「日本のアニメはパターン化し停滞している」と書く中国メディア

中国政府の代弁機関である人民網が、「日本のアニメ・マンガはパターン化しており、イノベーションがなく停滞している」と指摘する記事を掲載しています。それは、「現時点で日本が優位に立っているが、日本が停滞する間に中国が追いつき、追い越すだろう」宣言でもあります
中国国内の大学で教える講師や、現役アニメーターの口を借りる形ではありますが、編集部の意向としては「日本に勝利する」宣言なのでしょう
いかなる根拠があるのか、突っ込みどころ満載の記事です。なぜ、中国メディアはこうした頭の悪い記事を発信したがるのか不思議です


中国のアニメーター「日本のアニメはパターン化していて、イノベーションがなく停滞している」
人民網日本語版 2017年12月13日
(前略)
中国青年アニメーター訪日団のメンバーである貴州民族大学人文科技学院の教師・韋欣さんは「日本のアニメ・漫画業界は成熟しており、一連の産業は互いに補完し合う関係にある。
しかし、隠れたリスクによる弊害が生じる可能性がある。
それは、日本の成熟したアニメ・漫画産業がインターネット時代の逆風を受ける可能性。
なぜなら、成熟しているため、アニメ・漫画作品のコンテンツがパターン化し、その型を破るのは難しいため。
20年前の日本のアニメ・漫画作品を振り返ると、ほとんどが『名作』と言えるのに対して、今の作品のコンテンツや精度は当時には到底及ばない」との見方を示した。
(中略)
代表団のメンバーである貴州師範大学美術学院アニメ学部の教師・孫思然さんは、「私たちも日本の漫画の影響を受けた漫画家。多くの作品の作風は日本のアニメや漫画の影響を受けている。日本は主に紙の本と関連商品で利益を上げている。その一方で、中国の図書市場は縮小の一途をたどっている」と分析した。
また、陳縁風さんは、「今はインターネット時代に突入しており、一部の漫画プラットフォームが台頭して、多くの漫画家に肥沃な土壌を提供している。
また、作者は生き残ることができるだけの原稿料を得たり、アニメーション作品の映画化、アニメのリメイク版の製作に携わったりすることもできるようになっている。これは、市場の規則が少しずつ整備されていることの表れ」との見方を示した。
韋欣さんは、「中国の漫画の発展は、日本のスタイルをコピーしてはいけない。中国独自の道を歩むべき」と指摘した。
孫思然さんは、「製作産業がグローバル化するにつれ、日本の優位性にも限りが出始め、近年は中国でも希望が見える優秀な作品が登場している。今後、少なくともアジアでは、日本にとって逆風となるはず。産業的には、日本の発展はすでにピークに達している。
優位性を誇り、先頭を走るという立場は少しずつ低くなり、中国との競争が熾烈になるだろう。中国が産業マネジメントの方法をしっかりと把握することができれば、その構図の形成に拍車がかかるだろう」と予測した。


インターネット時代の影響を受け、中国の出版産業も縮小傾向にあるというのに、なぜ中国の方が優位に立つ、と断言できるのかまったく理解できません
インターネット配信で著作権が保護される仕組みもなく、海賊版対策の不十分なのに、中国のマンガ・アニメ産業がインターネット時代で恩恵を享受できると言えるのか?
そして、日本のマンガやアニメがパターン化していることと、インターネット時代云々の文脈にどんな繋がりがあるのか、何ら具体的な指摘はなく意味不明な記事です
こんなお粗末な内容を堂々と配信するのですから、頭は大丈夫かと言いたくなります
それに20年前の日本のマンガやアニメにも駄作はたくさんあったという事実が、なぜ中国人に見えないのかも不思議です
今にして語られる20年前のマンガやアニメは名作として印象が残っているものばかりで、駄作は忘れ去られてしまい、記憶に上らないだけです
それに、「日本のマンガやアニメのスタイルを模倣せず、中国は独自の道を進むべきだ」との発言には失笑するしかありません
「どうぞ、どうぞ」と言いたくなります
勝手に模倣しているのは中国のクリエイターたちなのですから
きちんとした評論が書けないようでは、中国独自の道を見出すなど困難でしょう
それでは中国のアニメファンが勧める最新作をご覧ください。見事なまでにパターン化され、模倣されたものが並んでいます

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