立川病院暴走死亡事故 運転の85歳に禁固2年の実刑判決

高齢者の運転ミスによる死亡事故を続けて取り上げます
池袋での事故で思い当たるのが、2016年11月、立川市の国立病院機構災害医療センターの敷地内で車が暴走し、歩道を歩いていた2人がはねられ死亡した事件です。当ブログでは2016年11月の記事、「高齢者の交通事故相次ぐ」で触れていますが、裁判結果に言及していませんでしたので、あらためて取り上げます
事件当時83歳だった上江洲幸子は判決公判時に85歳になっていました
東京地裁立川支部は上江洲幸子に禁固2年の判決を言い渡しています


東京都立川市の病院で平成28年、車が暴走して2人が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた東京都国分寺市の上江洲幸子被告(85)に対し、東京地裁立川支部は30日、禁錮2年(求刑禁錮4年)の判決を言い渡した。
宮本孝文裁判官は判決理由で「2人を死亡させた結果は極めて重い」と指摘。「85歳と高齢だが、認知機能の衰えに起因する事故ではない」として弁護側が求めていた執行猶予を付けなかった。
判決によると、28年11月12日、立川市の国立病院機構災害医療センター敷地内で車を運転し、八王子市の会社役員、安和竜洋さん=当時(39)=と小平市のパート、市川妙子さん=同(35)=をはねて死亡させた。
傍聴した安和さんの母親(73)は「先日も高齢女性による死亡事故があり、残念な気持ちだ。高齢者には運転してほしくない」と話した。
(産経新聞の記事から引用)


以下、判決文から量刑判断の理由を引用します


歩道上の歩行者2名を死亡させており,結果が極めて重い。各被害者の母らが強い処罰感情を示しているのも理解できる。
しかも,その過失の態様は,アクセルペダルをブレーキペダルと間違えて踏み込んで自車を前方に暴走させ,さらに,歩行者を認め急制動の措置を講じようとしたが,自車を暴走させたことに狼狽し,再度ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んで自車を加速させて暴走させ,歩行者2名を跳ね飛ばした上,コンクリート壁に激突させたというものであって,基本的な注意義務の違反である。
被告人は,本件事故当時83歳という高齢であったが,健康であり,その約半年前に運転免許を更新し,その際実施された認知機能検査,適性検査,実車教習等に何ら問題がないとして免許が更新されたというのであるから,本件事故は,必ずしも高齢による認知機能等の衰え等に起因するとはいえない。
もっとも,被告人は,無謀な運転に及んだものではないし,悪質な道路交通法規の違反を伴う運転をしたものでもない。
被告人は,金銭による賠償ではあるものの,被害者らのうち一名(C)の遺族(妻)との間では示談を成立させている。被告人の加入している共済保険は上限が限定されていないものなので,もう一名の被害者の遺族に対しても,将来的に合理的な額での賠償がなされる見込みもある。
被告人は,本件を深く悔いており,亡くなられた被害者らはもとより遺族への謝罪の気持ちも心からのものとうかがえる。
以上に加え,被告人は,現在85歳であり,健康状態に問題は抱えていないようであるが,その年齢を考慮すると,長期間の服役に心身が耐えきれるかという懸念は拭えない。
以上を踏まえると,その犯情に照らし,実刑は免れないとしても,刑期は主文の程度にとどめるのが相当である。


入院中の夫を見舞うため車で病院を訪れた上江洲幸子被告ですが、思わぬ惨事を起こす結果になりました
上記の判決のように、運転者が高齢だからという理由で安易に量刑を軽くしたり、執行猶予を付けたりはしないと、世の高齢者ドライバーは認識してもらいたいものです

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