小田急切りつけ男 勝ち組女子大生を狙った

小田急線の車内で刃物を振り回し、10人を刺傷させた男が逮捕されています
対馬悠介容疑者(36)の犯行とその前後について、文春オンラインが記事にしています。首都圏内で起きた事件とはいえ、文春の仕事が早いのには驚かされます
被害者の方々が受けた衝撃、恐怖、怒りがどれほどのものであったかと思います。逃げ場のない電車内での凶行であり、対馬容疑者は容赦なく殺す気でいたのですから
以下、文春オンラインの記事から引用します


「勝ち組の典型にみえた」小田急線無差別刺傷 加害者が20代女子大生を執拗に刺したワケと犯行直前の“ある事件”
(前略)
車内で牛刀を振り回し計10人を刺傷
「電車に乗り込んだ対馬容疑者は、持っていたトートバッグから牛刀を取り出し、先頭車両(10両目)から7両目に移動しながら乗客を切りつけっていったようだ。実際に切りつけられたのは4人だが、それ以外にも殴られるなどして、男性5人と女性5人の乗客計10人が重軽傷を負っている。
しかし途中で牛刀の柄が折れたため、トートバッグにいれていたサラダ油を取り出し、周囲に撒いた。チャッカマンで火をつけようとしたが上手くつかず、位置情報がバレないように慌ててスマートフォンを投げ捨て、現場から逃走した」(捜査関係者) 
現場にはサラダ油の容器とみられるものとチャッカマン、そして犯行に使われたと思しき刃物が落ちていたという。小田急小田原線は7日午前0時15分までに計158本が運転を見合わせ、約4万9000人に影響が出た。
「現場から逃走した対馬容疑者は、その後、祖師ヶ谷大蔵駅から北に4キロほど離れたコンビニに入り『自分がやった。逃げるのに疲れた』などと店員に話しています。店員が110番通報をし、午後10時過ぎに駆け付けた警察官がコンビニで身柄を確保しました」(大手紙社会部記者)
警察の取り調べに対し、「6年ほど前から幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思うようになった」などと語っているという対馬容疑者。これほどの凶行に駆り立てた理由は一体何だったのだろうか。取材を進めると、対馬容疑者の当日の足取りが明らかになってきた。
(中略:食料品店でベーコンなど万引し、女性店員に見つかって警察に通報された経緯の記述)
取り調べで「(重症の女子学生が)勝ち組の典型にみえた
「対馬容疑者は『(新宿の食料品店が)閉まっていたから電車で人を殺そうと思った。電車は逃げ場がなく、大量に殺せると思った』などと供述しているようだ。
特に重傷を負ったのは、対馬容疑者が入ってきた入り口の対面に座っていた20代の女子学生だ。対馬容疑者はまず女子学生の正面、右腹部を刺し、逃げようとした彼女を追いかけて後ろからも刺した。女子学生には背中と胸と上腕部の7カ所に刺し傷が確認されている。対馬容疑者は『男にチヤホヤされてそうな女性を殺してやりたい』『(重傷の女子学生が)勝ち組の典型にみえた』などとも供述している」
犯行に使用した牛刀については数年前に「自殺をしようとしてネットで購入した」とも語っているという。警視庁は犯行動機について詳しく調べている。


別の報道によれば、対馬容疑者は青森県五所川原出身で母子家庭で育った、とあります。親戚のいる東京に転居し、都立大付属高校を卒業して中央大理工学部に入学したものの退学し、派遣社員として仕事を転々としていたようです
非正規雇用の「負け組」の若者が、「勝ち組」に見える女子大生を殺害しようとした、と単純な図式に置き換えるのは可能としても、それで事件の意味が見えてきたりはしません
上記の文春オンラインの記事にある、引用では省略していますが食料品の万引事件が本件の引き金になったのかどうかも不明瞭です。店側が警察に通報するのは当然ですし、誤った対応をしたわけでもありません
ただ、一方的に対馬容疑者がひがみ、うらみ、怒りを爆発させたようにも映ります
非正規雇用とはいえ、働いて収入を得ていたのであれば対馬容疑者が生活に困窮するほど追い詰められていたとは考えられず、万引しないと餓死する状況だったとも思えません
なので、万引事件はいくつかあるきっかけの1つ、と考えたほうがよさそうです
根底にあるのは対馬容疑者の抱え込んだ劣等感なのか、不遇感なのか、自分だけが差別されているとの意識なのか、あるいはそれらが混ぜ合わさったものであるのかもしれません。警察の取り調べに対して明確に言語化できるとは限らず、上記のように「勝ち組に見えた女子大生がどうのこうの」との表現でしか言い表せない…のか
いずれにせよ微罪で済むはずはないのであり、殺人未遂で懲役10年くらいは求刑されるはずです。裁判になってから、「殺す気はなかった」と言い出すような変節は止めてもらいたいものです
殺人未遂の場合、量刑は殺人罪と同等とされるわけですが、死刑判決が下されるケースはなく、5年以上の懲役になります。平均で懲役7年前後が相場、とされますが、被害者の数が多ければ刑期が上乗せされます

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作家川上未映子をネットで中傷 320万円の賠償命令

オリンピック東京大会も終わりを迎えますが、出場したアスリートへの執拗な誹謗中傷をSNSに書き込んでいる人物がいると報じられています
誹謗中傷を繰り返すことによって何を得ようとしているのか、望んでいるのか、理解不能です
おそらく、「自分には批判する権利がある。批判する理由がある」と思い込んでいるのかもしれませんし、身許がバレるはずはないのでどれだけ誹謗中傷しても自分は大丈夫と過信しているのかもしれません
アスリートへの誹謗中傷で思い出したのが、作家川上未映子に対する中傷や殺害予告を書き込んだ、として民事の損害賠償請求を起こされた東京新宿区に住む女性の件です
どうなったのか、調べました
今年6月に東京地裁の判決が出ており、名誉棄損及び脅迫行為への慰謝料合計200万円、そしてインターネット上の書き込みから被告と特定するためプロバイダーに情報開示請求を求めた訴訟の費用124万円の、計324万円を支払うよう命じる内容になっています


芥川賞作家の川上未映子さんが11日、自身のツイッターを更新。自身への殺害予告をネット上に書き込んだ投稿者に損害賠償を求めた訴訟の判決が出たことを報告した。
この日、「昨日、東京地裁において、2018年に受けた殺害予告にたいする訴訟の判決が出ました。わたしは和解の提案を退け、名誉毀損、強迫の違法性が認められた結果、被告には請求額の約8割に相当する324万円の支払い命令が下されました」と判決内容を報告した川上さん。
「誹謗中傷や強迫を受けて、訴えを起こすのはいろんな側面で勇気が要ることだと思います。費用はいくらかかるのか、どれくらい時間がかかるのか。さらに厄介なことに巻き込まれるのではないか。勝訴したとしても、結局、精神的にも金銭的にも大きな負担が残るのではないか。本当に不安です」と今回の訴訟への思いを率直に明かし、「でも、昨今のネットにおける誹謗中傷や脅迫は、人の生き死にかかわる問題で、受け流せるものではありません。卑劣な加害行為をした者は必ず『現実的に』追及され『現実的に』罰せられるということ、被害者は決して泣き寝入りしないということを常識として周知する必要があります」と続けた。
その上で「324万円のうち慰謝料は200万、相手が匿名である場合にかかる約100万の情報開示の費用も、今回は賠償額に含まれることになりました。これは画期的なことだと個人的に思っています。これが前例となり、抑止に繋がることを願っています」とし、「また今回は家宅捜査まで行われましたが、被告は初犯で身元が明らかであったことから、逮捕は見送りになりました。これに関しては思うところもありますが、まずは心配くださり見守ってくださった皆様、ありがとうございました。今後ともしっかり対応して参りたいと思います」と結んでいた。
(スポーツ報知の記事から引用)


刑事事件としては被害届を提出後、加害者が特定された上で家宅捜索が行われ、殺害予告を書き込んだパソコンなどが押収されています。が、加害者である女性は初犯という事情もあって逮捕には至らなかった、とされます。その後、刑事処分がどうなったのか、確認できませんでした
厳重注意の上で不起訴処分だったのか、あるいは罰金刑だったのか。顛末が分かり次第、追記します
また、犯行動機もいまいちはっきりしません。犯人は女性だったという情報から、強いて憶測すれば作家川上未映子への嫉妬が根底にあるのではないかと思います。が、女性=嫉妬、と杓子定規に決めつけるのはどうか、という気もします(男性でも著名人に対し、嫉妬の感情を抱いて嫌がらせをする例があります)
さて、刑事事件の処理とは別に民事でも損害賠償請求がなされ、上記の結果となっており、全面勝訴といえる内容です。ただし、被告である女性が判決通り損害賠償の支払に応じるかどうかは別な問題です。資産がないとの理由で支払いを拒むことも予想されるのであり、その場合は強制執行の申立を裁判所に行い、家財を差し押さえて競売にかけ現金化して回収、という手順になります
ともあれ、誹謗中傷に殺害予告までしていた加害者の方は、まさかこんな結果になるとは予想もしていなかったのでしょう。インターネット上の書き込みだから身許はバレないと高をくくっていたはずです
それにしても、誹謗中傷を繰り返す人物を特定するため、いちいちプロバイダーを相手に民事訴訟を起こし、勝訴しなければ身許を特定する個人情報を得られないという制度上の問題をどうにかしてもらいたいものです(個人情報だから裁判所の命令なしには開示できない、とインターネット・プロバイダー側は主張するわけですが)

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