新元号「令和」 中韓の反応その2

日本がどのような元号を採用しようとも、中国や韓国には関係ないはずです
が、何か言わずには気が済まないとばかり中国や韓国のメディアがあれこれ取り上げており、実に興味深い現象です
中国政府御用達のメディア、「人民網」は政府の公式見解を代弁する役割を果たしている宣伝、工作のための機関です。
その「人民網」は新元号について、「直ちに中国古典由来のものと決めつけるのは誤りだ」という見解を示し、巷に広がっている張衡の「帰
田賦」にある「仲春令月、時和し気清し」が日本の新元号「令和」の源とする説に異を唱えています


日本政府は1日午前、新元号の「令和」を発表した。新元号は日本最古の歌集「万葉集」に由来しており、平和を追求し、期待に満ちた素晴らしい新時代を切り開くという願いが込められている。「大化」(645年)から「平成」まで計247ある元号は、これまで全て中国の古典(漢籍)に由来してきたことが確認されている。しかし248番目の「令和」は、初めて日本の古典からの採用となった。
「令和」は突き詰めるとやはり中国の古典がその由来?
あるネットユーザーは、後漢の文学者・張衡の「帰田賦」(文選)にある「仲春令月、時和し気清し」が日本の新元号「令和」の由来ではないかと指摘している。「帰田賦」は138年の創作であるのに対して、「万葉集」に収録されている和歌のほとんどは奈良時代(710-794)の作品となる。二者には約500年の差があるが、「令和」は「帰田賦」に由来しているのだろうか?
この点に関して、中国外交学院国際関係研究所の周永生教授や北京大学の王新生教授は、「二者には直接の関係はない」との見方を示す。
周教授は、「中国と日本の古代文化は互いに通じており、『万葉集』含む日本の古典文化は中国の古典文化の影響を受けている。しかし、『令和』が『帰田賦』に由来しているとは言えない」と指摘する。
王教授も、「古代の日本文化は基本的に中国文化に由来している。私たちが目にすることができる日本古典文化から、中国古典文化の影響を受けていることを垣間見ることができる。しかし、『令和』だけを見た場合、張衡の詩歌とは直接の関係はない」との見方を示す。 (以下、略)
「人民網日本語版」2019年4月2日


他方で韓国メディアは、「万葉集」の歌人の主だった人物は渡来人(朝鮮半島から渡った者の子孫)であるとの見解を引用し、日本の文化と称する「万葉集」も朝鮮半島の影響を受けたものだ、とする記事を書いています
ここでも日本の文化の起源は朝鮮である、と主張したくて仕方がないのでしょう


毎日新聞によると、中西教授はこの『万葉集』研究の権威者だ。令和の意味を説明する多くのメディアが、中西教授の解説書を参考にしたほどだった。ただ、中西教授は「令和を考案したのは間違いないか」というメディアの質問に対し「申し上げることはない」「(日本の古典から新年号が出たのは)良いことだと思う」と答えるにとどめた。
菅義偉官房長官も今月1日、「考案者自ら、自身が公開されることを望んでいない」と語った。
(中略)
中西教授は、韓半島(朝鮮半島)の古い詩歌と、韓半島から日本へやって来た渡来人が、万葉集に載っている日本の詩歌に影響を及ぼしたと考えている。万葉集の作者の一人に挙げられる山上憶良は百済からやって来た渡来人だ、という学説を提起したこともあった。
在日韓国人作家の柳美里は今月2日、ツイッターに「令和の考案者だと報じられた国文学者の中西進さんと2010年6月に札幌で対談しました」「中西さんは朝鮮半島動乱で、百済、高句麗が滅亡すると、多くの人たちが半島からこの国にやってきた。額田王、山上憶良、柿本人麻呂ら渡来系の歌人たちは、万葉集において大きな影響を持ったと話されました」と書き込んだ。
朝鮮日報日本語版2019年4月5日


中西教授の唱えた説が学会の主流として支持されているわけではなく、一つの考え方という程度です。中西教授は国文学者であって、歴史学者ではありません
「万葉集」の時代、歌人として有名な人物もその出自が明確に記録として残されていないケースがほとんどであり、また自ら渡来人の子孫と自称する向きもあったのではないかと推測されます。現代風に言えば帰国子女か、外国人とのハーフというポジションなのかもしれません
さらに外国の王族の子孫を自称し、高貴な家系だとアピールしたがる人がいたとも考えられます。渡来人というのは1つのステータスだったのでしょう
2つの記事を読めば余裕しゃくしゃくの中国と、日本文化の源流は朝鮮半島だと叫ばずにはいられない韓国、との印象を受けます
が、言うまでもなく百済や新羅という国に住んでいた人たちと、現在の朝鮮半島の住人とは別な民族であり、関連は薄いのです(新羅語や百済語、あるいは高句麗語と、現代の韓国語の関連が乏しく、別系統の民族が移入してきたと考えるのが妥当です)
なので、渡来人が「万葉集」の時代に活躍していたとしても、それが現代の韓国とは関係ありません。混同するのはやめるべきでしょう

(関連記事)
「令和」にちなみ万葉集を注目する韓国
新元号 中韓の反応
「令和」で安倍政権批判に狂奔するメディア
「元号」を批判する朝日新聞社説 意味不明
「天皇交代で日本は中国に助けを求める」と書く中国メディア
中国メディア「大量の漢文書籍を保存してきた日本」を評価
「中国が文化大国になれない理由」を読めない中国メディア
中国文化と日本文化、どっちが影響力は上か
「日本人は歴史と向き合え」と言う中国の高校生
中国 故宮博物館で盗難事件
日本の辞書文化を羨む韓国
「日本のソフトパワーは衰えている」と書く中国メディア
日本のイメージは世界最高 中国人「なぜだ?」
「日本人は歴史と向き合え」と言う中国の高校生
「文化大国」中国にアイドルが生まれない理由?


万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫) [ 角川書店 ]
楽天ブックス
角川ソフィア文庫 角川書店 谷口 広樹 KADOKAWABKSCPN_【ニコカド2016_3倍】古典


楽天市場