甲子園優勝校主将の転落人生

2017年の夏の甲子園を制した花咲徳栄高校の主将を務めていた千丸剛が、千葉県内で起きた強盗事件の犯人として逮捕された件は、今年1月31日のブログで取り上げました
高校卒業後、駒沢大学に進学したものの上級生の財布を盗む事件を起こし、退学したという話も出回っています
ただし、それを頭から信じるかどうかは別です
1年生ながらレギューラーとして活躍する千丸剛を疎ましく思った3年生の野球部員が、2年生に命じて千丸を陥れるための罠を用意した可能性もあるからです。更衣室に無造作に財布を放り出しておき、千丸が財布を手にしたところで隠れていた2年生部員が姿を現し、「おまえ、何やってんだ」と声をかけるパターンです。目撃者が1人ならともかく、上級生が2人以上で現場を押さえたという形にすれば言い逃れはできません
もちろん、千丸剛が退学後に強盗事件を起こしている事実を踏まえれば、上級生の罠にハマったとは考えにくいのですが
いくら野球センスが優れていても、1年生であるからには上級生に奴隷のように従わなければならない、という間違った慣習が高校や大学の部活では現に存在しています
怪物と呼ばれ、甲子園で圧巻の活躍を示した江川卓でも、法政大学入学後は1年生として奴隷扱いを受けたようで、そのいきどおりを週刊朝日が記事にしています


甲子園優勝校の主将が強盗逮捕 “野球エリート”を転落から「救う道」はなかったのか
(前略)
かつて法政大学でプレーした江川卓(元巨人)は、自身の高校時代からプロ入りまでを描いた漫画『実録たかされ』(画・本宮ひろし 文藝春秋)の中で、上級生の下級生に対するしごきの壮絶さについて以下のように述べている。
『法政の名物でダービーっていうのがあってさ……、四年生についてグラウンドを回るんだ。四年生は一周、三年生は二周……。ただし四年は一周で次の四年と代わる。だから全力疾走するだろ。次に三年、二年……、一年なんか一時間以上全力疾走だぜ。俺はあんなもの絶対認めない。体を鍛えるなんてもんじゃない…。イジメだし、ただのシゴキだ。あのバカげた練習で何人の優秀な一年が病院に送られ、辞めて行ってしまったか』。
また別のシーンでは先輩が寮に帰ってきた時に部屋で待機していなかった江川の同級生が、顔の形が変わるまで殴られたというエピソードも出てくる。今から40年以上前の話であり、現在の野球部が同じことをやっているとは考えづらいが、強烈な大学野球の上下関係を示すエピソードとして紹介した。しかし先述した千丸容疑者の同級生が綴ったメッセージを見ると、少なからずこのような体質が残っていることは否定できないだろう。
(以下、略)

大学関係者、野球部OBがこうした上級生による理不尽な暴力を容認し、「伝統」などと称している実態があります。その結果、毎年のように退部したり、大学を中退する選手が出るわけですが、彼らは「練習についてこれなかったヘタレ」という扱いを受け、見下されるだけでしょう
将来、プロ野球選手になるのがすべてではないものの、有望とされる選手が理不尽な暴力ゆえに野球を断念せざるを得ないケースが存在するのは事実です
大学野球の関係者はそうと知りつつも、実態を改善しようとする気はなく、放置しているわけです
今年はコロナウィルス感染症の影響で春の高校野球選抜大会も、夏の全国大会も中止になりました。テレビ局は大会中止で悲嘆に暮れる野球部員(3年生)を撮りまくり、何かの美談に仕立てようとしているようです。高校球児=純心、一生懸命という図式の上ではそうなのかもしれませんが、高校野球や大学野球の暴力体質を思うと、疑念が残ります
話を戻して、千丸剛容疑者がいまさら駒沢大学野球部で受けた上級生の理不尽な暴力を告発するとは思えませんが、もしそうした事実があるのなら、大学の野球部関係者は猛省すべきでしょう

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つがる4人死亡事故 懲役20年判決

青森県つがる市で飲酒運転の上に車を暴走させ他の車両にぶつかり、4人を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた同市の無職、高杉祐弥被告(34)の裁判員裁判で、青森地裁は求刑通り懲役20年の判決を言い渡しています
弁護側は飲酒運転で事故を起こしたことを認める一方で、「正常な運転が困難な状態ではなく、その認識もなかった」として危険運転罪の成立を否定し無罪を主張していました。弁護士も商売なので、高杉被告の言い分をそのまま代弁したのでしょう
しかし、検察の求刑通り懲役20年の判決を言い渡したのですから、裁判官も裁判員も高杉被告の主張を荒唐無稽なものと見ていたと思われます
高杉被告は不満タラタラで控訴するのでしょう。ですが、泥酔して時速120キロ以上のスピードで運転しながら、「危険運転ではなかった」との言い分が現代の日本で通用するはずはありません
青森の地元紙、東奥日報が判決の全文を掲載していますので、一部を引用します。判決文特有の、切れ目がなく延々と続く文章は読みにくいと思いますが、これが実際の裁判で用いられている形式なのでご理解ください


つがる市4人死亡事故 青森地裁判決全文
(前略)
◇争点に対する判断
1 本件の争点は、(1)本件事故当時、被告人がアルコールの影響により正常な運転が困難な状態であったか、また、(2)被告人がその状態を認識していたかである。
2 争点(1)について
(1)本件事故は、被告人が、夜間、指定最高速度が50キロ毎時の見通しのよい片側一車線の直線の国道上で被告人車両を運転して走行中、同車両を先行車両に追突させたというものである。そして、被告人車両の速度は、本件事故現場の約0.8キロメートル手前を通過する時点で既に法定速度を大幅に超える時速約129キロないし138キロであり、その後もさらに加速して追突の約2秒前には時速約163キロであったと認められる。本件事故当時、降雨により路面が湿潤で滑りやすい状況であったことも踏まえると、こうした被告人の運転態様は、本件事故現場の約0.8キロメートル手前を通過する時点において、正常な状態にある運転者であれば考えられないような、本件事故当時の道路状況に明らかにそぐわない異常なものであったといえる。
また、関係証拠によれば、被告人は、本件事故現場の約200ないし300メートル手前の地点までには、先行車両のテールランプ等を発見し、その存在を認識できたこと、それにもかかわらず、先行車両に追突する約2秒前まで被告人車両のアクセルを踏んで同車両の加速を続け、衝突直前に至って初めて急制動の措置を講じており、先行車両の存在に直前まで気づいていなかったことが認められる。被告人車両の速度等を勘案すると、被告人は、約4ないし6秒程度の間、先行車両の存在を認識しないまま高速度運転を続けていたことになるが、このような運転行為に及ぶことも、正常な状態にある運転者であれば通常考え難い異常なものといえる。
以上のような本件事故直前の運転態様からすれば、被告人は、本件事故現場の約0.8キロメートル手前の地点を時速約129キロないし138キロの速度で被告人車両を走行させていた時点で、道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことや、前方を注視して道路状況等を的確に把握して対処することが困難な状態にあったと認められる。
さらに、関係証拠によれば、本件事故直前、被告人車両を運転中であった被告人が同乗者Cの呼びかけに応じないことがあり、同人が「起きでらか」などと声をかけると、被告人は体をビクッとさせ驚いた様子であったことが認められる(なお、同事実については、Cの検察官に対する供述調書によって認定したが、この点に関する同調書の内容は、会話の文言等が具体的であり、他の証拠に照らして不自然な点はなく、同人が飲酒をしていたことを踏まえても、十分信用できる)。このような本件事故直前のCの呼びかけに対する被告人の反応に加え、被告人が運転開始前および本件事故後に眠気を訴えていたと認められることも踏まえると、被告人は、本件事故当時、被告人車両を運転中に一時的に意識もうろう状態ないし仮睡状態に陥ることがあったと考えられ、このことからも、被告人は、前方を注視して道路状況を的確に把握し得る状態にはなく、正常な運転が困難な状態であったことが裏付けられる。
(中略)
(4)これに対し、弁護人は、本件事故前に立ち寄ったコンビニエンスストアにおいて、被告人がATM(現金自動預払機)の操作や買物を問題なく行っていること、本件事故現場に至るまで、被告人が交差点や踏切、暗く狭い道路等の緊張を強いられる道路状況に応じた運転をしていることなどを指摘して、正常な運転が困難な状態であったとはいえないと主張する。
しかし、事故前に一定の社会生活上の動作や正常な運転操作ができていた部分があるからといって、その後も正常な運転をなしうる状態であったとはいえない上、弁護人の指摘するような道路では、そもそもスピードを出しにくく、慎重に運転せざるを得ないため、被告人の酩酊の影響が顕在化しなかったにすぎないと考えられる。したがって、弁護人が指摘する事情は、本件事故当時、被告人がアルコールにより正常な運転が困難な状態にあったという上記認定を左右しない。
(以下、略)

高杉被告はこの判決文を読めるのでしょうか?
あるいは、理解できるのでしょうか?
高杉被告と弁護人の用意した弁解はことごとく退けられています(当然です)
速度超過で他の車両にぶつかっておきながら、「正常な運転をしていた」などと主張するのが大間違いです
20年の服役期間中に、4人の命を奪ったという事実をよくよく噛み締め、自身のどこが、何か間違っていたか内省を深めてもらいたいものです
家族にすれば暴走した車の事故に巻き込まれて死亡するのも、凶悪犯に刺されて殺されるのも同じであり、理不尽に命を奪った高杉被告に対する怒りは収まらないはずです。それを単純な交通事故(業務上過失致死傷)扱いの禁錮4年程度の判決で納得できるはずはありません

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