新潟女児殺害事件8 公判前に事件報道を考える

昨年の事件でその後が気になってはいたものの、ブログで取り上げないままになっていたケースがいくつもあります。新潟での殺害、遺棄事件もその1つです
新潟市西区で昨年5月、小学2年の女子児童が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死、死体遺棄・損壊などの罪に問われた小林遼被告(24)の公判前整理手続きが進行しており、年明けには公判に向けて動き出すものと思われます


絶対に報じられない新潟女児殺害事件現場 マスコミが犯人と決めつけた男
(前略)
そのとき、メディア各社はどのような取材を展開していたのでしょうか。取材の舞台裏を明かすのは、ある週刊誌記者です。
「発生から3日間は、ひたすら被害者の大桃珠生ちゃんの人物像やガン首(写真)集めに奔走していました。いま報道で出ている珠生ちゃんの写真は小学校の創立130周年記年のDVDなのですが、全生徒に配られたものではなく、実は貴重な代物。ある写真週刊誌の記者は保護者会に出向き、保護者ひとりひとりに『DVDを持ってないですか!』と血眼になって呼びかけていました」
事件発生4日後になると、現場に「迷宮入り」の一文字が浮かんできたといいます。相変わらずドライブレコーダーを集めている警察に痺れを切らし、報道陣は独自で地元の不審者の割り出しに動いていたのです。その結果、3人の不審者情報が浮上してきたといいますが――。
「1人は地元では有名なアル中のおっさん。『あいつならヤリかねん』ということでNHKを含む複数の社が事前におっさんの『絵取り』と一問一答を済ませていました。要するに、逮捕されたときのための素材作りですよね。2人目は、地元のひきこもり男性。自宅には取材が殺到し、結局、親御さんがブチ切れて、報道陣の写真を逆に撮りまくっていましたね」(同前)
3人目に浮上したのは、地元の地銀に勤める20代のA氏。実は、14日早朝、フジテレビなどが「重要参考人の聴取始まる」と第一報を打った際、各社は人定(当該人物の名前を特定すること)ができていなかったのです。
「その日、多くのマスコミは『重要参考人』をこの3人目のA氏と勘違いしていました。
さらにテレビ局がA氏の自宅を指差し『こちらに住む20代の男が事情聴取を受けている模様です』というレポートまで始める始末。しかし、(勤務先の)地銀が否定のFAXを各社に流したことでA氏ではないことが分かった。いま考えれば、とんだ人権侵害でしょう」(同前)
結局、夕方前になり「男に逮捕状請求」という報道が流れ、容疑者はノーマークだった近所に住む小林遼容疑者(23)だったことが発覚。続々と自宅前にはマスコミが集まり始めたのです。まさにマスコミにとっても急転直下の逮捕劇だったといいます。
「警察からの情報が下りてこず、発生数日後の週末には仕事を放棄し、『もう迷宮入りだ。新潟県警は無能だよ』と飲み屋で管を巻いていた記者も多かっただけに、逮捕状請求と聞いて、まるで狐につままれたような気分でした」(社会部遊軍記者)


取材する記者は探偵ではありませんし、事件に関する情報を警察より多く持っているわけでもなく、何を報じるか難しい判断を迫られるのは分かります。ニュース番組では何かの最新情報を流さなくてはならず、新聞なら紙面を埋める文字数が必要があるのですから
しかし、犯人ではない人物を勝手に容疑者と決めつけて追いかけまわす行動には、苦笑するしかありません(疑われた側にすれば笑い話どころではないはずです)
見当違いな報道が出回った一方で、事件として報道されていなかった問題もあります
小林被告は本件の前に、山形県警に児童ポルノ法違反で検挙された他、上越署にも青少年保護育成条例違反、児童ポルノ禁止法違反容疑で検挙され書類送検を受けています
しかし、この2件とも報道はされず、親も勤務先の会社も知らなかったとされます
微罪事件まで逐一警察が公表する義務はないのでしょうし、メディアも些細な事件を報じるため紙面を割いたりはしないとしても、なぜ小林被告の前科と呼ぶべき性犯罪が表沙汰にならなかったのか、不可解です
青少年保護育成条例違反などは事件の事実を親に告げた上で、今後の監督を要請するケースもあるわけで
上越署がなぜ、そうした対処をしなかったのか不明なままです
親なり、雇い先の会社が小林被告を戒め、監督する姿勢を示したなら、専門機関で治療を受けるよう促していたら、本件は未然に防ぐことができたかもしれない・・・との見方もあります
性犯罪者として実名や顔写真が報じられるのは恥辱であるとしても、それが治療を受けるきっかけになるのであれば、社会にとって実益になると考えます

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