中学体罰教師 上野宝博を懲戒免職

宝塚市の公立中学校で、柔道部の顧問である教諭が1年生の男子生徒に柔道の技をかけ続け怪我をさせた事件の続報です
傷害の容疑で逮捕された上野宝博教諭は、「厳しめの指導をした」と釈明していたものの、兵庫県教育委員会は「体罰を通り越して生徒への傷害にあたる」と判断し、懲戒免職処分を下しています
上野教諭は過去にも生徒への体罰で懲戒処分を受けており、まったく反省しているとは思えません。よって、懲戒免職処分は遅きに失したともいえます
以下、神戸新聞の記事から引用します


兵庫県宝塚市立長尾中学校の柔道部顧問が部活動中、生徒2人に背骨を折るなどの重軽傷を負わせた問題で、県教育委員会は24日、傷害罪で起訴された教諭の男(50)を懲戒免職とし、男性副顧問(42)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。県教委の稲次一彦教職員課長らが同日、兵庫県庁で会見を開いた。一問一答は次の通り。
-懲戒免職となった教諭や副顧問の受け止めは。
「(免職の)教諭は、『最初は厳しめの指導のつもりだったが、後日保護者と面談を重ねる中で、大きなことをしてしまったと自覚し、今は心から反省している』と述べた。副顧問は、『制止できなかったことを後悔している。二度と同じことが起こらないよう、生徒を第一に考える』と述べた」
-県教委の受け止めは。
「教育者として誠に許しがたい行為。コロナ禍で多くの先生が大変な思いをして生徒が安心して学べる学校づくりに取り組んでいる時期に、その努力を無にする信用失墜行為が行われたことは、大変遺憾に思っている。被害に遭われた生徒や保護者の方に大変申し訳ない」
-今回、懲戒免職とした理由は。
「行為自体が相当悪質なもので、指導と呼べるものではない。過去に体罰で懲戒処分を受けておきながら繰り返している」
-県教委は体罰ではなく、「生徒への傷害」としている。その理由は。
「本人は『厳しい指導』と言っているが、指導の範疇(はんちゅう)をはるかに超えており、体罰とすら呼べない。これは本来自分たちが守るべき生徒に対しての傷害だ」
-免職処分を言い渡した際の教諭の受け止めは。
「厳粛な雰囲気の中で事の重大さを認識したような表情だった。免職処分なので、本人のコメントは受け取っていない」
-2人は管理職からどういう評価を受けていたか。
「免職となった教諭は、『生徒に細やかな対応をする教員』と。副顧問は『気持ちの優しい教員だ』と聞いている」
-体罰の認識として非常に甘いのではないか。
「当初は指導のつもりで、技を掛けたのかもしれないが、生徒のけがの程度を考えると、指導の中で配慮が本当になされていたのか疑問だ。途中から自分でも制御ができなくなったのではないかと考えている」
(以下、略)

50歳にして職を失い、退職金も支払われません。教員免許は執行し、法律上は再発行の申請はできるものの3年先になります
ただ、既に懲戒免職処分という社会的制裁を受けているとの事情から、傷害罪については起訴猶予になるかもしれません。それが唯一の救いでしょうか?
一部には上野元教諭を熱血教師であると高く評価する声もあるようですが、生徒に怪我を負わせるような体罰を加えるようでは教師失格でしょう
従来、教育現場に警察の介入は必要ない、との言い分が教育関係者にはありました。教育現場は神聖な場所であり、教育に警察が口を出すなとの主張です
しかし、教育現場、学校といえども日本の法律が適用される場であることに変わりはないのであり、治外法権ではありません。当然、教師も生徒を殴れば暴行罪、怪我をさせれば傷害罪で刑事責任が問われます
日教組がまだ力を持っていた時代は、「警察の介入を許すな。教育の自由を守れ」と左巻きの教師が騒いでいたものです。彼らにとって「教育の自由」とは教師が学校内で好き勝手に振る舞う権利をさすのでしょう

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新入社員を自殺に追い込む研修 ゼリア新薬工業

企業で行われる研修という名の洗脳に違和感と嫌悪感を抱く自分は、これまでもブログで取り上げてきたところです
今回はゼリア新薬工業で行われた新人研修で自殺した社員の遺族が、会社側と和解したとの報道を取り上げます。例によって新人研修は外部の研修請負企業に丸投げで行わえました。研修を引き受け、講師を派遣していたのはビジネスグランドワークス社(通称BGW)です
まず、ゼリア新薬工業がなぜ新入社員を自殺に追い込むような研修を実施したのか、その狙いを考えます
おそらく役員が、「最近の新人はだらしない。もっとビシバシ鍛えて、意識を変えなきゃいかん」と思ったのがそもそもでしょう。猛烈サラリーマンとして滅私奉公し、出世の階段を駆け上がった役員にすれば、若い社員がだらしなく映るわけです
そこに研修請負企業が登場し、「新人研修で意識改革を行い、企業戦士に生まれ変わらせます」と営業トークを展開、研修の様子を収めた動画など見せて役員の眼鏡にかなったものと推測します
では、新人研修という名で何が行われていたのでしょうか?
インターネットからいくつか、情報を拾ってみました
ゼリア新薬工業の研修は4月から8月までの長期間であり、指定された宿泊施設にカンヅメにされ、週末は帰宅が許される仕組みだったようです。ビジネスグランドワークスの講師が担当した意識行動改革研修はそのうちの3日間ですが、自殺したAさんを精神的に追い詰める内容だったと思われます


何が起きていたのか。
中央労基署の認定によると、労基署が注目したのは、4月10日〜12日の3日間、ビジネスグランドワークス社が請け負って実施した「意識行動改革研修」。その中で、Aさんの「吃音」や「過去のいじめ」が話題になった。講師から過去の悩みを吐露するよう強く求められた上で、Aさんはこうした話をさせられていたという。
Aさんは、研修報告書に、次のように書き残していた。
「吃音ばかりか、昔にいじめを受けていたことまで悟られていたことを知った時のショックはうまく言葉に表すことができません」
「しかもそれを一番知られたくなかった同期の人々にまで知られてしまったのですから、ショックは数倍増しでした。頭が真っ白になってその後何をどう返答したのか覚えていません」
「涙が出そうになりました」
一方、研修の講師は、Aさんの報告書に赤字で次のようなコメントを残している。
「何バカな事を考えているの」「いつまで天狗やっている」「目を覚ませ」
どのような研修だったのか。
原告たちの聞き取りに対し、ゼリア新薬の新人研修担当者は、「自分も受講したことがある」として、次のように供述したという。
「軍隊みたいなことをさせる研修だなと感じました」
「いつも大きな声を出す必要があり、機敏な動きを要求され、指導員が優しくない」
「指導員は終始きつい口調。大きな声で命令口調だということです」
「バカヤローといった発言も多少はあった」
「最終的には感極まって涙を流す受講者も出るような研修」
「研修会場はある種異様な空間でした」
「個人的にはもう受けたくない」
「途中で体調不良者が出ることもあります」
中央労基署は、このビジネスグランドワークス社の実施した「意識行動改革研修」の中で「相当強い心理的負荷があった」と認め、それが原因でAさんは統合失調症を発症して、自死に至ったと結論付けた。
なお、ビジネスグランドワークス社の研修は3日間だけだったが、それ以外の研修期間中、土日に帰るにも外泊許可が必要だった。会社が、他の研修生たちに面談した結果として、「私も当時は3時間しか寝られなかった」という告白があったという。
Aさんは入社後、自宅にゆっくり帰ってきたのは、ゴールデンウィークの期間中だけだったという。玉木弁護士は「宿泊施設にほぼ拘束され、6時間の睡眠も確保できないような長時間研修を受けていた」と指摘する。
(バズフィード・ニュースの記事から引用)

この3日間の研修ですが、中日は朝6時から始まって夜9時までとか、首を傾げざるを得ない長時間のプログラムです。中身は研修を受ける新人社員の前で、自身のことをあらいざらい告白させるとか、そんな内容でしょう。それを意識改革と称しているなら呆れて物が言えません
ゼリア新薬工業が他にどのような新人研修を実施していたかは不明ですが、こんな研修をやって何の役に立つのかと(本当に意識改革なんてできるのか?)と思ってしまいます
社員を自殺に追い込むような研修は間違いであり、無駄であり、企業にとっても損失です
ちなみにゼリア新薬工業はAさんの自殺もあって、意識改革研修は止めたのだとか
Aさんの遺族はゼリア新薬工業とビジネスグランドワークス、研修の講師を相手に1億500万円の賠償を求める民事訴訟を起こし、和解という形で決着しました
和解内容は非公開ですが、講師が原告らに哀悼の意を表わすとともに、和解時に100万円の解決金を支払うことなどで合意した、と伝えられています。この講師は「元」と報道では表記されていますので、ビジネスグランドワークスとの契約は切られてしまったと推測されます。トカゲのなんとかでしょう(契約期間終了により、と説明されるのでしょうが)
以上書いてきたのは私的な見解です。引用した元記事に依存した上での私見であり、裏付けは取ってはいません
賠償を求めたのは1億500万円ですが、和解金として払われるのは半分程度でしょう。Aさんの遺族が告発したことにより、大学を出て就職した企業が、かようなバカな研修をやって新入社員を自殺に追い込んでいると知れ渡り、それをやめさせ、犠牲になる若者を1人でも減らすのであれば十分に意義があったと考えます

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