札幌の中学教諭 28年前のわいせつ行為で懲戒免職

札幌市の公立中学校に勤務する男性教師(56歳)が、28年前に教え子であった女子生徒のわいせつ行為を繰り返していたと損害賠償請求を求められる事件がありました。東京高等裁判所は賠償請求権がすでに消滅しているとして請求を退けたのですが、教諭によるわいせつ行為はあったと認定しています
この民事訴訟の判断を受け、札幌市教育委員会は男性教師を懲戒免職処分にしたと報道されています
公務員である教師の非違行為は、たとえ28年前であっても在職中のものですから、懲戒処分の対象になるわけです


1993年に当時教え子だった女子生徒にわいせつな行為をしたとして、札幌市教育委員会は28日、市立中学校に勤務する男性教諭(56)を懲戒免職とした。女子生徒側が起こした民事訴訟で昨年12月、東京高裁が性的被害を認定する判決を出したことを受け、市教委が調査していた。市教委は「司法判断を重くみた」として、28年前のわいせつ行為を認定した。
市教委の発表によると、教諭は93~94年、教え子だった石田郁子さん(43)(東京都在住)に対し、自宅でキスをしたり、校内で体を触ったりした。石田さんは心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したなどとして2019年、教諭や市に損害賠償を求めて提訴。昨年12月の東京高裁判決は、賠償請求権が消滅する「除斥期間」(20年)が過ぎたとして請求を退けた一方、高校時代まで性的行為があったと認定した。同判決は確定した。
市教委は過去の調査では「被害の事実を確認できない」としていたが、高裁判決を受けて今月、教諭から聞き取りを行うなど再調査を実施。教諭は改めてわいせつ行為を否定したが、市教委は判決の認定を覆すに至らないと判断した。
紺野宏子・教職員担当部長は28日の記者会見で、「(懲戒処分に)時効というものはない」と述べた。
教諭の代理人弁護士は同日、「訴訟は性的行為の有無ではなく除斥期間を争っていた。判決は懲戒処分の根拠にならない」とコメントし、市人事委員会に不服を申し立てる方針を明らかにした。
石田さんは「ショックが大きいほど、被害を受けたと気付くには時間がかかる。被害者が声をあげられるように社会が変わってほしい」と話した。
(読売新聞の記事から引用)


被害者である石田さんはこれまでにも札幌市教育委員会に被害を訴えてきたものの、教育委員会はわいせつ行為があったとは認められないとして教諭への処分は行いませんでした
東京高裁の判決を受け、ようやく重い腰を上げた格好です。もちろん、教育委員会は人事権を有してはいるものの、捜査機関ではありませんので過去のわいせつ行為があったのか、なかったのかを判断できないという事情はあるわけですが、もっと別の対処はできなかったのか、という気がします
石田さんは過去に教諭から受け取った手紙の内容も明かし、札幌教育委員会に教諭の処分を求める申し立てをしましたが、相談員を名乗る年配の女性が電話で「愚痴」を聞くという対応をしただけ、と明かしています
上記の記事にもあるように20年を経過しているため、民事上の損害賠償はできないのであり、加害者である教諭に法的な責任を問えません。ただ、教諭が公務員として在職中であったため、懲戒を求めることはできた、という事案です
石田さんはメディアの取材に応じ、15歳から17歳にかけてわいせつ行為を受けた際は、「恋愛だと思っていた」と述べています。男性教諭は「愛している」などと口走っていたのでしょう。しかし、結婚まで考えていたわけでもなく、熱が冷めたら放り出しています
こうしたケースで、わいせつ行為をする教師は「恋愛だった」とか、「真剣に愛していた」などと言い逃れをするのがしばしばです
しかし、18歳未満の女子生徒に手を出すのは法令に反するのであり、愛だの恋だのと誤魔化すのは大間違いです
問題の男性教諭は結婚し、2人のこどもがいるのだとか。28年前の、生徒を弄んだ代償として懲戒免職を受け入れているのか、あるいは石田さんによって幸せな家庭を破壊されたと恨んでいるのか、聴いてみたいものです

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押井守「イノセンス」で考えるゴーストと身体

「Ghost in the Shell /攻殻機動隊」の続編である押井守監督作品「イノセンス」は、監督自身これを身体論であると言明しています。前作で「ゴースト」の存在を突き詰め、疑問視してきた経緯(記憶が自分を自分であると規定するものの、その記憶自体が偽物である可能性は否定できない。記憶が偽物であったなら、何をもって自分が自分であると同定できるのか?)を踏まえると、なぜゴーストの存在をさらに突き詰めようとせず、身体論へ回帰してしまったのか、という疑問が湧きます
そこで身体とゴーストの関係性を再び考え直す必要が生じるわけです。この場合のゴーストをフロイト派の精神分析理論なら自我と名付けるのでしょうし、ラカン派の精神分析理論なら主体と名付けるのでしょう
今回は根村直美日本大学経済学部教授の論文から引用しつつ、考えます

『イノセンス』に見るポスト・ヒューマニズムと<身体>の構築主義

論文の中身は抄録によると以下の内容になっています(論文で使われているカンマを句点に変更しています)

本稿では、まず、押井守監督の映画『イノセンス』と欧米発の「サイボーグ映画」との比較考察を行った。そして、『イノセンス』には,「ポスト・モダン」状況の中で呼び起こされつつある理論的・思想的な懐疑がヒューマニズムへと回収されてしまうのを回避しようとする思考が認められることを明らかにし、そのような思考をポスト・ヒューマニズムと呼んだ。
続いて、そうしたポスト・ヒューマニズムがどのような身体図式・イメージをうみだしているのかを分析することを試みた。『イノセンス』においては、人形の身体は人工的に構築されたものとして捉えられている。その身体図式・イメージは,映画全体の基調となっているのであるが、人形の身体は、実は人間の身体の表現に他ならない。すなわち、『イノセンス』は、その<社会的に構築されたもの>という身体理解を通じて、<有機体>としての<人間の身体>に付与された<神秘性>から我々を解き放ったのである。
また、『イノセンス』の身体図式・イメージにおいては、構築される身体とは、<他者>と関わることにより立ち現れる具体的な状況において、画定された境界線をもつ。すなわち、その身体は、自分ではないが自分の一部であるような<他者>とのネットワークと相互作用がうみだす「偶発性」に基づくものである。しかも、そうした身体図式・イメージは、ヒューマニズムの枠組みには回収されえない<他者>への<敬意>とも結びついているのである。

さて、ここで根村教授の言うポスト・ヒューマニズムという概念を考えなければなりません。
論文内では、「人間の<自己および世界を認識しうる能力>や<社会的責任を担う能力>などを賛美するという意味での『ヒューマニズム』への回収を拒否し、それとは異質な存在に、その<異質性>を維持したまま<敬意>を示そうとする姿勢を“ポスト・ヒューマニズム”と称して、今後の議論を進めていきたい」と記されています
これだけでは解りづらいので、あまり適切なアシストではないのですが、言い換えます。「人間らしさ」として美徳とされる情緒や情動に結びつけるのを拒絶し、人間らしからぬ反応や行動にも理解と敬意を示し、受け入れようとする姿勢を「ポスト・ヒューマニズム」と呼ぶのであり、それは機械の身体、あるいは機械で構成される電脳も、有機生命体であるところの人間と差別することなく受け入れる、という意味です
つまり「イノセンス」では機械の体、人形も、同じものとして解するところに立脚している、と考えて先へ進みましょう

4 『イノセンス』における身体図式・イメージ
続いて、本節では、ポスト・ヒューマニズムと称することができる思考が『イノセンス』の通奏低音であることを受けつつ、そこに示された身体図式・イメージを明らかにすることに取り組みたいと考えている。しかしながら、そのテーマに取り組むに際して直面するのは、方法論上の
困難である。筆者は、『Ghost in the Shell /攻殻機動隊』の分析において、Ingrid Richardsonと Carly Harperが Maurice Merleau-Pontyの議論を基に展開した現象学的方法を取った(根村,2014)。
その方法の「身体図式」、あるいは、「身体イメージ」という概念は、我々に、「科学」や「常識」という先入観をわきに置き、「生きられている経験」についての意識を省察することを求める(Richardson and Harper, 2002: online)。 また、「科学」や「常識」が提示する身体像にとらわれない身体理解を指すということは、現象学のその概念が身体の「虚構的(fictional)、あるいは、象徴的な(symbolic)」マッピングという観念を含むことを意味する(Richardson and Harper,2002: online)。そこで、その概念を電子テクノロジーと関連した様々な文化的営為であるサイバー・カルチャーの研究に有効なものと位置付け、現象学的方法に拠って立ち草薙の身体経験がどのようなものかを分析することを試みたのである。

根村教授の先行研究である「サイバー・カルチャーにおける<身体>の現象学的分析―映画『Ghost in the Shell /攻殻機動隊』をめぐって―」(2014)を先に読んでおくべきだったと気づいたのですが、現時点でこの論文は入手できていません。なので、「身体図式・イメージ」についての現象学的方法論というものが何を指すのか、保留です
以下の部分が現象学的方法を示唆しており、何となく推測はできます

筆者は,『Ghost in the Shell /攻殻機動隊』を分析した際に、Angus McBlaneの議論を参考に(McBlane, 2010)、 <私>という意識を<人間>たらしめるのは身体の<有機体的な要素>であり、身体の<有機体的な統一性>が高ければ高いほど<人間性>が確かなものになるという考えが認められることを示した(根村、 2014)。
これに対し、『イノセンス』においては、<有機体>としての<人間の身体>(11)への特権の付与は成り立ちえない。社会構築主義的な立場に基づくとき、<有機体>としての身体もまた、機械と人間、生物と無機物とを区別するために、我々がそのようなものとして把握し理解したものでしかないからである。身体を<構築的なもの>と捉えるパースペクティブに拠って立つとき、<有機体>としての<人間の身体>は、<私>という意識を<人間>たらしめるというような、特別な地位にあるものと捉えられることはないのである。
『イノセンス』は、 身体の<不在>を通じて、<有機体>としての<人間の身体>に付与された<神秘性>から我々を解き放ったと言えるであろう。すなわち、その社会構築主義的なパースペクティブを前提にするならば、<有機体>としての<人間の身体>が本来的に何か特別な優越的地位をもっていると考えることに対して疑義を示すことこそが、『イノセンス』の最大のテーマと見ることができるのである。

「イノセンス」において草薙素子は実態として(いつもの少佐の義体で)登場することなく、仮の姿で顕現します。もはや少佐のいつもの義体である必要はないのであり、ネット上に存在するゴーストこそが草薙素子そのもので、現世との関わりは手足となる人形で間に合うとの考えなのでしょう
これが「〈有機体〉としての〈人間の身体〉に特別な優越性を認める必要などないのでは?」という「イノセンス」の主張であると根村教授は指摘しているのです
ただ、物語に一枚噛んでいるバトーは心の底から賛成はしないはずです。草薙素子を愛し、いまでも彼女を求めているバトーにすれば草薙素子の肉体(それが義体という機械であっても)を含めた彼女の存在が愛しいのであり、ゴーストだけというのは不満でしょう

5 『イノセンス』における「ゴースト」
(前略)
『イノセンス』においても、「ゴーストダビング」といった概念などを通じて、「ゴースト」がその人の<私>という意識、言い換えれば、<主体>に関わることが示唆されている。と同時に、第4節において考察したように、『イノセンス』では、「ゴースト」は、<他者>とのネットワークと相互作用によって作りだされる身体でもある。これはつまり、<他者>とのネットワークと相互作用によって作りだされる身体に、何らかの行為主体の立ち現れが想定されているということであろう。
『イノセンス』では、それぞれの場面を織りなす行為主体たちは、<他者>とのネットワークと相互作用の中で構築される身体を通じて現れる。言い換えれば、行為主体性の現れとともに構築される身体=構築される身体とともに現れる行為主体性が、「ゴースト」として捉えられていると言えよう。

根村論文がメルロ=ポンティの「知覚の現象学」にも言及しているように、人間の知的な意思表示、あるいは情動の表現というのは言語活動だけにとどまらず、身体を介しても表示されます。眼差しであれ、手指の動きであれ、それは言語に劣らず人の考えや感情を表現します
精神分析は被分析者の心という曖昧な存在を相手にするのではなく、被分析者の服装であったり、手首の疵であったり、その家族関係を含む人間関係、社会的な立場といったものを全部ひっくりめた実存を相手にしているのだ、と「知覚の現象学」を読んで感じました
その文脈からすれば、ゴーストは身体と不可分な存在と考えられます。これが通常の「身体論」でしょう
ただし、上記のようにゴーストを〈他者〉とのネットワークと相互作用によって作り出される身体とするならば、従来の「身体論」を根底からひっくりかえす発想といえます
そこでは当然のごとく、身体かゴーストかという二元論は否定され、行為主体としての存在=身体であり、その主体性そのものをゴーストと呼ぶことになります
なかなか興味深い思考が展開されています
ただ、思春期真っ只中の、好きな女の子のことばかり考えて悶々としている少年に向けて、「ネットワーク上で一つになりましょう」と女の子が誘いをかけても、「???」でしかないのでしょう。「イノセンス」のバトーにしても草薙素子とネットワーク上で合体すること(前作における草薙素子と人形遣いのように)は断固として拒否するはずです。「オレはそんなことを求めているんじゃない」と
バトーにとっては、「オレであるオレが、草薙素子である草薙素子を愛しく思い、求めている」ことが重要なのですから

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「鬼滅の刃」から日本文化批判へ飛ぶ韓国メディア

韓国で公開された「鬼滅の刃:無限列車編」が大ヒットとなっています
それが気に入らないのか、韓国メディアがまたおバカな記事を掲載していますので取り上げます。黙っていればよいものを、なぜか愚論を吐かずにはいられないようです
元記事が韓国語なので、いつものようにインターネットの掲示板「5ちゃんねる」に貼られた蚯蚓記者の翻訳から引用させてもらいます


日本歴代興行1位「鬼滅の刃:無限列車編」が今週韓国に上陸した。ピクサーアニメ「ソウル」と共に韓国劇場街で米国と日本のアニメ対決が繰り広げられている。
「ソウル」は封切り6日目の25日まで、45万人の観客を動員して久しぶりに劇場街に活力を吹き込み、「鬼滅の刃」もまた高い前売り率を記録して「原産地ハンディキャップ」の中でも善戦している。
(中略:「鬼滅の刃」の日本興行成績。日本人のアニメ愛)
韓国をはじめ中国、米国などで封切られた日本映画のトップ10もほとんどアニメが占める。韓国では「君の名は」(2017)、「ハウルの動く城」(2004)、「千と千尋の神隠し」が歴代日本映画興行1,2,3位だ。
中国もまたトップ10がみな日本アニメで米国も同じだ。異色なのは中国は「ドラえもん」シリーズ、米国は「ポケットモンスター」シリーズと「ドラゴンボール」等が布陣していて日本と差がある。アニメが子供用コンテンツと見なされているのだ。
(中略:鉄腕アトムからの日本アニメ史)
50年以上の間に作られたアニメはもう日本が誇る唯一のコンテンツになった。日本劇映画は悲惨なレベルに達した。過去、小津安二郎が「東京物語」(1953)に込めた小市民の淡泊な人生や、黒澤明が「影武者」(1980)に込めた雄壮な叙事詩に派手な舞台装置はもう旧時代の遺物になった。ロマンスは大騒ぎで、アクションは奇怪で、叙事詩は軽薄な映画だけ作り出す「下流」映画の呼称になっている。
劇映画に対する日本人の見解を端的に見せたのが是枝裕和監督の「万引き家族」(2018)だ。ささいなこそ泥で暮らす東京郊外の異色家族を描いた映画で2018年カンヌ映画祭で黄金奨励賞を受賞した。彼が受賞後に帰国した時、空港にはどんな歓迎の人波もなかった。日本の暗い裏面を世界に知らせた破廉恥な監督になっていたのだ。
ポン・ジュノ監督が「パラサイト」でアカデミー作品賞を受賞した時、全国民が歓呼して空港が歓迎の人波で人だかりができたのと対照的だ。「パラサイト」もまた半地下家族を通じて韓国社会の暗い部分を直接的に扱った。
このエピソードは現在、日本の文化コンテンツが孤立し枯死した理由を見せる例だ。かつて白眼視されたオタクの若者たちが作った日本アニメに熱狂しながら現実を否定し、漫画のような幻想に傾倒した彼らの文化的好みが日本の歴史上最高の興行映画「鬼滅の刃」に込められている。
(韓国毎日新聞の記事から引用)

いつもながらどこから突っ込めばよいのか、と思うばかりの記事です
わざわざ「日本の文化コンテンツが孤立し枯死した」と書いているところに悪意が丸出しです。上記の記事では最近の日本の実写映画が不振であると述べているだけなのに、文末ではわざと「日本の文化コンテンツすべてがダメ」であるかのように印象つける書き方をしているわけです
おそらく「K-POPが世界を制覇した」とか、「韓国ドラマにアメリカ人は夢中になっている」などと言いたくてたまらないのでしょう
また、空港への出迎え者の数で、コンテンツの価値が決まったりはしません
そう言えば、ヨン様ブームの頃は空港で出迎えたファンの数を、韓国メディアはやたらと誇らしげに報道していた記憶があります
ただし、日本の実写映画がダメという指摘は「まったく根拠がない言いがかり」であるとは思いません。ここ数年、公開される日本映画で見に行きたいと思うのはアニメーション作品がほとんどでした。例外は「屍人荘の殺人」で、出来栄えは感心しませんでしたが、浜辺美波が可愛らしかったので不満はありません(映画館ではなくネット配信を利用して視聴)
ともかく、人気漫画の実写化とか、もう勘弁してほしいところです

(関連記事)
押井守 「鬼滅の刃」はなぜヒットしたか
https://05448081.at.webry.info/202103/article_37.html
「鬼滅の刃」は反キリスト教的と批判する韓国
https://05448081.at.webry.info/202103/article_21.html
韓国での「鬼滅の刃」批判
「鬼滅の刃」実写化という無謀
「宮崎駿にキメハラ」という記事
「鬼滅の刃」とフジテレビの微妙な関係
「鬼滅の刃」ブームを読めなかった業界人
「韓ドラの次はウェブ漫画が来る」という記事
「ウェブ漫画の元祖は韓国」であり「文化強国」だと主張
韓国マンガ「NOBLESSE」アニメ化
アニメ「神之塔」の評価は
韓国の人気漫画「神之塔」アニメ化も放送予定は?
韓国アニメの現在 「セミとマジックキューブ」
「韓国アニメは独自性を持つべき」 エミー賞監督が指摘
韓国漫画「エスパーマン」はスーパーマンをトレースと露見
「韓国はいかに日本漫画を受容したか」論を読む
高校漫画大会で優勝の韓国「日本の鼻をへし折った」
「韓国デジタル・マンファが急成長」と報じるメディア
韓国の劇場版ホラーアニメ「奇々怪々整形水」が日本公開
「韓流で文化覇権を目指す」と書く韓国メディア
東浩紀「韓国との多文化共生を諦めてはならない」

甲子園優勝校主将が強盗 駒大野球部のしごきを暴露

強盗で逮捕・起訴された2017年甲子園優勝校花咲徳栄の主将、千丸剛被告が法廷で語った駒沢大学野球部での理不尽なしごきについて、日刊スポーツが記事にしています
被告人質問の場を借りて弁護人が千丸被告に語らせ、情状に訴えようとしたのでしょう


花咲徳栄が埼玉県勢として初めて夏の甲子園を制覇した2017年の主将で、19年4月に強盗致傷事件などを起こした千丸剛(ちまる・つよし)被告(21)らの裁判員裁判が27日、千葉地裁(坂田威一郎裁判長)で開かれ、千丸被告の被告人質問が行われた。
千丸被告はスポーツ推薦で18年に駒大に進み、2月から野球部に入部した。弁護側の被告人質問で、1年春からリーグ戦に出場していたにもかかわらず、退部した理由を、千丸被告は「深夜2時、3時までコンクリートの上に正座させられたり、雨の中、傘もさせずに先輩たちの買い出しに行かされたり、たばこの火で根性焼きさせられたりしました。3月から9月に退部するまでほぼ毎日ありました」と供述。「チームの体質、風習についていけなかった」ことが退部の理由と説明した。
通学は続けたものの、駒大はキャンパスがひとつのため「顔を合わせたくない先輩たちと顔を合わせるのが苦痛になった」ため、19年3月に退学したとした。
被告は「(花咲徳栄の同級生で)プロになった選手が2人(中日・清水達也、西武・西川愛也)いて、自分に不安と情けなさを感じた。野球をやっていない自分は価値がないと絶望した」という。
東京都町田市の自宅で引きこもりのようになり、小中学校時代の同級生と遊ぶようになったころ、同級生の1人から「人のいない家からお金を運ぶ仕事があるけど、やらない」と誘われた。報酬は数十万円。「大丈夫かな」と思ったが、「全然問題ないから」と言われた。「野球関係者と疎遠になっていく中で、野球をしていない自分を励ましたり、声をかけてくれた人間なので承諾しました」。
電話番号を渡され、犯行当日の19年4月26日、他の実行犯3人と初めて会った。現場の千葉県八街市に向かう車中で果物ナイフと粘着テープを渡された。「聞いていた話と違うので驚きました。バールを手にした吉添(主犯格の勇人被告)から『バックにやくざがついている。拒否したり逃げたりしたらお前やお前の家族が狙われる』と言われた。逃げたら殺されると思った。吉添には『覚悟を決めろ』と言われた」。
(中略)
千丸被告ら4人は20年1月逮捕された。被害男性は頭骸骨骨折など全治3カ月の重傷を負った。千丸被告の両親は30年入っていた保険を解約し、500万円の弁償金を受け取ってもらったが、被害者からは「実刑は望んでいない」など情状酌量を求める言葉はもらえなかった。情状証人に立った母親は「野球がやりたくて大学に入ったけど、その野球ができなくなった。(18年の)夏ごろ、夜中に泣きながら電話をかけてきて『限界だから助けてほしい』と言われました。野球のことしか考えないで生きてきて、(逮捕当日に事件を起こしたと聞いて)世間知らずの本当にばかな子だと思いました」と証言した。
(日刊スポーツの記事から引用)


情状に訴える作戦ですが、強盗致傷事件でしかも頭蓋骨骨折の重傷を負わせているケースなので、執行猶予付き判決はありません
さらに辛口の意見を述べると、千丸被告が駒沢大学野球部を辞めた事情と強盗事件とは直接関係ないのであり、駒沢大学野球部がいかに劣悪かつ卑劣な場で、先輩野球部員が人間のクズであろうとも、千丸被告が強盗団に加わった事実を帳消しにはできないのです
もちろん、ブログでこうして取り上げているのは千丸被告に多少なりとも同情しているからですが
さて、以前にもこの事件にかこつけて、法政大学野球部におけるしごきの実態を告発した江川卓の記事を引用しました。大学野球の場が、上記のように理不尽なしごきを繰り返している実態に唖然としますし、呆れます
大学生とは名ばかりで、やっているのはそこらのヤンキー集団と大差ありません。当然、大学側もそれを承知で放任しているのです。もちろん、駒沢大学だけでなく日本各地の大学の野球部、体育会系の部活で似たりよったりの行為が繰り返され、「伝統」と称しているのでしょう
上記の記事を読んで、駒沢大学の関係者がどう釈明するのか(釈明を聞いたところで虚しいだけですが)?

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老人ホーム睡眠薬殺人 最高裁判決懲役24年

仕事を終えて帰宅する同僚職員に睡眠薬入りのコーヒーやお茶を飲ませ、意識を失った状態で交通事故を起こさせたとして起訴された元准看護師波多野愛子被告の事件では、一審千葉地裁が交通事故に巻き込まれて負傷した対向車の運転者に対しても殺意があったものと認め、懲役24年(求刑は懲役30年)の判決を言い渡していました
控訴審の東京高裁は千葉地裁判決を、対向車の運転手にまで殺意を認めるのは誤りだとし、審議をつくすべきと差し戻していました。
上告審となった最高裁判所では一審千葉地裁の判決を認め、懲役24年の刑が確定しています


千葉県印西市の老人ホームで平成29年、睡眠導入剤入りの飲み物を同僚らに飲ませ、交通事故などで6人を殺傷したとして殺人や殺人未遂などの罪に問われた元職員の准看護師、波田野(はたの)愛子被告(74)の上告審判決で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は29日、殺意の一部を認めなかった2審東京高裁判決を破棄し、被告側の控訴を棄却した。懲役24年とした1審千葉地裁の裁判員裁判判決が確定する。4裁判官全員一致の結論。
2審判決は「事故に巻き込まれた対向車の2人に対する殺意までは認められない」として1審判決を破棄、審理を地裁に差し戻した。これに対し第2小法廷は、対向車の2人が事故を避けられたとは限らず、2人が死亡することも「十分あり得る」などと指摘。殺意を一部否定した2審判決は「誤りだ」とした。
判決によると、波田野被告は29年2月、准看護師として勤務していた老人ホームで、同僚の山岡恵子さん=当時(60)=に睡眠導入剤入りの飲み物を飲ませた上、車を運転して帰宅するよう仕向け、交通事故を起こさせて殺害。対向車の男性にもけがをさせた。同様の手口で同年5~6月に別の同僚2人と同乗者、事故の相手の計4人にも重軽傷を負わせた。
(産経新聞の記事から引用)


波多野愛子被告は現在74歳で、裁判の途中から犯行動機を質問されても「忘れた」とか「思い出せない」と答えるようになっています。反省していない証拠、と被害者は憤っていたのですが、痴呆症の可能性も否定はできません
ただし、裁判の途中で痴呆症になったとしても、現に波多野被告の犯行によって1人を死亡し4人に重軽傷を負った事実に変わりはないのであり、被告が責任を負う必要があります。波多野被告が被害者に対してどこまで補償を行ったのか、記事では触れていないので不明ですが、十分な資産があったとは思えないので補償などほとんどしていないと推測されます。被害者と示談が成立しているとの報道もありません
74歳で痴呆症を発症したと推測される被告をこの先24年間、刑務所に服役させるというのは非現実的な話ではあるものの、それはまた別の問題としておきましょう
肝心の犯行動機ですが、はっきりしません。勤務先の施設が正看護師の採用を計画したため、高齢で准看護師の資格しかない波多野被告は、自分がクビになると邪推し、同僚職員への嫌がらせを計画した、とされているものの納得できません
職場で必要とされなくなりつつある波多野被告は、同僚たちの言動から自分が差別されていると感じたのでしょうか?
何人もの人を巻き込んだ理不尽な事件であるのに、犯行動機は曖昧という何とも後味の悪い事件です
波多野被告は自分がどうして刑務所にいるのか、それさえ思い出せないまま獄舎の中で日々を過ごす結果になります

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7人の女児にわいせつ 元教師八木航の手口

読売新聞が小学校という場でわいせつ行為を繰り返した教師の犯行の手口を記事にしています。教師の名前こそ出してはいないものの、千葉県で女子児童7人にわいせつ行為を繰り返し、懲役14年の実刑判決を受けた八木航受刑者を指しているのは明白です
本来、児童が安心して学べる場であるはずの学校内で、八木受刑者がいかに犯行を重ねていたか、この記事を読んで関係者は猛省してもらいたいものです
八木受刑者の女子児童と馴れ合う行動に対し保護者から指摘があったものの、学校長らはこれを無視し、校内での性犯罪を防げなかったのですから。管理者としての責任を考えれば、訓戒とか減給で済む話ではありません


わいせつ行為で処分される教員が増えている。立場を利用し、言葉巧みに言い寄り、その言動で児童や生徒の心と体に傷を負わせる。5年半にわたり、二つの小学校で女子児童7人にわいせつな行為を繰り返し、懲役14年の実刑判決を受けた教員の男は、校長や同僚からは「指導熱心」と信頼されていた反面、学校には特異な行動への苦情も寄せられていた。「顔」を使い分け、「学校の死角」で犯罪に及んでいた事件を通して、学校という特殊な場所、教員との主従のような関係のもとで起こるわいせつ教員問題を考える。
(中略)
「指導」と称して空き教室へ…「担任だから」周囲は疑わず
教員の犯行は大胆かつ巧妙だった。
判決や関係者によると、教員は自分が受け持たない「音楽」などの授業中に、忘れ物をした児童を「指導」と称して空き教室や倉庫に堂々と連れ出し、犯行に及んでいた。担任としての立場と信頼を悪用し、児童の年齢と性格に応じて、ある時は目隠しをしたり、またある時は「傷の状態を確認する」と伝えたりして、わいせつな行為に及ぶなど、児童たちを意のままに従わせていた。
公判で、教員は「欲望のコントロールができなかった。被害者の気持ちをくみ取ることができなかった」などと謝罪の言葉とともに、「だれかに相談すればよかったが、結果的にこんなに多くの子にやってしまった」と後悔の気持ちも述べた。
授業中に教員が教室を抜け出すような行動があっても、学校関係者は「担任が指導のために児童を教室から連れ出すことには、疑問を持たなかった」と振り返る。こうした行動が問題視されなかった背景には、「わいせつ教員」とは別に、教員が学年主任という立場にあり、「指導熱心」という顔を持ち合わせていたこともある。
自治体が事件を検証するために実施したヒアリングで、歴代校長らは「教育熱心で信頼していた」と口をそろえ、元同僚の教員は読売新聞の取材に対し、「厳しいけれど面倒見が良い先輩だった」と評価した。
(以下、略)


「指導熱心な教師」という外見だけで騙されたのですから、「甘い」と言わざるを得ません
歴代校長は八木受刑者が校内で何をしていたのか、本当に見ていたのかと問う必要があります。校長室に座ってお茶を飲んでいる時間があるなら、校内を歩いて回り、誰がどのような授業をしているのか指導をしているのか、目配りするべきでは?
教師を信頼するのは結構ですが、放任するのは間違いです。信頼するなら、きちんと観察するのが前提です。観察もせず、授業を見もせず「信頼していた」などと口にするのは愚か者の言い草でしょう
自分の経験からしても、学校長が普段の授業の様子を見に来たことなど1度もなかったように記憶しています。つまり、学校長は管理者としての責任を果たしていないのです。自分の経験だけが特殊ではないはずで、全国どこの小中学校でも、学校長は普段の授業や生徒指導の場を見ていないのではないでしょうか?

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茨城一家殺害事件を考える 容疑者特定か?

2019年9月23日の未明、茨城県境町若林の住宅で会社員、小林光則さん宅に何者かが侵入し、光則さんと妻美和さんが殺害され、2階で寝ていた長男も手足を刃物で切りつけられる事件がありました
当時、家の周りが大きな釣り堀になっているニュースの映像が繰り返し放映されたので、記憶している方もおられるでしょう
捜査の方は進展がなかったのですが、年明けに週刊誌「FRIDAY」が容疑者と推定される男が逮捕された、と報じていましたので取り上げます


「発生から約1年3ヵ月が経った’20年11月中旬、事件に関与した可能性がある男性Aが別の事案で逮捕されるという情報が流れたんです。マスコミ各社がAを逮捕した警察署に集まり、現場は騒然となりました」(民放テレビ局担当記者)
Aは微罪で逮捕されたにもかかわらず、送検の際には顔写真を撮影するために各社のカメラマンが殺到した。
雑木林に囲まれ、隣家まで約300m。そんな茨城県境町にある「ポツンと一軒家」で、’19年9月に会社員の小林光則さん(当時48)と妻の美和さん(当時50)が殺害され、長男と次女が重軽傷を負った。事件発生は深夜で、月明かりもない中、小林さん夫婦は就寝中に襲われ、上半身を刃物でメッタ刺しにされた。
この凄惨な事件は目撃者の証言や物的証拠が乏しく、捜査は難航。迷宮入りも囁かれていた中で、突如してAが逮捕されたのだ。
「別件は微罪にもかかわらず、Aは長期にわたって身柄を拘束され、念入りに取り調べを受けています。警察当局はAの商品購入履歴の情報や防犯カメラの画像解析によって、いくつかの状況証拠を得ているようです。ただし、ガサが入ったAの自宅から凶器など決定的な証拠は見つかっておらず、またAにつながるDNAや指紋も茨城の事件現場には残っていません。
有力な目撃者は当時13歳だった長男ですが、事件のショックが大きく、面通しは難しいでしょう。結局、Aの供述を引き出すしかないのが現状です」(全国紙担当者)


逮捕された容疑者がどのような人物なのか、何も書かれていません。「微罪で逮捕」とありますので、別件の住居侵入とか窃盗の容疑で身柄をとったのでしょう
しかし、物的な証拠もないのに長期間拘束し、自供を迫るやり方は冤罪を生むのであり、褒められた捜査ではありません
田舎の警察なので、近隣にいる怪しい奴を捕まえて締め上げれば自白するはず、との考えで動いているのかも(昭和の警察の捜査はそんな感じでした)
犯行現場には金品を漁った痕跡はなく、盗みのための犯行とは考えられない状況だったと報じられています。なので、警察は怨恨の線で捜査をしていると考えられていたのですが、よくわかりません
ただ、外国人による強盗殺人事件のように押し込んで家人を殺害し、それから金品を漁るという荒っぽい手口もありますので、強盗目当ての可能性も皆無ではないと考えられます。数万円を盗むため、平気で人を殺す犯罪者もいるのですから

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慶応大野球部員詐欺で逮捕 故鶴岡監督の孫

南海ホークスの監督として活躍した鶴岡一人氏の孫である慶応大学生が、新型コロナの持続化給付金をだまし取った容疑で逮捕されています
生活費に困る立場ではない学生が、安易にこうした詐欺に手を染めるというのは困ったものです。世間知らず、と片付けるわけにはいきません
大学卒業を目前にして前科持ちになってしまう状況を、どう理解しているのでしょうか?


慶応大4年生が持続化給付金詐欺で逮捕
「K」の文字が入った帽子を被る野球部員、慶応大学4年生の鶴岡嵩大容疑者(22)。島根県警に詐欺の疑いで逮捕された。
鶴岡容疑者は、島根県に住む大学生を使い、持続化給付金100万円をだまし取った疑いが持たれている。
「持続化給付金」は、新型コロナウイルスの感染拡大によって収入が減った個人事業主を支援するためのもの。
鶴岡容疑者は2020年7月、知り合いの島根県松江市に住む男子大学生に、個人事業主と偽らせて持続化給付金を申請。そして、男子大学生の口座に100万円を振り込ませた疑いが持たれている。
家は一等地、祖父はプロ野球選手
現在は野球部を引退しているという鶴岡容疑者。容疑者を知る慶応大生によると、野球関係者には名を知られた存在だったという。
鶴岡容疑者を知る慶応大生:
おじいちゃんか、ひいおじいちゃんがプロ野球選手みたいな感じ。高校の時はバリバリ試合に出てご活躍されている方だった。
(鶴岡容疑者は)笑っていることが多いイメージだったんで、そんなに悪さをするみたいなイメージはあんまなかった。
詐欺行為に手を染めるような印象はなかったという。さらに…。
鶴岡容疑者の自宅があるのは、都内有数の高級住宅街として知られる港区白金台。住所だけを見ればお金に困っているとは思えない。
大学生の給付金詐欺 相次ぐ
まるで慶応ブランドそのままの鶴岡容疑者。なぜ詐欺の容疑で逮捕されたのか。
鶴岡容疑者を知る慶応大生:
ニュースでそういうの(詐欺)が横行しているのを見たことがあって、なので最初にこのニュースを聞いたときもそういうことをする人がいるんだなと思った。
(中略)
今回、鶴岡容疑者はSNSを通じて松江市の男子学生と知り合ったといい、給付金の一部をアドバイス料として受け取ったとみられている。
男子大学生が2020年9月、警察に自分は不正受給をしているのではと相談したことで事件が発覚した。
警察の調べに対し鶴岡容疑者は「不正受給に関わったことは間違いありません」と容疑を認めている。
警察は、このほかにも同様の手口で不正受給を指南したとみて調べを進めている。
(FNNプライムオンラインの記事から引用)


冒頭に書いたように、安易な考えで手を出したとしても詐欺であるのは間違いなく、しかも困窮する自営業者を救済する目的の給付金をだまし取っているのですから世間が厳しい目を向けるのは当然でしょう
別の報道によれば鶴岡容疑者は大学卒業後、留学を予定していたらしく民間企業への就職組ではありません。が、この留学計画も頓挫するのではないでしょうか?
自営業者にとっては命綱である持続化給付金も、大学生たちにすれば「自由に使える金」程度の感覚なのかもしれません
やはり学生の甘さなのか、SNSなどで勧誘されるとホイホイとそれに乗っかる軽さに危うさを感じます
こうした詐欺行為に加担しないよう、大学が学生への警告を繰り返す必要があります。そうしなければ、1つの大学から数十人もの逮捕者が出る事態になるはずです

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「セーラームーン」から考える少女と通過儀礼

「セーラームーン」に関する論文、ブログ等を読み漁っていて、面白いものを発見しましたので取り上げます
神戸女学院大学主催の女性学インスティチュートの論文コンクール(1999年度)で最優秀賞を得たもの、と紹介されています。筆者古田明子氏は内田樹教授のゼミに所属していたのだとか
学生の研究意欲を刺激しようとの企画なのでしょう。それはそれで結構だとしても、2020年度は応募論文が1つだけ、という状況です。「女性学」を看板に掲げるのであれば、教授陣も学生を指導し、啓発し、活性化させる必要があるのでは?

Mother/Girl-母なる少女 : 『美少女戦士セーラームーン』にみる通過儀礼

この論文は「女の子」が「少女」となり、「少女」から「女」へと移り変わるところにある通過儀礼を取り上げたものです
一般的には少年・少女がある種の儀式や体験を経て大人への階段を登るプロセスを通過儀礼と呼びます
現代の少女たちが直面する通過儀礼とは何か、テレビシリーズのアニメ「セーラームーン」を題材に考える内容になっています。「第27話:亜美ちゃんの恋?:未来予知の少年」というように、アニメのシーンを切り取って、少女の通過儀礼がどのようなものであるか解き明かしていますので、これはこれで面白く読めます
さて、順序が逆になってしまうのですが、論文の末尾、結論部分に相当する「終章」から少しばかり引用し、古田氏の言わんとしているところを見ておこうと思います(学術書、あるいは論文を読む際には、結論部分を先に目を通すのが自分のやり方です。そうやって自分の求める情報なりに触れている可能性があれば最初に戻って読み進めますし、結論部分を読んで「違うな」と感じたらそこで諦め、別のものに手を出します)
結論として古田氏は以下のように述べます

終章
たかがアニメ、されどアニメ。物語というものは多様なレベルの語り口を持つ。それ故、多様な読み方が可能だ。『セーラームーン』は、一つには勧善懲悪の心地よい物語であり、また、一つには世界の平和と愛をテーマにした[教育的]な物語でもある。あるいは、マニアたちの喜ぶセクシャルな物語と見ることもできる。そして、何よりその中には、フォークロアと極めて類似した構造を持つ通過儀礼の物語があり、同時に母性の物語をも内包している。今回、この多様な側面を持つ一つのアニメから抽出された現代の「少女」の有り様を見てきた。消費社会をさまよう。少女は通過儀礼を執拗に繰り返すことでそれ自身を回避する。儀礼は繰り返されることで無化されていく。いわば、儀礼のための儀礼。その果たされない儀礼の繰り返しは時に滑稽で、時に痛々しい。それでも少女は無数のまやかしの儀礼の中で、大人への道を探している。それは、少女という異物的存在が自らの生きる場所を探し求めている旅だと言える。
(中略)
多くの大人たちが少女論を題材にそれぞれの思惑で少女を語ってきたが、そこに共通して見られるのは、現実の少女の存在の困難さであり、その困難な存在がそこを脱して成長していくときの更なる困惑である。『セーラームーン』が物語である以上、私が語ったものはその物語の一側面に過ぎない。だが、少なくとも、少女たち、あるいはこれから少女という不可解な領域に踏み込もうとする子供たちが、このような物語を好んで消費したのは事実である。では、私が彼女たちにそのような困惑を取り去るひとつの言説を提示できたかというと、そうは思わない。儀礼というものはそのような言葉で語り得ないところに本質がある。そして儀礼なき時代に生まれや少女たちが歩む術は、結局のところ、彼女たち自身に委ねるしかないのかもしれない。

意味のつかみにくいところもありますが、消費行動という偽りの通過儀礼を反復することで、母性をいう仮面をかぶることで、少女は大人の女(少女の擬態)へと変貌を遂げる、と解釈できます。別の例えをすれば、ジャニーズ・タレントの追っかけをしている少女がやがて母親になるものの、今度は自分の娘を連れて追っかけをしている図、を想像してください

(論文19ページ)
しかし歳代の問題は、美少女と美女にはセーラー服が似合ってしまうということだ。少なくともアニメの中では彼女たちは永遠に少女でいられるのだ。しかも、「女装」することによってそれはより保証されたものとなる。『スケバン刑事』はおもちゃを武器に戦っていたが、『セーラームーン』は女を武器に戦う。それは変身姿の色気であり、戦闘中の涙であり、最終話の裸体が示す母性である。少女たちは子供を装うことによってではなく、女を装着することで少女にとどまろうとする。大人になることを回避し続ける最も懸命な術は大人のふりをすることではなかろうか。
(中略)
永遠の少女でいるために「女」の仮面を付け、「母性」をちらつかせ、消費社会をしたたかに生きていく。それが、これからの「少女」なのだ。

長文の論文なので他の部分に言及できませんが、一読の価値はあります。興味のある方は上記のアドレスからPDFファイルをダウンロードして読んでいただけたら、と思います

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実母殺害遺棄 過剰な干渉に追い詰められ犯行

毎日、ニュースをチェックし、主だった事件にはその後の経過、裁判まで追いかけるようにしているつもりですが、見逃してしまう事件もあります。特に地方で起きた事件はメディアの取り扱いも小さいため、目に留まり辛い事情もあります
今日は滋賀県守山市で2018年に起きた殺人死体遺棄事件を取り上げます
逮捕された桐生のぞみ被告は看護師として勤務していましたが、干渉気味の母親との間に確執があり、殺害した上で遺体のこぎりで切断し遺棄したとして逮捕、起訴されていました
桐生被告の母親は娘を医学部進学を入れようとし、9浪させていたのだとか。成績が悪いと鉄パイプで体を殴打することもあったと伝える報道もありました。母親殺害後、桐生被告はツイッターに「モンスターを倒した」と書き込んでいましたが、「母親殺害とは無関係」と否定しています。およそ青春らしい思い出も作れず、恋愛もできないまま33歳という年齢に達していたのですから、被告が母親に対して根深い憎悪を抱いていたのは確かでしょう
殺害された状況、経緯からして桐生のぞみ被告しか犯人はいないと推察されたわけですが、桐生被告は頑として殺害を認めない姿勢を貫いたのです
一審の大津地裁は以下の通り、桐生被告による犯行と断定し、懲役15年を言い渡しています


守山市で2018年3月、市内の無職、桐生しのぶさん(当時58歳)の切断された遺体が見つかった事件で、殺人と死体遺棄などの罪に問われた元看護師で長女、のぞみ被告(33)に対し、大津地裁の裁判員裁判は3日、懲役15年(求刑・懲役20年)の判決を言い渡した。大西直樹裁判長は「被害者の尊厳を損ない、近隣住民に計り知れない恐怖と不安を与える残忍な犯行だ」と述べた。
判決は、遺体の解剖所見や、しのぶさんの生前の行動から他殺と認定。「首を切って自殺した」という弁護側の主張は「現実的な可能性はない」と退けた。進路を巡り厳しく叱責され続けた抑圧的な親子関係や、事件前に刃物による殺害方法を複数回検索したインターネットの履歴などから「被告に殺意はあった」と指摘。しのぶさんが亡くなった際は被告と2人きりで「被告が殺害したと強く推認される」と判断した。
また「被告が心神喪失の可能性がある」との弁護側の主張には、看護師として日常生活を送っていたことなどから「合理的な判断や善悪の判断ができていたのは明らか」として、責任能力を認めた。
一方、のぞみ被告が「抑圧・束縛された生活の中、母の姿におびえながら相当追い詰められた」として、同情の余地があるとした。判決後、大西裁判長は「まずは自分の過ちに真摯に向き合ってほしい。罪を償う中で、今度こそあなた自身の人生を、あなた自身の手で切り開いてください」と説諭した。
判決によると、のぞみ被告は18年1月20日ごろ、しのぶさんを守山市の実家で何らかの方法で殺害。同3月10日にかけ、遺体をのこぎりなどで切断し、市内の河川敷に遺棄した。
(毎日新聞の記事から引用)


遺体切断と遺棄の犯行にはさまざまな形態、事情があります。遺体の発見を遅らせ、犯行発覚を防ぐ狙いでバラバラに切断して異なる場所に遺棄するケースもあれば、殺害した後に遺体の処理に困り、バラバラにして持ち出し遺棄するケースもあります。結果は似ていても、どの動機には大きな違いがあります。本件の場合はどうだったのでしょう
遺体を捨てる必要を被告は感じていたとは思いますが、それ以上に実母に対する憎悪がまさり、のこぎりで切断したのかもしれません
一審判決後、桐生被告の心境に大きな変化が生じ、控訴審では実母の殺害を認めるに至りました
裁判員が桐生被告の犯行に「同情すべき点がある」と認めたことが、影響したとされます
控訴審である大阪高裁は一審判決を破棄した上で、懲役10年に減刑する判決を言い渡しています


滋賀県守山市で2018年、母親を殺害し遺体を切断したなどとして殺人罪などに問われた無職桐生のぞみ被告(34)の控訴審判決で、大阪高裁は26日、懲役15年とした1審の裁判員裁判判決を破棄して減軽し、懲役10年を言い渡した。桐生被告は1審判決をきっかけに殺害を認める姿勢に転じており、岩倉広修裁判長は「裁判員裁判の判決に心を動かされ、反省を深めている」と述べた。
桐生被告は18年1月、守山市の実家で母親・しのぶさん(当時58歳)を殺害し、同3月までに切断した遺体の一部を公園に遺棄したとして、殺人、死体損壊、死体遺棄の罪で起訴された。
桐生被告は殺人罪を否認していたが、1審・大津地裁は昨年3月、殺害を認定して「残忍な犯行」と非難する一方、自身の進路を巡り、母に追い詰められた末の犯行と言及していた。
昨年11月の控訴審初公判で、桐生被告は「裁判員が母との関係を理解してくれた」と述べ、自白に転じた。岩倉裁判長は、母親から医師になるよう9年間の浪人生活を強いられ、異常な干渉があったと指摘。「同情すべき点があるほか、罪に真摯(しんし)に向き合おうとしている」として刑を軽減した。
桐生被告は、岩倉裁判長から「自分で選んだ道を歩み、更生してほしい」と説諭されると、涙を流してうなずいた。
市民参加の裁判員裁判の判決を巡っては、最高裁が12年の判決で、2審で結論を覆すことに慎重さを求める判断を示した。桐生被告を弁護した杉本周平弁護士は判決後、「社会は今回の破棄判断を理解してくれるのではないか」と話し、上告しない方針を示した。
(読売新聞の記事から引用)


毒親に振り回され、人生の選択を制限されてしまう事例は女性の場合、少なくないのかもしれません。結婚に反対されたり、親元を離れて進学しようとするのを反対されたり。親のエゴを愛情とすりかえ、娘の人生を束縛しても何ら反省することなく、むしろ誇りとするような毒親が、世間では立派な親であると評判を得ているという皮肉な側面もあります
桐生被告が今後、どのような人生を生きるか彼女次第です。同時にこれからの人生を親のせいにすることなく、自身の責任で生きてもらいたいものです

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大阪小学校講師 児童12人にわいせつ行為で懲役5年6月

大阪府門真市の小学校で講師を務めていた男が、女子児童に対し校内でわいせつ行為を繰り返していたとして逮捕、起訴された事件です
山脇魁斗被告は勤務先の学校内で12人もの女子児童に計31回もわいせつ行為を繰り返した、として懲役5年6月の実刑判決を受けています
求刑は懲役8年でした
まさに性犯罪者が小学校の講師になり、児童を喰い物にした事件であり、実刑は当然でしょう


勤務先の学校の教室などで計12人の女子児童にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた大阪府門真市立小の元講師、山脇魁斗(かいと)被告(27)=懲戒免職=の判決公判が25日、大阪地裁であり、坂口裕俊裁判官は「わいせつ行為と気付かない幼少の被害者に付け込んだ、文字通り卑劣というしかない犯行」として、懲役5年6月(求刑懲役8年)を言い渡した。
判決によると、被告は平成29年5月~令和元年12月、勤務先の学校で担任を受け持つなどしていた当時8、9歳の女児12人に対し教室や体育倉庫に呼び出した上で、計31回にわたり服越しに下半身を押し付け腰を動かすなどのわいせつな行為をした。
坂口裁判官は判決で「児童らが今後被害の意味を理解したときに大人や男性への不信感・恐怖を抱く可能性は高く、健全な成長を阻害しかねない」と述べ、刑事責任は相当に重いと指摘。起訴内容を認め、今後教師など未成年と関わる仕事にはつかないことを約束して一部の被害者と示談が成立していることなどの事情を考慮しても、実刑が相当とした。
(産経新聞の記事から引用)


山脇被告は門真市の小学校に採用される前、枚方市の小学校に勤務していたのですが、任期途中で退職しています。そちらもわいせつ事案ではないのか、と勘ぐりたくなります
正規の教員として採用されず、講師としてあちこちの学校に勤務する人物を誹謗する気はないのですが、正規採用に至らなかった事情なり、理由なりあるのではないか、という気もします
上記の記事にもありように、一部の被害者とは示談が成立しているとしても、別の被害者とは示談に至っておらず、保護者は「厳しい刑を望む」と言うでしょう。山脇被告を安易に許す気はないわけで
すでに懲戒免職処分を受けているとしても、刑事罰を科すのは当然です
性犯罪に限って言えば、「初犯だから執行猶予」などという考えは大間違いであり、初犯だからこそ厳しく罰する必要があるのでは?
特に、学校という場で児童を弄んだ犯行は重大ですし、弁解の余地などあるはずもなく、実刑ありきで臨むしかないでしょう
児童は教師を信頼し、親しみを感じているわけで、山脇被告の犯行は信頼に対する重大な裏切りです
ここはやはり、特別公務員暴行陵虐罪にならって、教育職員暴行陵虐罪を新設し、通常のわいせう事案よりも重く罰すると規定してはどうでしょうか?

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大津いじめ訴訟 加害生徒への賠償命令確定

滋賀県大津市立皇子山中学校の男子生徒(当時2年生)が同級生からの執拗ないじめを苦に自殺したのが2011年10月でした
当時の滋賀県知事嘉田由紀子は県教育委員会、大津市教育委員会のずさんな対応を擁護し、「学校の問題は学校で解決する自治がある中で、警察が入ったことは残念だ」と発言しています。いじめや校内暴力に警察は介入するな、という時代錯誤の考えです
この他にもいじめ問題に関する消極的な発言が目立ち、それが「嘉田知事の長男のこどもがいじめの主犯格」とのデマを生み、嘉田知事と長男が衝突する原因にもなった、と報じられています

嘉田滋賀県知事 次期選挙不出馬に大津いじめ問題が影響か

さて、この事件では上述のように教育委員会の及び腰な対応が批判を招いたのですが、嘉田由紀子知事が教育委員会を批判する発言をしたなら、滋賀県の教員OBや県議会議員は知事に敵対した可能性も考えられます。知事といえども、県の行政を自在に動かせたりはしません。特に教育行政に関しては、教員OBと教育委員会が結託し、県の行政から独立した形態をとっている県も少なくないのですから
以下、損害賠償請求を確定させた最高裁判決についての記事と、大阪高等裁判所の判決を伝える記事の2本を貼っておきます

平成23年に大津市で市立中2年の男子生徒=当時(13)=が自殺したのはいじめが原因だとして、両親が加害者側の元同級生らに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷は、両親側の上告を受理しない決定をした。自殺といじめの因果関係を認定した上で被害者側の家庭環境なども考慮し、元同級生2人に計約400万円の賠償を命じた2審大阪高裁判決が確定した。
男子生徒の自殺問題は、いじめ防止対策推進法成立のきっかけとなった。
(産経新聞の記事から引用)

大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が2011年10月に自殺したのはいじめが原因だとして、男子生徒の両親が元同級生らに計約3850万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。佐村浩之裁判長は昨年2月の一審・大津地裁判決と同様に、いじめと自殺の因果関係を認めた。
一方、男子生徒の家庭環境などを考慮し、賠償額は過失相殺が必要だと判断。元同級生2人に計約3750万円の支払いを命じた地裁判決を変更し、2人に計約400万円を支払うよう命じた。
高裁判決によると、男子生徒は11年9月以降、複数回顔を殴られる▽口に粘着テープを貼られ、手足を鉢巻きで縛られる▽蜂の死骸を食べさせられそうになる――などの行為を元同級生2人から受けた。
高裁判決は、いじめ行為は男子生徒に孤立感や無価値感などを抱かせ、自殺に追い込むほどに悪質・陰湿かつ執拗(しつよう)だったと指摘。いじめ行為で児童・生徒が自殺する恐れは社会一般に広く認知されており、今回の行為による自殺は通常予見しうる損害だとして、2人のいじめ行為と自殺に因果関係があると認定した。
賠償額については、両親が別居していたことや男子生徒が無断外泊した際に父親が顔をたたくなどしていたことなどを踏まえ、両親側にも家庭環境が整えられずに男子生徒を精神的に支えられなかった過失があるとして、損害額から4割を減額。大津市からの和解金の額などを差し引いた計約400万円が相当とした。
男子生徒のいじめ自殺をめぐっては、男子生徒の両親が12年、大津市や元同級生3人らを提訴。市の第三者調査委員会は13年、賠償を命じられた元同級生2人のいじめが「自殺の直接的要因」とする報告書をまとめ、市は15年に両親と和解していた。
(朝日新聞の記事から引用)

いじめを行っていた元同級生の責任が一番重いのですから、相応に賠償金を支払うべきでしょう
次にいじめを見て見ぬふりをしていた元担任教師の責任も問われなければなりません。しかし、この事件では減給1か月という軽微な処分で終わっています。元担任はいじめを防ぐために積極的に介入した、と認められないのですから、停職処分くらいは科す必要があったはずです
元同級生もとっくに成人に達しているのですから、大人として責任を負うのは当然と考えます

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「風立ちぬ」批判と宮崎駿の反論

宮崎駿の「風立ちぬ」についてはかなりの回数、当ブログで取り上げてきました
公開時、さまざまな批判があったわけですが、中でも隣国である韓国はメディアから一般人までかなり声高に批判を繰り返していました
宮崎駿はわざわざ韓国メディアの記者を招いて会見を行い、自身の考えを述べるいます。それでも批判は止まず、新たな批判を招く結果に終わりました
当ブログでは幾つもの批判を拾い上げ、それに対する私見を書いてきたのですが、今回は宮崎駿自身による反論に着目します

ジブリ「風立ちぬ」韓国公開が危機 ゼロ戦題材に「右翼映画」批判止まず
宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」に、意外なところから逆風が吹いている。韓国だ。公開直後からくすぶっている「右翼映画」批判がなかなか止まず、一部からは公開取り止め説まで流れている。
「風立ちぬ」は、ゼロ戦の開発主任として知られる技術者・堀越二郎を主人公としたアニメ映画だ。2013年7月20日の日本公開以来、興行収入は3週連続トップ、累計では早くも40億円を突破した。興行収入150億を突破した前作「崖の上のポニョ」(2008年)に迫る今年最大級のヒット作になりそうだ。
ところが、韓国ネットなどでは日本公開の前後から、第二次世界大戦当時の戦闘機開発が描かれていることを理由に「この映画は『日帝時代』を賛美している」との思わぬ批判が出始めた。批判は宮崎監督の「歴史認識」にも及び、たとえば予告編などで、
「かつて、日本で戦争があった」
としていることに対し、韓国紙「毎日経済」などが「日本が戦争を起こした、に変えねばならない」と主張するのがその典型だ。
宮崎監督は政治的にはリベラルな立場で知られ、「風立ちぬ」公開直前にも、安倍政権が目指す憲法9条改正への反対、また慰安婦への賠償や領土問題への「譲歩」を主張するインタビューがスタジオジブリの小冊子に掲載され、物議をかもした経緯がある。
今回の作品についても宮崎監督は、決して戦争を称揚するのではなく、あくまで技術者としての「夢」を追い続けた主人公・堀越の姿を描きたいと説明している。そんな宮崎監督にとって、韓国からの反応は不本意だったようだ。7月26日にはスタジオジブリに韓国メディアを招き、
「戦争の時代を一生懸命に生きた人が断罪されてもいいのかと疑問を感じた」
「堀越は軍の要求に抵抗して生きた人物だ。あの時代を生きたというだけで罪を負うべきだろうか」
と反論した。

まず、序論として韓国は日本を戦犯国と呼んでいます。戦犯とは内外の法廷で戦争犯罪者として訴追された人物を指すのであって、国としての日本は戦争犯罪国家として訴追されていませんから、「戦犯国」という呼称は誤りです。ただ、侮蔑するためにそう呼んでいるにすぎません。ちなみに日章旗を韓国では「戦犯旗」と呼んでいますが、これも同様に誤った表現です
さて、上記の考え方からすれば、「日本という国も国民もすべからく戦争犯罪者である」というのが韓国人の主張です
なので、宮崎駿の言う「戦争の時代を一生懸命に生きた人が断罪されてもいいのかと疑問を感じた」との主張は韓国に通用しないのです。「戦争の時代を生きた日本人は全員戦争犯罪者であるから断罪されるのが当然である」と断じ、例外を認める気などないわけです
当時の宮崎駿の発言を別の報道で補足すると、「堀越二郎が正しい、と思って映画を作ったわけではないが、彼が間違えたと簡単に決めつけたくはなかった」とも述べています
上記の韓国人の考え方からすれば、「戦争の時代に生きた日本人は皆悪人であり、犯罪者である」となりますので、それ以外は認めようとしません
宮崎駿が述べたように、彼ら韓国人は「簡単に決めつけている」のです。それは彼らが複雑な思考を展開するだけの能力を欠いているためでもあり、あるいは想像力を欠いているためともいえます
現実問題として、航空機メーカーに勤務する一介の技術者が戦争を食い止めるなど不可能であるのは、言うまでもありません。同様に、一介のアニメ屋に戦争を食い止める力などないのは自明のことです
それでも堀越二郎は戦闘機の開発に携わり、戦争に協力したから悪人であり、戦争犯罪者だと彼らは言いたいのでしょう
想像力を欠いた人間ほど哀れな存在はありません
この作品で宮崎駿は堀越二郎と堀辰雄の人生を重ね合わせ、大きな物語を描いてみせたわけですが、想像力を欠いた韓国人にはそれがまったく理解できないわけです
戦争を前に無力であった(戦争に抗う術を持たなかった)堀越二郎と、結核を前に無力であった堀辰雄が、それでも懸命に生きようとした姿を描く行為を自分は評価しますし、感動もします
ですが、韓国人には無力でありながらも懸命に生きようとした人の姿を描くなど、「無駄」でしかないわけです
一連の批判の中で、韓国人は宮崎駿の歴史観が間違っていると、繰り返しています。それしかない、と言ってもよいほどに
しかし、宮崎駿はアニメ屋(クリエイター)として、無力でありながらも懸命に生きようとした人の姿を描くことに賭けたのであり、それを理解してもらいたかったのかもしれません
歴史問題で日本を戦犯国と呼び、反省していないと糾弾するだけでどこへもたどり着けない韓国人には、残念ながら宮崎駿の説明は理解できなかったのだ、と自分は受け止めます

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宮崎駿「風立ちぬ」は戦争賛美アニメか?
宮崎駿「風たちぬ」研究 夢見る権利
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宮崎アニメをあやしく語る町山智浩
宮崎駿をアジア主義と決めつける誤り
「風立ちぬ」を批判する韓国の大学教授
中国メディア 「宮﨑駿を語る8つのキーワード」
アメリカ人批評家(韓国系)が「風立ちぬ」を猛批判
「宮崎駿引退」を語りまくる岡田斗司夫
「日本の伝統と現代を融合させた宮崎駿」と誤解する中国メディア
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宮崎駿引退と「仕事の流儀」
押井守監督「風立ちぬ」を語る
「風立ちぬ」の公開を悔しがる韓国
「風立ちぬ」への批判が続く韓国
「風立ちぬ」 宮崎駿の思想を論じる中国メディア
「宮崎駿こそ日本のジレンマと矛盾」と書く論評
「風立ちぬ」を褒める岡田斗司夫
宮崎駿「慰安婦で日本は謝罪すべき」発言で物議
韓国アニメのクリエーター「すぐには宮崎駿になれない」
黒澤明・宮崎駿対談映像
ディズニーと宮崎アニメ ヒロインから見た文化論
ゼロ戦復活を日本の再軍備と批判する朝鮮日報
日本を「零戦ブーム」と表現する韓国メディア
「火垂るの墓」を語る
映画「火垂るの墓」 海外での反応
映画「火垂るの墓」を極右映画だとして上映中止にした韓国

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甲子園優勝校主将が強盗 公判で犯行認める

甲子園優勝校である花咲徳栄高校の主将を務めていた千丸剛が強盗事件で逮捕されたのは驚きでしたが、その裁判がようやく始まりました
強盗致傷事件が起きたのは2019年4月であり、千丸被告らが逮捕されたのは2020年1月で、初公判が2021年1月です。取り調べに随分と時間がかかっているのは、共犯者間で供述の食い違いがいくつもあったのではないか、という気がします
共犯者が複数人いれば犯行の首謀者が誰であるか、個々の役割分担などを巡って供述が食い違うのは珍しくありません。ただ、食い違ったまま起訴するわけにはいきませんので、よくよく調べ、供述の裏付けを取る必要があったのでしょう
以下、朝日新聞の記事から引用しますが、名前の挙がっているのは千丸被告だけで、まるで彼が首謀者であるかのような扱いになっています(記事をよく読めば、彼を主犯扱いしているのではないと分かりますが)
起訴されたのは、千丸被告の他、吉添勇人被告(23)、越川正翔被告(23)、山本光輝被告(22)であり、千丸被告が一番年下です


千葉県八街市で2019年4月、強盗目的で住宅に侵入し、住人にけがをさせたとして、強盗致傷などの罪に問われた無職千丸(ちまる)剛被告(21)=東京都町田市=ら20代の男4人の裁判員裁判の初公判が19日、千葉地裁であった。4人は「間違いない」と強盗致傷の起訴内容を認めた。千丸被告は花咲徳栄高(埼玉)の野球部が2017年夏の甲子園で優勝した時の主将。
起訴状によると、4人は金品を奪う目的で、19年4月26日午後9時40分ごろ、八街市の住宅に侵入。バールでこの住宅に住む夫を殴るなどし、夫に頭蓋骨骨折など全治約3カ月の重傷、妻の額に全治約10日の切り傷の軽傷を負わせたなどとされる。妻が大声で助けを求め、周辺住民の声が聞こえたたため、何も取らずに立ち去ったという。
検察側は冒頭陳述で、千丸被告は他の3人と犯行時まで面識がなく、犯行を計画したのは千丸被告ではないとした上で、犯行直前に他の被告らとともに凶器を買い、同じ車で現場に行ったと指摘。計画をどの程度認識し、受け入れたかが争点とした。
弁護側は「千丸被告は大学の野球部で先輩から受けた理不尽なしごきが原因で退学し、自暴自棄になっていた」と主張。知人から「金を運ぶ仕事がある」と誘われ参加したが、「犯行直前に車内で説明を受けるまで強盗をするとは知らず、現場でも恐怖から手が震えて暴行できなかった」などと述べた。千丸被告の被告人質問は26、27日に行われ、判決は2月4日に言い渡される予定。
(朝日新聞の記事から引用)


千丸被告はおそらく初犯であるとは思いますが、強盗致傷事件なので執行猶予付き判決はなく、実刑になります。なので、どれくらいの量刑になるかが焦点です
「強盗をするとは知らなかった」との弁解ではあっても、実際に犯行に加わっているのですから罪責を免除されたりはしません
凶行に及ぶ前に犯行現場から逃げ出すくらいの行動をしない限り、共犯関係があったと見なされてしまいます
被害者は頭を殴られ重症を負っているのですから、千丸被告が被害者である夫への傷害に直接加担していなくても、4人による凶悪な犯行という犯行の形態はゆるぎません
おそらく懲役5年以上の実刑が言い渡されるのではないでしょうか?
大学の野球部でいろいろあって野球を辞め、大学も辞めざるを得なかったとしても、こんな凶悪犯罪に手を染める必要などなかったはずであり、手っ取り早く金を得たいという安易な考えが身を滅ぼしたといえます
まだ若いのですから人生をやり直せるはずであり、よくよく反省して再出発してもらいたいものです

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鼻マスク受験 飛行機でマスク拒否

取り上げるのもどうか、と思うような事件が2つ相次ぎました
大学入学共通テストの受験会場で、鼻だけ出してマスクを装着していた受験生(40歳台)が再三の注意にもかかわらず、マスクを正しく装着しようとしなかったため失格扱いとなった件。それから昨年9月、釧路から大阪へ向かう航空機内でマスクの装着を拒否した男性が、客室乗務員に暴行した件で今になって逮捕された件です
自分が受験生だったとして、隣の席に鼻マスク男がいて監督者から再三注意を受ける状況ならば、とても試験に集中できず不快な思いをしたはずです。あるいは飛行機の旅で、マスク拒否男と乗り合わせてしまった場合も不愉快な思いをしたに違いありません
マスクに対する主張がどうのこうのより、他人に迷惑をかけて省みない態度は強く批判されて当然でしょう


マスクを巡るトラブルで相次いだ逮捕騒動、実際は「単純な不法行為」だ
奥野容疑者の逮捕容疑は昨年9月7日、釧路発関西空港行のピーチ機内で、女性乗務員の左腕をつかんでひねり、軽い捻挫(ねんざ)を負わせた疑い。ほか乗務員らを大声で威圧して当該機を遅延させるなど、ピーチ社の業務を妨害した疑いが持たれている。
当該機長が航空法の「安全阻害行為」に当たるとして新潟空港に臨時着陸。奥野容疑者は同空港で降ろされ、ピーチ機は約2時間15分遅れで関西空港に到着し、乗客約120人に影響が出た。
受験生の逮捕容疑は16日午後6時~午後10時ごろ、共通テストの会場だった東京都江東区の東京海洋大越中島キャンパスで、失格となり退去を命じられたにもかかわらず、トイレの個室に閉じこもった疑い。
試験監督らの説得に応じなかったため、駆け付けた深川署の警察官が上の隙間から個室に入り現行犯逮捕。男は送検後の19日、釈放された。今後は任意での捜査になるという。深川署は逮捕の事実を発表しておらず、実名も公表していない。
実は上記の通り、2人はマスクを巡る再三の要請・指示にもかかわらず拒否を続けたと報じられているが、逮捕はあくまで不法行為に関するもので、マスクはきっかけであって容疑とまったく関係なかったのだ。
もっとも、いかなる理由があろうと乗務員に暴力をふるってけがをさせ、航空機の針路を変更させてほかの乗客に迷惑を掛ける行為に正当性があるわけがない。
(中略)
全国紙社会部デスクによると、奥野容疑者は離陸前、乗務員にマスクの着用を求められたが「要請するなら書面を出せ」と拒否したため、付近の乗客を離れた席に移動させた。その際、乗客から「マスクをしないで乗られると嫌だ」「気持ちが悪い」などと言われて逆上し、乗務員に「侮辱罪だ。謝罪させろ」と叫んで詰め寄った。
約45分遅れて離陸した後も、乗務員を呼びつけて繰り返し「暴言を謝罪させろ」と威圧的に騒ぎ続け、こうした行為をやめるよう求める警告書を手渡そうとしたが「こんな物は受け取れない」と丸めて放り投げたという。
新潟空港に臨時着陸後、乗務員に降りるよう指示されても「納得できない」「なぜ降りなければいけないのか」などと拒否し続け、約20分後に警察官が駆け付けてしぶしぶ応じたという。
(以下、略)


奥野容疑者はこれまでにも各地で、マスクを巡るトラブルを起こしてきた人物です。「共同通信の配信記事によると、この事件後の昨年11月、長野県松本市のホテルでも他の宿泊客も集まる食事会場でマスク着用を拒否して従業員と口論になり、警察官が出動するトラブルを起こした。
また昨年夏頃には、皇居・東御苑の『三の丸尚蔵館』の展覧会でも職員とトラブルになり皇宮警察の護衛官が仲裁に入ったり、札幌市の『大倉山展望台』でも同様のトラブルを起こしたりしていた」と、記事の省略した部分で紹介されています
明治学院大学で学生に論文の書き方を指導するチューターという、非正規職員をしている奥野容疑者ですが、今回の逮捕で職を失うのでしょう
東大法学部出身で自分の学歴やら見識に自信があり、その反面、正規の大学教員になれないという不遇感をこじらせ、各地でトラブルを起こして回るようになったのかもしれません(プライドの高い彼は絶対に認めないでしょうが)
奥野容疑者の父親は取材に応じ、「背後で大きな力が動いているのではないか?」と陰謀論を唱えていました
大学の正規教員にもなれない人物を陥れるために、日本政府が暗躍しているなどという事実はないのであり、ばかばかしい限りです
世間に迷惑をかけないで暮らすよう、息子を教育しなかったのか、と言いたくなります
独りよがりの主張を展開し、何やら勝ち誇っている風を見れば惨めな限りです。コンビニエンスストアのレジでアルバイト店員に食ってかかる老人と同じであり、うんざりさせられます。自分がそうならないよう、気をつけましょう
さて、事件の方は通常なら罰金刑で済む事案かもしれませんが、奥野容疑者なら罰金納付を拒否して法廷闘争を挑むのかもしれません。司法関係者にしても迷惑な存在です

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宝塚市で家族ら4人をボーガンで殺傷した元大学生野津英滉を、神戸地方検察庁は起訴したと報じられています
ここ最近の風潮として、新聞や放送局は逮捕した容疑者の名前を伏せるケースが増えてきました。人権への配慮のつもりなのでしょうが、ブログで取り上げる側からすれば迷惑な限りです。容疑者が複数人いる事件の場合、名前を伏せられると誰が誰だかさっぱり分からなくなります
容疑者として名前が挙がったとしても、法律上は無罪の推定を受けるのですから、何も問題ないのでは?
名前を伏せると、かえって特定しようとの動きが活発になり、無関係な第三者を犯人と決めつけるデマが飛び交うようになるのではないか、と懸念します


宝塚市で2020年6月、家族ら4人がボーガン(=洋弓銃)で撃たれ死傷した事件で、殺人・殺人未遂などの容疑で逮捕、送検され、事件当時の精神状態などを調べるため約半年にわたる鑑定留置を終えた無職の男(24)について、神戸地検が刑事責任能力を問えると判断し、22日にも起訴することが、捜査関係者への取材でわかった。男の鑑定留置期間は2020年7月6日~2021年1月14日。当初は11月までの4か月とされたが2度延長していた。
男は逮捕直後、容疑を認めて取り調べにも淡々と応じていたが、神戸地検は3人死亡という事件の重大性と、ボーガンを用いた殺害行為といった異常性、また殺人・殺人未遂罪で起訴した場合に裁判員裁判の対象事件となることから起訴前の精神鑑定が必須であると判断した。
神戸地検幹部は「親族間の殺人という形態で、第三者が理解しがたい特段の情状があったとしても、犯行時の精神状態を分析する必要があった」としている。
男が試し撃ちで標的にしたとみられる本を数秒間撮影したスマートフォン動画を、兵庫県警が押収していたことも判明。本には穴が空いており、ボーガンの威力を確認していた可能性がある。捜査関係者は「明確な殺意とそれに基づく計画性があったことを示す重要な証拠だ」と話した。
男は2020年6月4日、宝塚市の自宅で、同居する祖母(当時75)と弟(当時22)、近所に住む母(当時47)をボーガンで矢を発射して殺害、伯母(50)に大けがをさせたとされる。兵庫県警は伯母への殺人未遂の現行犯で逮捕、その後祖母ら3人への殺人容疑で再逮捕された。
(ラジオ関西の記事から引用)


野津英滉被告についての報道は逮捕後、ほとんどなくなり、どうなったのかと気になっていたところです。心神喪失を認めて不起訴にし、強制措置入院で精神病院に送られたのか、とも考えました
精神鑑定が長引いた、との理由ではあるのですが、野津被告の精神状態が不安定だったのは間違いないでしょう。異常か、正常か、刑事責任を問えるかどうか、精神科医も判断がつかない状態がしばらく続いたものと推測されます
犯行は事前にボーガンを購入して準備しているのですから偶発的なものではなく、計画的な殺人であり、異常者が衝動的に家族を手にかけたわけではありません
なので、死刑を求刑される事案です。裁判では最高裁まで争われるでしょうから、起訴するにあたって責任能力があると断定できるだけの根拠を用意する必要もあったと思われます
野津被告が犯行を否認しているとの報道は見ていませんので、犯行を認めているのでしょう
後は弁護人が「犯行当時被告は心神耗弱の状態だったので、罪一等を減じて無期懲役にするのが相当」と主張し、争うかどうかにかかっています

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「韓流で文化覇権を目指す」と書く韓国メディア

コロナウィルス対策として韓国は「K防疫」と称する、スマートフォンによる位置情報トレースと接触者の徹底隔離で「感染を封じ込めるのに成功した」と、文在寅大統領が宣言していました
「世界がK防疫を羨み、真似ようとしている」とも言ってました
しかし、第三次のコロナウィルス流行によって韓国内の感染者は爆発的に増加し、「K防疫」が本当に有効だったのかどうか、と訝る声が広がっています
そんな折り、韓国の毎日新聞(日本の毎日新聞とは別組織)が、「韓国は今こそ文化覇権を目指すべきだ」とする記事を掲載しいます。つまり韓流で世界の頂点に立てるし、立つべきだという趣旨です。なぜ、そうまで思い上がれるのか、不思議です
長文ですが、いつものようにインターネット掲示板「5ちゃんねる」に貼られた蚯蚓記者の翻訳を引用させてもらいます


3・1運動の失敗は武装闘争に発展した。キム・グ(金九)先生個人の立場から見れば、激しかった日帝治下での武装闘争を指揮して日本への敵意だけが個人の人生を支えたのかもしれない。現代社会の観点で彼はテロリストの指導者に過ぎない様にも見える。
しかし、彼が朝鮮独立の目的と朝鮮の役割として人類文化に貢献できることに意義をおいた事実は実に偉大である。私たち民族はそういう民族だ。もはや私たちが私たちの共同体文化の中に悠久な歴史を通じて溶け込んだ文化の力で世界覇権に挑戦しなければならない適期を迎えている。
外国人が集まってきている。Kポップやドラマなど韓流コンテンツの拡散と人気が急騰し、全世界的に韓国文化に対する関心が大きく増加したのが最大の原因だ。防弾少年団に代表される韓流が特定地域でなく、地球村のすみずみまで食い込み、そして、アジアと中東など一部地域に限定されていた韓国ドラマの人気もネットフリックスなどOTTの拡散に力づけられて次第に地域の境界を崩して広がっている。
今、韓流の拡散がアジアを越えて西欧圏まで広がり韓流は全世界的現象に成りつつある。ところで、このような西欧圏の韓国文化に対する関心はもう一つのトレンドを作り出している。Kポップとドラマの影響で東洋人を眺める視点が変わっているのだ。アジアの中でも特に韓国人に対する関心が増えたという分析だ。Kポップとドラマの他に韓国の国力上昇がここでもより大きな原因として作用している。
私たちはもうかなりの西欧圏国家より良い暮らしの国に成長した。生活に必要な各種インフラや便宜施設もやはり最高水準だ。
(中略:韓国の公共交通システム、決済システム、無料Wi-Fiと超高速インターネット、多様な食文化、女性一人で夜歩ける安全性、病院と医療費)
今回のコロナ パンデミック状況で全世界が苦痛を味わっているなか、韓国だけ単独で防疫に成功し、封鎖なしで正常な生活を継続している。安全な国、便利な国、発達した国、そして親切な国というイメージが韓国を一度訪問してみた人々にはっきり刻印されているのだ。
一方、居住外国人の数が急増している。韓国に居住する滞留外国人数は2019年250万人を越え全人口比で4%を超える。統計庁の資料を活用して発表された2019年地方自治体外国人住民現況によれば2019前年比8%増加した。ここで外国人住民の基準は韓国で3ヶ月以上居住している外国人を意味する。韓国国籍を持たない者は我が国全人口の4.4%に達っし、類型別には外国人勤労者、外国国籍結婚移民者、韓国国籍を取得しなかった外国人住民の子供などである。
韓国国籍取得者の人口も急増している。我が国は最近になって多文化社会に近づく様相を見せている。労働人材の不足で外国人労働者が着実に流入し国際結婚の増加が続くものと見られる。そしてこれとは別に韓国での生活を夢見て駆せ参じる外国人も着実に増加している。
旅行や学業などで韓国生活を経験して再入国する外国人の事例も難なく見つけることができる。事実、以前は黄色い頭に青い目の外国人が通り過ぎれば不思議な目でみんなが見つめた時期もあった。そして外国人に対する私たちの姿勢も多少ぎこちなかったし、韓国で永い歳月生きてきた住民たちさえ完全に異邦人扱いする傾向があった。
韓国はすでにかなり前に地域中心の社会から抜け出した。所得が増加し先進国の隊列に入ると韓国を訪問する外国人は今後さらに増加すると見られる。多様な文化と人種の移住民を私たちの社会の慣習と規範内で同じ社会構成員に受け入れ包容する知恵が求められている。文化で世界覇権を目指すには、私たちの文化の中に包容し寛容の文化的歴史を新しく作り出す意志から始めなければならない。


韓国はアジア諸国の中でも外国人への差別が特にひどい国として知られています。それがなぜか寛容な国であると、記事では書いています。「韓国は優れた国だ。韓国人は優秀な民族だ」との思い込みがあるゆえ、アジア諸国を見下し、差別しているのです。また、韓国国内でも地域間の差別は露骨であり、ソウル市とその周辺に住むことこそがステイタスであり、地方在住者を蔑視する風習が濃厚です。また、女性蔑視も顕著であり、これは朝鮮儒教の悪しき考えが根強く残るためです
犯罪の多さも突出しており、先進国クラブと言われるOECD(経済開発協力機構)加盟国の中でも犯罪発生率はトップであり、特に性犯罪の多い国です。記事ではなぜか、「女性が一人で夜歩ける安全性」を謳っていますが
そしてお約束のK-POP自慢が続きます。K-POPが本当に商売として成功しているのかはともかく、自慢せずにはいられないのでしょう
かつては韓国メディアの記事に、「日本列島征伐を完了した韓流」とか、「世界で韓流熱風が吹き荒れている」などの煽り文句が頻繁に使われていました。ただし、彼ら韓国人はこれを煽り文句だとは思っておらず「事実」だと思い込んでいたのです
「フランスでK-POPが大人気だ」という記事を掲載しておきながら、誰もその真偽を確かめようとはせず、常套句のように使い回すのがメディアの報道姿勢です。その後、1人の韓国人記者がパリで街頭インタビューを試みたところ、K-POP歌手の名前を挙げられるフランス人は誰もいなかったと判明し、嘘が露呈したわけですが
自分の中での韓国といえば、「脂ぎった中年オヤジが買春目的で行くところ」であり、とても観光地というイメージはありません
また、上記の記事にあるような寛容な文化の国ではなく、反日活動に狂奔している低俗な国との印象を拭いきれないのです。桜の起源は韓国であるとでたらめな主張をし、剣道も茶道も韓国から日本へ伝わったものであるといった稚拙な作り話をする連中で、日本への抑えきれない劣等感を抱いている人達です
そんな国が文化覇権を目指すなど、笑い話にもなりません

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女子中学生にわいせつ行為で里親起訴 高知

里子として預かっていた女子中学生の胸をさわるなどわいせつ行為を繰り返したとして、高知県の里親の男性が逮捕・起訴されています
初公判で起訴事実を認めた被告は、法廷で土下座をして女子中学生に謝罪したのだとか
実刑判決を逃れるためのパフォーマンスでしょうか?
性犯罪の被害者、特に未成年者が初公判に出席するというのは珍しいのであり、それだけ処罰感情が強く里親を許せないとの思いがあったのかもしれません(事件の性質上、どのような家庭環境であったのかなど、詳細は報道されていないので想像するしかないのですが)


里親が中学生の少女にわいせつ、公判で土下座し謝罪…過去に施設でも性的被害
里子として預かっていた中学生の少女にわいせつな行為をしたとして、高知県内に住む団体職員で里親の男が監護者わいせつ罪で逮捕、起訴されていたことがわかった。少女は過去に施設で性的被害を受け、男が引き取っていた。
起訴状などでは、男は昨年6月、高知県内の自宅で、少女の体を触るなどわいせつな行為をしたとしている。昨年10月に高知地検に起訴され、同12月に高知地裁であった初公判で、起訴事実を認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、男は妻と暮らし、少女が小学4年の時、里子として引き取った。その後、中学に入学した少女の胸を触るようになり、妻には言わないよう口止めしていた。逮捕されるまでに起訴事実を含めて計5回わいせつな行為をしたという。
少女は、男の家庭に引き取られるまでの間に入っていた施設で性的被害を受けたことがあり、男もそのことは知っていたという。
少女が昨年7月頃、知人を通じて学校に被害を訴えて発覚した。
男は公判で、被害者参加制度を利用して出廷した少女に土下座して謝罪。被告人質問では「胸を触りたい感情が高まった。わいせつ目的で里親になったわけではない」と述べた。
法務省によると、2019年末時点で、約50人が監護者わいせつ罪で有罪が確定。被告は実の親らがほとんどだった。
(読売新聞の記事から引用)


なお、記事には監護者わいせつ罪について、以下のように説明しています
◆監護者わいせつ罪=親らによる性的虐待から18歳未満の子どもを守るため、2017年の改正刑法で新設された。親に限らず、継続した保護関係があれば適用されうる。法定刑は強制わいせつ罪と同じ懲役6月以上10年以下だが、同罪と異なり、暴行や脅迫を伴わなくても犯罪が成立する。
さて、事件の方に話を戻します
この種の事件を報じるインターネットの配信記事には、「里子とはいえ、育ててもらった恩義のある里親を訴えるというのはいかがなものか」とのコメントが必ず登場します
里親には預かったこどもを健全に育てる使命があるわけで、それに違反したのでは話になりませんし、恩義の押し売りなどもってのほかです
里親と被害者の関係が現在どうなのかは、先述したように想像するしかないのですが、和解も示談も成立していないと思われます
なので、里親である被告は土下座をしようとも実刑を免れることはできないのでしょう
監護者わいせつ罪に問われた事件で量刑がどれくらいか、個々の事情、犯行の程度が異なるため比較しても無意味です
他の強制わいせつ事件の判例からすれば、懲役3年の実刑ではないかと推測します
もちろん、それで被害者が納得するはずはないのであり、大人への不信感を募らせるだけかもしれません

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「セーラームーン世代」の特性を考える

今回は日経doors掲載の記事、稲田豊史の書いた「セーラームーン世代の特徴―女を誇るが武器にはしない」を取り上げます
稲田豊史は「セーラームーン世代の社会論」(すばる舎刊)で知られるライターで、キネマ旬報出身です
社会論は別段、大学教授だけが書くことを許されたものではありません。誰でも書けるものです。ただし、稚拙な私見を「◯◯の社会学」とか「△△の社会論」などというタイトルで書く人もいて、まさに玉石混交です
前置きはともかく、中身に入っていきましょう

セーラームーン世代の特徴―女を誇るが武器にはしない
女性が働くのは当たり前のこと
職場でのセーラームーン世代は、そろそろ年齢的に「若手」ではなくなります。後輩や部下が増え、責任あるポジションに就き、プロジェクトのリーダーを任されるようなことも多くなってくるでしょう。
今回は、そんなセーラームーン世代の仕事観について分析してみます。
まず大前提として、セーラームーン世代にとって「女性が最前線で働くこと」はデフォルト、自明の理。特に議論することもない、当たり前の常識です。これは、それまでの世代とは大きく違う意識と言えるでしょう。
彼女たちが幼い頃に自分を投影したセーラーチームは、女子だけで構成された精鋭部隊でした。メンバー全員が敵と直接格闘します。“アシスタント”はいません。
かつてのスーパー戦隊シリーズにおける「ピンク」担当のような、男性中心部署のマスコット的女子でもなければ、ロボットアニメの司令室でパネルをいじる後方支援要員でもないのです。
セーラー戦士たち全員が敵を直接攻撃する必殺技を持っているのは、その証。彼女たちは、いわば会社の売上に直接寄与する最前線の営業部員であり、斬新なアイデアを次々提案する企画部門のエース社員。セーラームーン世代は、社会人になる前からそういう意識が刷り込まれているのです。

以前にも書きましたが、自分は「◯◯世代」という括りが大嫌いであり、信用しません。よって、セーラームーン世代なる定義も怪しいと感じます。もちろん、ここはセーラームーン世代とはなんぞや、を論じる機会ではありませんので、そうした括りがあるとの前提で読んでいく必要があるのでしょう
ただ、同じ年代に生まれ、育ち、「セーラームーン」をテレビで見て成長したとしても、全員が同じ傾向を有し、同じ価値観を身につけているはずなどないのです。なので、こうした世代論というのは目につく幾つかの特徴だけを挙げ、あたかも共通した傾向を有する集団が存在しているかのような書き方になるのであり、言ったもの勝ち、名付けた者勝ちになってしまいます
なので、セーラームーン世代と聞いて、「あー、あるある」と賛同する前に、本当にそうなのかと立ち止まり、よくよく検討し、検証することが必要になります
ちなみに、「美少女戦士セーラームーン」の作者武内直子はその生年からすると新人類世代、しらけ世代、おたく第一世代、バルブ前期世代と呼ばれるグループに属することになります

男には負けない!という意識が薄い
こういった意識がいかにセーラームーン世代に特有かは、もうひと回り上の世代、一例として団塊ジュニア(1971~75年生まれ)の女性が若い頃に置かれていた状況と比較すると、よく分かります。
団塊ジュニアの女性たちは、「女性の社会的地位は、基本的に男性より低い」と刷り込まれて育ちました。よって、キャリア志向の強い女性、最前線でバリバリ働きたいと願う女性は、「女“だけど”男には負けない!」「男と肩を並べなければならない!」という気負いなしには、職場で相応のポジションを得ることができなかったのです。前のめりで、ギラギラした野心を帯びた、肩に力が入りまくった気負いです。
(中略)
もうひとつ、セーラームーン世代の特徴として挙げられるのは、職場においてもある種の女性性、いわゆる「女子っぽさ」を捨てないということです。
これも比較になりますが、かつて団塊ジュニアの女性の多くは「女性性を捨てなければ、男と張り合えない」と考えていました。
職場で「女性」を出せば、男性社員にナメられる。男に対する“媚び”だと囁かれる。可愛げや遊び心は「仕事の邪魔」と決めつけられ、優しさや思いやりは「女の弱さ」に変換されてしまう。旧時代的な上司に目をつけられれば、昇進にも影響するかもしれない……。

新旧2つの世代を対比し、その特徴を際だたせようとしているのですが、これも今ひとつな気がします
本当に記事に挙げられている傾向が顕著であるのか、団塊ジュニア世代とセーラームーン世代から無作為に3千人ほど抽出し、調査をして、有意な差が見られるかどうか、検証する必要があります。もちろん、筆者はそんな調査など行っていないのであり、身の回りの女性10人から20人に聞き取りをした程度では?
団塊ジュニア世代でなくとも、上を目指してギラギラしている人は男女を問わずいるわけですし、「上を目指さないよ」とのんびり構えている人も男女を問わずいるのでは?
「責任を問われるような立場には就きたくない」と言ってのける新人(男性社員)の登場に驚かされた、という経験もあります
そしてこの記事では触れられていないのですが、「女の敵は女」という現実もあります。上を目指す女性社員の足を引っ張るのも女性社員だ、という話です
体育会系女子アニメの話に、女同士のドロドロした足の引っ張り合いを持ち出すのは禁じ手であるのかもしれませんが、ラカン派精神分析の考え方としては語られない話、描かれない話が重要であるとの見方をします
「セーラームーン」では、セーラー戦士が1人の男の子を奪い合って衝突したり、嫉妬やらコンプレックスからぶつかりあったり、他のセーラー戦士の陰口を言ったりという、「女同士の修羅場」に触れないようにしている以上、話題としては登場しないのですが

彼女たちは、茶目っ気たっぷりの振る舞いで現場を明るくし、細やかな気配りで男性社員や取引先の警戒心を解きます。服装やメイク、髪やネイルによって女子である自分を謳歌し、デスク周りや文房具も遊び心で埋め尽くします。
なぜなら、彼女たちは「女子っぽさ」を出すか・出さないかと、仕事のできる・できないはまったく無関係だと信じているから。仕事で結果を出すことで、それを周囲にも理解してもらいたいと願っているからです。
セーラームーン世代にとって、「女子っぽさ」は“媚びるための武器”ではありません。“誇るべき属性”なのです。

「女子っぽさ」は「媚びるための武器ではない。誇るべき属性だ」との記述には、正直驚かされました(これが、記事を取り上げた一番の理由です)
自身に経験だけを元に物事を判断するのは避けるべきですが、公務員でもキャリア組の女性というのは概して孤独です。もちろん、仲間という付き合いはあるにせよ、キャリア組であるがゆえの自負もあれば、責任感も強いのであり、職場では孤立しているように見えました。「できない」とか「わからない」とは言えない立場なので、余計に無理をしているように映ります
途中で退職するキャリア組の女性は多いのであり、それぞれ結婚のためとか子育てのためとか理由はありますが、精神的な疲労というのが本当の原因のように思います
なので、「女子っぽさ」を男に媚びるための武器ではなく「誇るべき属性」としている女性公務員なり、女性社員がいたなら見たいものだと思った次第です。これは皮肉ではなく、そうであるならどれほど素晴らしいか、という気持ちです

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茨城女子大生殺害事件を考える 共犯者の初公判

長い間未解決事件となっていた美浦村の茨城大学生殺害事件は、フィリピン人の3人組による犯行と特定され、主犯格だったランバノ・ジェリコ・モリ受刑者は無期懲役が確定しています
2004年の事件発生当時、未成年だったフィリピン人は現在35歳であり、フィリピンで身柄を拘束されて日本に送還され起訴されました
もう1人の犯人は現在も逃亡中であり、逮捕には至ってません
メディアは起訴された元少年の初公判が開かれたと報じています
殺害された原田実里さんの遺族の心が晴れることはないと思いますが、3人のうち2人が拘束され法の裁きを受けるに至ったのは、せめてもの慰めではないでしょうか?


美浦村で2004年、茨城大の女子学生=当時(21)=が殺害された事件で、フィリピン国籍で主犯格だった受刑者の男(39)=殺人罪などで無期懲役判決確定=の共犯として、同罪などで起訴された同国籍で住所不定、無職、元少年(35)の裁判員裁判初公判が18日、水戸地裁(結城剛行裁判長)で開かれた。罪状認否で元少年は「間違いありません」と起訴内容を認めた。証人尋問では受刑者の男が出廷し、事件前に元少年が、性的暴行目的で女性の襲撃を提案していたことを明らかにした。
冒頭陳述で検察側は、元少年が受刑者の男と、もう1人の共犯とみられる男(36)=国際手配中=の3人で酒を飲んでいる際、女性を襲うことを提案したと説明。「自らの性的欲求を満たし、被害者の首を絞めるという死因に直結する行為も担った」とした上で、口封じのために殺害を決めたとし、「被害者の尊厳を踏みにじり、命を奪った犯行態様は非常に悪質」と指摘した。
弁護側は「元少年が殺害に積極的でなく、共犯者に凶器を渡され、促されたことが殺害の決め手だった」と主張。犯行に携わったとされる3人のうち元少年は最も若く、従属的な立場にあったとした上で「罪を償うためにフィリピンから入国し、出頭するなど反省している」と情状酌量を求めた。
証人尋問には、受刑者の男が出廷。事件前に元少年が2~3回にわたり「日本人女性を味見したい」と話していたと証言した。事件当日も「女でも探そうか」と女性への暴行を提案したと述べた。男の証人尋問は19日の公判でも引き続き行われる。
起訴状などによると、元少年は受刑者の男らと共謀し、04年1月31日午前0時ごろから同6時半ごろまでの間、阿見町付近の路上で、女子学生の腕をつかんで車内に引き入れ、手などで首を圧迫、美浦村舟子の清明川左岸付近で、首を刃物で複数回切るなどして殺害したとされる。
公判は28日に結審し、来月3日に判決が言い渡される予定。
(茨城新聞の記事から引用)


主犯格のモリ受刑者と罪状に差はないと考えられますので、無期懲役が相当と考えます。犯行当時未成年であったとしても、刑を減じる理由は見当たりません
この事件は当初、男女関係のもつれによる殺人と見立てられ、原田さんと同じ大学、学部に通う学生の中に犯人がいるはずだとして、関係者は警察から繰り返し事情聴取を受けたはずです。交際相手である男を連れてきて、締め上げれば解決、などと田舎の警察は判断しがちです
女子大生殺害=男女関係のもつれ、という安直な図式による初動捜査が見込み違いであり、時間を無駄にしてしまったのはいまさら言うまでもありません
外国人による通り魔的な犯行、もあり得るのだと警察は肝に銘じてもらいたいものです
追記:この元少年の被告にも、2月3日にモリ受刑者と同じく無期懲役の判決が言い渡されています

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車に女児放置 2人殺害の竹内被告初公判は2月

昨年の夏も暑かったのですが、高松市では女児2人を車に置き去りにし死亡させた母親が逮捕される事件がありました
竹内麻理亜被告は夜中に飲み歩くためこどもを車に残していたと判明し、轟々たる批判を浴びる事態になりました
その竹内被告の初公判が2月15日に開かれ、19日に判決の言い渡しになると報じられています
短い裁判になるのですから事実関係については争わず、情状酌量を求める展開になるものと予想します


去年9月、高松市の駐車場に止めた車の中に幼稚園児の姉妹を置き去りにし、熱中症で死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われている27歳の母親の裁判員裁判が2月15日から始まることになりました。
高松市の無職、竹内麻理亜被告(27)は去年9月、高松市中心部の屋外駐車場に止めた車の中に6歳と3歳の姉妹を置き去りにし、熱中症で死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
高松地方裁判所では事前に争点などを絞り込む手続きが進められていますが、裁判官と検察官、それに弁護士による協議の結果、竹内被告の裁判は2月15日に始まり、3回の審理をへて2月19日に判決が言い渡されるという日程が決まったことがわかりました
2月始まる裁判では竹内被告が姉妹を車内に残したいきさつなどについてどのように証言するかが注目されます。
(NHKの記事から引用)


事件発覚後の報道では、竹内被告が良妻賢母を演じるのに疲れ、酒に逃げるようになった、とする記事もありました。あるいは竹内被告が持病を抱えているとの記事もありましたが、病名は不明のままです
情状酌量を求めるため、公判では育児疲れで精神的に追い詰められていた、と主張するのかもしれません
しかし、世間の母親たちはそんな竹内被告の主張を冷ややかに受け止めるのではないでしょうか?
「わたしだって子育てで疲れているけど、こどもを置き去りにして飲みに行ったりしない」と思う母親が多いのでは
さらに竹内被告が他の男性と不倫関係になったのは致命的です。公判で不倫関係は否定し、「人生相談に応じてもらっていた」と誤魔化すのかもしれませんが
さらに、娘を失った竹内被告の夫と和解が成立しているとは思えませんので、夫が検察側の証人に立ち、竹内被告を強く批判する展開も予想されます。竹内被告にとっては不利な材料ばかりであり、いかに情状酌量を求めようとも執行猶予付き判決はありえず、実刑が科せられるでしょう

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富山交番襲撃犯 初公判で島津被告は黙秘

3年前、交番を襲って警察官の拳銃を奪おうとする事件が立て続けに起きました。そのうちの1件、富山での事件は島津慧大被告が警察官を殺害し、奪った拳銃で小学校の警備員を射殺するという凶悪な犯行でした
島津被告はコミュニケーションに障害があるとされますが、2度の精神鑑定を経て刑事責任を問えるとの判断により起訴されています
初公判の模様を伝える報道がありましたので、言及します


3年前、富山市の交番が襲撃されて拳銃が奪われ、警察官と近くにいた警備員の男性が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われている元自衛官の裁判員裁判が14日から始まり、被告は何も答えず、弁護士は強盗殺人の罪は成立せず、殺人と窃盗の罪にあたると主張しました。
元自衛官の島津慧大被告(24)は3年前の6月、富山市の奥田交番で当時警部補だった稲泉健一さん(当時46)をナイフで襲って殺害し、さらに近くの小学校の校門前にいた警備員の中村信一さんを(当時68)奪った拳銃で撃って殺害したとして強盗殺人などの罪に問われています。
富山地方裁判所で14日から始まった裁判員裁判で、被告は車いすに乗ったまま法廷に入り、裁判長から起訴された内容や名前や職業などを聞かれましたが何も答えませんでした。
また、被告の弁護士は「拳銃を奪おうとしたのは警察官を殺害したあとのため、強盗殺人罪は成立せず、殺人と窃盗の罪にあたる」と主張しました。
これに対し検察は冒頭陳述で、「被告はかねてからみずからは社会の不適合者と思い込み社会に対し不平不満を抱いていた」と指摘しました。
そのうえで「警察官は社会を守る存在であり、その警察に勝利し、社会に自分の力を誇示しようと思うようになり警察との戦闘を計画した」と述べました。
一方、弁護側は「2人の尊い命を奪ったことに被告は責任を負わなければならないが、被告はコミュニケーションをうまく取れず、共感することが苦手だった。被告に責任をすべて負わせる訳にはいかない」と主張しました。
裁判は午後は証人尋問が行われ、判決は、ことし3月5日に予定されています。
(NHKの記事から引用)


弁護人は、警察官を襲った後に拳銃を奪おうと被告は思い至ったのであるから強盗殺人ではなく、殺人と窃盗と判断すべきと主張しています
しかし、島津被告が凶器を持参して交番に出向いたのは最初から拳銃を強奪するだめ、と考えられるのであり、弁護人の主張は後付の理屈に聞こえます
そもそも弁護人は島津被告と十分に意思疎通ができているのかも怪しいのでは?
弁護人が被告の主張を代弁するのは制度上当然であるとしても、一般国民は弁護人の演説を聞きたいわけではなく、被告が何を思っているかを知りたいのです
島津被告が黙秘するのは対人コミュニケーションに難があるからなのか、衆人環視の法廷ではじゃべれないからなのか、あるいは自身の気持ちをうまく言語化できないからなのか?
黙秘するのは被告人の権利ですが、黙秘することによる結果も被告人は受け入れなければなりません。黙秘したら不利な扱いを受けた、などと言ってはならないわけです。この先の公判でも黙秘し 続けるのか気になるところです
弁護人がどう主張しようと、2人の命が奪われた事実に変わりはないのであり、その責任は島津被告が負う必要があります

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村上春樹「アイロンのある風景」と「焚き火」

村上春樹の短編小説集「神の子どもたちはみな踊る」の中から、「アイロンのある風景」を取り上げました
登場人物である関西弁をしゃべるおっちゃん三宅が描いている絵は「アイロンのある風景」と題されており、それがアイロンを使う妻の不在を描いたもの、という私見を述べたところです
今回は「アイロンのある風景」でもとりわけ印象深い「焚き火」について言及します
この場合、「焚き火」に言及するとは、「アイロンのある風景」の中でなされる鹿島灘の浜での流木を集めた焚き火を取り上げるという意味であるとともに、作中で取り上げているジャック・ロンドンの小説「焚火」にも触れるということを意味します
いつものように題材として、田辺章東洋大学講師による論文から引用します
ただし、いつものように何らかの結論に辿り着こうという意図はないのであり、焚き火を囲んでああでもない、こうでもないと語るのが目的です

地震のあとで、焚火をおこす― 村上春樹「アイロンのある風景」が映し出すジャック・ロンドン「焚火」

(論文まえがき)
村上春樹の連作短編集『神の子どもたちはみな踊る』の六編は、すべて1995年2月 ―阪神・淡路大震災の翌月― を舞台としている。その第二話「アイロンのある風景」において、主人公たちが見つめる焚火の炎は、彼らにジャック・ロンドンの短編「焚火」を想起させる。主人公が「圧倒的なるもの」と闘うことを諦め、死を選ぶ「焚火」の結末は、村上の短編の結末と響き合う。
「焚火」と呼ばれる短編は二つある。少年向けに書かれた1902年版と、それが大きく改変された1908年版。村上が「どうしてこの話の最後はこんなにも静かで美しいのだろう?」と主人公に語らせた、「この話」が指すのは後者だろう。この物語が書き換えられたのは、1906年4月、作者ロンドンが地震の炎に焼かれるサンフランシスコを目撃した後なのだ。本論では、圧倒的なカタストロフィの後に書かれたテクストとして、「アイロンのある風景」と「焚火」を考察する。

順子は自分をからっぽなのだと言うのですが、何がからっぽなのか作中に説明はありません
彼女が説明ベタだから何も説明がないのか、あるいはあえて説明する必要はないと村上春樹が判断したのかは不明です
が、彼女は家出した後、海辺の街で働き、恋人と同棲しています。その部分だけを見れば充足しており、不足はないようにも映ります
ただ、順子がジャック・ロンドンの「焚火」を読んで本能的に死をを予感したように、彼女は死を胸にいだいて生きてきたのでしょう。見方を変えれば、死に場所を求めて海辺の街にたどり着いた、と表現できるのかもしれません

(論文4ページ)
ロンドンの自殺と「焚火」における死の主題に導かれるかのように、三宅さんと順子は、二人で死を選ぶか否かという選択を行うこととなる。この短編で語られる死、そして死についての会話の間ずっと燃えている炎に、三宅さんの家族が住む神戸の映像を重ねることも可能だろう。また、三宅さんの夢の中に幾度も現れ、彼を闇に閉じ込め、窒息させ、殺してしまう冷蔵庫、その恐るべき四角い箱に、地震で倒壊した家屋や、神経ガスが撒布された地下鉄の車輌のイメージを重ねることも可能だろう。ここで重要なのは、物語における死のモチーフが、現実に起こった、あるいは起こされたカタストロフィを想起させるものであり、その装置としてロンドンの「焚火」が物語中に埋め込まれていることだ。当初、火は「柔らかくてやさしい」、「人の心を温めるためにそこにある」(49)家族のような存在として語られていたにもかかわらず、ロンドンの生涯と彼の短編小説が言及されるにしたがい、それは死を招く業火のように燃え始める。

三宅さんが海辺の街にやってきた理由は明かされませんし、なぜ浜辺で流木を集め火を起こすのかも説明はありません
もちろん、暖を取るためでもありません。読者として想像すれば、「死者の魂を送る火」でしょう
以下、論文ではジャック・ロンドンによって書かれた2つの「焚火」(1902年版と1908年版)の比較を展開します
その2つの「焚火」のうち、どちらを順子が読んだのかは保留したとしても、順子が「基本的にはその男が死を求めている」と直観したという反応が強烈な印象を与えます。高校の教室で教師は順子の意見を笑い飛ばし、読み上げられた順子の感想文を聞いたクラスメイトも笑います
彼ら、彼女らには死を感じ取れなかったのでしょう

(論文5ページから6ページ)
1908年版「焚火」を参照しているはずの「アイロンのある風景」における火は、ロンドンが描いた極限の炎ではなく、「あらゆるものを黙々と受け入れ、呑みこみ、赦していく」優しさを持つものでありながら、ロンドンの「焚火」と同じく、それが消えることによって人の命が消えるかもしれないという結末を読者に提示している。少女が深い眠りにつく結末は、旅人が心地よい眠りにつく「焚火」の結末を参照したものだろう。順子は、「ほんとうは死を求めている」にもかかわらず、「圧倒的なるものを相手に闘わなくてはならない」旅人の姿を、自身に投影しているのだ。彼女がそれを相手に闘うべき、そして闘うのを止めたかのように見える「圧倒的なるもの」とは、遠く離れた場所で起きた地震の後で静かに震動する「からっぽ」で「ほんとに何もない」自らの存在である。

順子が海辺の街で「焚火」に遭遇したのと同じく、火を起こす三宅は「死を求めている男」なのでしょう
そして順子もまた、「死を求めている女」です
2人が出会ったからには、結果がどうなるかは書くまでもありません。ただ、2人の死が確実というわけではないのであり、そこは読者の想像に委ねられています

(論文7ページ)
村上が「アイロンのある風景」というテクストに、このロンドンの短編を編み込んだことには、巧妙な意図(あるいは、奇妙な偶然)が感じられる。これらはいずれも圧倒的なカタストロフィの後に書かれた物語なのだ。順子と三宅さんが見つめる焚火は、村上が言うところの「井戸」であり、ロンドンの短編「焚火」へ、そして、炎に焼かれる都市と人々のイメージへ読者を導く。さらに、「アイロンのある風景」を含む『神の子どもたちはみな踊る』は2002年に英訳され(題はAfter the Quakeとされた。地震の後、との理解はいうまでもなく、人の心の震え、おののきの後、という意味にも理解できよう)、前年9月の同時多発テロの後の合衆国において ―「圧倒的なるもの」に襲われた後の世界において― 新たな読者を獲得している。「『井戸』を掘って掘って掘っていくと、そこでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる」ような、物語のつながりをそこに見ることができる。

ジャック・ロンドンの短編「焚火」を村上春樹は、和歌でいうところの本歌取の技法で巧みに「アイロンのある風景」に取り込んでみせた、と
いえるのでしょう
であるとしても、技巧が目立つこともなく、それこそ浜辺で燃える焚き火のごとく静謐な印象を与える作品に仕上がっています
しかし、この短編で村上春樹が死を賛美しているとは思えませんし、心中を推奨しているとも考えられません
自分としては焚き火が燃え尽きた朝に、順子と三宅が再生に向けて動き始めることを期待します

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娘への性的暴行で懲役6年判決 福島

統計をとっているわけではありませんので個人的な感想にすぎないのですが、家庭内での性犯罪が刑事事件として裁かれるケースが増えているように感じます
ただ、増えているといっても表沙汰になるのはほんの一部であり、被害の実態は想像以上ではないかと思います
「世間体が悪い」だの、「親の顔を潰すつもりか」などと言われ、被害を届け出ないケースがまだまだ多いのでは?
今日は福島県での事件を取り上げます
実の娘(高校生)に性的暴行を加えた父親に対し、福島地裁郡山支部は懲役6年の実刑判決を下したものの、控訴審である仙台高裁で犯行時刻に矛盾があると指摘され、差し戻しになった事件です
家庭内の事件で目撃証言もなく、被害を受けてから訴え出るまで時間が経過していれば証拠も十分ではないと、被害者には不利な条件ばかりです
それでもなお、訴え出た被害者の勇気には頭が下がります


当時高校生だった実の娘に性的暴行をしたとして監護者性交などの罪に問われた福島県郡山市の40代男の差し戻し審で、福島地裁(柴田雅司裁判長)は15日、求刑通り懲役6年の実刑判決を言い渡した。
差し戻し前の1審・地裁郡山支部は2019年3月、懲役6年の実刑を言い渡し、被告が控訴。仙台高裁は同12月、娘の証言を巡って審理が尽くされていないとして、地裁に審理を差し戻した。
差し戻し審で、娘は性的暴行を受けた当日、複数の友人に無料通信アプリ「LINE(ライン)」などで相談したことや、その日までに複数回、説教として胸を触られたなどと供述。性的暴行を受けた時刻の記憶は曖昧だが「お父さんがなかったと言い張れば、なかったことになるのはおかしい」と訴えた。
弁護側は、性的暴行をしたとされる時間帯に、男がスマートフォンでゲームをしていたことなどから、犯行は不可能だとして無罪を主張していた。
判決で柴田裁判長は、娘が複数の友人に事実無根の相談を持ちかけるには無理があるなどとして、娘の供述は信ぴょう性が高いとしたうえで「生活面で被告人に頼らざるを得ない立場にある被害者に対し、説教を口実に及んだ極めて卑劣な犯行」と判断した。
(毎日新聞の記事から引用)


上記の記事を補足すると、1審で娘が主張した犯行時刻には父親がスマートフォンでゲームをしていたという記録があり、矛盾すると弁護側が主張していました
差し戻し審では、当初娘が主張した犯行時刻「午前8時半頃~同10時50分頃」を、40分後ろにずらして犯行時刻と認定しており、矛盾を解消させています
通常、性的暴行を受けて気持ちが動転している被害者が正確な犯行時刻を記憶しているとは考えにくいのであり、被害者はおおよその時間を供述するしかありません。この父親はそこにつけ込んでまでも、無罪判を受けたかったのでしょう
自分が娘の人格を、人生を踏みにじっているとの自覚もなしに、ただひたすら無罪判決を受けたいと執着する様は醜悪です
娘は父親の性欲処理の道具ではありません

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「セーラームーン」の時代変化 美少女と恋愛

世界に影響を与えた日本のアニメーション作品として、「AKIRA」や「攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL)」の名前が挙げられるのですが、そこに「美少女戦士セーラームーン」も加える必要があるのでしょう
多岐にわたる影響を与え、社会現象を引き起こしたわけですが、あまり話の間口を広げると収拾がつかなくなるので、今回は原作漫画とテレビアニメーション化された作品の差異に注目し、そこにどのような考えの違いがあったのかを読み解いていきます
宮崎大学教育学部紀要に収録された山田利博教授の論文から引用します

新旧「セーラームーン」アニメの比較によるジェンダー理解の変容について

マンガ月刊誌『なかよし』1992年月号から1997年月号に連載された、武内直子『美少女戦士セーラームーン』(以下、マンガ原作を指す時は、「原作」と略称)は、疑いもなく日本マンガ・アニメ史上における画期的な作品の一つである。何故それが画期的になり得たのかという問いに対する答えはいろいろと考えられるが、今回はジェンダー意識の問題、特に「原作」とアニメではどのように異なるか、あるいは同じアニメでも、時代によってどのように異なるかについて見ることとする。なぜならこのマンガは、後述するように、ジェンダー意識を中心に近いテーマとして扱った作品であり、かつ、20年の時を隔てて2度アニメ化され、時代によるジェンダー理解の変遷が窺いやすいと判断したためである。ただその分析に入る前に、確認としてジェンダーの定義について簡単におさらいしておこう。
言うまでもなくジェンダーとはもともとは文法用語である。フランス語などのように、有性名詞が存在する言語の性の分類を示すものとして用いられていたが、今ではそれが、「社会的・文化的に形成された性別」の意味にまで広げられている。なぜなら、人間は高度で複雑な社会・文化を創り上げてしまったため、「生まれた時の性」(セックス)と「社会的・文化的に形成された性別」を区別する必要が出て来てしまったためである。

論文では原作漫画、第1期のテレビアニメの比較が行われ、その中でアニメにおける幾つもの改変が指摘されています
その前にアニメ化のための企画書が引用されいますので、抜粋して紹介しておきます。なぜこの原作漫画を選んだのかコンセプトが明らかにされており、ここは注目すべきところです

今、日本は女の子を中心に動いています!軟弱で頼りなく、既成の古い概念をいまだに捨てきれない男の子たちを尻目に、彼女たちの活発さは勢いを増すばかり(中略)。女の子たちは、心の中でいつも「もっともっとキレイになりたい」「もっともっと賢くなりたい」「もっともっとかわいくなりたい」と願っています(中略)。「賢く、お洒落にカッコよく」それがアイドル低迷期の今、女の子の目指しているニュー・アイドル像なのです!最初はとまどい気味の男の子たちも、やがて彼女たちの真の魅力に気づくことでしょう。

論文ではこの企画書自体、男目線で書かれていると指摘されているわけですが、どうなのでしょうか?
チーフディレクターは男性で、脚本の7割は男性脚本家の手になると論文では取り上げているのですが、女性脚本家の手によるシナリオであるべきだ、と指弾する理由は特にないと自分には思えます
もちろん、男性脚本家が手掛ける以上、男性がイメージする「女の子」の話になるのは避けられないのですが、それがただちに悪い、とは断言できないのでは?
女性脚本家が担当すれば、自ずと女性目線での話になるとしても、それが正しいとは言い切れないのではないでしょうか?
原作漫画からの主要な改変部分は、論文とWikipediaからの引用を元に、以下まとめます
①タキシード仮面は原作ではセーラームーンを応援する立場ではあるが、ほとんど戦闘には加わらない。テレビアニメでは積極的にセーラームーンを助けています。ここに原作者なりの主張があるように思います
②原作漫画ではセーラームーンはタキシード仮面に好意を寄せてはいるが、ベタぼれしている描写はない。テレビアニメでは眼がハートになるほどベタぼれしている設定になっている。テレビアニメではセーラームーンとタキシード仮面の恋愛関係をより色濃く描くことによって、従来の少女アニメ的な展開を内包させたといえるのでしょう。その改変の是非はともかく、第1期のテレビアニメが人気を得たのは2人の恋愛劇による部分が少なくなかった、と考えられます
③原作漫画はこども向けではありながらダークすぎる描写、展開になっていることから、テレビアニメはセーラー戦士たちの日常描写を増やし、より親しみやすい内容へ改変した
その他、細かな改変は幾つもありますが、重要なものとしては以上の3点でしょう
②について論文では、テレビアニメのような恋愛描写が「男性に愛される女性」であると設定される結果、女性が男性より下位にくるのを問題視しています。①のタキシード仮面の立場と相まって、テレビアニメでセーラー戦士よりタキシード仮面の方が上位に位置するかのような描写になっていますので、原作とは顕著な違いが見て取れます
論文ではこれを男性中心のテレビアニメ制作スタッフが、原作漫画の女性優位の設定を認めたくなかったのではないか、と指摘しているのですが、何とも判断がつきません。もし制作スタッフが「当時はそこまで考えてはいなかった」と答えたなら、性差について何も考えなかった=無頓着なまま男性優位の設定でテレビアニメを作っていた、との解釈に結びつきかねません
以降、論文では「セーラームーン」が20年後、より原作漫画に忠実な形で再度アニメーション化されていることに触れ、それがジェンダーへの理解が多少なりとも深まった結果と言えるのでしょう(同時に、まだ理解が十分ではないと、論文では指摘しています)
シリーズ担当のチーフディレクターも女性が起用された、とわざわざ明記しています
ただ、少女アニメなら脚本からキャラクターデザイン、演出、作画監督まですべて女性でなければならないのか、という疑問が湧きます
そうでないとジェンダーへの正しい理解、配慮ができないので駄目なのでしょうか?
まとめとして、以下のように論文は結んでいます

以上、「原作」からしてジェンダー意識色濃い『美少女戦士セーラームーン』を、20年の時を経てアニメ化した二つの作品を対比して見えてきたことは、その20年の間に男性のジェンダー理解はだいぶ進んだが、まだまだ本質的なところからはほど遠いということであった。このことは、20年の時を隔てた他のアニメ作品の比較からも大雑把には言い得るかもしれない。例えば、原作がそうなっていると言えばそれまでだが、2014年に放映された『ウイッチクラフトワークス』のように、男性が女性に「お姫様だっこ」され、庇護されるというようなアニメは、20年前にはまず考えられなかった。しかし、せいぜい言えるのはその程度で、さらなる深い考察は難しいだろう。何故なら接点のない二者の比較は、「比較」の原義から言っても不可能だからである。そういう意味では詳細な比較が可能でかつ制作者の意識まで読み取れる、『美少女戦士セーラームーン』は希有な作品と言えるのである。

原作漫画については少女向け漫画雑誌連載ではあるものの、作者の意図が反映したダークな展開になっており、これをこども向けテレビアニメにするためさまざまな改変が加わったという事情があります。もちろん、そこにはジェンダーへの配慮というものはありません
当時としては、それが問題視されることはなかったのでしょう
現在では原作漫画なりライトノベルを改変してアニメ化すれば、たちまち原作厨の批判が押し寄せます
なので、新たなアニメ化によってより原作に忠実な形に近づいたのは、良しとすべきなのでしょう
ただ、旧作のようなセーラームーンとタキシード仮面の夫婦漫才も捨てがたい気がします。恋する少女を描く、ボーイ・ミーツ・ガールはやはり必要でしょう。ジェンダーに配慮しつつ新しい恋愛のかたちをどう描いていくのか、アニメ業界にとっての課題です

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札幌作業療法士殺人 不倫の清算

2016年、札幌市西区で作業療法士の女性(23歳)が殺害され、同じ病院に勤務する作業療法士の熊倉昭洋被告が犯人として逮捕され、懲役19年の判決を受けた事件がありました
熊倉被告は事件当日、女性の部屋にいたのは認めましたが、殺害されたのは自分が帰った後であり、第三者によって殺害されたと主張し、控訴していました
札幌高裁は12日、1審の札幌地裁判決を支持し、控訴を退けています
1審の札幌地裁判決から以下、抜粋します


(罪となるべき事実)
被告人は平成28年11月4日午後9時頃から同日午後10時頃までの間、札幌市所在の集合住宅の一室であるA方において、A(当時23歳)に対し殺意をもって、表面が平滑で長さ約31.5センチメートル以上のもので頸部を絞め付けた上、絞頸により仮死状態になったAを浴槽内の水中に溺没させ、同所においてAを絞頸及び溺水による窒息により死亡させて殺害した。
(争点に対する判断)
第1 本件の争点等
1 証拠上容易に認められる事実
被告人は、遅くとも平成28年10月半ば頃(以下の日時は,全て平成28年のものである。)には自身及び妻と職場が同じAと不倫関係となった。11月4日午後6時過ぎ頃にもAと落ち合ってA方近隣のそば店へ行き、2人でかしわそば大盛りと豚そば大盛りを食べた後、午後7時頃にA方へ行った。その後、早くとも午後9時50分頃にA方を立ち去って、午後10時8分頃、A方近隣の駐車場から車を出庫させて帰宅した。被告人がA方にいる間に他にA方を訪れた者はいなかった。
他方、Aは何者かにより、A方において判示の方法により殺害されたが、その遺体は同月6日午後2時20分頃、被告人とともにA方を訪れた被告人の妻によって発見された。これらの事実は、当事者間に争いがなく、関係証拠により容易に認められる。
2 争点
本件の争点は被告人が犯人であると認められるかであり、その前提として、Aの死亡時刻が争われている。検察官は①Aの死亡時刻が11月4日午後9時頃から午後10時頃までの間であり、②被告人には動機となり得る事情や犯人であることに沿う行動が認められる一方、③第三者が犯人の可能性はないことから、犯人は上記死亡時刻頃Aと一緒にいた被告人以外に考えられないと主張する。
これに対し弁護人は、Aの死亡時刻が同月5日未明である上、上記②及び③の事実はなく、被告人がA方を去った後に他の何者かがAを殺害したのであって、被告人は犯人ではないと主張している。
(中略)
第4 第三者による犯行の可能性
関係証拠によれば、何者かがA方に無理やり侵入したり金品を物色したりした形跡はなく、下着や財布・通帳等も無造作に残されており、Aに致命傷以外の目立った外傷や性的行為が加えられた痕跡も存在しないことが認められる。また、A方は、集合住宅3階の一室であり、偶然立ち寄るような場所でもない。そうすると本件犯行は、金品等の窃取目的やわいせつ目的の末に、Aとの面識が全くない第三者が犯したものとは考え難い。
そして生前のAと接点のあった合計8名の男性についてみると、まず、インターネット掲示板を通じて連絡を取ったことのある6名については、Aを殺害する動機を有する者は見当たらず、11月4日夜から翌朝にかけてのアリバイが存在するなどの理由により犯人である具体的な疑いはない。
(以下、略)


刑事裁判の判決文を読んだ経験のない方には、異質な感があるのかもしれません。どの裁判の判決文も概ねフォーマットに沿って書かれるのであり、争点と事実の認定、結論(量刑)という流れになっています
熊倉被告が女性の遺体を浴槽に沈めたのは刑事ドラマなどの影響で犯行時刻を誤魔化すためだったのでしょうが、無駄な小細工です
被害者と熊倉被告が不倫関係にあったこと、別れ話で揉めていたことなど、周囲の人たちは知っていたのであり、隠しようもありません
なお、熊倉被告には下着泥棒の前科があったことも露見しています。
熊倉被告は大学卒業後、芦別市役所に勤務していましたが、市役所が保管していた市営住宅のカギを勝手に複製し、市営住宅に住む独身女性の部屋から大量の下着と現金20万円を盗んだ罪で逮捕され、懲戒免職処分を受けています。その後、札幌で理学療法士の資格を取得して病院に勤務するようになったのだとか。当時の姓は水足で、前科を隠すため熊倉姓に変えたと考えられます
ですからこの事件は、善良な市民がある日突然、身に覚えのない殺人の容疑をかけられ逮捕された…というテレビドラマみたいな話ではありません

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中学生徒にわいせつ 大阪明星学園教師逮捕

教え子に手を出せば逮捕され、職も失うという事態は世の一般常識であると言って間違いないでしょう
それでも教師による児童・生徒への性犯罪は繰り返されているのであり、何とも言い難いものがあります。教師として良識を欠いているというのではなく、「性犯罪者の業」であると表現した方が適切なのかもしれません
つまり、児童・生徒を狙う性犯罪者が教員として学校に潜り込み、犯行を重ねるのだと
逮捕された中村洋一郎容疑者は、まさに性犯罪を行うため男子中学の教師になったのではないか、と勘ぐりたくなります


大阪の中学校の教諭だった男が修学旅行中に男子生徒に薬を飲ませて意識障害を起こさせたうえ、わいせつな行為をしたとして逮捕されました。
逮捕されたのは、大阪・東成区の無職、中村洋一郎容疑者(36)です。
警察によりますと、中村容疑者は大阪の私立中学校の教諭だったおととし10月、修学旅行で訪れた長崎県内のホテルの部屋で教え子の男子生徒に薬を飲ませて意識障害を起こさせたうえ、下半身を触ったとして強制わいせつと傷害の疑いが持たれています。
部屋に呼び出したあと男子生徒に薬の入った飲み物を飲ませていたということです。
警察は認否を明らかにしていません。
被害は男子生徒の保護者から警察に相談があって発覚し、その後、中村容疑者は退職したということです。
(NHKの記事から引用)


中村洋一郎容疑者については、本件以前にも生徒にわいせつ行為をしていた疑いがあったのですが、学校側は明確な対応をしなかったとの情報が出回っています
大阪明星学園中学・高校はカトリック系の学校で、規律が厳しいことで有名なのだとか。しかし、いかに厳しい校則で生徒を縛っても、教師による性犯罪を見逃しているようでは、教育機関としてのガバナンスが問題視されます
すでに中村容疑者は退職しており、学校側とすれば「退職した人間なので関知しない」と逃げ切るつもりなのでしょうか?
わいせつ行為の噂が立った時点で、学校側は先んじて中村容疑者を停職扱いにし、潔白を証明できない限り職場に復帰させないとの方針で対処していたら、と思います
中村容疑者の犯行はたまたまとか、偶然とかごまかせるものではなく、性犯罪者による計画的な犯行でしょう
私立校を自己都合で退職したのですから、中村容疑者の教員免許は現在も有効であり、取り消されてはいません。すでに事件の報道が出回っていますので、彼を教員として採用する学校はないと思いますが、ここは教員免許を取り消しておく必要があります
規律の厳しい私立の男子校といえども、教員の中に性犯罪者が潜り込んでいるケースがある、と保護者は認識しておくべきでしょう

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「セーラームーン」と美少女アニメを考える

「カワイイは正義」と言われるように、少女アニメの主人公はもれなく美少女です。いくつか例外はあるとしても
そして世の中の男は皆、美女や美少女が好きです
では女性はどうなのでしょうか?
「魔法少女」というジャンルから新たな形態を生み出した「美少女戦士セーラームーン」のシリーズについて考えようという企画です
当時、「戦隊ヒーロー物」は存在しましたが、紅一点で女性メンバーが加わる構成が常であり、全員が女性という戦隊ヒロインは画期的なアイディアでした。以降、漫画だけでなくアニメーションや実写ドラマ、ミュージカルなど多くの派生コンテンツを生み、社会現象とまで言われるに至ったわけです
ただ、そこにジェンダー目線の批評(あるいは批判)が加わるようになって、単純に美少女の活躍を愛でる作品ではなくなり、論争の場へと変化しています
今回は海外での「セーラームーン」の反応を軸に考えることにします

セーラームーンが世界の女性に示すも
(前略)
少女漫画の多くは思春期や10代の少女たちを描きだしている。 そのテーマは多岐にわたり、ビジュアルの描き方、ロマンチックな題材や感情を描いているという点では、対になる少年漫画や青年漫画とは一線を画しているといえる。
『セーラームーン』シリーズは、少女漫画のジャンルの中でさらに魔法少女ものに分類される。卑劣な敵から世界を救うため、魔法で「かわいい」姿に変身する能力を持つ8~14歳の少女が登場するファンタジーアニメの一種だ。
かわいさと強さを同時に見られる上、主人公は精神的に成長し、大人になっていく。つまり、魔法によって成長の仕方を学ぶのだ。
『セーラームーン』などの少女漫画の人気は日本だけにとどまらない。特に『セーラームーン』のような魔法少女ものが、西洋でアニメや漫画が紹介されるきっかけになった。
日本国外のファンが、『セーラームーン』で個性を感じ、時には変わったと言っている。
人気オンラインパーソナリティのPrincess Mentality Cosplayは、「あなたにとって『セーラームーン』とは?」と尋ねられた際、このように述べている。
(以下、さまざまなファンの発言)
肌の色が違うせいでこのファンダムに私の居場所はないと言われたときでさえ、『セーラームーン』はどんな試練にも立ち向かう強さをくれました。セーラームーンが、平等と受容、そしてとことん楽天的でいることの大切さを教えてくれたのです。

セーラームーンは宇宙人だけでなく、少女たちの中にある美しいものすべてを壊そうとする大人の世界とも戦っている。愛する人々を守るために戦い、傷つき、倒れ、時にはすっかりへこたれることさえある。そしていざ切り抜けることができたときには、魔物にされた人間も救おうとするのだ。

このシリーズはセーラー戦士たちの性格や興味、ジェンダー的表現の幅広さにも焦点を当てている。読書好きの亜美(マーキュリー)から体育会系のまこと(ジュピター)、芸術家肌のみちるまで、それぞれの少女たちに対応する戦士の形がある。さらに、たくましい少女たちがどのような苦労をしてジェンダーの役割を模すのかという点に言及することもある。たとえば、おてんばゆえに失敗していたまことがどのように料理を学んだかなどだ。


思いの外、好意的な声が寄せられています
もちろん、これとは真逆の容赦ない批判もあります
「ミニスカートで敵と闘うなんて馬鹿げている」、「男に媚を売っているところが嫌い」、「なぜ美少女だけがセーラー戦士なのか」などなど、女性の側からの指摘を集めたウェッブサイトもあります
ただ、上記の記事にあるように、セーラー戦士たちの豊かな個性、ノビノビとした立ち振舞に、苦難に立ち向かう勇気に救われたと感じる女性が存在するのであり、これは素直に褒め言葉と受け取って良いのではないでしょうか?
洋の東西を問わず、クラスに馴染めなくて孤独を感じている女の子はいるのであり、彼女たちが「セーラームーン」からささやかな勇気を得られたと言うのであれば、漫画の作者武内直子にしてもアニメーションの制作スタッフにしても、自身の仕事に誇りを感じられるでしょう


日本において魔法少女ものの持つ文化的意味は、伝統的な女性らしさの特徴を抑える一方、女性の地位向上と自立をテーマとするところにある。
日本の少女たちにとって、セーラームーンは少女や少女らしさに対して日本人が抱く概念の典型である。彼女には興味を惹かれるものを追う自由や、進みゆく道に立ちはだかる困難に打ち勝っていく精神力があるのだ。


以前、イギリスの漫画ファンの女性の討論というものを紹介した記事の中で、ブログ「日本晴れ!」のヤオイ系漫画に対する海外の反応、というものを引用させてもらいました。ジェンダーという視点からすれば、「日本は遅れている、それに比べて欧米は」という語り口があるわけですが、意外とそうは言い切れない現実が浮かび上がってきます
ヤオイ系漫画(現在ならBL)について語る彼女たちは、BL好きを親にはひた隠しにしています。親にバレたら説教どろこでは済まない、と分かっているからです。彼女たちからすればBLの漫画雑誌や同人誌が堂々と売られている日本こそ、自由の国と映るのでしょう
あるいは、日本では土日にロリータファッションで渋谷や原宿を歩き回っても別段とやかく言われないのですが、ロンドンやパリの街角をロリータファッションで歩こうものなら、たちまち顰蹙を買い、見知らぬおばさんから説教を食らうでしょう。そもそも親たちは、ロリータファッションの娘を家から出そうとはしないと考えられます。場をわきまえない服装は恥ずかしいのであり、そんな格好で出歩くべきではない、とする価値観が根強く残っているからです
自由の国とされるアメリカでさえ地方によっては娘らしさが過度に求められ、それに反する服装はタブー視されるという保守的な面が健在だったります
なので、日本人が思っている以上に日本の漫画やアニメーションに描かれている日常生活は、「自由」を享受しているように欧米の視聴者には映るようです
日本社会に対する誤解と片付けるのは簡単でしょうが、案外そうとばかりは言い切れないキリスト教社会の閉塞された状況が欧米には存在すると思います
イギリスの公共放送BBCは日本の漫画やアニメはポルノであり、取り締まるべきとの番組を放映していましたので、そこらの問題はまた機会をあらためて取り上げます

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イギリスで「日本漫画大討論会」
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セカイ系アニメ 戦闘少女とダメ男
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福井大学「赤とんぼ」准教授不倫殺人 8500万円の賠償判決

元福井大大学院特命准教授の前園泰徳受刑者が教え子である大学院生との不倫関係を精算するため、首を絞めて殺害した事件は、死亡した菅原みわさんが「殺してくれ」と依頼したことにより嘱託殺人である、とする判決が確定しています
刑事事件としてそれで決着したわけですが、菅原さんの遺族はこの判決に不服があったのでしょう。民事訴訟を起こして前園受刑者に1億2000万円の支払いを求めていました
嘱託殺人(菅原さんが殺してくれと依頼した)との証拠は何もないのであり、ただ前園受刑者がそのように裁判で主張しただけです
前園受刑者の言い分だけが採用された判決には、強い違和感を覚えます。嘱託殺人であると認定するには、それ相応の証拠に基づく判断をする必要があるのでは?
民事訴訟の方は、「菅原さんは死を望んではいなかった」と認定し、前園受刑者に約8500万円の支払いを命じる判決を言い渡しています


福井県で2015年、東邦大大学院生の菅原みわさん=当時(25)=が殺害された事件で、嘱託殺人罪で有罪が確定した元福井大大学院特命准教授の男性(48)に遺族が約1億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(高取真理子裁判長)は13日、殺害依頼は真意ではなかったとして計約8500万円の支払いを命じた。
高取裁判長は当時の菅原さんについて「精神的に非常に不安定な状態にあった」と指摘。殺害直前の「首を絞めてください」などの発言は「真に死を望んだものと認めることはできない」と述べた。 
(時事通信社)


今回の事件によって前園受刑者の研究者としてのキャリアは終わっていますので、8500万円の賠償金を支払う能力はないと思われます
既婚者であった前園受刑者は、妻からも離婚を突きつけられたのでは?
そもそもこの事件は、既婚者である前園受刑者が学生に手を出し、不倫関係に至ったのが原因です。「妻とは分かれるつもりだ」などと口にし、菅原さんの気持ちを弄んだのではないか、と思われます
しかし、刑事事件の方は前園被告の言い分のみを採用し、嘱託殺人であるとの判断から懲役3年6月という極めて軽い刑となりました
不倫関係精算のため殺害したと認定され、殺人罪が適用されれば最低でも懲役15年の刑だったでしょう。あるいは、不倫の清算という身勝手な理由による殺人として、もっと長期の刑が言い渡された可能性もあります
刑事罰は軽くて済んだものの、民事での賠償がどんとのしかかってきたわけです。時期的に前園受刑者は刑期を終えて出所しているかもしれませんが、民事での賠償責任という償いをどうするのでしょうか?
不倫の代償が高く付くのは芸能人だけではない、と書いておきます

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就活生を強姦 リクルート子会社社員逮捕

就職活動中の大学生が大学のOBやらを訪問し、助言を受けるというシステムがいつから始まったのかは分かりませんが、コロナ感染の蔓延する現状でも続いているようです
一部の企業では、OB訪問を何件こなしたかで、就職への熱意を計るというバカげた真似をしているのだとか
リクルートの子会社リクルートコミュニケーションズの元社員丸田憲司朗被告は、同じ手口で就職活動中の女子大生を騙し、強姦していたとして起訴されています
少しでもよい就職先の内定を得ようと日々活動している学生を毒牙にかけるという、とんでもない男です
丸田被告は自身の学歴・経歴を偽り、神戸大学法学部卒業で一流コンサルタント企業を経てリクルートに入社、と称して女子大生に接近する手口だったようです。実際には甲南大学出身で、リクルートの子会社勤務だったわけですが

就職活動中の女子大生に睡眠薬を混ぜた飲み物を飲ませて乱暴したとして、警視庁は13日、東京都新宿区左門町、リクルート子会社の元社員で無職、丸田憲司朗被告(30)(別の準強制性交罪で起訴)を準強制性交容疑で再逮捕した。逮捕は3回目。
発表によると、丸田被告は昨年10月下旬、スマートフォンのOB訪問アプリで知り合った就職活動中の女子大生を自宅に連れ込み、睡眠薬を混ぜた飲み物を飲ませて抵抗できない状態にして、乱暴した疑い。調べに黙秘している。
丸田被告は同6月にこの学生と知り合い、「自己分析の相談に乗る」と持ちかけて呼び出したという。
丸田被告は昨年12月、別の就職活動中の女子大生に対する準強制性交容疑で再逮捕され、同罪で起訴されていた。
(読売新聞の記事から引用)

女子大生を誘い出した手口は卑劣きわまるものだった。丸田は就職活動中の学生とOBをマッチングさせる「就活アプリ」を駆使し、日常的に女子大生を物色。そのアプリ「OBトーク」では経歴をこう記している。
〈神戸大法学部を卒業して、経営コンサル会社で3年ほど修行し、リクルートに転職。内定先は大手外資系コンサル「PwC」、有名ベンチャーキャピタル「グロービス」、日本一給料が高い企業「キーエンス」――〉
広告業界への就職を希望していた女子大生にとって、丸田の経歴は眩しく見えたに違いない。今年6月下旬、二人は都内のカフェで初めて対面。7月上旬にも二人きりで会い、就職活動の話で盛り上がった。当時、女子大生は丸田について、こんな印象を持ったという。
「紳士的な人」
ホテルに連れ込みアルコールの中に薬物を…
そして三度目に会った際、「就活用PR動画の作成を手伝うから打ち合わせをしよう」と誘った丸田。
自分を信頼する女子大生をホテルに連れ込むと、アルコールの中に睡眠作用がある薬物を混ぜて飲ませ、心神喪失状態にした。そこで性的暴行を加え、写真や動画まで撮影したのだ。
だが、丸田の話は嘘で塗り固められていた。出身大学は関西の私立・甲南大で、勤務先はリクルートのグループ会社。自宅も青山付近と記していたが、実際は四ツ谷駅にほど近い家賃約16万円のワンルームのデザイナーズマンションだった。
(週刊文春の記事から引用)

逮捕後、丸田被告は会社を解雇されています。リクルートコミュニケーションズは就職活動のサポートをする会社ですから、丸田被告逮捕によって会社の評判が墜ちるのは痛手です
押収された丸田被告のスマートフォンからは女性の動画が多数見つかっており、被害者は相当の数になるものと思われます。被害者が名乗り出て立件されるかどうかは別ですが、卑劣な犯行を重ねていたのは間違いありません
警察の取り調べについては「今は話せない」と黙秘しているのだとか。今話せないのなら、いつ話すのでしょうか?
丸田被告に十分な資産があるとは思えませんでの、現在立件されている3件について被害者に慰謝料を支払い示談を成立させるのは困難であり、実刑は免れません(親が資産家なら示談金を出してくれるでしょうが)
被害者がさらに名乗り出たなら、10年以上の懲役刑もありえるでしょう

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「SLAM DUNK」の劇場版アニメ化

バスケットボールを題材にした漫画では「黒子のバスケ」が記憶に新しいところです。テレビアニメ化もされ、話題になりました
それでもスポーツ漫画の人気ランキングで上位に位置するのは「黒子のバスケ」ではなく、「SLAM DUNK」の方です
作者である井上雄彦がツイッターで、「SLAM DUNK」が劇場版アニメーションになると告知し、注目を集めています


■連載終了から四半世紀近く経っている作品
2021年1月7日、漫画家の井上雄彦が、ツイッターに「【スラムダンク】映画になります!」と投稿し、同作のアニメ映画化が発表された(いま本稿を書いている時点では、東映アニメーションの製作であるということのほかは、詳細不明)。
井上雄彦の『SLAM DUNK』は、1990年から1996年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載された、バスケットボール漫画の金字塔である。主人公は、髪の毛を赤く染めた不良少年の桜木花道(高校1年生)。物語は、ひょんなことからバスケット部に入部することになった彼が、やがてその才能を開花させ、全国大会で活躍するほどの選手になるまでを描いた、ある種のビルドゥングスロマン(成長物語)の傑作だ。
ちなみに、先日(1月3日0時40分~)、テレビ朝日にて放送された『国民15万人がガチで投票! 漫画総選挙』という番組を観ていてあらためてすごいと感心したのは、この『SLAM DUNK』が、1位の『ONE PIECE』(尾田栄一郎)、2位の『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)に続く3位に選ばれていたことだ。いうまでもなく1位・2位は、片や現在連載中、片や昨年5月まで連載されていた旬の作品であり、そんななか、連載終了から四半世紀近く経っている作品が3位にランクインするというのは、快挙以外の何ものでもないだろう。
このことは、それだけ『SLAM DUNK』という作品が、いまなお数多くの人々に愛され続けていることを証明しているといっていい。つまり、今回のアニメ映画化に対して、「なぜ今?」と首をかしげた向きもおられるかもしれないが、同作は、そういう同時代性などはほとんど関係がない、いつ読んでも(観ても)感動できる普遍的な魅力(あるいは古びないテーマ)を持った名作だということだ。
さて、個人的に気になるのは、今回の映画で、原作の最終章である湘北高校と山王工業の試合が映像化されるのかどうか、ということだ(念のため書いておくが、主人公の桜木が所属しているのは湘北高校バスケット部)。
というのは、以前、製作された同作のテレビアニメ版および劇場版では、そこまでの物語は描かれておらず、現在の高度に進化したアニメーション技術によって映像化された、あの「伝説の試合」をぜひ観てみたいと思うからだ。
原作を既読の方は当然ご存じだろうが、単行本の31巻(ジャンプ・コミックス版)、湘北高校と山王工業の試合ラスト1分の描写は圧巻である(なんと単行本ほぼ1冊ぶんのページ数が、この「最後の1分間」の描写に費やされている)。特に、残り12秒を切った段階からは、セリフ、モノローグ、ナレーションは一切排除され、選手たちの動きと観客の表情の描写だけで物語は進んでいく。これは、言葉に頼らない究極のスポーツ漫画の表現だともいえるし、逆に、最後の最後で桜木がぽつりとつぶやく「左手はそえるだけ…」というセリフを最大限に活かすための演出だともいえよう。
いずれにせよ、新しい映画(劇場版としては5作目となる)が公開された暁には、ふたたび『SLAM DUNK』の(いま以上の)ブームが訪れるのは間違いないだろう。
できることなら、(前述の「左手はそえるだけ…」の名場面もさることながら)単行本の30巻――味方のボールを生かすために危険を顧みず、プレス席に飛び込んでいく赤い髪の元不良少年の勇姿を見て、妹・晴子の「初心者だけど… いつかバスケ部の…… 救世主になれる人かも知れないよ」という言葉をキャプテンの赤木が思い出す、あの泣ける場面を映画館のでかいスクリーンで観てみたいものである。
(Real Soundの記事から引用)


バスケットボールを題材とした漫画でも、「黒子のバスケ」と「SLAM DUNK」では登場するキャラクターに大きな違いがあります
「黒子のバスケ」には「奇跡の世代」と呼ばれる図抜けた才能の持ち主たちが登場するのですが、あまり面白みがありません。その最たるものが赤司征十郎であり、なぜこんな「漫画みたいな」化け物じみたキャラを登場させたのか、と思うばかりです
役割・立ち位置からすれば「SLAM DUNK」に登場する翔陽高校のプレイングマネージャー藤間健司と被るため、より極端な色付けをする必要があったのかな、と推測します
加えて、「黒子のバスケ」では度々プレイヤーがゾーンに入り、超人的なプレーをするところが駄目であり、面白みを削がれてしまいます
高校野球の漫画に「魔球」を登場させるのと同じで、せっかくの物語をつまらないものにしており、もったいない限りです
さて、今回の劇場版「SLAM DUNK」はどうなるのでしょうか?
記事にもあるような、湘北高校と山王工業の試合を描く内容であればオールドファンも映画館へ足を運ぶでしょう。自分も是非、観たいものです
原作漫画で描かれた山王工業戦の魅力については記事の中で触れているため、繰り返すのは止めておきます
期待通りになるかどうか、続報を待ちましょう

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「風の谷のナウシカ」 アニメーションを読む方法

当ブログでは宮崎駿作品をしばしば取り上げて語っています。その中でも特に自分が惹かれているのは劇場版アニメーションではない方の「風の谷のナウシカ」です
劇場版「ナウシカ」を批判する気はないものの、称賛する気にもなれません。ただ、公開当時の興行結果はいまいちだったものの、作品としてのクオリティは高く、アニメーション作家としての宮崎駿の地位と評価を固める役割を果たしたのは間違いないでしょう
さて、今回は日本文学研究者がアニメーション作品を批評する際の方法論、を取り上げた論文に着目します
東洋大学の水谷真紀講師の論文から引用させてもらいます

「風の谷のナウシカ」の〈宛て先〉--宮崎駿を「読む」ための試論

従来の日本文学研究の方法、テクスト分析がアニメーションや漫画の批評に応用できるのか、を至極まじめに論じています

(論文4ページ)
しかしアニメーションという表現形態は、制作の技術や方法、映像、音楽、声優、公開前のメディア戦略等々、分析の視点が多く存在し、先に触れた『ブルータス』の特集のように多くの人々がそれぞれの拠る立場から語ることを可能としている。本稿で注目する「風の谷のナウシカ」に関しても、先行研究を調べていくと一つの研究分野には留まらない。物語内容や物語の構造を分析する考察の他に、アニメーション制作に携わる者による解説や発現、音楽との関連性、声優の意義、マンガ版との差異、ポップカルチャーにおける位置づけを試みる考察など多数あり、いわゆる文学・文化研究の視野だけでは収まりきらない拡がりがある。そしてこれらの言説を見ていくと、たとえ物語分析を目的とする考察であっても、文学・文化研究における「読む」方法を何らかの検証なしにアニメーションへ応用することは、果たして可能だろうかという疑問も生じてくるのだ。また、同時に、様々な立場から発言する言説の中には、文学研究の擁護を用いれば「作家論」的な解釈に容易に落ち着いてしまう論述も見受けられる。

以下、論文中では文学作品を批評する際に用いられるロラン・バルトのテクスト分析の方法について説明しているのですが、そこら既知の話なので割愛します
アニメーションを読み解く先行研究として、漫画版「ナウシカ」と劇場版「ナウシカ」を比較・検討した中村三春の研究や、ナウシカの「飛翔」に着目した村瀬学の研究を引き合いに出し、論じてもいますので関心のある方は論文本文を一読願います

(論文5ページ)
たしかにアニメーションにしろマンガにしろ、「物語」としてテクストを捉え直せば言語テクストの分析と同じように「読む」ことが可能だ。しかし留意すべき点として、両者は画像の連続によって構成されていることが挙げられる。特にアニメーションは「絵を動かす」表現形態であり、技術や道具の革新によって表現できる物事が大きく変化していくことを考慮すれば、制作当時の技術が可能とした、あるいは不可能であった表象とはどんなものなのか、確認しておく必要はないだろうか。もちろん、制作当時の技術上の限界や作り手の工夫がどのようなものであったにせよ、現在私達の手元に届けられている作品が切り拓いた文化的な領野に対する評価は公正になされるだろう。

構造主義と括られる思想も中身は細かくいくつもの枝葉に分かれます。ロラン・バルトのテクスト分析はその中でも太い枝の1つです
そこでは書かれたもの=テクストを読み解き、物語世界に分け入りその作品に描かれた向こう側へ到達する行為を目指すわけですが、アニメーションのような映像作品であっても同じであるというのが筆者の結論です
ただし、アニメーションは多くの人の手によって成る作品ですから、作者宮崎駿の意図がどこまで表現されているかは慎重に検討する必要があると指摘します。これは宮崎駿が1人でコツコツ描きあげた漫画版「ナウシカ」との違いを意識した上での注意点です
さて、上記の論文では雑誌「ブルータス」の「ジブリ特集」に触れ、アニメーターから現代思想や建築の研究者らによるエッセイの存在を挙げてこれらを文化現象として扱っています。テクスト分析の方法論からすれば、これらのエッセイや論考もジブリのアニメーションというテクストを読み解くための素材であり、研究対象に含まれます
ただ、そこで宮崎駿や高畑勲が語る内容をどこまで重視するか、は論議のあるところでしょう
宮崎駿はさまざまなメディアの取材を受け、自作について語りまくっています。営業・宣伝のためでもあり、彼がサービス精神旺盛なためでもあります
自分が専門とする(などと言うのは大変恐縮なのですが)ラカン派の精神分析も、広い意味で構造主義とされる思想に含まれます。ラカンは非分析者の語りにだけ注目するのではなく、語らなかったこと、語ろうとしなかったことこそが重要であると説きます
つまり、宮崎駿が取材に応じて語る内容がすべてではなく、そこで語らなかったこと、語ろうとしなかった重要な何かがある、と想定します
「ナウシカ」の劇場版は漫画版がまだ完結していない状態で制作されたものであり、劇場版の尺に収めるためストーリーの改変が必要でした。結果として、宮崎駿自身、劇場版には多くに不満があっただろうと推測されます。が、宮崎はそれを口には出しません。劇場版制作には多くの人が関わっていたのですから、劇場版への不満を迂闊に口外すべきでないとの思いがあるのでしょう。不満を口にすれば、関わった人たちへの批判にも発展しかねません
ジブリの鈴木敏夫は漫画版「ナウシカ」を元にした完全劇場版「ナウシカ」を作りたいのですが、宮崎は承諾しないままです。劇場版「ナウシカ」には不満はあれど、あれはあれで1つの完成した作品だと宮崎駿は考えているのかもしれません
関係者が直接口に出さないため、こうした憶測を重ねることになるのですが、これも作品を読む行為の延長であり、可能性を考える行為です
作品の中に描かれたこと、作者が語ったことだけが「読み」の対象ではなく、作品の中に描かれなかったこと、描けなかったことをも含めた考察を試み、物語世界の向こう側へ至るべく足掻いてこそ批評であると考えます

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上記以外の宮崎駿に関する記事は本文右のテーマ別記事から「宮崎駿」を選択すると表示されます

小沢一郎「全国民PCR検査をやれ」という愚論

コロナウィルスの感染者が増加し、緊急事態宣言が再度発令される事態に至っています
感染拡大を阻止する手立てがないわけですから、感染者の急増(感染爆発)は予想されていた事態です
ワクチン接種が実現するまで、感染者の増加傾向は続くのでしょう
コロナウィルスの感染にどう対処するかという報道は昨年来、繰り返されてきたところです
しかし、政治家の中にはそうした必要情報や医学上の知識をまったく頭に入れず、理解できず、愚論を吐く者がいます。その代表が小沢一郎でしょう。呆れたことにこの時期に、「国民一斉検査をやるべきだ」と主張しているのですから、頭は化石並みです
PCR検査を全国民に実施すれば問題は解決するかのような、頭の悪い主張を堂々と開陳しています


コロナ「国民一斉検査」論がナンセンスな理由 「なぜできないのか」と言う前に
感染拡大が止まらず、政府による緊急事態宣言の再発令が現実味を帯びていた5日、「小沢一郎(事務所)」ツイッターは「社会的検査を忌避して、ついに年を越してしまった」と投稿。次のとおり主張した。
「国民一斉検査で、陽性患者、陽性無症状者、陰性者を明確にし、陽性者は必要に応じた隔離を行い、残る陰性者で経済を回す。
膨大な予算を確保しておいて、なぜそれができないのか。こんなことでは、緊急事態宣言は今後も繰り返され、全てがだめになる」
ツイッターでは「国民一斉検査」が一時トレンドワードに入り、さまざまな声があがっている。
「確かにその通りだと自分もずっと思っていました、国民全員に検査を行い陰性者だけ動けば拡大は抑えられるハズです、ただ無症状陽性者が仕事がとか収入減で生活が出来なくなったりとかでコソッと動き回る可能性もあるのかと思います」
「例えその瞬間の結果だったとしても、検知率が7割だったとしても、その人流を抑制することの効果は大きい」
(以下、略)


PCR検査の実施数を増やしたところで何も問題は解決せず、リソースを無駄にするだけという説明は昨年来、繰り返されてきました。それでもPCR検査を全国民対象に実施すべきだとか、韓国を見習うべきだとの主張が途切れることなく提起されるのであり、PCR検査が問題を解決するかの如く信じ込んでいる人がいることを伺わせます
PCR検査を受け、自分は感染していない知って安心したい人たちも世の中には一定数存在するのでしょう
ただ、PCR検査を受けてもその翌日、あるいは翌々日には感染するかもしれないのであり、全国民に実施するなど馬鹿げた提案です
上記のJ-CASTニュースの省略した部分に説明が書かれているのですが、小沢一郎は絶対に読まないのでしょう。自分の提案こそが唯一の解決策だと信じ、異論は受け付けようとしないのですから。感染症の専門家が噛んで含めるよう説明しても、耳を貸さないでしょう
こんな老害政治家こそ、迷惑な存在です。小沢一郎が日本の首相にならなくて、本当によかったと思います

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児童相談所非常勤職員21歳 わいせつ行為で逮捕

取り上げるタイミングを逃してしまった昨年12月1日の報道で、群馬県の児童相談所に勤務する非常勤職員の大学生が、保護した少女と淫行を重ねた容疑で逮捕されています(県青少年健全育成条例違反)
一時保護した少年・少女を見守るための当直勤務を補助する職務(夜勤)に就いており、当直の際に少女と知り合ったのだとか
そもそも21歳の大学生を採用した理由が理解できません。こうなると予想していなかったとすれば、人事担当者はよほどのボンクラでしょう
性犯罪者を招き入れてしまったのですから
逮捕された佐藤匡容疑者は東京福祉大学の学生だった、という情報があります(未確認)
東京福祉大学といえばアジアから留学生を大量に受け入れ、その後は所在不明になっているという、不法就労の窓口になっていた大学です
群馬県伊勢崎市にキャンパスがありますので、佐藤容疑者が学生として所属していた可能性は十分に考えられます


一時保護先の児童相談所で知り合った少女にみだらな行為をしたとして、群馬県警子供・女性安全対策課と桐生署は30日、県青少年健全育成条例違反の疑いで、伊勢崎市山王町、東部児童相談所の県会計年度任用職員(非常勤)(21)を逮捕した。
逮捕容疑は8月11日午前2時ごろ、同市の自宅で、東毛地域在住の少女=当時(16)=が18歳未満と知りながら、みだらな行為をした疑い。
県警によると、「性的欲求を満たすため」と供述し、容疑を認めている。県警は8月下旬、児相から「少女の家出に佐藤容疑者が関与している」という情報を受け、捜査を進めていた。
(上毛新聞の記事から引用)


相手方となった少女にすれば「大学生の彼氏」だったのかもしれませんが、佐藤容疑者の方は「性欲を満たすための相手」でしかなかったわけであり、男性と女性とでは思惑の違いが顕著です
少女の方は金目あてでセックスをしていたのではないのでしょうから、多少なりとも佐藤容疑者に好意を抱いていたと考えられます。他方で佐藤容疑者の方は、児童相談所に送られてくる女の子なら簡単に口説き落とせて、セックスできると考えこの職に就いたのでは?
採用面接時、佐藤容疑者の志望動機など聞き取りはしたのでしょうが、性犯罪者が下心を抱いて求人に応募してくると予想しなかったのなら、人事担当者は責任は重大です
人事担当者のみならず、採用の決定には児童相談所の役職者が関わっていたはずですから、群馬県の児童相談所は危機管理もできない人間の集まりだったと解釈できます
当ブログで何度も触れているように、児童相談所や児童自立支援施設、養護施設といった場所に勤務する職員が、児童に性犯罪を繰り返している実態は昔からあるわけで、より厳正な職員の管理・指導が必要とされます
追記:群馬県は昨年12月28日付けで、佐藤匡容疑者を懲戒免職処分にしたと発表しています。併せて管理監督責任を問い同所長ら上司3人を訓告処分としています。

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「ミスター慶応」渡辺陽太 6度目逮捕も不起訴

インターネットカフェで女性に暴行を加えた容疑で逮捕された、「ミスター慶応」こと渡辺陽太容疑者ですが、今回も不起訴処分でした
親が多額の示談金を支払って被害届を取下げさせているのでしょう
バカな息子ほどかわいいと言われますが、素行が改善されるわけでもなく、被害者を増やすだけです。本人に素行を改める気がない以上、どうしようもないのでは?


ミスター慶応、レイプに窃盗“6度目”の逮捕も実弟が語る「豪華待遇」な地方生活
「兄とは(初めに逮捕された)2年前から会っていません」
昨年11月に6度目の逮捕をされたAの弟は、疲れた様子で話し始めた─。
慶応大学在学中の2016年に『ミスター慶応』へ出場した過去もあるAだが、たび重なるレイプ・窃盗などの容疑で逮捕され続けていた。
「'18年には酒に酔わせた女性にわいせつ行為をしたうえ財布を盗んだ容疑で、慶応大学の悪友であるB(当時22)とともに逮捕されていました」(全国紙社会部記者)
事件は不起訴となったが、その後も懲りていなかった。
「2人は'19年3月にも、さいたま市で出会った女性を凌辱した容疑で、'20年11月20日に逮捕されました。しかし、12月11日に、さいたま地検から不起訴処分が言い渡されています。理由は明らかにされていません」(同)
これによりAは少なくとも6回、Bは2回目の逮捕となったが、1度も起訴されることなく釈放されている。
なぜ、これだけ悪行を重ねても不起訴となるのか?
「Aの実家は千葉県で土木業などのグループ会社を経営しており、総資産100億円とも。莫大な示談金を被害者に支払っているのではないかと考えられています」(同・記者)
2人の近況は週刊女性でも報じていた。
「Aは無職で、事件前まで父親の経営する会社の社員寮で暮らしていました。Bは都内で住み込みの販売業をしていたみたいです。Bの母親は取材に対し“息子はレイプはしていないと言っている。示談金狙いで近づいてくる女性がいる”と話していました」(取材した週刊女性記者)
一部報道では、Aが11月の逮捕前まで夜な夜なクラブで遊び歩いていたとも。
12月中旬、釈放後の様子を知るために千葉県にある実家を訪ねると、冒頭の弟が対応してくれた。
「ほかの家族はたまに会っているかもしれません。しかし、マスコミの取材が押しかけるのを恐れて、自宅や会社周辺には近寄れないようです」
週刊女性による専門家への取材では、レイプを繰り返さないためには「カウンセリングなどの治療が必要」と指摘されていたが、近況はというと、
「最近(釈放後)は、富山県にいる臨床心理士の知り合いのもとで、2泊3日ほど滞在していたようですね。全国あちこち回っているみたいです」
と、療養生活をしていることを教えてくれた。3食つきの“豪華”待遇だという。
(週刊女性の記事か引用)


本人に行動や価値観を改めようという強い動機がなければ、カウンセリングなど受けても無駄です
療養生活とは名ばかりで、遊び歩いているのが実態ではないか、という気がします
カウンセリングといっても1日に1時間程度拘束されるだけなので、後は自由時間でしょう
被害者に被害届を取下げさせた上に、事件については口外しないよう求めているのですから、300万円かそれ以上の示談金を支払っているのかもしれません
何を思って生きているのか、と思うばかりです。親の顔に泥を塗り、多額の示談金を負担させ、何やらしているつもりになっているのか?
週刊誌の記者にはぜひとも本人をつかまえて、直撃インタビューでもしてもらいたいものです
こんな生き方をしていたら、そのうち繁華街で誰かに刺されるのではないでしょうか?

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映画「えんとつ町のプペル」 高評価と批判

キングコング西野亮廣が絵本作家としても活躍し、「えんとつ町のプペル」を劇場版アニメーション化するとの報道に接したのはいつだったか?
はっきり言って自分の関心外であるため、特段注意も払っていませんでした
「現代ビジネス」のサイトに、「話題の映画『えんとつ町のプペル』に抱いた『強烈な違和感』」と題する記事がありましたので、取り上げることにしました
昨年末に全国308スクリーンで公開された「プペル」は公開2週目には興行収入成績第3位につけており、好調です。コロナ禍の影響でライバルが不在とも言えますが、予想外の健闘でしょう
その健闘ぶりとは裏腹に、「現代ビジネス」掲載の批評は随分と辛口です


話題の映画『えんとつ町のプペル』に抱いた「強烈な違和感」
(前略)
絵本から映画になるにあたって加筆修正が加えられているが、これが問題含みなのだ。
絵本から何が変わっていて、どこがまずいのか?
絵本のストーリーは、町中に無数に立つえんとつの煙でいつも薄暗くて星も見えない孤島の町にハロウィンの日にゴミ捨て場に落下してきた塊が周りのゴミを吸い付けてゴミ人間のプペルをつくる。ゴミの化け物で悪臭を放つプペルを町の人びとは嫌悪するが、町の外の世界や父が話していた星空の存在を信じている変わり者の少年ルビッチだけは理解を示し、ふたりは飛空船を使って分厚い雲の上まで飛んで星の輝きを目の当たりにする――というものだ。
映画ではプペルとルビッチだけが星空を見るのではなく、彼らが空に登ったあとで大量の火薬を爆発させることで雲を消し飛ばして町の人びと皆に星空を目撃させ、「星なんてない」という迷信の誤りを知らしめる、というのが最大の変更点になっている。
これの何がまずいのか?
映画版では、えんとつ町がなぜ煙の町になったのかという背景が明かされる。
えんとつ町は特殊な経済原理を導入したコミュニティであり、外界から発見され、交流を持ってしまうと、外側から迫害されたり、制度を変えさせられてしまうかもしれないがゆえに、あえて閉じていたのだ、と。
ルビッチはこの話を聞いてなお、町の外側の存在を住民に知らしめることを一切ためらわない。
また、星空を見たえんとつ町の為政者たちは「煙を止めろ」とあっさりルビッチの行動を認める。
これには驚いた。
よそから見つからないように、また、住民が外に出て町の存在を吹聴しないように煙幕を張り、迷信が流布されていたはずなのに、町全体を危険にさらす行為をすることに主人公はなんの躊躇もなく、体制を護持してきた側はなんのお咎めもしないのである。
だったらはじめからオープンにすればいいではないか。
設定が破綻している上に、絵本版が持っていたメッセージを、より尖った、危険な方向に拡張している。
西野はこの作品を自分をモデルにしたものだとくりかえし語り、「夢を持つと笑われる社会を変えたい」「やってみないとわからないことを否定するな」とことあるごとに語っている。
(以下、略)


「夢を持つことは大切」とか、「夢を諦めてはいけない」などという、アレなメッセージを発信する作品なのでしょうが、その脚本の弱さ、破綻を上記の記事は指摘しています
ただし、これまで幾度も指摘したように大御所である宮崎駿の劇場版アニメーションでも脚本が破綻しているのは珍しくはないのであり、西野亮廣をことさら責める気にはなれません
シネマカフェでは「プペル」を激賞する記事を掲載しています


絵本の世界がさらに進化! 未来へと踏み出す勇気とパワー溢れる物語に「前向きな気持ちになった」
鑑賞した約8割が「号泣した」「何回も泣いた」「ウルっときた」と答えたことに加えて、夢を諦めないキャラクターの姿に「前向きな気持ちになった」「何かに挑戦したくなった」といったポジティブな声も多数。泣けると同時に、観客の背中をそっと押してくれるメッセージ性に、世代を超えた共感が寄せられた。
「原作も感動しますが、こちらの映画もとても見がいあります。家族にもおすすめしたい作品です」と原作ファンからも高評価。「内容は知らず見ましたが、今だからこそもらえる勇気のメッセージがこの映画から伝わってきました」「マスクがぐちゃぐちゃになるくらい泣きました。信じることの大切さ、諦めない心を教えてくれる素敵な作品だと思います」といった感動のコメントをはじめ、「窪田正孝さんの声優がめちゃくちゃ良かったです。もっと声優業やって欲しいなと思いました」という声優陣を高く評価する声もあった。


感動された観客の皆さんに、作品を観てもいない自分が冷水をぶっかけるような真似をするのは恐縮ですが、思考停止せずにきちんと話の筋を追い、どこまで理解可能か吟味する必要があります
そうしないと、毒にも薬にもならないディズニー作品に無条件で感動する、などという飼い慣らされた状況に陥ってしまいます
宮崎駿の作品でも駄目なものは駄目であり、それを駄目だと指摘できるだけの鑑賞眼を持つべきだろう、と自分は思います
絵本のアニメ化だから、メルヘンだから、「多少の矛盾や破綻に目くじらを立てるべきではない」との意見もあるのでしょうが、賛同できません
こども向けであるならなおさらことの良し悪しには敏感であるべきで、一方的な価値観の押し付けは避ける必要があるのでは?
しかし、「現代ビジネス」の記事は「映画『えんとつ町のプペル』には対話もなければ葛藤もない」と指摘しており、「ルビッチたちは自らの内面の弱さや危うさと真剣に向き合うこともなければ、敵側の主張や行動とわたりあうことで何かを学ぶこともない」のであり、学ばない以上ルビッチには成長もありません。こうしたこども向けアニメーションの多くは、主人公たちが葛藤や対立を乗り越え成長する姿を描くことで感動を呼び起こすのです
作者西野亮廣には根強いアンチが存在しているわけですが、結局のところアンチによる数々の批判はスルーして、自身を支持するファンとの交流に依存しているその姿勢が、独善的な物語を作ってしまう結果に結びついているのではないか、という気もします。だからといって、アンチと対話しろとか、交流しろとか主張する気はないのですが
やはり身近なところに作品を辛辣に批評してくれる人物がいないと、脚本の破綻にも気づかず、気づいても「これはこれでよいのだ」と誤魔化してしまう危険があるのかもしれません。宮崎駿の場合も、ジブリの中に宮崎駿に諫言できる人物がほとんどいなかったという状況が災いしたのではないか、と推測します

『映画 えんとつ町のプペル』冒頭180秒大公開


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岡山少女殺害事件を考える 自供の真偽でモメる

当ブログでは事件の顛末まで(判決まで)をできるだけ取り上げたいと思い、年末には取り上げそこねた裁判の判決はないかとチェックしていますが、完璧にとはいきません
あるいは日頃から気にかけているものの、裁判の情報が報道されない事件というのもあります
2004年に岡山県津山市で当時、小学3年生の女子児童が殺害された事件もその1つです
別の少女への暴行事件で服役していた勝田州彦受刑者が犯行を打ち明ける供述をして警察の取り調べを受け、精神鑑定も行われて2018年には起訴されています。が公判前の争点整理が続いている状態で、いまだに公判が開かれる目処はつかないまま年を越してしまいました
2020年1月には、以下のような報道がありました


2004年9月3日に津山市で発生した小学校3年生の女児が殺害された事件で、別の事件で服役中だった勝田州彦被告(41)が2018年に犯行を自供していた件で供述について心理学の専門家に鑑定を依頼する事になりました。
この件では勝田州彦被告が犯行を供述した為に14年ぶりに事件が解決かというところで、供述は嘘だったと覆してしまいました。
勝田州彦被告はこの事件に関して弁護士から(有罪となった場合)死刑の可能性を伝えられた為、自分から認めてしまえば情状酌量で死刑は回避できると考えてした自供だと主張しました。
証拠が多くない状況なので、検察は供述した際の映像を証拠として提出しました。
対する弁護側は心理学の専門家に映像の鑑定をしてもらい、その供述の真贋を見極めようと依頼を決めました。
(NHKの記事から引用)


最近では自白を強要しているのではないか、との疑いに応じるため。取り調べの様子を録画するようになっています。この事件でも勝田被告の供述は強要されたのではなく任意である、と証明するため、録画された映像を証拠に使うのでしょう
ただし、録画は取り調べの雰囲気、威圧や強要がなかったという証明にはなっても、その供述内容が嘘か真かまでは分かりません。そこで専門家の鑑定の出番というわけです
淑徳大学の大橋靖史教授(「被尋問者による応答が法廷証言において果たす役割 : 借用された言葉が及ぼす効果」とか「供述の信用性評価における言語分析的アプローチの展開」等の論文あり)が鑑定を担当するのかもしれません
記憶にあるところでは今市女児殺害事件で勝又被告の自供が任意か強要されたものか、が問題になった際、取り調べの録画が証拠になったはずです。今回はどうなるのか、公判の場で明かされるのでしょう
さて、犯行について一つ、思うところを述べておきます
被害者には着衣の乱れはなく、わいせつ行為が目的であったとは考えにくい犯行でした。勝田被告は女児が苦しむ様を眺めて性的な興奮を味わうという変質者ですから、被害者の体をもてあそぶ必要はなかったと考えられます。女児がいきなり刃物で刺され、驚き、苦しみ、のたうつ姿を目にできれば、それで犯行の目的は達成されるのですから
よって、本件は勝田被告の性的嗜好が如実に反映された犯行だったと言えるのではないでしょうか?

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島根女子大生遺棄事件を考える47 犯人扱いで大学中退者も
広島女児殺害事件を高裁に差し戻し 最高裁判決
今市女児殺害事件 勝又被告に無期懲役判決
今市女児殺害事件 犯行を示唆する手紙
今市女児殺害事件 無罪を主張
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今市女児殺害事件 犯行の状況
今市女児殺害事件 逮捕まで8年半
ヒステリックブルーのナオキ 強制わいせつでまた逮捕
ヒステリックブルーのナオキ 再犯に至る事情

福井介護殺人 懲役18年の判決

高齢者が高齢者を介護せざるを得ないという、老老介護がもたらした殺人事件を裁く福井地方裁判所の判断は、懲役18年の実刑(求刑は懲役20年)でした
この判決が最終的な結論ではありません。控訴して争うなら、高等裁判所が心神耗弱を認めて減刑もありえます。それでも懲役13年くらいの実刑でしょうが


介護の末に義父母と夫の3人を殺害したとして、殺人罪に問われた福井県敦賀市道口、会社員岸本政子被告(72)の裁判員裁判の判決が5日、福井地裁であった。河村宜信裁判長は「介護疲れを契機とし、多分に同情の余地がある」としつつ、結果の重大性を踏まえ懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。
判決によると、岸本被告は2019年11月17日午前0~2時半ごろ、自宅で義母の志のぶさん(当時95)、義父の芳雄さん(同93)、夫の太喜雄さん(同70)の首をいずれもタオルで絞め、窒息死させた。
裁判では、完全責任能力を主張する検察に対し、弁護側は「心神耗弱状態」と主張。被告の責任能力の程度がおもな争点だった。
判決は、被告が16年から義父母の介護と、脳梗塞(こうそく)の診断を受けた夫の世話を1人で担う負担から適応障害を発症したと認定したが、犯行前後の行動の合理性などから「適応障害の影響は限定的」として弁護側の主張を退けた。
そのうえで「献身的な介護を続け、対処能力を超え、追い込まれた」「これまでの被害者3人の殺人の事案と比較し、明らかに軽い量刑が相当」と言及しつつも「結果の重さなどから刑事責任は非常に重い」などと理由を述べた。
(朝日新聞の記事から引用)


前回も述べたようにケアマネジャーがどの程度介入し、関与していたのかが気になります
岸本政子被告が反対したとしても、義父母を施設に預けるよう説得できなかったのか?
殺害してからああでもない、こうでもないと論じたところで仕方のないところではありますが
地元紙である福井新聞の記事を読むと、親族が義父母のショートステイ利用を提案しても岸本被告が反対した、という経緯があったようです
なぜ、そうまで反対したのかは不明です。最後まで自分1人で介護することに固執したがゆえこの結果を招いたのですから、そこは明らかにしてもらいたかったのですが、裁判上は争点にならず法廷で問われる機会はなかったのでしょう
過去にも介護殺人の例はいくつかあるのですが、介護の状況や家族構成などまちまちですので、そこを無視して一概に論じるのは益のあるやり方ではないと思い止めておきます

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大友克洋「AKIRA」が名作であり続ける理由

劇場版アニメーション作品「AKIRA」が世界のアニメファンや映画ファンに大きな衝撃を与えた、というのは常套句のように用いられるわけですが、ではいったい何が衝撃だったのでしょうか?
いまさら、という話題ですが、そこに着目してみましょう
クーリエ・ジャポンの記事に、ワシントン・ポスト紙から転載された「大友克洋『AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由」というのがあります。前段だけ無料で、肝心な部分は有料扱いになっています。折角ですので会員登録をして有料扱いの分も読んでみました
引用は前段部分だけにとどめておきます

大友克洋『AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由
日本アニメ世界への「入り口」
通りで抗議の声を上げ、来るべき暴力的な攻撃に備え、政府の行き過ぎに対して市民がどう立ち向かうべきかを議論する光景。ここに、30年前の日本のアニメ映画が、今日の米国が抱える問題に今も共鳴し続ける理由がある──。
『アイアンマン』や『スパイダーマン』で知られるスーパーヒーロー映画群、「マーベル・シネマティック・ユニバース」は、日陰にあったポップ・カルチャーの価値をメインストリームへと引きあげた。しかしそのずっと前から、大友克洋の『AKIRA』は、西洋人を日本のアニメーションの世界へ引き込む、導入剤の役割を果たしていた。
1988年7月15日に日本で公開されたこの衝撃的なサイバーパンクアニメは、漫画が文化の垣根を超え、広く社会問題を扱い得るということを、世の中に知らしめた。
その複雑で未来的な都市景観の描写と、テレパシー能力を扱った刺激的な物語は、次世代のアートに影響を与え、カニエ・ウエストのミュージックビデオや、ネットフリックスのSFホラードラマ『ストレンジャー・シングス』といった作品を生み出していった。
(中略:「AKIRA」の粗筋紹介)
30年経っても衰えない影響力
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』では、イレブンという少女が鉄雄と同様に、政府の施設から逃げ出し、超能力を持っていることを悟る。製作者のザ・ダファー・ブラザーズは2016年、『AKIRA』の影響が「とてつもなく大きなものであった」ことを、ネットフリックスのインタビューで語っている。
『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』の監督、ライアン・ジョンソンは、自身のSF映画『ルーパー』の着想源として『AKIRA』を参考にしたという。この映画では、ある少年が、自分を暗殺しようとする相手を念力だけで殺害できる能力を持つ。
ラッパーのカニエ・ウエストは、『AKIRA』を好きな映画の1つであると公言し、ヒット曲『ストロンガー』のミュージックビデオで、映画の鍵となる場面を組み合わせリメイク映像を制作している。さらに、人気のストリートウェアブランド、シュプリームは2017年秋、『AKIRA』の他、大友の作品とコラボしたコレクションを発表した。
(以下、略)


「AKIRA」が音楽、アニメーション、実写映画などに影響を与えたと紹介されています
では、それはなぜなのでしょうか?
有料扱いの部分でも、残念ながら明確な指摘はありません
書かれているのは、そのスケール感、色彩や細密な描画を駆使した独特のリアリズム、そして音楽といった羅列です
注目すべきは、従来の日本アニメーションにありがちな瞳の極端に大きな少年少女、という描写を用いておらず、日本のアニメーションの伝統的な表現方法とは別物、と指摘しているところです
が、これだけでは、「AKIRA」のどこが衝撃的だったのか、十分に解明されているとは言い難いのであり、「AKIRAは飛び切りクールだったぜ。初めて観たときはぶっとんだよ、HAHAHA」と書くのと同じでしょう
唯一、日本のアニメーションを研究しているウィリアムズ大学教授のクリストファー・ボルトンが「さまざまな音楽、クラシックから民族音楽にプログレッシブロックまで混在させた世界観」と語っていますので、和洋折衷の混沌とした作品世界に度肝を抜かれたとも解釈できます
映画「ブレードランナー」(1982年)には歌舞伎町をモデルにした猥雑な街が登場しており、大友克洋もそれを真似てネオ東京を描いているのですから、「AKIRA」が初というわけではないものの、観客を刺激したのは確かなのでしょう
さて、上記のワシントン・ポスト紙の記事は後段、日本のアニメーションをアメリカで実写化する問題について言及していますので、要約します
先に「GHOST IN THE SHELL」の実写化で、スカーレット・ヨハンソンが主人公草薙素子を演じ、轟々たる批判を浴びました。ハリウッドの人間は「原作アニメーションを知らないアメリカの観客に作品を観てもらうためには必要な措置(著名なハリウッド女優を主役に配置する)だった」と釈明しているのですが、こうしたハリウッド流のやり方こそ批判されていると理解できないようです
「AKIRA」の実写映画が近く公開されるとの噂があります。おそらく、ハリウッド流に改変された珍妙な映画になるのでしょう。期待はしません
ぐだぐだになってしまいましたが、「大友克洋『AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由」がこれで明らかになったとは思えませんので、後日また取り上げようと思います

アキラ AKIRA(1988) 劇場予告編


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高校生がパチンコ店強盗 300万円奪う

大分県中津市で高校生ら未成年者のグループ6人組が、営業を終えたパチンコ店へ押し入り金庫から売上金を奪って逃走する事件がありました
犯人グループは緊急手配による別府市内で逮捕されています
それにしても6人で刃物を持ち、押し込み強盗をやるという大胆さ、無鉄砲さには驚かされます


中津市東浜のパチンコ店に目出し帽をかぶったグループが押し入り、金庫の現金を奪って逃げた事件で、県警は3日深夜、強盗などの疑いで、高校生2人を含む市内の少年6人を逮捕した。捜査関係者によると、従業員を刃物で脅して縛り、売上金約300万円を持ってレンタカーで逃走。数時間後に別府市内で職務質問を受けた。いずれも容疑を認め、「遊ぶ金が欲しかった」などと供述しているという。
逮捕されたのは▼土木作業員(18)▼無職(18)▼高校生2人=いずれも(18)▼会社員2人=(17)と(18)。友人グループとみられている。
逮捕容疑は共謀し、同日午前0時50分ごろ、「マルハン中津店」で従業員に刃物のような物を突き付けて事務室に侵入し、金庫の現金や従業員2人の財布などを奪った疑い。
捜査関係者によると、店は2日の営業を終えた後だった。少年グループは帰宅するため駐車場にいた男性従業員を脅し、事務室に案内させたという。
中にいた男性従業員(30)と女性従業員(35)にも凶器を示し、それぞれの財布を奪った。さらに「金を出せ」などと言い、金庫を開けさせたとみている。
6人は見張り、現金の運搬、運転手などの役割を分担していたらしい。従業員は手などを縛られ、1人が拘束を解いて3日午前1時すぎに中津署へ通報した。
防犯カメラ映像などから現場周辺で不審な動きをしていた車が浮上し、県警は行方を追った。3日未明、別府市内の温泉施設の駐車場で、少年らの乗った車を別府署員が見つけた。車内には多額の現金があり、任意で事情を聴いていた。計画的に事件に及んだとみて詳しい経緯を調べている。
(大分合同新聞の記事から引用)


年末には郵便局やコンビニエンスストアを狙った強盗事件があちらこちらで発生するのですが、昨年末は目立つほどの発生件数はなかったように思います
パチンコ店でも防犯対策は講じているのでしょうし、強盗に入られた際の対応も訓練しているはずです。強盗の侵入を許さないのが第一ですが、押し入られたなら抵抗せず、金を渡すという対応もありです
昨今では外国人の強盗のように人を殺傷することをためらわない連中もいるわけで、従業員が自らの命を大切にするのは当然です(一部、インターネット上の書き込みには、高校生の強盗くらい撃退しろと主張している人もいますが)
さて、事件の方へ話を戻します
6人は中学生以来の遊び仲間だったと思われますが、誰も犯行を思いとどまるよう主張する人間はいなかったのでしょうか?
正月の営業で店の金庫に金が集まっていると推測した上の犯行ですし、レンタカーを事前に借りて足に使っており、十分に計画的な犯行です
強盗の罪は重いのですが、この6人は知らずに犯行へ走ったのでしょう。今後の裁判で自分たちの罪がどれだけ重いかを知ることになるでしょう
6人は警察から検察庁に送検され、そこから家庭裁判所へ身柄付きで送られます。検察庁での調べが終わったから家へ帰れる、などということにはなりません
家庭裁判所は6人の観護措置を決定し、少年鑑別所に収容されます。観護措置は更新期間も含めて最長4週間で、その間に家庭裁判所で少年審判があります。通常なら少年院送致決定となるところですが、強盗事件なので家庭裁判所は検察庁に逆送し、刑事処分が相当と判断するでしょう。検察庁はあらためて大分地裁に起訴し、刑事裁判で刑罰を決めることになります。強盗事件なので執行猶予付きの判決ではなく、実刑で懲役3年以上5年以下の不定期刑が科されるのではないか、と予想します
つまりそれだけ強盗犯は重く罰せられるのです
中学や高校の授業でも、強盗や強姦など重罪を犯せば少年といえども刑務所行きになるのだとしっかり教える必要があります

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児童養護施設職員が男児に強制性交で懲役8年

昨年12月の、群馬県の児童相談所に勤務していた非常勤職員(21歳)がわいせつ事件で逮捕された報道を取り上げる予定でしたが、類似した事件で2019年7月、北九州の児童養護施設に勤務する秋田将嗣が、施設の男子小学生や中学生に強制性交を繰り返していたとして逮捕された件の顛末を取り上げていませんでしたので、そちらを先に書きます
逮捕時43歳の秋田将嗣ですが、途中採用組で児童養護施設には約7年ほど勤務していたのだとか。それ以前の職歴は不明です
養護施設では過去に、児童への過剰な接触が問題であるとされ訓戒などの処分を科していましたが、改善はされないままだったようです
再逮捕を報じる記事と、2019年12月の判決を報じる記事をはっておきます


北九州市の児童養護施設の元職員が、入所する児童や生徒にわいせつな行為をしたとして逮捕された事件で、元職員の自宅からビデオカメラが押収され、別の中学生にもわいせつな行為をした上、撮影していたことが分かりました。
警察は元職員を再逮捕して実態を捜査しています。
再逮捕されたのは、北九州市にある児童養護施設の元児童指導員、秋田将嗣容疑者(43)です。
警察によりますと、秋田容疑者は、去年9月、当時、施設に入所していた男子中学生に対し、施設内の部屋でわいせつな行為をした上、ビデオカメラで撮影したとして、児童福祉法違反などの疑いが持たれています。
警察はこれまでに、同じ施設に入所する男子児童や男子生徒に性的暴行やわいせつな行為をしたとして、秋田容疑者を2度、逮捕し、ほかにも被害を受けた子どもがいないか捜査していました。
その結果、自宅を捜索した際にビデオカメラが見つかり、わいせつな行為を撮影していたことが分かったということです。
調べに対し、秋田容疑者は容疑を認めているということで、警察は、入所する児童や生徒にわいせつな行為などを繰り返していたとみて実態を捜査しています。
(NHKの記事から引用)


北九州市の児童養護施設に入所する子どもにわいせつな行為をしたとして児童福祉法違反(児童に淫行させる行為)や強制性交等などの罪に問われた施設の元職員秋田将嗣被告(44)に対し、福岡地裁小倉支部は3日、懲役8年(求刑懲役9年)の実刑判決を言い渡した。
鈴嶋晋一裁判長は、被告が児童を指導・監督する立場にあり、被害児童らに慕われていた面があったにもかかわらず、それらを悪用したと指摘。「社会に与えた不安も無視できない」とした。
判決によると、秋田被告は2016年1月ごろから今年3月にかけて、施設の宿直室や自宅などで、施設に入所する男子小中学生4人にわいせつな行為をし、うち1人についてはその様子をビデオカメラで撮影した。判決は、被告が以前から同様の行為を繰り返しており、常習性は明らかとも指摘した。
(朝日新聞の記事から引用)


秋田将嗣受刑者は未成熟な少年に対して異常な性欲を抱く、いわゆるショタホモだったわけで、そのような人物を養護施設が職員として採用したのが痛恨の極みでしょう。性犯罪者を施設の中に招き入れてしまったのですから
あれこれ検索してはみたものの、情報が乏しく秋田受刑者に前科があったのかどうかも分かりません。この年令に至っていきなり性犯罪というのは考え辛いのであり、少年に対するわいせつ事件の前科があったのではないか(あるいは逮捕されていないだけで)と推測します
逮捕時は「(男子中学生を)ホテルには連れて行ったが、わいせつ行為はしていない」と容疑を否認していた秋田受刑者ですが、自宅をガサ入れしたらわいせつ行為を撮影した動画が発見されています。自分が捕まるという危機意識もなく、動画はいわば戦利品であり、廃棄するという考えもなかったのでしょう
性犯罪を繰り返しながらも、罪の意識や良心の呵責といったものはなかったのでは?

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福井介護殺人 3人殺害で懲役20年か

世の中には高齢者が高齢者を介護するという、なんとも言い難い現実があります
その結果、介護者が被介護者を殺害する事件や、介護疲れから心中を図る事件、介護を放棄して死亡させる事件など、さまざまな弊害が生じています
福井県敦賀市で起きた事件は、72歳の女性1人で義父母など3人の介護を担っていたものの疲弊し、精神的にも困憊して義父母ら3人を殺害するという痛ましいものです
自分も昨年来、実家で母親の介護にあたっていますので、肉体的・精神的な疲労というのは身につまされるものがあります


福井県敦賀市内の自宅で夫と義父母の3人を殺害したとして、殺人罪に問われた岸本政子被告(72)の裁判員裁判の判決が5日、地裁で言い渡される。検察側は、被告が義父母の介護負担で適応障害を発症していた点を考慮し、懲役20年を求刑。弁護側は心神耗弱状態だったとして執行猶予を付けるよう求めている。専門家は、求刑を「3人の殺害としては異例の軽さ」とみており、介護の負担が判決にどう影響するかが注目される。
「24時間介護をしてきた。消えたいと思った」。岸本被告は12月18日の被告人質問で、介護の日々を振り返り、声を詰まらせた。
検察、弁護側双方の冒頭陳述などによると、義母の志のぶさん(当時95歳)は、歩くのにつえが必要で「要介護1」、義父の芳雄さん(同93歳)は脳梗塞こうそくで左半身にまひが残り「要支援2」。夫の太喜雄さん(同70歳)も脳梗塞などで足が不自由だった。
被告は2016年頃から介護や家事を担った。午前4時頃には朝食の準備や洗濯を始め、義父母の食事や入浴の介助を行い、夫が役員を務める会社で経理もこなした。夜はいつでも介護できるように、義父母のそばのソファで寝た。
負担が限界を超え始めたのは、19年5月頃。義母は腹痛、義父は皮膚のかゆみを頻繁に訴えるようになり、夜中に3~4回起きて介護。被告は自律神経失調症を発症した。当時の心境を「頭がおかしくなった」と述べた。
事件2日前には、周囲の勧めで義父母が1泊2日のショートステイを利用することが決まったが、「1日で変な頭は回復しないと思った」。娘が手伝いを申し出ても断り、「じいちゃんもばあちゃんも、みんな道連れにして死にたい」とこぼした。
事件直前に目が覚め、志のぶさんが「こんなに苦しいなら早くまいりたい」と言っていたのを思い出し、3人の首を次々とタオルで絞めて殺害したという。
検察官、弁護人双方から「誰かを頼れなかったか」と問われると、被告は「娘にも家庭があり、心苦しかった」と説明。施設を利用しなかったのは、「義父母は家が好きだったから」という。
起訴前の精神鑑定で被告を適応障害と診断し、高齢者介護にも詳しい医師は証人出廷し、「行政が介入すべきだった」と証言した。
検察側は完全な刑事責任能力があると主張したが、「経緯には同情の余地がある」として有期刑を求刑。弁護側は「懲役3年、執行猶予5年の判決が妥当だ」と訴えている。
元裁判官の川上拓一・早大名誉教授の話「3人を殺害すれば、求刑で死刑か無期懲役が検討される。検察側が被告の完全な刑事責任能力を主張しながら、有期刑を求刑するのは極めて異例だ。高齢化が進み、介護負担が社会問題化していることも考慮されたのではないか」
(読売新聞の記事から引用)


自分の体験からすると、母親が寝たきりの状態になった時点で介護などまったく見当もつかない状態であり、要介護認定の申請から始めました。同じ時期に父親も意識不明の状態で入院したのですが、そちらは全面的に病院に託しました
幸い、市役所の高齢者福祉支援窓口がさまざまな相談に応じてくれたので、ケアマネジャーを紹介してもらい、介護用品を借りたりできました。その後はケアマネジャーを介して、デイサービス施設を斡旋してもらい、さらに寝たきりで病院へ通院させるのが困難な状況でしたので、訪問診療を実施している医療機関を紹介していただき、助かりました
介護は自分だけでなく家族も関わってくれたので、負担はその分軽減されています。社会的なリソースをあれこれ活用できたのも、大きな利点でした
上記の事件の場合、ケアマネジャーがどこまで状況を把握していたのか、老人ホームへの入所を勧めなかったのか、気になるところです
1人で3人を介護するのは無理があり、義父母を施設に預け負担を減らす選択もあったはずです
「行政が介入スべき」と記事には書かれていますが、被介護者やケアマネジャーが動かないと行政も対処できません。岸本被告が介護保険を利用して、施設に委ねられるところは委ねる、との判断ができたのであれば、このような悲惨な結末は避けられたのではないかと思ってしまいます
判決がどうなろうと、岸本被告には3人を手に掛け命を奪ったという結果がこの先もついてまわるのであり、精神的な重荷になるはずです。どれだけ懸命に介護をしても、命を奪ったのでは無に帰してしまうわけで

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大友克洋「AKIRA」 国家ビジョンを考える

日本のアニメーション作品の記念碑的名作である大友克洋の「AKIRA」を取り上げます
いつものように叩き台というか、糸口となる論文を探したところ、藤森かよこ桃山学院大学教授のものが見つかりました
ただし、内容はアレです。桃山学院と韓国の大学の合同学術セミナーの場で発表されたものであり、日本をビジョンなき国家とこき下ろすために大友克洋の「AKIRA」を引き合いに使っています(もちろん、個人がいかなる思想・信条を抱こうともそれは個人の自由であり、目の敵にして攻撃するような真似をするつもりはありません)
アニメーション作品そのものを語ろという本来の趣旨からは外れますが、せっかくなので使わせていただきます
なお、論文からの引用は句点を省略したり、カンマから変更したり、英文の注釈を省略するなど手を加えていますが、原文は損ねていないつもりです

ヴィジョンなき国家のアニメー大友克洋作Akira

まえがき部分では日本を、21世紀になってもナショナル・アイデンティティを持てない国であると書いています。その認識には賛成できないのですが、見識の1つであるのは確かでしょう。ただ逆に政府が明確な国家ビジョンを掲げ、国民にそのビジョンへの参画を強要するのであれば、意見の対立、社会の分断やら同調圧力など問題になるわけです
なので、曖昧な国家ビジョンで誤魔化す、というのも1つの処世術であるのかもしれません
さて、論文の方に目を転じましょう。「AKIRA」の粗筋の紹介から本題へ入ります

AKIRAと1980年代の日本
2007年の視点から見ると、このアニメに横溢する祝祭的乱痴気騒ぎのムードは、1980年代の日本の高揚を反映しています。Japan as Number Oneとは, 日本研究者の Ezra Vogel が1979年に発表した本の題名ですが、そのような本が出版されるほど、70年代から80年代の日本の経済的台頭は著しいものでした。
第二次世界大戦敗北以来、初めて多くの日本人が、「アメリカなんて、 大したことはない」という気分にひたった時代でもありました。
2007年現在からアニメ Akira を見ると、鉄雄の「弱者」から「強者」への変容は、敗戦国から経済大国へという第二次大戦の日本の変容と重なって見えます。この印象は私だけのものではありません。日本文学研究者であり、かつ卓越した日本アニメ研究者でもある SusanJ. Napier は, Akira が、1980年代の日本の経済的成功状況を遂げた時期に製作されていることに注目しています。
「強くなって, 制約を受けずに行動し、かつて自分を苛めた人間や世間に、その力を誇示すること」という、鉄雄の変容のような題材は思春期の人間が持ちやすい欲望のひとつですから、この題材そのものは大衆娯楽作品には珍しくありません。私が問題にしたいのは、この鉄雄のありようが、第二次世界大戦の敗北から経済大国への台頭という日本の戦後史と重なるばかりでなく、明治以降の日本のありようとも重なって見えるということなのです。
はっきり言えば、Akira における鉄雄の変容は、日本の歴史のありようと重なって見えるということなのです。

スーザン・ネイピアは日本のアニメーション作品を論じている研究者です。「AKIRA」が日本経済の成功状況の時期に制作されたという判断は微妙なところです。そもそも原作漫画は1982年に雑誌連載が始まっているのですが、いわゆるバブル経済の時期というのは1988年から
1992年頃とされています。なので、「AKIRA」はバブル経済の繁栄と退廃を先取りしていたと解釈されるのではないでしょうか?
土地の異常な値上がりにより、日本列島の地価でアメリカ全土を買えてしまうなどという馬鹿げた事態が起こり、根拠のない自信がみなぎっていた時代であるのは確かです。大学出の新入社員がアルマーニのスーツで初出社する、なんてエピソードもありました
ただ、「AKIRA」における鉄雄の変容が日本の歴史のありようと重なっているのか、は疑問です
超能力の発現による鉄雄の意識や行動の変容は、いわゆる中二病をこじらせたようなもので、必ずしも日本の歴史とリンクしているとは思えないからです
論文はこの先、唐突に岸田秀による珍妙な歴史観の引用が始まります。岸田秀は精神分析の知見を社会批評に反映させたエッセイで知られた人物ですが、歴史学者ではありません(史的唯幻論、という学説を唱えてはいますが、自分には居酒屋政談の類と大差ないように感じられます)
歴史の解釈を巡ってあれこれ言い出すとますます本題から離れてしまいますので、これ以上は踏み込まずにおきます

ここで、個人を対象にした精神分析を、歴史や国家にもあてはめて歴史解読を試みる日本の心理学者の岸田秀の見解が参考になります。岸田は日本という国が、歴史を通じて、「国際化と非国際化 (言い換えれば鎖国) との葛藤に引き裂かれ、揺れ続けている」と指摘しました。「実際には文化的、政治的、経済的、軍事的に諸外国に依存していたり、または諸外国と深い関係があったりするにもかかわらず、諸外国との関係から幻想的に逃亡し、諸外国の影響を幻想的に否認して独立自尊の幻想に閉じこもろうとする傾向」が日本にはあると、岸田は言うのです。
自己の独自性や独立性に非現実的に固執することは、個人でも国家でも, よくありがちなことだと思われますが、外部との関係に対する日本が抱く不安というのは、日本に特徴的なものであるらしく、岸田と似た指摘を映画研究者の Marie Morimoto もしています。Morimoto は「日本の文化的自己表象における主要なテーマは、あらゆる不如意に抵抗し戦う孤独な国家の国民というものであり、その国民は、他の国の国民とは違って独特で、だからこそ孤独で、犠牲者になりやすいというものである」 と述べています
つまり、日本人は、日本は他のどの国とも違って特別だけれども、その独自性ゆえに孤独であり、諸外国とのつきあいでは被害者になりやすい可哀相な国だと思っていると、Morimoto は言うのです。

アニメーションでの一般論に戻すと、敵の組織(この場合は政府)があまりに強固で優秀すぎたならストーリーになりません。ある程度放埒で無能でないと困るのです。隙だらけとまでは言いませんが、つけ入れる部分があってこそストーリーが成立します
その点、日本は与野党の政治家ともビジョンが欠けており、官僚はそこそこ優秀でも、国家としては隙がありますので、扱いやすい素材といえます
さて、日本人は自分たち日本人を特別な存在だと思い込んでいるとの指摘ですが、これは他の民族にもいえるのであり際立った特徴とは言えません。中国人(漢民族)は自分たちを特別な存在であると思い込んでいるわけですし、韓国人もそうでしょう
なので、日本の何か顕著な傾向、特徴を言い当てたことにはならないのです
また、「AKIRA」が多くの国の人たちに視聴されたのですから、日本的な際立った特徴を海外の視聴者はそこに観たのではなく、自分たちの身近な社会に還元して解釈し、理解したととらえるべきではないでしょうか?

選択と構築
まとめに入りたいと思います。私は、本報告で、アニメ Akira に描かれた鉄雄の変容と自己制御不能の状況と、ネオ東京の空虚な繁栄と、その危なっかしさが、経済的成功を獲得しながらも、その成功をどう生かしてゆくかに関するヴィジョンを持たなかった1980年代の日本の状況と重なると言いました。
その日本のヴィジョン不在の原因は、日本の自己把握の失敗だと言いました。言い換えれば、それは日本に真の national identity がないからだと言いました。その原因は岸田秀をはじめとする他の研究者の説によって、推測されました。これらによって、明らかになったことは、以下のとおりです。
個人と同じく、国家もまた、自己が何ものであるかに関して確信が持てないと、自己の独自性や独立性に非現実的に固執しがちになり、他者との現実的対処に失敗すること。その問題に関しては、自分が意識していれば、何らかの対策のたてようもあるが、自分が意識していないのならば、その問題はずっと強迫的に反復されること。その例は、日本の起源に端を発した、国際化と非国際化 (鎖国) の間を揺れ動く日本の歴史であること。このような状況に陥る個人の人生は危険なものになりやすいですが、同じく、国家がそのような状況に陥ることによって生じる危険と悲惨さと「はた迷惑」は、日本の近代から現代にかけての戦争の歴史が実例であること、などです。

また歴史が登場します。「帝国主義の跋扈した時代にあって、日本がアジアで独立を維持するためには欧米列強と戦争するしかなかった」とまでは言いませんが、太平洋戦争を回避できたかどうか、というのは歴史における「if」を語るのと同じであり、益のない行為でしょう
幸運か偶然かはともかく、日本が太平洋戦争後、直接的な戦争を避けて今日に至っているのですから、これはこれで良しとするべきなのでは?
政府が強烈な国家ビジョンを提唱したり、国民に押し付けようとしなかったのも、それはそれで評価できるのではないでしょうか?
中国の習近平が「中華民族の偉大なる復興こそが、近代以降の中華民族の最も偉大な夢だ。この夢には、過去何代もの中国人の想いが込められている」などとビジョンを提起しているのですが、日本もそうするべきだとは思えません。あるいは韓国のように「日本に追いつき、追い越す」とのビジョンを振りかざし、特許権や商標を侵害しても日本を出し抜いて儲ければ勝ち、などという下卑たアイデンティティを抱くようにはなりたくありません
「AKIRA」から離れたことばかり書きました。ちなみに藤森かよこ氏は大学を退職し、エッセイストとして活躍しています。本人は超個人主義者であると語っており、政治的に右でも左でもありません

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連続少女暴行魔近藤善広 なおも余罪あり

女児を狙って性犯罪を繰り返し、なおかつその様子を撮影して児童ポルノを販売するという手口で逮捕された近藤善広容疑者についての続報です。現時点で判明している犯行は4件ですが、被害者は全部で10人以上になるとみられており、どこまで立件できるかが鍵になっています
被害者4人で立件するより、8人あるいは10人で立件した方が当然、重い刑罰を科すことはできるわけであり、近藤容疑者にはできるだけ長く服役してもらいたいものです


女児に性的暴行、撮影し販売 被害者は10人以上…許されざる男の卑劣な手口
小学生の女児に性的暴行をし、その様子を撮影したとして、神奈川県警少年捜査課は9月23日、強制性交と児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで33歳の男を逮捕した。だが、この事件はあくまで序章に過ぎなかった。同課は今月2日までに男を計4回逮捕。いずれも用意周到な方法で女児に接触していた。被害者は10人以上になるともみられており、最初の逮捕から3カ月を経ても、事件の全容はまだ見えてきていない。
(中略:立件された4件の犯行についての説明)
■「生活の足しに」
行為の多くは撮影され、「生活の足しにしたかった」という理由でインターネットで客を募り、複数人に販売までしていた。なかには数十万円単位のカネが被告の手に渡った映像もあったという。
4つの犯行はいずれも決して許されないものだが、とりわけ耳を疑ったのが「ケース3」だった。同課によると、シングルマザーの女性は、近藤被告から「以前、塾で働いていた」などと説明されてすっかり心を許し、お互いの家を行き来しながら、子供たちの世話を任せるようになる。
その結果、何が起きたか。近藤被告は女性が日中、働きに出ている間に女性宅で妹にわいせつ行為に及び、あるときは勉強を教える名目で、都内の自宅アパートに姉を呼び寄せて体を触ったうえ、その様子をカメラに収めていた。
■母親に付け入り…
「子供目当てで女性に近づいたのかという問いかけには、今のところ『違う』と説明している」(捜査関係者)という被告だが、果たして本当なのだろうか。同課に指摘を受けるまで、女性は娘2人が被害に遭っていることに全く気付いていなかったというから、被告を信じてしまった自責の念はいかばかりか。
一連の事件の捜査は、同課が別件で6月、被告の住む都内のアパートを家宅捜索したところ、おびただしい量の児童ポルノが発見されたことが端緒となった。被告は取り調べに、平成29年3月から今年3月まで、10人以上の女児にわいせつな行為をしたなどと供述。同課は、さらに余罪を追及するとともに、現在児童ポルノの購入者の立件も視野に捜査を進めている。
(産経新聞の記事から引用)


過去の連続少女暴行事件として記憶にあるのは、京都の聖神中央教会事件です。韓国人牧師金保が自らの地位を利用し、信者である少女7人に対する22件の性的暴行で起訴され、2006年に懲役20年の実刑判決を受けています。が、現在の刑罰の基準からすれば、懲役25年くらい科すべきところなのかもしれません
近藤容疑者の裁判はまだまだ先になりそうですが、検察には懲役25年程度の求刑はしてもらいたいものです

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「風の歌を聴け」 デレク・ハートフィールド讃

村上春樹の小説「風の歌を聴け」の中で特別異彩を放っているのは、デレク・ハートフィールドに対する熱烈な賛辞です。もちろん、デレク・ハートフィールドは村上による想像上の人物であり、実在しません。この実在しない作家を全面に出し、「僕は文章についての多くをデレク・ハートフィールドに学んだ」と表明するところから物語が始まる、何とも不思議な構成になっています。つまるところ、物語の冒頭から村上春樹の仕掛けに読者は嵌まり込むように書かれており、なおかつあとがきにまでデレク・ハートフィールドの墓を訪ねたエピソードが盛り込まれるという念の入れようです
そうやって読者を惑わし、誑かすところまでが物語、という意図で書かれているわけですが、ならばこのデレク・ハートフィールドとは物語の中において、あるいは物語の外においてどのような存在なのか、考えてみましょう
前回に続いて山口大学の平野芳信教授の論文から引用させていただきます

デレク・ハートフィールド考ー当てのない追究

論文と呼ぶよりは、デレク・ハートフィールドのモデルとなったであろう村上春樹の祖父、僧侶であった村上弁識の経歴を求める随筆と解釈した方が適切かもしれません
村上春樹自身は、「ぼくはヴォネガットも好きだし、R・E・ハワードも、ラヴクラフトも好きだし、そういう好きな作家を混ぜあわせてひとつにしたものですね」と語っていますが、それがすべてだと解釈するのは早計でしょう
さて、論文の方は副題が「当てのない追究」とあるように、ハートフィールドのモデルを村上春樹の祖父であると想定し、推理を展開します。確信的な根拠はないままに

(論文11ページ)
先述した「こうした彼の集中力は、父方の祖父ゆずりで、この祖父は、京都の寺の僧侶だった。その熱をおびた晴朗さは、いつまでも作家の心に刻まれている。」という一文に接して以来、筆者はある思いに取り憑かれている。それは当初、単なる思いつきに過ぎなかったが、次第にある種の確信に変化してしまった。しかし、それを証明するものは何もなかった。だからこそ、春樹の証言を頼りにして、なんとか祖父の名を知りたかったのだ。
結論からいっておこう。春樹のデビュー作『風の歌を聴け』において、彼はデレク・ハートフィールドなる架空のアメリカ人作家を捏造してが、そのモデルは祖父「弁識」氏だったのではないだろうか?

以下、筆者の推理が開陳されるのですが、そこは省略します。関心のある方は論文のPDFフィアルを読んでください
論文はそこから村上家の猫についてのエピソードへ至るのですが、ハートフィールドが猫好きと設定されているのは、村上春樹自身を反映しているのかもしれません
村上の父は国語の教師であり、日本の古典を読むよう春樹少年に義務付けたため、日本の文学作品が嫌いになり欧米作家の手による小説ばかり読むようになったと村上春樹は語っています
その体験からハートフィールドという人物が想定されたと一般的には考えられているわけです
しかし、論文で平野教授が祖父弁識氏こそがハートフィールドのモデル、という推理に至ったか、説明は書かれているものの自分としてはしっくり来ません
祖父弁識氏が文章を武器として闘うことができる数少ない非凡な人物、というわけでもなさそうです
別の人物の論考では、ハートフィールドこそ村上春樹が理想とし、モデルとしたい作家像である説が開陳されています

(「風の歌を聴け」より)
不幸なことにハートフィールド自身は全ての意味で不毛な作家であった。読めばわかる。文章は読み辛く、ストーリーは出鱈目で、テーマは稚拙だった。しかしそれにもかかわらず、彼は文章を武器として闘うことができる数少ない非凡な作家の一人であった。ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、そういった彼の同時代人の作家と伍しても、ハートフィールドのその戦闘的な姿勢は決して劣るものではないだろう、と僕は思う。ただ残念なことに彼ハートフィールドには最後まで自分の闘う相手の姿を明確に捉えることはできなかった。結局のところ、不毛であるということはそういったものなのだ。

村上春樹が「アンダーグラウンド」をきっかけに単なる空想の物語を綴る作家から立場を変え、社会にコミットメントする立場へ移行したというのが一つの定説になっています
なので、デビュー作である「風の歌を聴け」執筆時は、上記のハートフィールドのような「文章を武器として闘うことのできる作家」を目指すほどの自覚や覚悟が備わっていたのかは疑問です
ただ、わざわざ架空の人物まで作り出し、「文章を武器として闘うことのできる作家」とのイメージを提起し称賛しているのですから、何らかの思い入れがあったのでしょう。加えて、その行為を不毛であると断じているのは、文章で闘うことの意味に何らかの懐疑を抱いていた可能性が考えられます(例えば、作家が個人的に闘いを挑んだところで、社会は何も変わらないとの諦観)
結論と言い切るほどのものはないのですが、村上春樹のデビュー時は確かにデレク・ハートフィールドのような不毛な闘いを挑む作家、というものに漠然として憧れを抱いていたと推測されます。それが祖父の影響である、という仮説に対しては否定も肯定もできません
物語の外では、ということになるのでしょう。最近の村上春樹の政治的な発言を聞くにつけ、文章を武器に闘いを挑もうとする決意が感じられます。保守政治志向の自分としては村上春樹の政治的発言には賛同しませんが
彼の闘いがどう進展するかはともかく、最新作「一人称単数」は電子書籍で購入しましたので、いずれは当ブログで取り上げるつもりです

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「1973年のピンボール」
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「風の歌を聴け」 鼠は主人公の影
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「ノルウェイの森」 直子と緑
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「ノルウェイの森」 直子の自死について
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中国は村上春樹をどう読んだのか2
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コロナワクチン確保に狂奔する韓国

韓国ではコロナウィルス感染対策のためのワクチンの確保に手間取り、政府への批判が高まっています
日本政府がファイザーから1億2千万回分、モデルナから5千万回分、アストラゼネカから1億2千万回など、約3億3千万回分のワクチンを確保したのに比べ、韓国は11月末段階で確保出来たワクチンは皆無だったからです
その後、アストラゼネカのワクチン2千万回分の確保し契約を締結したものの、全国民にワクチンを接種するには足りません
政府批判をかわすために、文在寅大統領がモデルナ社に電話をしてワクチン供給の約束を取り付けた、と報道されています


2020年12月29日、海外網は、韓国の文在寅大統領が、米国企業に電話をかけ、新型コロナウイルスワクチンの供給を急ぐよう求めたと報じた。
記事は、韓国で近ごろ再び新型コロナの感染が拡大する中、一般市民へのワクチン接種開始が2021年2月と米国、英国などより遅れる予定であり、世論からは政府の対応が不十分ではないかとの疑問の声が出ていると伝えた。
その上で、韓国・聯合ニュースが29日に報じた内容として、文大統領が28日に米製薬会社モデルナのステファン・パンセルCEOと電話で会談し、もともと1000万人分だったワクチン供給を2000万人分に増やすことで双方が一致したと報じている。
また、両者の会談では納期の前倒しについても協議が行われ、21年第3四半期だった予定が第2四半期に早まったと紹介。
同CEOが会談の中で「可能な限り早く韓国にワクチンを提供するよう努力する」と語ったことを伝えた。
(レコードチャイナの記事から引用)

文大統領自ら電話をし、ワクチン確保の目処をつけたと言いたいのでしょうが、どうにも不可解です
この記事はモデルナ社の最高経営者とワクチン供給について話し合い、合意をしたというだけで供給契約そのものを締結したのではありません。あくまでも商取引ですから契約を締結しなければ、何も動き出さないのです。韓国特有の思考、合意したならワクチンを手に入れたも同然、と思い込んでいるのでしょう
そもそもいつから、どれだけの量のワクチンが供給されるのか、具体的な数字は何も明かされていません。来年第2四半期からワクチンの提供が開始されるという「合意」があるだけです(それも文大統領に恥をかかせまいとした社交儀礼的なやりとりだったと推測されます)
政府の遅々とした対応に業を煮やした野党は、アメリカとワクチンスワップ協定を締結しろ、と言い出しています
アメリカ政府が確保したワクチンの一部を韓国に提供し、韓国は後日、生産したワクチンをアメリカへ返すというものです


野党「国民の力」が、米国とのいわゆる「ワクチン・スワップ(Vaccine Swap)」の締結を提案した。新型コロナウイルスのワクチン導入に困難を来たしている韓国が、米国からワクチンの緊急支援を受け、今後韓国の製薬会社の設備でワクチンを代わりに生産するという構想だ。
25日、同党によると、党内の外交安保特別委員会はこのような内容の新型コロナウイルスワクチン導入戦略を立て、外交通の朴振(パク・ジン)議員(特別委委員長)が米政府と議会、シンクタンクに提案した。長期的に米製薬会社も設備増大の効果があるため、両国いずれにも利益になるという論理だ。
同党は、政府をあげてワクチン・スワップを推進するよう政府与党とも協議する方針だ。
(東亜日報の記事から引用)


韓国とアメリカが締結している自由貿易協定の中に、医薬品の相互提供という項目があり、融通し合うよう定めているのだそうです
しかし、アメリカ政府が確保したワクチンを、ホイホイと韓国に提供するとは思えません。何のメリットもないのですから
韓国の野党は「アメリカにもメリットはある」と力説しているものの、上記の記事にあるように理解不能です。特にアメリカ第一主義を掲げるトランプ政権に、他国にワクチンを分け与えるなどという考えがあろうはずはないわけで
さて、韓国は今年の5月頃、「ワクチン開発の先頭を走っている」と自慢する報道を繰り返していました。その韓国産ワクチンですが、供給開始は今年の年末を予定しているのだとか
先頭を走っているつもりが周回遅れになってしまったようです

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