恵庭女性殺人を考える 大越受刑者が刑期満了で釈放

運送会社に勤務する女性社員が、三角関係のもつれで同僚であった女性を殺害した上、遺体に灯油をかけて焼き捨てた、として世間の耳目を集めた恵庭女性殺人事件。ワイドショーなどでも連日のように取り上げていたのは18年も前です
この事件で有罪判決を受け、服役した大越美奈子受刑者が刑期満了で釈放された、と報じられています。大越受刑者は無罪を主張し、最高裁まで争いました。服役中も再審申し立てをしたため仮釈放の対象にならず、満期まで服役した…と推測されます
この恵庭女性殺人を巡っては警察の捜査、検察の起訴内容、裁判所の判決にさまざまな批判があります。冤罪かどうかの判断はさておき、数回に分け、この事件を考えてみます


北海道恵庭市で2000年3月に女性会社員が焼かれた遺体で見つかった殺人事件で、殺人と死体損壊の罪で服役していた元同僚の大越美奈子さん(48)が刑期を満了し、札幌刑務支所から12日、釈放された。
大越さんは00年5月の逮捕時から一貫して無実を主張したが、札幌地裁は03年、被害者の携帯電話の位置情報と大越さんの足取りがほぼ一致するなどの状況証拠から有罪を認定、懲役16年の判決を言い渡した。札幌高裁、最高裁も支持し、06年10月に判決が確定した。
大越さんは12年、遺体が焼かれた状況に関する判決の事実認定は誤りだと主張し、再審請求したが退けられた。17年に2度目の申し立てをし、今年3月、地裁に棄却され即時抗告した。日弁連は「冤罪の疑いがある」として再審請求を支援している。
確定判決によると、大越さんは00年3月、交際男性を巡るトラブルから恵庭市か千歳市周辺で同僚だった橋向香さん=当時(24)=の首を圧迫して殺害し、恵庭市の市道上で灯油をかけて焼いたとされる。
(産経新聞の記事から引用)


ちなみに札幌刑務支所とは、北海道に女性専用の刑務所がないため、札幌刑務所の支所というかたちで作られた女性受刑者の収容施設です
さて、検察側の立件と裁判所の認定で、事件は大越受刑者の交際相手だった男性が橋向さんと付き合いだしたことに腹を立て、大越受刑者が橋向さんを絞殺した上、遺体に灯油をかけて燃やした…とされています
遺体を再鑑定した弁護側は橋向さんの死因が絞殺ではないとの鑑定結果を得、犯行は複数の男性による強姦殺人であるとの見立てで再審請求をしたのですが、再審は認められませんでした
遺体は性器周辺がひどく焼け焦げており、犯人が体液を検出されないように念入りに焼いたものと弁護側は考えています
さらに弁護側は名指しこそしないものの、同じ運送会社に勤務していた男性社員の中にアリバイが不明な者が何人もいた点を指摘し、にも関わらず警察は最初から大越受刑者を容疑者と決めてかかっていた、と捜査の在り方を批判しています
灯油まで用意して強姦し、殺害した上で遺体を焼く…という犯行を、同じ会社で働く男性社員が企てるものなのか、どうか。捕まれば一生を刑務所で過ごす羽目になり、リスクが高すぎます
まだ、嫉妬に狂った女性が見境なく、損得勘定なしに犯行に及んだ、との見立ての方が妥当に思えるのですが
長くなりますので一旦ここで区切りにし、続きはまたの機会にしましょう

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再審と科学鑑定
日本評論社
矢澤昇治

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