千葉ベトナム女児殺害を考える 控訴審でも無罪主張

年末年始にかけて凶悪事件のその後、顛末を振り返っています
千葉県松戸市でベトナム国籍の小学生が殺害された事件では、無期懲役の判決を不服として検察も弁護側も控訴しており、昨年9月に控訴審が始まっています。しかし、第1回の公判を伝える記事はあっても、それ以降の公判の様子を伝える報道が見当たらずどうなっているのかと思うばかりです
控訴審で渋谷被告は無罪を訴えていますが、無罪を裏付ける新たな証拠や証人はなく、一審で有罪の決め手となったDNA鑑定を問題視し、証拠にはならないと主張する法廷戦術のようです


千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年レェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=殺害事件で殺人などの罪に問われ、一審で無期懲役とされた小学校の元保護者会長、渋谷恭正被告(48)の控訴審第1回公判が26日、東京高裁(平木正洋裁判長)であった。一審に続き、検察側は死刑を求め、弁護側は無罪を主張した。
検察側は「信頼を逆手に取った極めて悪質な犯行」と被告を指弾し、極刑適用を求めた。弁護側は一審の有罪判断の根拠となったDNA型鑑定の信用性に疑問を呈し、「被告は犯人ではない」と反論。県警が逮捕前に渋谷被告のDNAを採取した際、「私有地から無断でたばこの吸い殻を持ち去った」と捜査の違法性も訴えた。
一審千葉地裁は昨年7月、遺体に付着していた被告のDNAや、被告の車の広範囲からリンさんの血液が検出されたことから、被告の犯行と認定。無罪主張を退ける一方、「殺害手段の残虐性が高いとは認められない」などと極刑を回避した。
一審判決によると、渋谷被告は2017年3月24日、わいせつ目的でリンさんを車で連れ去り、首を圧迫して窒息死させ、遺体を千葉県我孫子市の排水路脇に遺棄した。
閉廷後に会見したリンさんの父レェ・アイン・ハオさん(37)は「謝罪も反省もせず、無罪を主張するのは許せない」と怒りをにじませた。
(時事通信の記事から引用)


違法に採取されたDNAには証拠能力がないとする法律論で責め、一審判断の誤りを衝く構えです
しかし、DNA鑑定だけが有罪判断の根拠のすべてではありません
上記のように渋谷被告以外の誰かが犯人であると示唆する有力な証拠もないのであり、犯行のあったとされる時間帯に渋谷被告はアリバイを立証することはできないままです
第2回以降の公判がどうなっているのか、気になります。このところ高等裁判所が一審判決をひっくり返すという無謀な判断が目につくため、東京高裁がまた変な判決を下すのではないか、との懸念もあります
検察は今回も犯行の残虐性を主張し死刑を求刑するはずであり、「被害者が1人の場合は死刑を回避する」という裁判所の判例への執着を断ち切れるかどうか、注目しましょう
9歳の女の子がSMプレー用の手枷足枷で拘束され、強姦された上で絞殺され、全裸で川に遺棄された事件を、残虐性がないなどと述べる裁判官は人間性を疑わざるを得ません
追記:弁護士ドットコム掲載記事によれば、控訴審の第2回公判は11月、第3回公判は1月に予定されているのだそうです。しかし、第2回公判を様子を伝える記事は今のところ発見できません

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