「中国アニメは天才に頼らず日本を超える」との記事

「日本のアニメが『中国で負ける日』が来る」と、煽るようなタイトルの記事がハフィントンポストに掲載されていますので、取り上げます
タイトルに煽りを入れて読者の気を惹き、アクセス数を稼ぐ思惑があるのでしょう
長文の記事なので、全体を読みたい方は以下のアドレスにアクセス願います

日本のアニメが「中国で負ける日」が来る。「天才に頼らない」戦略が、圧倒的な差を覆そうとしている
(前略)
日本のアニメ業界関係者を「これを中国が作ったのか」と驚かせた作品がある。現地で人気のウェブ小説が原作で、ネットゲームの世界を舞台にした「全職高手(マスター・オブ・スキル)」だ。主人公たちが武器や魔法を駆使した戦闘シーンなどの描写が高く評価されている。
「制作工程や技術は、基本的に全て日本から勉強したものです。2Dアニメは特にそうですね」と瞿史偉(く・しい)代理社長は話す。
中国の会社は過去にアニメ制作の下請けをした経験によって成長してきた。アニメの質を大きく左右する原画作業も「中国や韓国の単価が安かった時代は下請けに出されることも多かった」と振り返る。
中国側も技術向上に積極的だ。日本に留学し技術を学んだアニメーターもいるが、「中国の場合は、アニメの専門学校というより美術大学を卒業した人材が多い。もちろん時間はかかりますが、表現力に基礎があるぶん上達が早いのです」という。

以前にも紹介した記憶があるのですが、「全職高手」は第2期が制作・放映されています。それだけ人気があるのでしょう
ただ、これが驚くべき作品であるとは思えません。全体の構図(見せ方、カメラワーク)など、もっと工夫があってもよいのでは?
アバターが棒立ち状態のまま延々と会話しているシーンをなど、演出の力不足を感じてしまいます。加えて、格闘シーンも物足りません(「呪術廻戦」と比べれば大きく劣ります)

全職高手 第2期 The King's Avatar



制作側の技量が向上し、中国産の原作も増えた。日本アニメが徐々に淘汰されつつあるのは当然の流れだと瞿さんは言う。
「なぜ、かつては日本アニメのインパクトが強かったか。中国には(レベルの高い)アニメがゼロだったからです。何もないところに別世界のものが入ってきた。『こんな面白いものがあるのか』と感動を受けたくらいです。スラムダンクやドラえもんは私たちにとっても国民的な作品なのです」
「日本アニメが急に無くなることはありません。ただ中国人消費者にとって、より面白いものを作れるのは中国人クリエイターです。今までは自分たちで作れないから日本のものが入ってきましたが、作れるようになれば中国製が強くなるのです」

日本のアニメが本当に淘汰されているのか、中国側の国産アニメ優遇策によるものではないか、との疑問があるのですが、取材に応じた中国人クリエイターにすれば中国アニメの質・量とも向上し、日本アニメを追いやりつつあると言いたいのでしょう
ただ、どこまで中国アニメが多様な作品、面白い作品を供給し続けられるのでしょうか?
中国国内のさまざまな規制が緩和されたわけでもなく、百合アニメやBLアニメは相変わらず取締りの対象でしょうし、政治的な陰謀劇といったものもご法度でしょう
スラムダンクに取って代わるようなスポーツ根性アニメが中国にあるのなら、紹介してもらいたいところです

原作の供給増加、アニメ化の技術向上、雇用状況の改善...中国アニメはすでに、無敵を誇った日本アニメのシェアを目に見える形で奪いつつある。両者の差はどのくらい詰まっているのか。瞿さんは「個人的な意見」としたうえでこう話す。
「日本には『天才』がいます。鉄腕アトムの時代から、最近では『エヴァンゲリオン』の庵野秀明さんまで。そういう存在は中国にはまだいません。トップ層は日本の方が全然強いのです。ただ天才は相応の給料をもらっていても、その下の人たちは(生活も)大変だと思います。天才たちの栄光を頼りにするのは限度があるのではないでしょうか」
では、中国に天才は生まれるのか。
「時間はかかりますが、掘り出しますよ。マーケットがそれが要望していますから」

マーケットの要望に応えて天才が出現するなら、苦労は要らないのでしょうが
中国が全国の大学に漫画やアニメに関連した学科を設け、人材育成に乗り出して15年以上経過したのかもしれません。人材は豊富に供給され、アニメーションに関わる層は厚みを増したはずです
そして制作本数は日本を既に上回っており、市場規模でも中国の方が上でしょう
ただ、日本人が中国アニメと訊かれて思い浮かべられる作品は皆無、という状態のままです

■天才に頼らない時代へ
中国勢の進撃に危機感を抱く人がいる。中国の知的財産法などが専門の弁護士・分部悠介(わけべ・ゆうすけ)さんだ。中国の海賊版対策に第一線で関わってきた経験を持ち、日本アニメの中国進出にも携わる。
「ここ5年ほどで、中国アニメ産業が底上げされていると感じます。日本アニメ産業はもう少しこの市場を真剣に見ておくべきでした」と分部さん。
これまでは、競合となる中国勢が育っていなかったため「作っていれば中国で売れ、口を開けていればチャイナマネーが入る時代」だったという。しかし認識を変えるべきフェーズにあると訴える。
こうした議論でよく出るのが「中国人は日本のアニメを見なくて結構」といった声だ。
分部さんは「それも一理あります。中国に進出する・しないは企業の戦略次第です」と前置きしたうえで、「日本の市場はシュリンク(地盤沈下)していきます。すぐ隣にエンタメを求める魅力的な市場があれば、重視するのも戦略です。また、日本文化の象徴の一つとして外交的な側面もあると思います」と話す。
中国のアニメ市場は2020年末時点で3.3兆円規模と推測される。統計主体が違うため単純な比較はできないが、日本動画協会が発表した日本の市場規模は約2兆5000億円(2019年)だ。
中国では2021年4月、劇場版「名探偵コナン」が日本から1日遅れで公開され、話題を呼んだ。2016年には新海誠監督の「君の名は。」が大ヒットするなど、明るい話題もある。
「稀に天才が生まれ、その作品は国境を超えます。それが中国でも享受されたということです」と分部さんは話す。一方で「天才はいつ出てくるか分かりません。日本のアニメを中国で継続的にヒットさせる仕組みづくりが必要です」。
分部さんの提言はシンプルだ。
「中国市場を分析し、考え、動くことです。流行っている作品を見て、裏で動いているプレイヤーや構造を知る。新市場に踏み込んでいく上では普通の経営戦略を、産業全体で考えるべきではないでしょうか」

まるで20年前の「バスに乗り遅れるな。人口13億の巨大な市場にいち早く進出しなければならない」と、経済誌などが日本企業の中国進出を煽ったことを思い出します
中国市場の動きを調べ、中国の視聴者の好みに応じたアニメーション作品を作る…という試みをする日本のアニメ制作会社がどれだけいるのか、と思ってしまいます。まずは日本国内市場優先でしょう
庵野秀明が「エヴァンゲリオン」を制作するに当たって、中国の視聴者の好みを考慮する、などというのはありえないわけで
他の天才ではないアニメーターも同じでしょう。中国市場を無視するつもりはないものの、優先順位としては日本が先にくるのは当然です
さらに中国でのさまざまな規制を踏まえ、抵触しないようにストーリーや画を考え、構成するのは随分と手間です。日本のTVアニメならだいたい放送5回めに温泉シーンとかプールのシーンが盛り込まれ、ヒロインの入浴シーンやら水着姿など披露するわけですが、中国では厳しいかもしれません。パンチラでさえ、検閲でハネられるかも
日本には漫画、ライトノベルなど、アニメーション作品の題材たり得るコンテンツが山のようにあるわけで、それらを中国の規制に応じて改変したなら毒にも薬にもならない凡庸な作品になってしまいそうな気もします
天才アニメーターではなくとも、「呪術廻戦」のような呪いを題材にした作品は中国でもやれるのかもしれませんが、あれだけ躍動感と奥行きのある作風・世界観を実現できるのかは大いに疑問です
最近では中国の劇場版アニメーション「哪吒之魔童降世」が大ヒットし、興行収入が160億円を突破したと報じられていますが、残念ながら日本のアニメファンの嗜好とはかけ離れており、日本で劇場公開してもヒットはしないでしょう
もし、日本のアニメファンを唸らせるような作品が中国から相次いで出現するなら、それはそれで結構なことではないでしょうか?
刺激をを受けた日本のアニメーターも奮起し、より面白い作品で対抗するという展開が期待できます

哪吒之魔童降世


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林真須美死刑囚の長女 娘を虐待死させたので自殺か?

和歌山カレー事件で死刑が確定している林真須美死刑囚の長女が、4歳になる娘を道連れに投身自殺した件の続きです
彼女は道連れにした4歳の娘の他に心桜という16歳になる娘がいたのですが、自宅で大量の吐血をし死亡しているのが発見されています。腹部を強く殴られた結果死亡したと推測され、体には幾つもの痣があったのだとか
となれば、長女と同居している夫(再婚相手)が心桜さんに繰り返し暴行を加え、死亡させたと考えられます
長女は上記のように自殺しており、心桜さんが病院に運ばれる際に付き添っていた夫は、その後首吊り自殺を図ったものの死にきれず、警察に保護されて事情聴取を受けていると報道されています
週刊誌の記事とスポーツ紙の記事を引用します


(前略)
37才の女性は14時18分、和歌山県和歌山市の自宅アパートから、取り乱した声で119番通報をしていた。
「娘の意識がない! 呼吸がない! 家に帰ったら娘が倒れていて血のような黒いものを吐いています!」
和歌山市消防局の話。
「すぐに現場に到着しましたが、そのときも母親はかなり動揺している様子でした。ほかに4才の女の子と40代の男性がいて、すでに16才の女の子は心肺停止状態。腹部を中心に、アザがあったと救急隊から聞いています」
(中略)
そもそも、16才の少女に暴行を加える、もしくは死に至るまで見過ごす家庭環境とはどのようなものだったのか。
「あんな赤い外車に乗ってる人は、こんな田舎町ではあの人しかいないですよ」
そう語るのは、現場周辺の住民。
「でも、だからといって派手な印象があるわけではないし、逆に優しそうな夫婦なんです。ふくよかな奥さんと線の細い旦那さんは仲がよさそうで、近所のスーパーで買い物中は女の子と手をつないだり、家の前で家庭用プールで遊んだり……。でも心桜さんを見たことはなかったですね。赤い車でも、奥さんが運転席、助手席に旦那さん、後部座席に小さな女の子というのが定位置でした。3人家族じゃないのね?」
近所の誰にも記憶されていなかった心桜さんが意外な角度から注目を浴びたのは、事件発覚から4日後の6月13日。彼女が、23年前に和歌山市で発生した毒物カレー事件で、死刑判決が確定した林眞須美死刑囚にとっての初孫だったと報じられたのだ。
(女性セブンの記事から引用)

(前略)
なお、9日夜には和歌山市内の路上で心桜さんの父とみられる男性が見つかり、病院への搬送時「首をつろうとしたが失敗した」と話し、県警は男性からも話を聞いている。“事件”のカギを握る存在だが、健治氏も長男もその男性が心桜さんの父なのか確認できていないという。
それにしても、身元の確認に訪れた親族に警察が“塩対応”をするのは不可解だ。元警視庁刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「普通は身元の確認は親族の目視で『間違いありません』とやる。極めてスムーズなものだけに、『捜査中』というのは本当だろうが、奥歯に何かものが挟まったようにも感じる。県警の対応は解せない」と話す。
詐欺罪で実刑判決を受けた健治氏は2005年に刑期を満了し出所。しばらくして、長女が連れてきた心桜さんに会った。毎週金曜日に4人の子供が集まり、手料理をふるまうのを楽しみにしていたが、親を見守り続けると決意した長男とは異なり、娘3人とは次第に疎遠に。その後、長女と孫に会うことはなかった。
(東京スポーツの記事から引用)


近所の住人が3人家族、と認識しているほどですから、心桜さんの姿を見かける機会がなく、心桜さんは自宅に軟禁状態にあったか引きこもっていたと考えられます。中学卒業後、高校には進学しなかったのでしょうか?
別の報道では、虐待が疑われ児童相談所が一時期、介入したとあります
心桜さんの家庭内暴力があったのか、両親による虐待があったのか、現時点では分かりません
しかし、両親とも自殺を図ったとなれば、虐待の挙げ句に心桜さんを死なせてしまったことが露呈し警察沙汰になるのを恐れた、と考えて間違いないでしょう
長女の気性の激しさは母親である林真須美譲りなのかもしれませんが、そうだと決めつけたところで虚しいだけです。林家のこどもたちがカレー事件と保険金詐欺事件で追い詰められ、人目を避けるような生き方を強いられたのは事実であり、長女も精神的に不安定であった可能性が考えられます。心の安定を得るため、林家の人間とは距離を置かざるを得なかったとも考えられます
憶測ばかり書いていますが、いましばらく報道に注視し、何があったのか知りたいと思います

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