中国 新型ロケット失敗で月面探査延期

中国は今年6月19日に四川省の発射センターで「長征3号B」による放送用衛星を打ち上げましたが、予定されていた軌道への進入に失敗しています。
そして7月には新世代大型ロケット「長征5号遥2」の発射試験に失敗し、これが月面探査にも影響を及ぼすと報じられています
他国の失敗を揶揄するつもりはないものの、「中国は既に宇宙強国」だと鼻高々に自慢を繰り返す中国メディアは新型ロケット打ち上げ失敗にどう反応するのか、ちょっと気になります
中国メディアの報道する内容、主張はすなわち中国政府、中国共産党の声であるのは言うまでもないのであり、「中国は宇宙強国」だとの主張も当然ながら、中国政府の考えです
今のところ確認できる中国メディアの記事は「長征5号遥2」の打ち上げ失敗の事実のみ触れるだけで、特にコメントはありません
しかし、2度の打ち上げ失敗はこの自負を揺るがすものであり、さぞかし現場には重圧がのしかかっているのではないでしょうか?


中国が11月に予定していた無人月面探査機「嫦娥5号」の打ち上げ延期が決まった。オーストラリア・アデレードで開かれている国際宇宙会議で中国国家宇宙局の田玉竜秘書長が明らかにした。国産運搬ロケットの打ち上げ実験が失敗したためで、2022年前後の完成を目指す宇宙ステーションの主要部分の打ち上げもずれ込む見通し。
中国紙・科技日報が28日までに伝えた。中国は7月初旬に海南省の文昌宇宙発射場で新世代国産ロケット「長征5号遥2」の打ち上げ実験を行ったが、飛行中に異常が発生した。
中国は11月には国産ロケットの中で最大の推進力を持つ長征5号を使って「嫦娥5号」を打ち上げ、月面の土壌サンプルを持ち帰る計画だった。また来年は人類初となる月面裏側への軟着陸を目指す「嫦娥4号」の打ち上げも予定。いずれも当初計画を見直し、今年末に打ち上げ時期を再決定するという。
田氏は、18年ごろの軌道投入が報じられていた中国独自の宇宙ステーションの主要モジュールについても「19年まで打ち上げが延期される」と述べた。
中国の宇宙ステーション建設をめぐっては昨年秋、無人宇宙実験室「天宮2号」に宇宙飛行士2人が30日間にわたって滞在。今年4月には貨物輸送システム構築のため無人宇宙貨物船「天舟1号」を打ち上げ、天宮2号とのドッキング実験にも成功するなど着々と準備を進めてきた。
(産経新聞の記事から引用)


「長征5号」にはいくつものバージョンがあり、推力を補助するブースターを4本加えたものから、メインエンジンを2基クラスター化したものまで、さまざまな形態が計画され、静止軌道に14トンの大型人工衛星を打ち上げる能力を持つと言われます
中国は月面への有人探査を目指していますので、大型ロケットの実用化は不可欠であり、それがとん挫したとなれば計画に遅れが出るのは止むを得ません
もちろん問題点を洗い出し、改良し、再度打ち上げに挑むわけですが、はたしていつまでに改良を終えられるか、中国の技術力が試されます
さらに中国は月面探査だけでなく、今年8月には火星探査計画までぶち上げていますので、「長征5号」開発の遅れに関係者はピリピリしているのでしょう
火星が地球に最接近するのは2年から3年に1度であり、その機を逸すると再挑戦は2年から3年先になってしまうためです
すでにインドが火星を周回する探査機の投入に成功しているため、中国はプライドを守るためにも火星へ探査機を送り込みたいわけです


中国火星探査プロジェクトは、一度に周回・着陸・巡視を実現することになる。中国航天科技集団第五研究院火星プロジェクト顧問の葉培建氏は「インドの火星探査機マンガルヤーンは、火星赤道軌道を周回しただけだが、中国初の火星探査機は火星の大楕円形軌道を飛行し、火星全体を観測する。さらにローバーを搭載した着陸機が火星に下り、ローバーが火星を走行する」と説明した。
(サイエンス・ポータル・チャイナの記事から引用)


「宇宙強国」としてのプライドを守るのが1番の目的で、科学による人類への貢献など微塵も考えていない気がします

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