福岡女児遺棄事件を考える7 内間被告会見記

凶悪犯とメディアに報道される人物にルポライターが拘置所で面会し、世間に伝えられている姿とは異なる、素朴で親しみのある人物像を記事にする、というケースを何度も目にします
ルポライターにすれば、「自分は直接会って、話をしたのだ。自分の目で確かめたのだ」と言いたいのでしょう
しかし、自分はこの手のルポライターが描く人物像をまったく信用しません
さて、福岡県豊前市で2015年1月、小学5年の女児を殺害したなどとして殺人や死体遺棄などの罪で無期懲役判決を受けた内間利幸被告に、拘置所で面会したルポライターの会見記が、弁護士ドットコムに掲載されていますので取り上げます


今回の事件以前にも小学生女児を含む複数の女性を強姦するなどし、約12年も服役したことがある内間被告人。自分の罪をどう受け止めているのか。計5回面会し、話を聞いた。(ルポライター・片岡健)
●腰が低く、おとなしそうな印象
(中略)
私が内間被告人に初めて面会したのは、控訴審の判決を2週間後に控えた今年5月下旬のこと。内間被告人は面会室に現れると、気をつけの姿勢から「はじめまして」とお辞儀した。普段から言動が粗暴だったという報道もあったが、実際に本人と会ってみると、むしろ腰が低く、おとなしそうな印象を受ける人物だった。
●「量刑が不満で控訴したのではないんです」
「取返しのつかないことをしてしまい、被害者やご遺族には申し訳ない気持ちでいっぱいです」
起こした事件への思いを訪ねると、内間被告人はそう述べた。申し訳ないと思うだけでなく、実際に被害者のために何かしているのか。そう質問すると、「朝昼夕の食事前に5分、夕食後に20分、キリスト教の聖書を読んで覚えたお祈りをしています。それと毎月、最終土曜日に断食をしています」と答えた。
裁判では、検察が1、2審共に死刑を求めたのみならず、女児の両親も法廷の内外で死刑を望む思いを表明してきた。そのことに水を向けると、内間被告人は「検察官やご遺族が死刑を求めるのは当然だと思います」と言った。ならば、なぜ、控訴したのか。
「量刑に不満があったわけではないのです。実際、第一審で判決が出た当初は弁護士に控訴を勧められても断っていました。しかし、1週間後くらいに検察が控訴したのをきっかけに、事実ではないことで罰を受けてもいいのかと思うようになり、悩んだ末に控訴したのです」
内間被告人は1、2審共に女児にわいせつ行為をしたことを認めた一方で、「女児が叫び声をあげたため、手で口をふさいだり、首を押えていたら死なせてしまった」と殺意を否定するなど犯行の根幹部分で事実関係を争った。
(中略)
理由の1つには当然、小児性愛の性癖があるのだろうと思いきや、内間被告人は「それはないです」と否定した。ロリコンものやレイプもののAVについては「観ていませんでした」と言い、風俗店についても「行ったことがないです」と断言。過去に起こした強姦事件でも被害者に小学生女児が含まれることについては、こう説明した。
「当時は生活環境が荒れていて、ムシャクシャしていたんです。小さな女の子を狙ったわけではなく、道で待ち伏せしていて、『通りかかった女性なら誰でも』という感じでした」


内間被告については地元のスナックでも評判が悪く、閉店までねばった末に女性経営者を押し倒しレイプしようとした、との話も伝えられています
そうした行動を勘案すると、記事にある内間被告の言動は嘘まみれであり、ただ自分を「よい人」だとアピールするためのもの、と解釈できます
特に聖書の話や、お祈り、断食など、受難者を気取っている風に映ります(記事にわざわざ盛り込んだのは、ルポライターが共感を示したからで、読者にアピールする狙いがあったためでしょう)
量刑に不服はないと言いつつ控訴する、この矛盾についての釈明も建前であり、本音の部分では「小娘1人を手にかけただけで、なぜ無期懲役なのか」との不満が潜んでいるのではないか、と推測します
小児性愛に関する発言に関しては、ルポライターとの間でどのような問答があったのか、記事だけでは分かりません
突っ込んだ質問もしないまま、内間被告の言い分をそのまま受け止めているように映ります。アダルトビデオや風俗店通いが性犯罪の動機になるかのような、ルポライターの発想があまりに陳腐です
拘置所に5回通って、いったい何を見聞きしてきたのか、と言いたくなる内容です
面会を拒絶されるのが怖くて、突っ込んだ質問は回避したまま、内間被告の言い分をそのまま記事にしたのではないでしょうか?
「10歳の女の子を強姦しようとして手にかけた」事実を、真正面から問う必要があったはずです(内間被告は性犯罪者なのですから、その欲望について突き止める作業が不可欠でしょう)

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