本庶教授のノーベル賞に対する韓国の反応

日本政府が2001年に、「第2期科学技術基本計画」の中で「今後50年間にノーベル賞受賞者30人」を輩出すると謳ったとき、荒唐無稽な計画だとする批判がありました
もちろん、近年のノーベル賞受賞者を相次いで輩出しているのはこの基本計画の結果ではなく、それ以前(2001年以前)の研究結果が評価されているためです
しかし、政府として指針を示し、その裏付けとして研究費を助成する施策を打つのは当たり前であり、2001年以降の研究成果が将来、問われるのでしょう
さて、今年のノーベル医学生理学賞を本庶佑京都大特別教授が受賞し、これに対する韓国の反応を取り上げます
今回は中央日報日本語版に載った、社説を引用します


本庶佑京都大特別教授が2018年ノーベル医学生理学賞の共同受賞者に選ばれ、日本のノーベル科学賞受賞者は23人になった。「科学強国」日本が改めて証明された。
ノーベル科学賞受賞者が一人も出ていない韓国としては日本をうらやましく感じるしかない。
韓国はこれまで経済発展戦略で「追撃型」技術開発に集中し、日本に比べて基礎科学を軽視してきた。2000年代以降、「脱追撃型」に転換するために基礎科学に視線を向け始めた。この時からノーベル賞シーズンを迎えるたびに「ひょっとすると」という期待を隠していないが、短期間での成は期待しにくい。専門家らは日本がノーベル科学賞受賞者を相次いで輩出する要因を大きく2つ挙げている。基礎科学に対する集中的な投資と長期間にわたり研究に没入できる文化だ。韓国で盧武鉉政権、李明博政権、朴槿恵政権に続いて文在寅政権が基礎科学への投資を着実に増やしているのは良い方向だ。
問題は韓国では科学者が長期間にわたり一つの分野の研究に没頭するのが容易でないという現実だ。政権が交代すれば科学政策も変わる。政権が好む分野があればすべての研究が予算を確保するためにその方向に傾く。基礎科学への投資をいくら増やしてもこうした研究風土ではノーベル科学賞の受賞者を輩出するのは難しい。
本庶教授が「日本の基礎科学分野の若い人が元気づけられることを願う」としながら述べた所感は、ノーベル科学賞が空から落ちてくるのではないという点を悟らせる。
「物事に不可能はない。必ず道があるとの思いでやってきた」「時代を変える研究をするには好奇心、勇気、挑戦、確信、集中、連続が必要」「科学は多数決ではない。
既存の概念を壊す少数派の中からこそ新しい成果が生まれる」。こうした研究文化は一日で築かれるものではない。
我々が依然として日本から学ぶべきことが多いことを見せている。日本をノーベル科学賞強国に導いた科学政策を謙虚な姿勢で学ばなければいけない。


日本の科学政策を謙虚に学ぶべき、と書いていますが、何を学ぶのかは不明です
韓国では人工知能が注目されると、「人工知能研究に向け研究助成を増やすべきだ」との意見が沸き起こり、宇宙開発が注目されると「韓国も宇宙強国を目指すべきだ」との意見が噴出します
宇宙開発の前の基礎的なロケット工学や、天体物理の理論研究をすっとばして月に探査機を打ち上げる話になるわけです
「日本がノーベル賞を獲るのは基礎科学を重視してきたから。韓国も基礎科学に注力しなければならない」との意見が毎年出るものの、やっているのは従来通り、目に見える派手な結果(月探査機打ち上げ)に偏った行動でしょう
もちろん、そこには政治家の思惑があり、朴槿恵大統領が己の手柄にするため月探査機計画を前倒したのは誰もが知るところです
もう一つ指摘するのは、「金にならない研究をする奴はバカだ」という韓国の風潮です。科学は金もうけの手段であり、発明や新製品開発で儲けるために研究をする姿勢が顕著です。基礎科学はその知見が人類に貢献するとはいえ、必ずしも儲かる研究ではありません
ですからいくら社説で「基礎科学研究が重要ニダ」と叫んでも、韓国の大学や研究機関が基礎科学重視に傾斜することはないのです
今回の本庶佑教授の受賞に韓国は反応しているのも、基礎科学としての評価ではなく「ガン治療薬開発で大儲け」という結果に目が向くからなのでしょう

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