千葉印西市放火殺人 判決はどうなったか?

強盗殺人事件は刑罰が重い、と書いていて思い出したのが千葉県印西市の殺人事件です。チンピラのような若者が群れて、知的障害のある女性の家に居候し、挙げ句に縛り上げて灯油をかけ、火をつけて殺害するという凶悪な事件でした
4人が逮捕されたものの、そのうち2人は犯行に加わっていないと無罪を主張していました(4人のうち1人は未成年の少女なので、家庭裁判所での審判になります)
無罪を主張していたのは菅野弥久被告と金崎大雅被告で、初公判で犯行を認めたのは仲内隼矢被告です
その裁判結果をブログで取り上げるのを忘れていましたので、言及します
判決を伝える報道を2本、引用します。判決は2019年12月にありました


千葉放火殺人で3人実刑 千葉地裁
印西市竜腹寺の住宅で昨年2月、火災の焼け跡から海老原よし子さん=当時(55)=の遺体が見つかった事件で、現住建造物等放火と殺人の罪に問われた男女3人の裁判員裁判の判決公判が12日、千葉地裁で開かれた。前田巌裁判長は「犯行態様は無慈悲にして残忍非道」としてリーダー格の金崎大雅被告(22)に求刑通り懲役20年、仲内隼矢被告(22)に懲役18年(求刑懲役20年)、菅野弥久被告(22)に懲役16年(求刑懲役17年)をそれぞれ言い渡した。
公判では、火を放ったとされる仲内被告が「間違いない」と起訴内容を認めた一方、金崎被告と菅野被告は「共謀していない」などと無罪を主張。否認の2人については共謀や殺意の有無が争点となっていた。
判決で前田裁判長は、暴行の過程で振りまいた高アルコール度数の酒以上に可燃性が高い灯油を金崎被告と仲内被告がポンプで吸い出した点などから、犯行の意思を通じ合ったと認定。菅野被告についても、ポンプの使い方を拒むことなく説明した経緯を挙げ、「3人の間に共謀が認められる」と結論付けた。
量刑理由では、金崎被告のカップ麺を海老原さんが無断で食べたとして及んだ一連の行為について「誠にささいな出来事をきっかけにいら立ち、殺害するにまで至った」と非難。「誰1人制止することなく平然と凶行を敢行している」とも断じ、関与の程度などを考慮して懲役16~20年が相当とした。
判決によると、3人は共謀し昨年2月17日午後4時40分ごろ、印西市竜腹寺の海老原さん方で、室内にいた海老原さんの周辺にあった布団などに灯油をかけ、ライターで火を付けて焼死させ、木造トタンぶき平屋建て住宅(約52平方メートル)を全焼させた。
事件を巡っては、3人と共に行動していた当時16歳の少女も現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕されたが、千葉地検は嫌疑不十分で不起訴処分にした。
(千葉日報の記事から引用)

印西市の放火殺人事件 男女3人に懲役20年から16年の判決 千葉
去年、千葉県印西市で住宅に火をつけ女性を殺害したとして殺人と放火の罪に問われた男女3人に対し、千葉地方裁判所は「無慈悲で残忍な犯行だ」として男2人に懲役20年と懲役18年、女に懲役16年の判決を言い渡しました。
定時制高校に通っていた金崎大雅被告(22)、無職の仲内隼矢被告(22)、それに無職の菅野弥久被告(22)は去年2月、千葉県印西市の住宅に火をつけ、この家に住んでいた海老原よし子さん(55)を殺害したとして殺人と放火の罪に問われました。
これまでの裁判で金崎被告と菅野被告の弁護士は「殺意もなく共謀もなかった」などとして無罪を主張していました。12日の判決で、千葉地方裁判所の前田巌裁判長は「灯油を準備したり、逃げられないように手足を縛ったりするなど、それぞれ役割を果たしている」などと述べ、3人は共謀していたと認定しました。
そのうえで、「被害者の家に住まわせてもらうなど便宜をはかってもらいながら、ささいなことから殺害した。恩をあだで返したもので無慈悲で残忍な犯行だ」として金崎被告に懲役20年、仲内被告に懲役18年、菅野被告に懲役16年の判決をそれぞれ言い渡しました。
(NHKの記事から引用)


人を傷つけたり、殺すことを何とも思っていない野良犬のような連中です。もちろん、彼ら、彼女なりに言い分はあるのでしょうが、それが通用するはずもありません
金崎被告と菅野被告は火もつけていないし、殺害にも直接関与していないと無罪を主張していたものの、判決で3人の被告は共謀して犯行に及んだと認定しています。日頃からつるんでいたのですから、共謀関係にあったと判断し、共同して犯行に及んだと判斷するのは当然でしょう
なお、金崎被告と菅野被告はこの一審判決を不服として控訴していましたが、2020年9月に東京高裁は一審判決を支持して控訴を棄却しています。無罪を主張していた2人は不満たらたらで服役することになるのでしょう。仲内被告は控訴せずに服役しており、つるんでいた仲間でもそれぞれ進む道を違えた格好になりました

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パチスロ狂の孫が祖父殺害 無期懲役確定

2018年11月、金沢市でパチスロ代欲しさから祖父を殺害し金品を奪ったとして逮捕された北嶋祥太被告は量刑をめぐって争っていましたが、最高裁は無期懲役の判斷を下した1審、2審の判決を支持し、北嶋被告の上告を棄却する決定を言い渡しています
つまり、北嶋被告は無期懲役の刑は重すぎると不満を唱え、最高裁まで争ったというわけです
北嶋被告は幼い頃に両親が離婚し、母子家庭で育ったようです。その母親もガンで亡くなり、祖父が親代わりをしていました。しかし、北嶋被告は高校卒業後に務めた会社を辞め、パチスロにのめり込む生活をするようになり、祖父にもたびたびパチスロ代を要求したほか、借金もしていたようです
祖父を殺害した後、北嶋被告はパチスロ店へ行って遊んでいたところを逮捕されています


最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は、金沢市で平成30年に祖父を絞殺し、家電製品と現金を奪ったとして、強盗殺人罪に問われた無職、北嶋祥太被告(25)の上告を棄却する決定をした。9日付。求刑通り無期懲役とした1、2審判決が確定する。
弁護側は、被告はギャンブル依存症で心神耗弱状態だったと主張し、刑事責任能力の程度を争った。裁判員裁判だった昨年12月の1審金沢地裁判決は「動機の一部に影響を与えたが、指紋を残さないようゴム手袋を準備するなど合理的な行動を取っている」として完全責任能力を認めた。2審名古屋高裁金沢支部も支持した。
1、2審判決によると、30年11月8日、金沢市の自宅で同居していた祖父、誠吉さん=当時(71)=の首を絞めて殺害し、テレビなど家電製品3点(5万5000円相当)と現金約1万2000円を奪った。
(産経新聞の記事から引用)


朝日新聞の記事によれば、拘置中の北嶋被告に面会したところ堰を切ったようにパチスロの話を始め、「3千円が6時間で20万円になったこともあった」と得意げ語ったのだとか
毎回パチスロで儲けていたなら祖父を殺害して金品を奪おうとはしなかったでしょう
ギャンブルにどっぷり浸かっている人は自分が損をした話はせず、いつも儲けた話を繰り返します。もちろん、儲けた体験が脳を刺激し、快楽体験が忘れられないので、どっぷり依存してしまうわけです
この訴訟の着目点はギャンブル依存の被告が「心神耗弱状態にあったので、罪一等を減じるべきだ」と主張したところにあります
しかし、1審の金沢地裁は「重度のギャンブル依存症は認められるが、自分の考えで犯行を決意し、実行に及んだ」と判断し、心神耗弱とは認めませんでした
他にも、上記の記事にもあるように犯行時はゴム手袋を着用し、外部から何者かが侵入したかのように偽装しており十分に計画的な犯行です。つまりそれだけの思慮を北嶋被告は有していたのであり、決して心神耗弱状態であったとは考えられません
このように強盗殺人の罪は重いのであり、それをパチスロに依存していたからとの言い訳で軽減するなどもってのほかでしょう

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