中学生が大火傷 ファイアートーチ演技の危険

2019年7月、名古屋市守山区の守山東中学校で、野外学習で披露する「ファイアトーチ」の練習中に、中学2年の男子生徒の服に火が燃え移り、右腕に大ヤケドをする事故がありました
この事故の際、指導していた教師が「バチが当たったんだろう」とか「自業自得だ」などと発言しており、問題になりました
ファイアトーチにはいくつかの形状があるのですが、一般的にはステンレスのような金属棒に綿の布を巻き付け、灯油を染み込ませて火をつけるようになっています。これを以下のように振って、演技をするというものです(なお、動画は事故とは関係ありません)

あすなろ学童トーチトワリング2014キャンプ



火振り回す「トーチ」禁止へ 小中高、やけど後絶たず
名古屋市の市立小中高校が野外活動などで続けてきた「トーチトワリング」(トーチ)について、市教育委員会が事実上禁止する方針を固めた。火がついたたいまつを回す演舞のため、やけどなどの事故が後を絶たず、市教委が「安全確保が困難」と判断した。
トーチは「火の舞」や「火踊り」とも呼ばれ、野外活動のキャンプファイアなどの際に子どもたちが披露してきた。長さ50~60センチのステンレス棒の先端にタオルを巻き付け、灯油を染みこませて着火し、回しながら演舞する。市内では2018年度、高校14校中4校、中学校110校中109校、小学校261校中32校が実施した。
しかし、昨年7月、市立中学2年の男子生徒が校庭での練習中に、服の袖に火がつき、腕をやけどする事故が発生。灯油を絞り切っていないなど、学校の安全対策が不十分だった可能性が高かったことがわかった。昨年8月現在で、トーチで17~19年度に37件の事故が起きており、市教委は昨年8月にトーチを19年度は行わないよう通知し、今後の対応を検討していた。
複数の関係者によると、有識者から安全面で否定的な意見が相次いだ。児童生徒への調査で、代用のケミカルライトでも火と同等の満足度が得られたことが判明し、市教委は、今後は火を使わず、ケミカルライトを使うなど安全を最優先するよう2月にも各校に通知することにした。
(朝日新聞の記事から引用)

2017年から19年までの間、名古屋市立の小学校から高校がこれを実施し、37件の事故が起きていると記事にはあります。37件も事故があってトーチトワリングを継続していた事実にまず驚きます
運動会における人間ピラミッドや組体操による事故でも書いたのですが、事故に対して鈍感すぎるのではないでしょうか?
もちろん、正しい手順で実施すれば事故が起きないといえるのでしょうが、こどもが取り組む以上、事故が起きる可能性を常に考慮しておく必要があります
毎年のように火傷する事故が発生しているのにトーチトワリングを実施しなければならない理由、事情があるなら聞かせてもらいものです
確かに見た目はきれいで鮮やかですが、灯油を使用して火を燃やすからには火傷の危険が常に伴うのであり、火傷を覚悟してまでトーチトワリングを実施する必要性を自分は理解できません
確かに野球でもサッカーでも、体育の授業でも、調理実習でもケガをする危険はあるわけですが、トーチトワリングは学校教育における必須教科というものではありません。ただ、名古屋市が実施している野外活動訓練のプログラムに盛り込まれているから、実施しているだけなのでしょう
中身を考慮せず、安全性も検討しないまま、他校もやっているからと漫然と実施しているではないのか、という気もします
将来、軽業師とか曲芸師を目指すのなら必要な技能かもしれませんが、一般の児童や生徒には必要とされない技能であり、何が何でもトーチトワリングをマスターさせる必要はないと考えます。むしろ、嫌々取り組む児童や生徒がいる方が、事故の危険性が高まるのでは?

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