死刑執行 4人殺害で再審請求中の西川正勝

昨日執行された2人の死刑囚のうち、西川正勝死刑囚を取り上げます注目されるのは4人もの女性を殺害した犯行の凶悪さと、最高裁判所で死刑が確定した後も執拗に再審請求を繰り返す中で死刑が執行された点です
これは、「死刑が確定しても再審請求をしている間は執行されない」との思い込みを打破する、画期的な行政判断です
再審を実現させるには、原判決に重大な瑕疵あるとか、無罪を証明する新たな証拠の発見という条件を満たす必要があります。単に「死刑判決に不服」だとして再審を申し立てても、門前払いされるのがオチです
西川死刑囚は無罪を証明する新たな証拠もないのに再審請求を申し立て、それにより死刑執行を免れようとしていたと法務省が判断したのでしょう


確定死刑囚2人の刑が13日午前に執行されたことについて、金田勝年法相は同日午後、臨時記者会見を行った。執行されたのは、1991年に女性4人を殺害するなどし、再審請求中だった西川正勝(61)=大阪拘置所=と、2011年に元同僚の女性を殺害した住田紘一(34)=広島拘置所=の2死刑囚。
再審請求中の執行は99年12月以来とみられ、極めて異例。
金田法相は「再審請求を行っているから執行しないという考えはとっていない」との見解を示した。
再審請求は判決が確定した裁判をやり直す「再審」を求める手続き。無罪を言い渡すべき明らかな新証拠がある場合などに裁判所が再審開始を決定する。請求に回数などの制限はない。
金田法相は、西川死刑囚が請求中だったか否かは明言を避けた。一方で、請求中の執行を疑問視する意見があることを問われると、「仮に再審請求の手続き中には執行命令を出さない取り扱いをしたら、再審請求を繰り返す限り永久に執行をなしえない」と述べた。
確定判決によると、西川死刑囚は91年12月に松江市、京都市、兵庫県姫路市で女性4人を相次いで殺害し、翌月に落語家の女性の首を絞めて負傷させ、現金を奪った。関係者によると、最高裁が05年6月に上告を棄却し判決が確定した後、複数回にわたって再審請求を行っていたという。
解説 慎重判断と情報公開を
法務省が再審請求中の死刑執行という異例の決断をした背景には、死刑囚の7割以上が再審請求中であるという現状への危機感があったとみられる。これまで再審請求中の執行は回避される傾向があったが、軌道修正が進む可能性もある。
刑事訴訟法は、法相は死刑確定から6カ月以内に執行を命じるよう規定するが、再審請求などの手続きや共犯者の裁判が終わるまでの期間は算入しないとも定めている。この間に執行命令を禁じる規定はないが、再審請求中の死刑執行は事実上後回しとされてきた。
こうした中、再審請求中の執行として明らかになっているのは、強盗殺人罪などで死刑が確定し、1999年12月に執行された小野照男元死刑囚(執行時62歳)の例だ。
命令した当時の臼井日出男法相は00年の国会審議で「当然(請求の)棄却が予想される場合は執行もやむを得ない」と答弁し、金田法相も13日に同様の見解を示した。
刑事施設に収容中の死刑囚は現在、124人で、うち91人が再審請求中という。同省幹部は「執行を避けるために同じような理由で請求を繰り返す死刑囚もいる」と話し、執行の滞りを懸念する。だが、死刑囚の再審無罪が戦後4件起きていることも考慮すれば、執行には最大限の慎重な判断とさらなる情報公開が必要だろう。
(毎日新聞)


大阪拘置所で執行される際、西川死刑囚が何を思い、発言したのかは分かりませんが、当人は再審請求中だから執行はないと思い込んでいたのでしょう
逮捕後、取り調べ段階では犯行を認めたものの、公判では一転して犯行を否認し、とことん争う姿勢を示してきました
なりふり構わず抗い、死刑を免れ続けることが目的と化した感があります
1991年に事件を起こした西川死刑囚の判決が最高裁で確定したのが2005年です。事件からすでに14年経っており、さらに執行が今年なので事件から26年も経過しているわけです
自分はむしろ執行が遅すぎたと思うばかりであり、毎日新聞の書く「執行には最大限の慎重な判断」のため、十分すぎるくらい時間をかけたと判断します
ちなみに西川死刑囚は9歳で母親を亡くし、土方だった父親はこどもたちを見捨てて失踪。少年院に出入りするような荒れた生活を送り、18歳のときにスナックの女性経営者を殺害し、10年もの服役生活を送っています
つまり、彼は生涯に5人もの女性を殺しているのですそれもスナックの女性経営者ばかりというのは、死別した母親に対する満たされない思慕の情と恨みが織り交ぜられた、複雑な感情が背景にあったものと推測されます
だからと言って、その不幸な生い立ちに同情する気にはなれません

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