茨城一家殺害事件を考える 容疑者は10年前のナイフ少年か

今年1月、写真週刊誌「FRIDAY」が茨城一家殺害事件の有力な容疑者の身柄が警察に確保された、と報じました
茨城一家殺害事件とは2019年9月、釣り堀に囲まれた一軒家で、小林光則さん夫婦が殺害された事件です
その後、続報がないままだったのですが、「週刊女性」は掲載記事で確保された容疑者が10年前にナイフで女子中学生や小学生を襲った少年であると明かしています。もちろん、茨城一家殺害に別件で逮捕された岡庭由征容疑者(25)が関与しているとは明かされておらず、目下捜査中なのでしょう


《茨城一家殺傷事件》捜査線上に浮上した、「第二の酒鬼薔薇聖斗」元少年Aの行方
その男A(20代)の危険な行動については、近隣住民の間でも知れ渡っていた。
「彼が少年時代、猫の首を切り、その死骸を家の周りに埋めていたそうですね。警察犬を連れた捜査員が、捜索に当たっていたと聞きます」
「最近では、爆弾の材料を持っていたと近所の人が言っていました」
そんな悪い噂は広まる一方、Aの人となりについては、「本人を見かけたことがないからわからないんです」
とみな、一様に口にし、謎に包まれたままだ。
埼玉県三郷市の川沿いに立つAの家は、周囲がブロック塀で囲われ、敷地の中は二世帯住宅になっている。
ここからサバイバルナイフや鉈など計71本の刃物が埼玉県警に押収されたのは、今から10年近く前のこと。Aは当時、通信制高校の2年生で、2011年11月、同市の路上で中学3年の女子生徒のあごを刃物で刺してケガを負わせ、さらにその2週間後には、隣接する松戸市の路上で小学2年の女児の脇腹など数か所を刺し、殺人未遂の疑いで逮捕された。
この連続通り魔事件に加え、Aは猫の首を切断したり、放火を繰り返したりした。その行動の奇異性からネット上では、1997年に神戸市で起きた連続殺傷事件の犯人になぞらえて、「第二の酒鬼薔薇聖斗」とも呼ばれている。
昨年11月に元少年は逮捕された
そんなAの家に昨年11月、再び埼玉県警の捜査の手が入った。隣の茨城県警から「殺人のために使えるものを所持している」との情報提供を受け、家宅捜索したところ、硫黄約45キロが見つかったのだ。危険物貯蔵取り扱いの基準に反したとして、埼玉県警は三郷市火災予防条例違反の疑いで、無職のAを逮捕した。
現場には早朝から大勢の報道陣が詰めかけ、「通行止めになるほどだった」(近隣住民)という。
その理由は、Aがある未解決事件の捜査線上に浮上したためである。
その事件は、Aの家から北に約40キロ離れた、茨城県境町の民家で2019年9月に起きた。会社員の小林光則さん(当時48)と妻のパート従業員、美和さん(同50)が何者かに刃物で刺されて死亡し、中学生の長男(同13)と小学6年生の次女(同12)が重軽傷を負った。
茨城県警などによると、犯行時間は午前0時38分ごろ。美和さんが「助けて」と110番通報して事件が発覚。犯人は小林さん宅に侵入し、2階の寝室に直行。光則さんの胸や美和さんの首に刃物を突きつけて殺害した後、子ども2人の部屋に押し入り、足や腕などを切りつけた。


長文の記事なので一旦、ここで切ります
岡庭由征容疑者(当時16歳)は2011年の事件で逮捕され、大人と同様の刑事処分が適切であるとして家庭裁判所が検察官に送致したのですが、さいたま地裁は「保護処分が適切である」としてさいたま家裁に送り返す決定を下しました(検察の求刑は懲役5年以上10年以下の不定期刑)。その後の処分がどうなったのか今日の時点では未確認ですが、おそらく医療少年院送致になったものと思います
事件当時、岡庭容疑者の自室にはナイフなど70点もの刃物があり、その異常な数に驚かされたものです
岡庭容疑者は三郷地区でも有名な地主の一族の息子です。親が岡庭容疑者にねだられるまま刃物を買い与えていたと報じられ、世間を呆れさせました
今回は岡庭容疑者が自宅に大量の硫黄と土壌改良剤を保管していた三郷市火災予防条例違反の疑いで、逮捕に至ったわけです。土壌改良剤という名称ですが、爆弾の材料にもなる薬品です。硫黄と土壌改良剤の組み合わせですから、岡庭容疑者が爆弾を作ろうとしていたと推測され、無差別大量殺人を企図していた可能性も考えられます
さて、茨城一家殺害事件に話を戻すと、強盗目的の犯行ではなく殺人が狙いの犯行だったと解釈し直すべきかもしれません
岡庭容疑者の中にある殺人への衝動が高まり、刃物で人を殺したいとの思いが抑えきれなくなったのでは?
そして刃物で人を殺す経験をした岡庭容疑者は、さらなる大量殺人を思い立ち爆弾の材料を買い集めた…という仮説が提起できます
今日はここまでにして、続きは明日以降書きます

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146キロ暴走事故でも「危険運転ではない」と控訴審判決

2018年12月、津市の国道を時速146キロで暴走し、タクシーに衝突させて4人を死亡させた事故では、1審津地裁が危険運転致死罪を適用せず、過失運転致死傷罪で懲役7年の判決を下していました
これが危険運転でなくて、何が危険運転なのかと言いたくなる事件でした。なぜ、危険運転致死罪の適用を見送るのか、理解できません
控訴審となった名古屋高裁の判決も1審を踏襲したもので、危険運転致死傷罪は適応せず、過失運転致死傷罪で懲役7年の判決を下しています


津市の国道で2018年12月、乗用車を運転中にタクシーと衝突して5人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われ、1審・津地裁で同法違反の過失運転致死傷罪が適用された元会社社長、末広雅洋被告(58)の控訴審判決で、名古屋高裁(堀内満裁判長)は12日、懲役7年(求刑・懲役15年)を言い渡した1審判決を支持し、検察、被告側双方の控訴を棄却した。
時速146キロで車を走行させていた末広被告の運転が「進行を制御することが困難な高速度での走行」に当たるか、末広被告が危険な運転と認識したうえで事故を起こした「故意」があったかが焦点となった。1審判決は、タクシーを含む他の走行車両によって幅やルートが限定された進路を時速146キロで進むことは制御困難な運転だったとして、「故意犯に準ずる非常に危険で悪質な行為」と認定したが、高裁判決は「タクシーが進入してくることは事前予測が困難で、(他車の進入を)『進行制御困難』の判断要素に入れるのは相当ではない」と認定した。また末広被告が衝突直前に接触を避けるため車線変更している点を挙げ「進路を制御できなかったとは証明されていない」と指摘。その上で「1審判決には事実誤認があるものの危険運転致死傷罪を否定した結論は正当」とした。
弁護側は「末広被告に優先通行権があり、十分な安全確認をせずに道路に進入してきたタクシーの責任も大きい」と量刑不当を訴えていたが、判決は「傍若無人な運転で4人を死亡させ、1人に重傷を負わせた結果は重大で、法定上限の量刑は正当」として退けた。
名古屋高検の中村孝次席検事は「判決内容を慎重に検討し、今後の対応を決定したい」とコメントした。末広被告の弁護人は取材に「適切な判決と考えている」と話した。【井口慎太郎】
◇危険運転致死傷罪適用せず 遺族憤り
2審・名古屋高裁判決は、危険運転致死傷罪の条文に定める「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」の解釈について、1審・津地裁と異なる判断を下した。遺族は「納得できない」と憤り、専門家は「遺族には理解できない判決」「客観的な視点の判決」と評価が分かれた。
会社の同僚らと一緒に乗ったタクシーが事故に巻き込まれて死亡した大西朗さん(当時31歳)の遺族は判決後、名古屋市内で記者会見した。母まゆみさん(61)は「悲しいを通り越して悔しい。こんな裁判例を残したら今後のひどい事故にも影響が出る」と話した。
父正晃さん(68)は「最悪の結果になった。これ以上のことは私たちにはできないのでは」と肩を落とし、朗さんと婚約していた牛場里奈さん(34)は「感情が止まっている。家族や恋人があんな亡くなり方をして納得できる人はいるのか。法律を変えてくださいというしかない」と訴えた。
(毎日新聞の記事から引用)


146キロで走行していても車を制御できていた、と判断する根拠がさっぱり理解できません。制御できていないから事故になったのであり、制御できていたというなら事故は起こらないはずです
末広被告は過去8回も事故を起こしているのであり、運転の質に問題がある人物と考えるしかありません
その危険な運転で4人の命を奪っておきながら、「危険運転ではなかった」と判断し懲役7年で済ませる裁判官の判断は大いに疑問です
危険運転致死傷罪で懲役20年くらいが相当でしょう
交通事故に詳しい弁護士は、「危険運転致死傷罪についてさまざまな判決が出ているが、今回の判決は同罪の適用範囲が拡大しないように警鐘を鳴らしたと言える」と述べています。つまり、なんでもかんでも危険運転致死傷罪を適用すべきではなく、厳格に法を運用すべきだと言いたいのでしょう
しかし、それでは立法の趣旨をないがしろにする結果になってしまいます

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