イオンモール釧路4人殺傷 松橋被告に2審も無期懲役

2016年6月、北海道釧路のイオンモールで柳葉包丁で女性客を切り付ける事件を起こした元新聞配達員松橋伸幸被告について、取り上げないまま放置していました
松橋被告は聴覚に障害があり、仕事が上手く行かず転々とする中で、「人を殺して死刑になりたい」との思いから犯行に及んだと自供しています
しかし、裁判では弁護人が「統合失調症のため責任能力に問題がる」と主張し、減刑を求めていました
一審である釧路地方裁判所の裁判員裁判は、責任能力を認め無期懲役判決を言い渡しています。これを不服として松橋被告側が控訴し、札幌高等裁判所で争ってきました
控訴審判決が出ましたので、あらためてこの事件を取り上げます


北海道釧路市の商業施設「イオンモール釧路昭和」で平成28年6月、女性4人を切り付け、1人を死亡させ3人にけがをさせたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた元新聞配達員、松橋伸幸被告(35)の控訴審判決で、札幌高裁(登石郁朗裁判長)は12日、無期懲役の1審釧路地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。
控訴審で弁護側は、被告には統合失調症の影響があり、刑が重すぎると主張。検察側は控訴棄却を求めていた。釧路地裁は昨年11月の裁判員裁判判決で、被告の統合失調症を認めたものの、犯行時は完全責任能力があったと認めた。
1審判決によると、松橋被告は28年6月21日午後、店内の通路で女性4人を包丁で襲い、同市の戸沼雅子さん=当時(68)=の胸を刺して死亡させたほか、3人の顔や首を切り付けるなどして殺害しようとした。
(産経新聞の記事から引用)


死刑になりたいと言いつつ、「無期懲役は刑が重すぎる」との言い分は不可解です
もちろん、統合失調症を考慮して減刑すべき、というのは弁護人の言い分なのであり、30年以上も前の刑事裁判なら、「統合失調症なので責任能力に問題があり、罪に問えない」との判決が珍しくありませんでした
潮目が変わったきっかけは、1980年に起きた新宿バス放火事件と1981年に起きた深川通り魔殺人(川俣軍治による凶行)ではなかったかと記憶しています
覚せい剤中毒の川俣軍治は4人を殺害し、2人に重傷を負わせる凶行をなしたのですが、さすがに覚せい剤中毒を理由に「罪に問えない」と判断するわけにもいかず、無期懲役刑が確定しています
新宿バス放火事件では6人が死亡、14人が重軽傷を負う惨事で検察側は死刑を求刑したのですが、裁判所は被告が当時心神耗弱状態にあったとして無期懲役を言い渡したもので、この判決には轟々たる批判が寄せられました
被告は小学校にも通わず、無学文盲で日雇い労務者をしていたのですが、被告の生い立ちや精神状態よりも、事件の重大さや被害の大きさを考慮すべきではないのかとの世論があったように記憶しています
なお、被告は無期懲役判決を受けて千葉刑務所に服役したものの、知的な能力が劣るため刑務作業ができず、同囚からいじめに遭ったこともあり縊首自殺しています

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