岡山少女殺害事件を考える 父親は警察官

2004年に岡山県津山市で起きた小学3年生の女子児童殺害事件で、勝田州彦被告が2018年に逮捕され起訴されたものの、初公判の目処は立たないままです
前回、当ブログで取り上げた際にも述べたように、勝田被告は否認に転じており、無罪を主張しています。そのため公判前の争点整理手続きではあらゆる点について検察側と弁護側が争う形になってしまい、もめているものと思われます
検察側の提示する証拠1つ、1つについて争うのですから、公判の回数は増えますし、結審するまで長い期間がかかるわけです
さて、勝田被告は別名「未解決事件製造機」と呼ばれるほど、彼の周囲では少女を襲った未解決事件が発生しています(彼の実家のある加古川市で少女が襲われる事件が2件あったのですが、いまだに解決していません)
事件発生から逮捕まで14年近く、所轄の岡山県警は兵庫県警と情報の共有に消極的で、少女を連続して襲う変質者の勝田被告は容疑者リストから漏れていた、という杜撰な実態も問題なのですが
そうした捜査ミスと関係あるのかないのか、勝田被告の父親は警察官であり、母親は警察の事務官でした
週刊新潮は勝田被告が別件で2009年に逮捕された際、以下のような記事を掲載していました


「親の背を見て子は育つ」
だが、その背に生涯消えることのない十字架を背負わせてしまう親不孝者も少なくはない。
12月6日、朝8時。兵庫県加古川市平岡町の主婦が朝刊を取りに出ると、家の前に1台の車が停まった。車内には、白い手袋を嵌めたスーツ姿の男が4人。彼らが向かいの家のインターホンを押すと、その家の長男が出てきた。勝田州彦、30歳。
「出てくるなり“ごめんなさい”……。手錠をかけられ、連行されました」(主婦)
4人は網干署の捜査員であった。勝田は9月19日の午後0時30分頃、自宅から約30キロ離れた姫路市網干区興浜の路上で、6歳の女児を殴った傷害の容疑で逮捕されたのだ。
その手口は非道のひと言に尽きる。捜査関係者の話。
「勝田は1人で遊んでいた女児に目をつけ、手を引っ張った。驚いた少女はその手を振りほどき、50メートルほど走って逃げたのですが、それを追いかけ、腹部を2回立て続けに殴ったのです」
被害者は肝臓から出血し、全治6カ月の重傷。現在も通院中である。この後近隣ではわずか1カ月間で同様の事件が連続して3件も発生。計4件の手口がいずれも似通っていたため、同一犯を疑う警察が前科者のデータベースを調べると、
「00年に11歳の女児を殴った容疑で、勝田が明石署に逮捕されていたのです。この時も同じ手口。そこで、勝田と今回の被害女児を街中で引き合わせ、顔を確認させると“このおっちゃんや! 間違いない”と」(同)
勝田は4件の暴行を全て認めている。
「瑞宝単光章」を受勲
この地で生まれ育った勝田は、近隣住民によれば、
「お姉さんが1人いて、10歳以上も年が離れているんです。遅くに出来た子供やから、両親は“クニちゃん、クニちゃん”言うて、目に入れても痛くないほどの可愛がりようやった」
地元中学を卒業後、進学したのは県内の私立男子校。
「水泳の強豪校として知られた学校です。彼は水泳が得意で、スポーツ推薦で入学したんよ」(住民の1人)
高校卒業後は職を転々とする。パチンコ台の組立工、運送会社の運送員、00年の事件当時は地元ショッピングセンターの現金輸送車を運転していた。
現在は大手飲料会社に期間社員として勤務しており、同僚によれば、「無遅刻無欠勤で、トラブルは一切なかった」という。
9年間大人しく暮らし続けた勝田を、近隣住民は「更生した」と思っていた。なぜならば、
「前の事件の後、お父さんが“私がきちんと監督しますから”と近所に詫びて回った。あの立派な人の言うことに間違いはないと思うやろ」(近隣住民)
立派な人――。それもそのはず。父親は元・兵庫県警の警察官なのである。
「ノンキャリで兵庫県警に入り、定年まで立派に勤め上げたんです。捜査一課の刑事やったはずやけど。定年時の階級は警部」(同)
現役時代は、勝田家の前は夜回りの記者がズラリと並んでいたそうだ。
昨年末、この父親には更に箔が付いた。「瑞宝単光章」を受勲したのだ。危険業務従事者叙勲で、警察官など危険性の高い業務に従事した者に贈られる。
「天皇陛下から贈られた勲章と、皇居での写真を見せてもらいました」(同)
父は警察官としての心得の1つ、柔道を息子に幼い頃から教えており、結果、勝田の両腕は一升瓶のように太かったそうだ。.
この男は親の何を見てきたのだろうか。
(週間新潮の記事から引用)


一般の方は何となく上記の記事を読み飛ばしてしまわれるのでしょう。高卒で危険業一筋に従事した公務員(警察官や刑務官)は概ね70歳を過ぎた頃から叙勲の対象となります。勝田被告の父親がまさにそれです
ただし、退職後も刑罰法令に触れずに生活することが必要であり、道路交通法違反(駐車禁止で罰金)でも叙勲の対象から除外されます。もう一つの明文化されていない条件として、身内に犯罪者がいた場合…です(これは本人、あるいは家族に犯罪歴があった場合、なぜあんな人物が勲章をもらえるのか、と不平不満を招きかねず、叙勲制度そのものへの信頼がゆらぎかねないからです)
勝田被告は2000年に少女への暴行で逮捕歴があるのですから、ここで勝田被告の父親は叙勲の対象者として不適格、という判断があってもおかしくありません。実際は兵庫県警が息子の犯罪歴を不問とし、父親を叙勲対象者として推薦したはずです
警察が身内にとことん甘いと言われる面がここにも現れています
さて、勝田被告の父親が息子の異常な性癖をどう見ていたのか、上記の記事では分かりません
近所の家に「私がきちんと監督しますから」と詫て回ったと記事にはありますが、警察官という体面を重んじるからこそ、そうしたとも考えられます
勝田被告は表面的には就労し、更生したかのように見せて、それでも少女を手にかけるのを止められなかったのは事実です
父親の監督の目が届く範囲は限られており、そこから外れたところでは同様の犯罪を繰り返していたのです
もちろん、父親を責めたところで何も解決などしませんが、身内への甘さは警察組織だけでないのでしょう。厳格であった勝田被告の父親も、息子には大甘だったと言わざるを得ません
さて、今年こそ勝田被告の公判が実現してもらいたいものです

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