日本案を振った豪潜水艦調達計画 大失敗へ

オーストラリア海軍は潜水艦調達計画で、フランスの提案した案の採用を決めたのが2016年4月でした
オーストラリアの造船所の雇用を維持するため、国内での建造という条件付きです
しかし、この計画が早くも座礁しかけていると報じられており、先行きが怪しくなってなってきました
往々にして新兵器の調達計画は目論見通りにはならず、さまざまなコストが嵩み、当初予算を大幅に上回るのが珍しくありません


世界一馬鹿げた潜水艦調達プログラム「アタック級潜水艦」
オーストラリアがコリンズ級潜水艦の更新用として調達予定の「アタック級潜水艦」の価格が高騰し、この計画自体の存在が危ぶまれている。
当初、オーストラリアは12隻調達するアタック級潜水艦の費用を「500億豪ドル(約4兆3,000億円)」程度、1隻あたり約3,600億円と見積もっていたが、この費用はもう800億豪ドル(約6兆円)、1隻あたり約5,000億円まで上昇している。
これは複雑な調達方式に起因する調整に時間が掛かっているためで、2022年からの建造予定が大幅に遅れ、この遅延がプログラム全体の費用を押し上げる要因になっている。
まずオーストラリアが選択したアタック級潜水艦は、フランスが調達中のシュフラン級原子力潜水艦の推進システムを通常動力(AIP方式)に変更したバージョンだが、フランスは通常動力の潜水艦を建造していないため、必然的にこの部分の設計変更と検証には時間が必要になる。
しかも契約上、船体の設計を担当するDCNSが直接フランスで建造するのではなく、オーストラリアで建造する必要があり、現地の造船施設を整え建造に必要な技術の移転も行わなければならず、建造に取り掛かる前にクリアしておくべき問題が多い。
果たして、フランスに米国製戦闘システムのデータを開示できるか?
この問題をさらに悪化させているのが、米国製の戦闘システムや搭載兵器の採用だ。
要するにアタック級潜水艦に米国製のシステムや兵器を統合するということは、米国は兵器のデータをフランス企業のDCNSに開示しなければならず、米国とフランスの関係を考えれば、これが簡単なプロセスではないことぐらい容易に想像がつくだろう。
実際、米国はアタック級潜水艦に統合する米国製システムや兵器のデータがフランスからロシアや中国へ漏れることを懸念しており、米国製システムや兵器をフランスが統合するのではなく、直接、オーストラリアへ提供し、オーストラリア人の手で統合することを提案しているとオーストラリアメディアが報じている。
最もシンプルなのは、アタック級潜水艦にフランス製のシステムや兵器を採用することだが、オーストラリアはコリンズ級潜水艦に米国製の戦闘システムや搭載兵器を採用しているので、これをフランス製に変更すればオーストラリア海軍が築き上げた潜水艦の戦闘ノウハウや消耗兵器のインフラ、米軍との共同運用を再構築しなければならず譲れない部分だ。
上記の問題をクリアし、アタック級潜水艦1番艦が就役するのは早くても2034年頃と言及されているので、既に5年から6年程度のスケジュール遅延が発生している計算となり、これが500億豪ドルから800億豪ドルへと調達コストが上昇した理由だろう。
因み、アタック級潜水艦の調達費用とは別に、2080年までの運用コスト(サポートやメンテナンス、アップグレードコストを含む)は1,450億豪ドルが必要だと報告されており、アタック級潜水艦プログラムの総費用は2,250億豪ドル(約16兆7,000億円)に達する見込みだ。
結局、アタック級潜水艦は1隻あたり、ライフサイクルコスト込みで約1兆3,000億円もの費用が投じられることになると言う意味だ。


日本は「そうりゅう」型潜水艦の建造を提案し、1番艦のみ日本国内で建造し、2番艦以降はオーストラリアで建造する計画を示したものの、採用には至りませんでした
この潜水艦建造計画は技術論というより、政治にかき回された感があります。当時のオーストラリア政府は中国の影響が大きく、オーストラリア首相の息子が中国共産党幹部の娘と結婚しており、中国とズブズブの関係になっていました(後日、中国のスパイがオーストラリア政府に対する政治工作を暴露し、大問題になりました)
オーストラリア海軍と共同歩調をとる米海軍は「そうりゅう」型潜水艦を導入するよう働きかけたものの、オーストラリア政府の決定は上記のとおりです
その結果、戦闘システム導入や魚雷等の搭載兵器で計画が難航しています
もし「そうりゅう」型潜水艦の導入を決めていたら、すでに1番艦が建造が進み、来年には完成しオーストラリア海軍の手に渡っていたかもしれません。海上自衛隊が運用する「そうりゅう」型は当然、アメリカ海軍の戦闘システムと搭載兵器と互換性がありますので、運用面で問題は生じなかったわけで
アタック級潜水艦が完成した後にもさまざまな不具合、トラブルに見舞われる可能性を考えると、当時の政府の判断がいかに愚かなものであったかオーストラリア国民は思い知るでしょう

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