14歳養女強姦事件を考える1 被害者証言は曖昧無罪判決

3月11日、福岡高等裁判所は2018年に起きた、当時14歳の養女と自宅で性交し監護者性交等罪に問われた事件で、被告である養父(38)に対し、無罪とした1審の福岡地裁判決を破棄し、「供述を適切に評価する審理が不足していた」として審理を地裁に差し戻す決定を言い渡しています
ここ最近、性犯罪事件で、「被害者が明確な拒絶の意思を示さなかった」として加害者に無罪を言い渡すというとんでもない判決が相次いでいました。本件もその中の1つです
この事件は当ブログで取り上げていませんでした。なので、順序として福岡高裁の判決に言及する前に、1審である福岡地裁の無罪判決について取り上げ、次回に福岡高裁判決について考えようと思います
それでは事件の概要と1審の福岡地裁判決について書きます


14歳養女と監護者性交 男性に無罪判決 「証言は信用性に疑問」福岡地裁
当時14歳の養女と自宅で性交を繰り返したとして監護者性交等罪に問われた男性(38)に対し、福岡地裁(溝国禎久=よしひさ=裁判長)は18日、「養女の証言は信用性に疑問がある」として無罪(求刑・懲役9年)の判決を言い渡した。
公判で、弁護側は養女に知的障害があることや、男性が勉強で厳しく指導したり、娯楽を制限したりするなど養女にうそをつく動機があったことを指摘し、「養女の創作話でないと、説明できない」と無罪を主張していた。
判決は、養女の証言について「当時、養女はインフルエンザにかかっており、男性が感染を覚悟したか、感染して体調が優れない中で性交したことになるため、不自然さは否めない。養女が真に体験した事実を供述したのか合理的な疑いがある」とし、「実際に体験しなければ供述できないと言えるほどの具体性や迫真性が認められない」と指摘。証言通りであれば、家族5人が寝ている部屋で男性が性交を繰り返したことになるが、「誰にも悟られずに長期間性交を繰り返すことは考えがたい」とした。
福岡地検の小弓場文彦次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議して適切に対応したい」とのコメントを出した。
(毎日新聞の記事から引用)


知的障害のある14歳の被害者の証言を、裁判官は信用できないと取り上げず、虚偽と断じた判決です
被害者(特に知的障害や精神障害のある社会的弱者)の証言に祖語があると裁判官が感じたのならば、補完するための心理鑑定など裁判官の職権で行い、どこまで信憑性があるか専門家の意見を求めることもできたのでは?
そうした手段を尽くそうとせず、被害者の証言を嘘と断じたところが福岡地裁判決の問題点です
検察側は被害者の体に残る傷痕も犯行の根拠とした挙げていたのですが、判決では「別の原因で生じた可能性も残る」と指摘し、切り捨てています。強姦だけでなく、体罰(虐待)も疑われるケースなのに、それも無視する判断は大いに疑問です
ちなみに溝国禎久判事は、前任地の熊本地裁勤務事、本件と類似したケースの再婚相手の養女2人を強姦したとされる事件で、「心身ともに未成熟な被害者2人に与えた精神的苦痛は大きく、今後の成長に深刻な悪影響を及ぼす懸念も非常に強い」と述べ、懲役8年(求刑・懲役9年)の実刑判決を言い渡しており、性犯罪に無理解というわけではなさそうです
本件福岡地裁での公判におけるやりとりがどうであったか不明ですが、被害者証言の信ぴょう性を徹底して衝く弁護人の法廷戦術が功を奏した、のかもしれません

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