「宮崎駿にキメハラ」という記事

村上春樹の「海辺のカフカ」に関する論文を幾編か読み込んでいたのですが、取り上げようと思い至る内容に出会えませんでした。そんな折りにふと目に止まったのが、日刊サイゾーの「宮崎駿監督へ“キメハラ”した『FLASH』のおかしさ…『ナウシカ2』実現なら『鬼滅』の記録を抜き返せる?」と題した記事です
最近やたらと目にするようになった「キメハラ」なる造語を流行らせたいのか、メディアは安易に使いたがります
日本語の乱れが目に余る、などと年寄りじみたことを言う前に件の記事に言及しましょう


まさか、アニメ界の巨匠に“キメハラ”をかますとは……。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開からわずか24日で、興行収入が204億円を突破。興行収入の日本記録を持つ01年公開の宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』の308億円に迫る勢いとなっている。
そんななか、11月10日発売の「FLASH」(光文社)が宮崎監督を直撃した。
「記者は自宅周辺でゴミ拾いをしている宮崎氏に、『鬼滅の刃』の興収が『千と千尋の神隠し』に迫っていることについて直球質問。宮崎氏は『まあ、僕には関係ないことだと思います』と一蹴し、『鬼滅』も観ておらず、興行成績にも興味がないと語っています。もっとも、『鬼滅』が『千と千尋』超えの勢いであることは知っている様子。映画人としては、テレビアニメの劇場版と比較されたくないと思っているのではないでしょうか。とはいえ、17年に製作を発表した『君たちはどう生きるか』は、人生訓がテーマで、おそらくはエンタメ色が薄い。過去の作品ほどのヒットが望めるかどうか」(エンタメ誌ライター)
『鬼滅』が社会現象化したことで、昨今では「まだ観てないの?」と聞かれることを「キメハラ(鬼滅ハラスメント)」と呼ぶそうだが、まさにそのまんまな企画である。
そのため、ネット上では「よくこんな失礼な事できるな」「聞きに行く人も無神経」「嫉妬で妬ましくてたまらないと答えたら満足なのか」「鬼滅大ファンだよとでも言うと思ったのか」と、「FLASH」への批判コメントが連打される始末だ。
「映画ライターが言う。
「たとえ『鬼滅』に抜かれたとしても、宮崎監督が『風の谷のナウシカ2』を手掛ければ、あっという間に抜き返してしまうでしょうね。コロナ禍で映画の公開延期が相次いだ3月後半、劇場からの要望に応える形で、『ナウシカ』をはじめとするスタジオジブリの旧作が全国で上映され、映画館を満席にしました。ただ『ナウシカ』の原作マンガは全7巻あり、映画はそのうちの1~2巻部分までしか描かれていません。2019年末に、それ以降の内容が歌舞伎で上演されましたが、チケットはたちまち完売するほど世代を超えて愛されています。仮にほかの監督になったとしても、原作の最終回まできっちり、世に送り出す責任がある作品だと思いますよ」
宮崎監督が『鬼滅』に対抗心を燃やしてくれれば、アニメファンは大喜びしそうだが……。
(日刊サイゾーの記事から引用)


何とも人を食った内容の記事です(「FLASH」の企画・記事についてですが)
取材の意図としては、宮崎駿の口を借りて「鬼滅の刃」批判を記事にし、いわゆる逆張りでウケを狙いたかったのかもしれません
あるいは意外や、宮崎駿が「鬼滅の刃」の熱烈ファンで漫画も全巻読破したと告白してくれると期待したのか(あり得ませんが)
「FLASH」の元記事には、「鬼滅の刃」に興行成績で抜かれた宮崎駿が奮起して、次なる長編アニメを作ってくれたら万々歳だが、と書かれています
来年1月には80歳になる老人に何を期待しているのやら、と言いたくなります
上記の日刊サイゾーの記事も、映画ライターの口を借りて「風の谷のナウシカ」の続編に言及していますが、宮崎駿が手掛けることはないでしょう
むしろ、若手でこの大作を引き受けようという人物が出てこないことの方が、日本のアニメーションにとって危機と言えるでは?
期待されるのは庵野秀明でしょうが、それよりも若い世代に期待したいところです

庵野秀明と鈴木敏夫の対談 ナウシカ再アニメ化


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