「固体燃料ロケット開発で弾道ミサイルにもできる」とはしゃぐ韓国

韓国はウクライナから設計図を入手した液体燃料ロケットエンジンの開発に取り組んでいますが、さまざまな問題が解決できず難航しています
韓国のロケット開発の歴史は紆余曲折だらけなのですが、制約の1つに朝鮮半島の軍事的な脅威を低減するためアメリカの意向で「韓国に長射程のミサイルを保有させない」とする戦略があります
韓国としては北朝鮮が大型で長射程の弾道ミサイルを開発しているのに、自分たちだけ縛りをかけられているのは不公平だと主張し、アメリカと対立してきた経緯があります
朝鮮日報は、「アメリカが方針を転換し、韓国に固体燃料ロケットの開発を容認するかもしれない」との憶測を記事にしています。そして固体燃料ロケットが可能となれば、それを弾道ミサイルに転用できるとはしゃいでいる様子が伝わってきます
弾道ミサイルを保有すれば中国や日本も軍事力で牽制できる、との下心を隠す気はないのでしょう
下、朝鮮日報の記事から引用します


韓米ミサイル指針が「固体燃料使用制限」を解除する側へと方向を定めたのに伴い、間もなく韓国の宇宙用長距離ロケット開発に青信号がともる見込みだ。韓国は、国産ロケット「羅老号」を液体燃料ベースで開発してきたが、複雑な構造と不安定性で数度にわたり失敗を繰り返していた。
液体燃料ベースのロケットは、推力は高いものの、燃料を注入して発射の準備を行う過程は複雑だ。その一方、固体燃料ベースのロケットは燃料注入の過程がなく、発射のプロセスも複雑ではない。
固体燃料ベースのロケット開発が完了すれば、1トン前後の小型衛星を高度600キロ前後の低軌道に打ち上げられるようになる。韓国政府が必要とする小型の偵察・通信衛星などを、安定的に宇宙へ打ち上げる基盤が整うというわけだ。
韓国航空大学航空宇宙機械学部の張泳根(チャン・ヨングン)教授は「固体燃料ベースの推進体を使えば、重さ500キロから1トン程度の小型衛星を安定的に打ち上げる基盤がすぐに整う」として「韓国航空宇宙研究院が現在推進中の羅老号に積む人工衛星も1.5トン規模で、固体燃料ベースの推進体技術を導入すれば発射は容易になるものとみられる」と語った。
韓国政府の関係者は「液体燃料ベースの羅老号だけをやるとしても、燃料の維持・注入のためかなりの技術・人材が必要」と語った。固体燃料に切り替えると、燃料注入・補完のプロセスがなくなるので費用も安くなる。
今回の指針改正は、中・長期的には米国の中距離核戦力(INF)全廃条約脱退とも方向性を同じくするものと解釈されている。韓国など同盟国が独自の中距離ミサイルを開発・配備すれば軍事的負担を減らせるので、米国は今回の改正協議に前向きな姿勢を見せたというわけだ。
韓国軍関係者は「いつでも、どこでも発射できる固体燃料ベースのロケットの開発は、長期的には韓国の国防力向上にも直結する」と語った。固体燃料ベースのロケットは有事の際、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に転用が可能だ。固体燃料ベースのロケットが開発されれば、理論的には発射台付き車両(TEL)を利用したICBM発射技術を持つことになる。
(以下、略)


何というか、もう移動発射台からICBMを発射する気満々です。ただし、アメリカが韓国に固体燃料ロケットの保有を許したと決定したものではないので、はしゃぎすぎでしょう
省略した記事の中には、アメリカ側が「ほかの国とのバランスが取れておらず、民間用ロケットに限って制限を解くもの」という韓国政府の説得に応じたかのような表現が見られるのですが、民家用というのが建前に過ぎないと白状しているわけです
指摘するまでもなく、韓国が中距離や長距離の弾道ミサイルを保有することを中国が許すとは思えないのであり、厳しい政治対立が起こるのは確実でしょう。その時になって、「人工衛星打ち上げのためのロケットであり、弾道ミサイルではない」と釈明するのでしょうか?
さて、上記の記事も突っ込みどころだらけです
固体燃料ロケットだから簡単という決めつけは大いに疑問です。日本は固体燃料ロケットのΜ5型を使い、小惑星探査機「はやぶさ」(初代)を打ち上げるなど実績を積んでいますが、韓国にそうしたノウハウの蓄積はありません。真偽は不明ながら、固体燃料ロケットは打ち上げ時の振動が激しいため、精密機器の塊である人工衛星の打ち上げには不向きである、との指摘も聞きます。弾道ミサイルの弾頭ならともかく、通信衛星や小惑星探査機のような精密機器にとって振動は故障の要因ですから、リスクが大きいと考えられます。宇宙空間まで到達したものの、衛星が故障して使えないようでは困ります
商売人のトランプ大統領ですから、人工衛星を打ち上げたいなら(アメリカの)民間会社に発注しろ、と言い出すかもしれません

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