中国のマラソン国旗問題 愛国押し付けは害悪と批判

中国政府及び中国人にとってスポーツ競技は国威発揚の場であり、愛国心を示す場になっています。スポーツを観戦し、楽しむという文化が欠如しており、中国選手さえ活躍すればよいとの偏った接し方が顕著です
先日、中国の江蘇省で行われたマラソン競技において、沿道にいたボランティアがゴール直前でデッドヒートを繰り広げている中国選手に国旗を手渡そうとしたものの、「受け取らずに拒否された」場面があった、と騒動になっています
さらに別人に中国国旗を差し出したため、選手はこれを手にしたものの、ゴール前で捨てたとして批判を浴びました


江蘇省蘇州市で行われた女子マラソンの大会で、中国選手が手渡された中国国旗を投げ捨てた問題をめぐり、中国紙は選手をとがめた一部ネットユーザーらを「ルール破壊は害国で愛国にふさわしくない」と批判した。国営テレビも「過度な道徳の押し付け」に苦言を呈した。
18日の大会に出場していた中国の何引麗選手は、ゴールまで残り数百メートルというところでケニア人選手とトップを争っていた。すると、突然コース脇にいたボランティアが何選手に近づき、中国国旗を渡そうとした。
何選手は受け取らなかったが、その先にいた別の人物が再び国旗を差し出した。何選手は受け取ったものの、ペースを乱され失速。やむなく国旗を路上に投げ捨てた。何選手は結局2位となり、レース後に一部のブロガーや自メディア(新興メディア)から「国旗に対する不敬」との声が上がった。
この騒動を受け、新京報はスポーツコンサルタント会社「関鍵之道」の張慶総裁の論評記事を掲載。張氏はボランティアが国旗を渡すためにコースに進入したことについて、
「客観的に見て選手に対する妨害になった上、国際陸上競技連盟のルールではゴールテープを持つ人物を除き、審判員でさえもコース内への進入は許されていない」と解説した。
その上で「ルール意識、契約精神は文明社会の土台だ。いわゆる『愛国』の旗印の下で私利をむさぼり、ルールを破壊する行為を容認する個人や機関については、『愛国』の2文字はふさわしくないと言うしかない。それは『愛国』ではなく『害国』と言っても過言ではない」と厳しく指摘した。
国営中国中央テレビ(CCTV)も中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で「国旗を利用して過度な道徳を押し付ける人は愛国とは言えない」と論評した。
この中では「ボランティアが何引麗に国旗を無理やり手渡したのは不適切。レースの最後はすべてのランナーにとって非常に重要で邪魔をされるべきものではない」と言及。
「国旗を手渡したことが何引麗のリズムを狂わせたことは明らか。国旗をまとって愛国精神を示してほしかったというのなら、レース後でも全く問題ない」と主張した。
さらに「パソコンの前でキーボードをたたいているだけの人間は、たとえ国旗にくるまっていたとしても、国のためには少しも貢献していないのだ」と非難。「国旗は民族と国家の精神の象徴。ならば、他人を攻撃するための道具になどしてはならない。自らの職を全うし、国の発展や建設に貢献することこそが本当の愛国だ。スポーツ選手にとっては素晴らしい成績を収めることこそ、愛国なのである」と論じている。
(レコードチャイナの記事から引用)



こうした当たり前の指摘をしないと、「国旗を軽視した選手はけしからん」との批判がおさまらないほど「偏狭な愛国心」に囚われてしまっている国民が多いのでしょう。それも中国共産党が国民を誘導し、洗脳してきた結果なのですが
スポーツの場に限らず、例えば欠航によって空港に取り残された中国人観光客が国旗を振り回し、国家を謳って「我々は中国人だ。特別扱いしろ」と圧力を示す光景が当たり前のように見られます
愛国心という名の強請りたかり行為が中国人に根付いてしまっているからであり、ゆえに中国人がどこの国でも嫌われる原因になっています
彼ら、彼女らの愚劣な行為も、中国共産党の推進してきた科学的社会主義や愛国教育の産物であり、それを正すためさらにまた教育を必要とする悪循環…
あるいは中国国旗を手渡された選手が勇気百倍となり、あり得ないほどの力を発揮して優勝を飾る、という愛国譚を夢想していたのでしょうか?
北京でオリンピックが開催されても、中国にはスポーツを楽しみ愛でる文化が育っていないと証明する事件だと思い、取り上げました。
日本でも駅伝の選手が足の痙攣で走れない中、四つん這いになってタスキをつなごうとしたケースを「美談」に仕立て、「チーム愛」や「連帯精神」を称える人がいます
スポーツの場に怪しげな精神論を持ち込んでほしくはありません
それがシゴキや体罰を正当化してしまうからです

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