BBC「世界は漫画を通して日本を見ているのか」

NHKの親玉みたいな存在として思い浮かぶイギリスの公共放送BBCが、日本の漫画文化と諸国の関係に言及する記事を書いていますので、取り上げます
以前、当ブログでBBCが日本の漫画文化=児童ポルノと断罪する番組を紹介しています
同様に、今回の記事も一方的な目線から捉え書かれたものであり、日本人が読むと「何だかなぁ」と違和感ありありの感想しか出てきません
こうした食い違いが生じるのは、海外メディアが漫画やアニメを世界的な流行という事象で語ろうとする一方、日本人はあくまで日本のポップカルチャーとして見据え、日本人の審美眼に適うかどうかで語ろうとするギャップにあるのかもしれません
例えば韓国のマンファの描き手は海外でどうウケるかを考えながら描くわけですが、日本の漫画家は世界一シビアな日本の読者にどうウケるかを考えずにはいられません。日本の読者にウケてこそ、プロとしてやっていけるわけで
以下、BBCの掲載記事の一部を引用します。全容を知りたい方は、以下のアドレスにアクセス願います


世界は漫画を通して日本を見ているのか
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48618569
ロンドンの大英博物館では現在、日本国外では最大の漫画展が開催されている。物語を絵で見せるこのアート様式がなぜ世界中で人気を集めているのか、なぜ文化のクロスオーバーを起こしているのか、そして世界中でどのような影響を与えているのかを見ることができる。
多くの場合、世界の人が初めて触れる日本文化は漫画やアニメだ。
韓国の漫画家ホン・ヨンシク氏もその一人。ホン氏は、自分の家族がワーク・ライフ・バランスを取り戻そうとする様子を漫画にし、「Uncomfortably Happily(居心地悪いけど幸せな)」として出版した。
「日本文化のことを考えるとき、はじめに思い浮かぶのは漫画とアニメだ。韓国では漫画やアニメの知識がなくても、そう思っている人は多い。この2つが日本文化を代表していると思う」
日本と韓国の関係は複雑だが、漫画やアニメは前向きな関係をもたらしているとホン氏は言う。
「ほとんどの韓国人は日本による侵略と植民地支配をまだよく覚えている。私たちにとって、日本はとても近いが、とても遠い国だ」
ここで言う近さには地理的な距離のほかに、ポップカルチャーが育む相互理解も含まれる。
もちろん、抵抗感は両国双方にある。韓国の漫画が日本で出版される際には、韓国らしいデザインや言葉は差し替えられて、現地化(ローカライズ)されがちだ。日本の読者は日本で生まれたコンテンツに慣れているからだ。
悪名高い事例が、2005年の「マンガ 嫌韓流」だ。韓国の文化を下等と見なす少数派意見を作品化したもので、韓国ではこれを受け、日本文化を標的にした類似の本が出版された。
こうした緊張関係は、世界に輸出するポップカルチャーの分野で日韓がライバルになりつつあることにも関係している。日本の「マンガ」と韓国の「マンファ」の競合も、ライバル関係の一部だ。
植民地支配の歴史というキーワードは、アジアから遠く離れた場所でも漫画の受け取られ方に影響を与えている。米スワースモア・カレッジでフランス語圏を研究するアレクサンドラ・ギーダン=トゥレク准教授は、かつて植民地だった国が自分たちの文化アイデンティティーに正面から取り組む手段として、マンガが有用だと語る。
ギーダン=トゥレク氏は、北アフリカのアルジェリアで「DZマンガ」というジャンルが生まれた理由について、2つの傾向があると指摘する。
「西洋の絵画とも、伝統的なイスラム芸術とも違う異国化。それから若いアルジェリアの読者に訴求する現地化(ローカリゼーション)の要素だ」
つまり、伝統的にフランス文化が圧倒的な地位を占めるアルジェリアにおいて、日本は歴史的にも地理的にも、別の選択肢になり得るほど遠かったというわけだ(アルジェリアでは他のアラビア語圏と同様、「キャプテン翼」が大ヒットしている)。ギーダン=トゥレク准教授はこの現象を、文化の新たな可能性を開くものだと前向きに捉えているが、日本そのものは必ずしも関係していないと見る。
「DZマンガが人気なのは、読者が日本文化に惹かれているからというより、漫画が柔軟で世界的に人気の文化商品だからだ」
アルジェリアの漫画出版社Z-Linkのサリム・ブラヒミ社長も、アルジェリア人にとって「漫画は、アルジェリアから遠いところにある文化を見つける手段だ」と語る。
ビデオゲームや日本食といった日本文化もアルジェリアに入っているが、「アルジェリア人が日本の文化を発見し、それを体験する最大の手段は漫画だ」という。
Z-Linkはアラビア語とフランス語、ベルベル語でDZマンガを出版する。さらに、日本の漫画やアニメ、ゲームに特化した雑誌「Laabstore」も発行している。
漫画好きはフランス仕込み?
アルジェリアの人が漫画に興味を持った一端には、旧宗主国フランスの長きにわたる日本文化びいきが反映されている。17世紀末には、フランスのコレクターは「中国様式」と間違って呼ばれた漆塗りのたんすなどの日本製品を買い集めた。次に流行したのは浮世絵で、欧州にジャポニズム熱が広まるひとつのきっかけになった。
浮世絵は、現在の漫画の原型でもある。
(以下、略)


海外メディアによくあるパターンで、事象を極めて広く浅く紹介するだけの記事です
上記の記事だけでは、韓国のマンファと日本の漫画の関係など何も分かりません。踏み込みが足りないのですから
同様にアルジェリアにおける日本漫画の影響がどのようなものか、まったく見えてきません
引用から省略された部分を読んでも、「結局、この記事は何を言いたかったのか?」と思うばかりです
せめて日本風漫画表現を獲得した作品が世界各地で見られるようになり、新たな文化の波を予感させている…というオチなら理解も納得もできるところですが
記事の書き手の理解不足もあり、タイトルのごとく「漫画を通して日本を見ている」のかどうか、怪しい限りです
記事全体を通じて残念ながら、この記事の書き手には日本が見えていないのだろうな、と思うばかりです

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