座間9人殺害事件を考える 白石容疑者の異常性

異常な犯罪が必ずしも精神障害によって引き起こされるとは限りません
座間市で9人を殺害し、遺体を解体した疑いがかけられている白石隆浩容疑者の場合、これまでのところ統合失調症などに罹患していたと示すようなエピソードはなく、冷徹にツイッターなどで標的となる人物を物色していたのですから正常な見当識の持ち主だったのでしょう
なので、責任能力の有無を問う精神鑑定が実施される可能性は低いと見られます
昨日、宮崎勤事件公判における弁護人の精神鑑定批判を紹介しました
あの裁判が1つのきっかけとなり、精神鑑定は単に異常の有無、責任能力の有無を判定する手段ではなく、異常な犯罪の背景、心因、犯罪者と被害者の人間関係にまで解き明かすことを求められるようになった、と言えます
従来通りの素っ気ない鑑定書では、鑑定人の能力に疑いがかけられるようになったとも言い換えられます
それが果たして妥当かどうか議論はあるのですが、司法の流れとして精神鑑定に求められるの役割が大きく変わってきたのは事実で、今後もその方向へ進むのでしょう
さて、これまでも白石容疑者に言及した有識者の見解を紹介してきました
今回は藤井靖明星大心理学部准教授のコメントを取り上げます


白石容疑者について、明星大心理学部准教授で、臨床心理士の藤井靖氏は「過去に似たような事例が見当たらない」とし、こう続ける。
「人を殺すということは非常にストレスを感じる行為だ。幼女4人を殺害した宮崎元死刑囚も最初の犯行から逮捕されるまでに約1年かかっており、手をかけた後は一度冷却期間が必要だった。白石容疑者は冷静になることなく、短期間のうちに大量に殺人を行った『スプリー・キラー』だ。異常性は宮崎元死刑囚の比ではない」
白石容疑者はツイッターで「首吊り士」を名乗り、自殺の手伝いをもちかけていた。藤井氏は「白石容疑者自身のなかで、これまで成功した感覚がなかったのだろう。承認欲求が強く、『死にたい』という女性の悩みを聞くという行為に満足感を得ていたのではないか。本人も過去に自殺を意識したことがあったはずだ。被害者と心理的近接性がなければ、起こらなかった事件だと思う」との見方も示す。
「被害者も『死にたい』という言葉を否定しない白石容疑者に、『他の人とは何か違う』との思いを持ってしまったのではないか」と指摘した。
白石容疑者の特異性について藤井氏は、「強い衝動性に基づいて犯行に及ぶのではなく、ツイッターを使って計画的に相手を呼び出しているところだ。9人と会っているということは100人以上に声をかけていてもおかしくない。スカウトという職歴があったため、断られたり無視されることに耐性があったのではないか」とみる。
「人を殺害する際の相手の血や苦しむ表情を見てエクスタシーを感じ、また人を殺したいと望む『血の酩酊(めいてい)』の状態になっていたのでは。遺体をバラバラにしたのは『殺人はなかったことにしたい』と、白石容疑者の心のなかで『防衛規制』が働いていたとも考えられる」
こうした容疑者の心理を理解することは難しい。藤井氏は「白石容疑者は生まれたときから人間的な感情に欠けた『情性欠如型』の気質なのだろう。社会全体のなかでも、ごくひと握りの存在に違いない」と語った。
(産経新聞の記事から引用)


もちろん藤井准教授もメディアで報じられた白石容疑者の情報をもとに判断しているのであり、仮説として解釈するのが妥当です
犯行の合間に良心の呵責とか、躊躇、迷いなど去来せず、極めて冷徹に殺害と解体を繰り返していた様にぞっとさせられます
遺体の腐敗する匂いも気にせず、狭いアパートの1室で暮らし続けていたのですから白石容疑者の異常性は際立っています。が部屋の中で性的な興奮状態にあったのか、あるいは感情の起伏もなく淡々と作業を繰り返していたのか?
仮説は幾つも提起されるものの、まだまだ分からないことだらけです

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