「コロナで西洋優越主義は終焉」と書く韓国メディア

コロナ禍の続く状況下であっても、その先を見通し、社会や経済を立て直そうと考察を展開するのは有効であり、有用だと考えます。しかし、目先の勝ち負け論に走り、コロナ対策で各国を勝ち組と負け組に二分するような議論は無益でしょうし、コロナ禍以降の社会や経済の変化を見据えているとは思えません。ただ、現状の枠組みのまま、勝ったの負けたのと言うことに意味はないわけで(各国の首脳を採点し、上手く対処したと評価したり、対応が後手に回ったと批判する記事がありました。が、現時点で採点するのは無理があります)
今日は韓国の中央日報の時論を取り上げます。コロナウィルスは西側先進国に多大な損失を与えたから、従来の西洋中心の考え方に大きなダメージを与えた、と指摘するものであり、相対的にアジアの地位が高まると見方を示したものです。ただ、それはあくまでコロナ禍以前の枠組みの延長線上にある考え方に則ったものであり、やがて到来する未来の変化まで織り込んだものとは言えません(根強い西欧コンプレックスの発露ではないか、という気がします


【中央時評】西洋優越主義の終焉?
新型コロナウイルス感染症は挑発する。米国と欧州の西洋優越主義の神話に疑問を投げかける。「グローバルリーダーの米国」「先進国の欧州」という固定観念を拒んでいる。国際秩序を主導してきた大西洋同盟を揺るがす。19世紀の植民地主義、20世紀の第1次・第2次世界大戦を経て、ソ連解体と冷戦終結、米国の独走まで200年の長い歳月、世界に号令をかけていた西洋の覇権を脅かす。飛行機に乗ったウイルスにもろくも翻弄される自らの実体と墜落に西欧は慌てている。
最近、米国・英国・フランスのメディアが「コロナの後」に直面する東洋・西洋の権力移動に神経をとがらせている。米国の外交専門誌フォーリンポリシーは「コロナ・パンデミックが世界を永久に変えるだろう」としている。続けて「パンデミックが生活を疲弊させ、市場を崩壊させ、政府の無能を露呈させたように、国際社会の政治的、経済的パワーの決定的な変化をもたらすことは明らかだ」と診断している。英紙ガーディアンは「西洋というブランドのオーラが色あせた。コロナは西洋から東洋へと力と影響力を急速に転換させるだろう」と分析した。西洋の後退を懸念するのには合理的な理由がある。
まず、「偉大な米国」が覇気を失った。「目に見えない敵」との戦いでトランプ大統領の慢心と誤判が完璧な失敗を招いた。世界最高の医療先進国で信じられないことが目撃された。人気のない恐怖のニューヨーク、防護服がなくてビニールをかぶる医師、人工呼吸器を共有する患者、恐怖に泣き叫ぶ医療スタッフと市民の悲惨な光景は世界の人々に、米国への見方を変えさせた。死者が24万人に及びかねないという暗鬱な見通しに「虚妄の死の地」という極端な表現も登場した。
「トゥキディデスの罠」で有名なハーバード大学のグレアム・アリソン教授は、米国を「世界の立法者・警察・裁判官の役割をする慈悲深い覇権国」と述べたことがある。そんな米国のリーダーシップは失踪した。コロナ事態にも「自分だけ生きよう」というような「米国優先主義」は、共助と協力を期待していた友邦を失望させた。「大きな手を打つ(we're going big)」とし、2兆2000億ドル(約237兆円)を景気浮揚につぎこむと発表したが、「第2次大恐慌」の懸念ばかり高まっている。ガーディアン紙では「ナルシシズムに陥ったトランプ、彼がこれ以上世界の指導者ではないということがささやかな慰め」と批判した。
(中略)
第3に、東洋の再発見だ。韓国・中国・シンガポール・台湾が封鎖、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離政策)、迅速な診断のような対応で拡散の手綱を握った防疫モデルに西洋は注目した。個人よりも社会と国家を掲げる東洋の価値、位階と結束を重視する儒教文化の良さを新たに評価した。ニューヨークタイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマンは、アジアの「強い絆社会」と米国・イタリアのような「ゆるい社会」を比較した。そして、「個人の自由よりも規律を掲げる(アジアの)文化は危機の時に社会の結束を強化する」とした。東洋の価値が「コロナの後」のニュー・ノーマルになる可能性があるという意味だ。
(以下、略)


韓国、中国、シンガポール、台湾はコロナ禍を巧みに乗り切ったという前提でこの時評を書いたのでしょう。しかし、シンガポールは封鎖に踏み切ったものの、数多くの感染者を出しており無傷とは言えません。中国はコロナウィルスを蔓延させた犯人という立場であり、コロナに勝利した国という自己イメージとは裏腹に、国際社会から疑いの目を向けられたままです。中国とともに、韓国は世界各国に輸出した検査キットの精度があまりに低かったため、評判を落としています
まあ、韓国国内の報道では、「世界中の国がコロナ禍を乗り切った韓国の対応を称賛している」というものばかりで、マイナスのイメージを与える報道は少ないのが実態です
そして日本は時評にある「東洋の再発見」から除外されています。「日本はPCR検査キットも不足し、医療崩壊の只中にあって政府が無能をさらけ出し、国民はパニックに陥っている」と連日、韓国では報じています
日本は憲法の精神に則り、外出禁止措置などの強制手段は講じていませんし、企業活動を禁止していません(あくまで自粛をお願いする立場です)。中国のような独裁国家は強権発動して外出を禁じたりできますが、日本はできないのです。どこの国も有事に備え、非常時には個人の人権や自由をある程度制限する命令を発する権限を政府に与えています。が、日本国憲法にはそうした規定が欠けているので、政府としては対処する方法がないわけです
さて、韓国メディアは、「コロナ禍から韓国はいち早く立ち直り、コロナ禍後の世界の見本になり、政治や経済で世界をリードする存在になるだろう」と自画自賛する報道が繰り返されいます。そうした雰囲気があって、上記の時評が書かれたものと解釈できます
日本はコロナウィルス対応で失敗し、もたついているから韓国の勝ち、だと言いたいのでしょう
なぜそのような楽観論が湧いて出るのか、自分には不思議でならないのですが
4月始め、「現在のニューヨークの姿(感染者が激増し、死者が相次ぐ状況)は2週間後の東京の姿だ」とニューヨーク・タイムズ紙は報じました。が、あれから1か月しても東京はニューヨークよりはるかにましな状態であり、よく対応できていると思います(もちろん、親族を亡くした家族の方々にはお悔やみを申し上げます)
ですから、日本政府の対応に問題はあれど、医療現場の奮闘と国民の外出規制によって、何とか持ちこたえていると言えるのでは?
加えて、多くの死者を出した国々が「政治や経済でダメになった」と決めつけるのも時期尚早であり、中央日報の時評のような、西欧優越主義?の終焉はまだ先の話ではないか、と思うのでです

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