三春町ひき逃げ殺人 死刑を求刑

昨年5月、福島県三春町で清掃ボランティア活動中だった男女2人を、住所不定無職の盛藤吉高被告がトラックではね、死亡させる事件がありました。これは単なる交通事故ではなく、刑務所暮らしに戻りたいと願った盛藤被告が故意にトラックではねた殺人事件です
福島地裁郡山支部での裁判員裁判で、検察は盛藤被告に死刑を求刑しています
まずはその前の公判の模様を伝える報道から引用します


三春町で昨年5月、道路で清掃作業中の男女2人を故意にトラックではねて殺害したなどとして、殺人やひき逃げの罪に問われた本籍伊達市、住所不定、無職盛藤吉高被告(51)の裁判員裁判第2回公判は8日、地裁郡山支部(小野寺健太裁判長)で開かれた。被告人質問で盛藤被告は「社会で生活する自信がなかった。刑務所は衣食住が保証されていて、戻りたかった」と動機を語った。
盛藤被告は出所後、住み込みで働くことが決まっていたが、事件前日の夜に対人関係や仕事、土地勘がないことなどに漠然とした不安を募らせ、刑務所に戻るためにトラックでのひき逃げを思い付いたとした。
事件当日を「縁石などの障害物がない場所を歩く2人連れを探して回った」と振り返り、一定程度の刑期にするために2人組にこだわって無差別にはねたと説明。現場で被害者2人を発見すると、一度通り過ぎてUターンし、徐々にアクセルを踏み込み加速して2人をはねた―と説明した。
争点の殺意の程度を巡っては、弁護側の「殺そうとしたのか」との問いに「そこまで考えていなかった」と回答。改めて確定的な殺意について否定した。
盛藤被告はこの日も、消え入るような声で「そうだったと思う」「ですかね」などの曖昧な回答や沈黙を繰り返した。小野寺裁判長や弁護側から計約40回聞き直されたり「もう少し大きな声で」と注意を受けたりする場面もあった。
(福島民友新聞の記事から引用)


刑務所から出所してわずか2日で「刑務所に戻りたい」との身勝手な考えによる犯行であり、被害者のことなどまったく頭になかったわけです。法廷でのやり取りは記事に書かれている部分しか分からないのですが、受け答えの様子から盛藤被告は知的能力がやや低いのではないか、という気がします
盛藤被告は前科3犯だとする報道もありましたが、よほど刑務所の居心地が良かったのでしょうか?
記事を読む限りは、新しい職場での新しい人間関係を過剰に気にしており、むしろ臆病と言えるほどです
それゆえ、刑務官に指示されるまま刑務作業に従事し、何も考えなくて済む暮らしの方が自分には適している、と思い込んでいた節があるのかもしれません。刑務所に複数回、服役する受刑者の中には、知的障害者やそれに近い人間が存外、多いのが現実です
ただ、これで無期懲役判決が下ったなら、盛藤被告の狙い通りになってしまいます
たとえ死刑判決が下ったとしても、すぐに執行されるわけではなく、10年から20年くらいは死刑囚として拘置所暮らしになります。死刑囚は刑務作業に従事する必要はありませんので、日々食べて寝てを繰り返すのであり、これも盛藤被告の願望に近い生活でしょう
書くまでもないのですが、盛藤被告に被害弁償をするだけの財産はありません。そして被告が刑務所暮らしを望んでいるとなれば、被害者2人の遺族が憤るのも当然です。法廷に立った遺族は極刑を求めています
判決は6月24日に言い渡されます。どのような判決になろうと、救いのない事件です

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林真須美死刑囚 再審請求の行方

繰り返し、和歌山カレー事件の林真須美死刑囚による再審請求に言及します
掲示板を見ていると、再審請求が受理されたとの報道を受け、「再審が認められたのだから無罪が確定。日本では再審が認められたら無罪判決が出る」との書き込みがありました
今回は再審の請求を裁判所が受理した、という話であって再審開始が決定したわけではありません。そこを混同している方が少なからずいるようです
再審を開始するかどうか、裁判所が判断するのはこれからであり、まだ何も決まっていない状態です
今回は和歌山カレー事件の取材を続けているノンフィクションライターへのインタビュー動画を紹介します
丹念に取材している人物だというのは分かりますが、会った人物の言い分をそのまま信じ込むのはどうなのか、と思ってしまいます
林真須美に事件を起こす動機はない、との見解をライター氏は堅持しているわけですが、そう決めつけているだけで裏付けるための取材しないのが不思議です


新作 #7【ノンフィクションライターが見た事件】/林眞須美が冤罪だと思ったきっかけ/不可解な保険金詐欺事件/貴重な証言者/事件当時のずさんな報道/【和歌山毒物カレー事件】



動画を視聴しても、これまでブログに書いてきた自分の疑問はそのままです。冤罪だと最初から決めつけた取材では、見えるものも見えてこないのではないでしょうか?
当時の捜査や取材がずさんなのはその通りでしょう
しかし、三浦和義は和美さん銃撃事件では無罪判決を受けていますが、殴打事件の方は有罪判決が確定し服役しています
そして三浦和義が和歌山カレー事件の真相を知っているはずはなく、単に自身の思い込みで冤罪だと主張しているにすぎません。が、ライター氏はなぜかその主張を信じてしまっています
同じように、林健治が保険金詐欺のため自分でヒ素を飲んだ、との主張をライター氏は疑うことなく信じています。林健治本人が口にしているのだから保険金詐欺事件の真相だ、と決めつけるのは大いに疑問です
林夫妻の間で保険金を騙し取る共謀は一切なかったと言いたいのであれば、疑わざるを得ませんし、林真須美が夫を殺害して保険金を手にしようという企図がなかったとは考えられません。決して円満な夫婦ではなかったのであり、互いに犯罪の証拠を握り合っている共犯関係だったからこそ、表向きは共同歩調を取っていたのでは?
加えて、近隣住人や町内会と林家の対立をなぜライター氏は無視するのでしょう
林家は長年、町内会活動に参加せず、夏祭りにも関与しなかったという話があります。ただ、あの年だけカレー鍋の当番を引き受けた、のだとか。が、カレーは食べず夏祭りにも林真須美は顔を出していません
控訴審で林真須美がわざわざ近所の住人2人の名前を挙げ、犯人であると主張したのですが、そこをライター氏が取材しないのも疑問です
一審の和歌山地裁の裁判で林真須美が黙秘を貫いたまま死刑判決を受けていますが、動画の中では「自分の裁判が長引くので夫健治を先に出すためだった」と説明しています。これも過去に報じられた話ですが、自分には不可解に思えます。死刑を求刑される重大事件なのですから、無罪だというなら一審から全力で潔白を証明するのが当然、と思うわけで
最後に林真須美が犯人でないのなら誰の仕業なのか、と問われてライター氏は考え込んでいます。カレー鍋にヒ素を混入させるだけならこどもでも可能な犯行です。こどもであれば、ヒ素の量がどれだけなら死に至るか知らないまま、適当に混入させたとも考えられます。夏祭りにカレーで中毒(下痢や嘔吐は起こすものの誰も死んだりはしない)を仕掛け、内心快哉を叫ぶくらいの軽い動機であったかもしれません
が、前提としてヒ素を手に入れる必要があり、当該地区の家庭で可能だったのかどうか?(林家のこどもが犯人だと断定する意図はありません。あくまで仮定の話です)
農薬としてヒ素を含有する薬剤を自宅に所持している家は珍しくなかった、と報じた記事もありましたが、実際はどうだったのでしょう

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