100メートル走120回、野球部員熱中症で倒れる

高校野球での行き過ぎた指導、しごき、体罰は珍しくないのですが、練習という名を借りた暴力が学校の現場でまかり通っている現実にはぞっとします
今回は岐阜県の私立美濃加茂高校野球部によるしごきで、野球部員が熱中症で倒れ、緊急入院する事態に至った件を取り上げます


岐阜県美濃加茂市の私立美濃加茂高校で、硬式野球部2年の男子生徒(16)が非常勤講師である男性コーチ(26)の指導で100メートルを120本以上走らされ、重度の熱中症で救急搬送されたことが28日、学校への取材で分かった。
生徒は集中治療室(ICU)で5日間治療を受けるなど1週間入院したが、後遺症はないとみられる。
同校は生徒の両親に謝罪した上、「生徒の管理ができていなかった。再発防止に努める」と説明。コーチを無期限の指導停止とし、把握していた監督(33)も厳重注意処分とした。
同校によると、16日午後1時ごろから、コーチが特別メニューとしてこの生徒だけに100メートルを100本走るよう命じた。約2時間かけて80本を走ったところで、水分補給しているのを目撃し「今後は許可を取るように」と指示。さらに30本追加した。生徒はその後、120本以上走ったところで倒れた。
岐阜地方気象台によると、同市の16日の最高気温は午後4時ごろで27・8度だった。
同校の船戸宙治教頭によると、男子生徒が走ることになったのは、15日の練習後に他の部員にちょっかいをかけ、ふざけているような部分がみられたことが理由。
コーチは「不適切な指導だった」と反省しているという。
コーチは2014年4月から同校野球部で指導。これまでにも部員の態度などを理由にランニングをさせたことはあったが、生徒が倒れたことはなかったという。
17日に同校から経緯の報告を受けた岐阜県高野連は処分を検討している。
(スポニチ掲載記事から引用)


美濃加茂高校の野球部スタッフは、監督高橋陽一、部長西村光司、副部長天池壮佑、宮川直人です。しごきを加えた非常勤講師のコーチというのは、保健体育の講師だとされますので、副部長として名前が挙がっている2名のうちのどちらかでしょう
天池壮佑副部長は2009年同高卒で、愛知学院大学硬式野球部に所属していたとあり、26歳のコーチというプロフィールに合致します(あくまで推測です)
別の報道によれば、100メートル走の間に水分補給をコーチに願い出て許されたのは2回だけなのだとか。要するに「練習中に水を飲むな」という時代錯誤の指導が行われていたのであり、これは傷害罪で刑事告発してもよい事案です
熱中症は気合が足りていないとか、根性が足りていないから起こるものではなく、生理的な現象であり、死に至る可能性もある危険な症状です
おそらくこのコーチも、監督もそうした認識は持ち合わせておらず、旧式の気合と根性の精神論だけで野球部を指導してきたのでしょう
再発防止に努めると言ったところで、自分たちの指導法のどこが間違っているのか理解しなければ不可能です
このコーチには真夏の炎天下、100メートル走を120本、水分補給なしで走ってもらいたいものです。そうでもしないと、自分の指導がいかに間違ったものであるか理解できないのではないか、とさえ思ってしまいます
幸い生徒は一週間の入院で済んだものの、コーチや監督の責任を問うべきで、高野連は指導者の交代を求めるのが相当です
そもそも高校の野球で前近代的な精神野球、根性論がまかり通っている責任の一端は高野連にあります
高野連が精神野球、根性論に染まった野球指導者OBの集合体なのですから、現場の誤った指導方法を改善できないのは当然の結果でしょう

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