能力があったと改めて主張した。
その上で約2年半に起きた6事件に関し「人の死・人体の変化への関心を自らの意思・判断で満たそうとし身勝手極まりない。時間の経過とともにエスカレートして犯罪性は根深い。再犯の恐れが危惧され、更生は極めて困難」と指摘した。
さらに、各事件の被害者に全く落ち度がなく、1人が殺害され2人が重いタリウム中毒を発症するなどした結果から「刑事責任が誠に重大であることは明らか。死刑が十分に考えられる」とした。一方でタリウム事件時は16歳で、発達障害が動機形成に一定の影響を与えた点などを考慮し「生涯にわたる償いが必要」と結論付けた。
これに対し弁護側は最終弁論で、元学生は生まれつきの発達障害、後で発症した双極性障害(そううつ病)が重複していたとして事件時は心神喪失状態だったと主張した。
「各事件が障害の支配的影響の下、異常な精神状態でなされたことは明らか。自由な意思に基づいて行われたと評価できない。判例上にもない事例」と訴えた。
また、逮捕後の投薬治療の効果などを挙げ、無罪とした上で医療観察制度を活用して長期の治療、教育が継続できるよう求めた。刑務所での処遇は効果がないと指摘した。
そもそも家裁段階で少年院送致などの保護処分にすべきだったとして、家裁の検察官送致(逆送)決定に基づく起訴は違法として公訴棄却も求めた。
元学生は最終意見陳述で「まだ心から反省したり謝罪したりという段階に至っていないが、自分のやったことの大きさを少しずつ実感している。反省や謝罪、償いも忘れずに、いろいろな人の助けを借りながら一生考えていきたい」と声を震わせながら話した。
(毎日新聞の記事から引用)


当ブログとしては懲役20年くらいと予想していたのですが、検察は無期懲役を選択しました。1人を殺害し、2人に硫酸タリウムを飲ませた殺人未遂があり、さらに仙台市内の住居への放火による殺人未遂もあるのですから、無期懲役を求刑して不思議ではありません
殺人願望という妄執に囚われ始めた高校生の時点で入院治療に踏み切る必要があったのでしょうが、自分の娘を精神科に入院させる判断はできなかったのかもしれません
あのとき決断していれば、などと言い出しても手遅れですが
サイコパスに分類される人格の持ち主を、「まだこどもだから」と放置しておいた結果がこれです
思春期特有の不安体な心情と看過するのではなく、早い時期にきちんとした診断を求め治療を始めないと大変な結果になる、とこのケースは示しています

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